ミュージカルアニー2013

T組 満足度
S組 満足度
公演時期 2013年4月20日(土)〜5月6日(日)
会場 青山劇場
演出 ジョエル・ビショッフ
演出補 伊藤明子
翻訳・訳詞 瀬戸千也子/伊藤明子
振付 ボビー吉野
音楽監督・編曲 神尾修
歌唱指導 青木さおり
訳詞 片桐和子
タップ振付 藤井真梨子
美術デザイン ピーター・ウルフ
照明デザイン 沢田祐二
舞台監督 長沼仁
ミュージカル『アニー』の原作者
脚本 トーマス・ミーハン
作曲 チャールズ・ストラウス
作詞 マーティン・チャーニン

あらすじ

1933年、ニューヨーク。
孤児院で暮らす、赤毛の少女アニー。
孤児院には父親や母親を亡くした子供たちが、たくさんいます。
ただ、アニーの両親だけは、まだわかりません。
『すぐに引き取りにまいります』という、
自分が赤ん坊の頃に書かれた両親の手紙・・・・・
その言葉を信じて、アニーは11年間支えにしてきました。
しかし、いつまでたっても両親は迎えに来てくれません。

ついに、アニーは孤児院を出る決心をします・・・・・

観劇感想
ジョエル氏、13年目の演出。

正直、とりたてて大きな変化は感じませんでしたが、
一番気づいたことは、ストリートチャイルドの演技。
花が売れなくて、あれほどトボトボ歩いていく演技なんて無かった。
S組、T組、両方のストチャが同じ演技でしたから、
完全に変わった演出のひとつでしょう。

あとは、バンドルズとハニガンのかけあいが、つれない感じ。
ちょっとだけラブラブでありつつ、でも私にはオリバーがいる、
って感じの方が、私は好きなんですけど。
バンドルズが可哀相、なんて思ってしまう。
ちょっとぐらいデートしてあげてもいいのにな、と。

ダフィが孤児二人を抱えて回転するダンス。
ここは両組ともに、パワーが無い。
回転のスピードも遅い。
安全上、あえてそうしているのであれば仕方がないけれど、
観ている方にしていると、見応えはなかった。
もっとガンガン回していたダフィ、過去にいますけど。

気になった役者は・・・
主役、アニーの二人。
石川鈴菜
リズミックタウン2008や、葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜2012でも観劇。
ダニエル役は本当に少年っぽかったけれど、
アニーになると全然違います。

最初は少し鼻歌かな〜?と思いましたが、
何回も聞いているとそうでもない。
どんどんよくなる。
歌は文句ないな〜
子役レベルでこれだけ歌えれば、十分すぎるほど十分。
ただ、立ち姿がややガニ股だった気がしますが、
気のせいかな?
それともあえて意識してやったのかもしれませんが。

あくまで、私の印象だと、
演技やルックス的に、2003アニーの下垣真香に雰囲気が似ていました。
演出家的にも、自分好みのルックスの子を、
気づかないうちに選んでしまうのはよくある話。
変化珠はないけれど、こちらは王道のアニーでした。

もうひとりのアニー、吉岡花絵
あくまで今回、私が観た回は少し残念でした。
咳、そして喉の調子も悪く、歌がつらかった。
伝え聞くところによると、この回だけが、
一番調子が悪かったようですね。
観客はそんなことは知るよしもないので、
仕方ありません。
風邪や熱、親御さんが厳重に注意していても、
本番当日に出てしまうことも多数あること、私も承知しています。
舞台観劇の経験上、こういったことは十分に熟知しているので、
体調管理が悪いなんて言いません。

セリフを吐きながら、咳き込んだり、
歌うこともつらくて伸びもなく、かすれることも度々。
でも、後半は持ち直しました。
あえて前半無理しなかった為、
後半は見違えるように声が出ていましたから。
石川鈴菜アニーにひけをとらない歌声。
私はちゃんと観てますよ。
全く問題ないレベル。
やっぱりアニーは、とにかくもソロの歌が最重要ですから。

こちらのアニーは変化球、面白いアニー。
目配りも独特。
優しさ、面白さ、そしてピュアな部分と、いろいろと楽しめます。
それプラス、笑顔で魅了される。
ウォーバックスが彼女の笑顔を見ると、
なぜか許してしまう気持ちがわかる。
ただ、それが自分の「娘」的なものではなく、
「孫」的な感覚かも?

気のせいかもしれませんが、
物凄く失礼ながら、ちょっと首が短く感じました。
子供はみんなこんな感じでしたっけ?
これから成長するので、大したことはありませんが。
不思議となぜか気になってしまいました。

アニーズですが、
今回、みんな歌唱力あります。
歌唱力重視で選んだ気がします。
下手な子いないでしょ?

スマイル組
モリーの陣あいりは、瞳パッチリでかわいい。
セリフもしっかりしているし、演技もできるしで、
王道なモリー。
いずれはアニーも・・・頑張ってほしいところ。

ペパー役の土井ひなたは、
ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2012ではメアリー役。
「ミュージカルアニー2011」ではテシー役でしたが、
私はメアリーの印象が強い。

ペパーにしては可愛過ぎるし、優しい感じがします。
正直、イメージ的だとジュライ。
机に足をのっけるとか、ああいうことができない雰囲気。
あくまでそういうイメージが、私には見えてしまいました。

ケイトの福山さや、テシーの黒木百合愛
ジュライの片岡芽衣、ダフィの吉田菜々
みんな歌唱力あるでしょ?
今回はほんと歌重視だと思う。

トゥモロー組
モリーの長曽我部夢は、かなりカツゼツがいい。
この年齢にしては歌もいいし、演技もよく、
私の予想以上の実力で驚きました。
やりますね、このモリー。

ペパーの前田晴美は、「ちがうかい↑」という感じで、
ちょっとイントネーションが独特。
意地悪な感じのペパーでいいと思う。

こちらの組はペパーとダフィの身長差が逆で、
ペパーの方が背が高い。
今までそんなに覚えているわけではないけれど、
ペパーの方が背が高いというのは珍しい。
その部分だけ、少し違和感ありましたが。
ちなみに、ダフィの住川京香はパンフレットの写真よりも、
実物の方がかわいい。
喋りや雰囲気的にも、子供っぽい印象。

ケイト役、畑すみれは発声もいいし、歌もうまい。
テシーの河賀陽菜、ペパーの前田晴美、 ジュライの原田紗野も。
前述しているスマイル組も含めて、みんなうまい。
下手な子、本当にいない。
そのぶん、逆に個性がなくなって、私としては面白味がない。
子役として、ある意味完成されたレベルなんでしょうね。
商業演劇として、
毎年毎回お客様に質の高いレベルを見せるのは当たり前ですから。

アニーはともかくとして、
アニーズの個性はそもそも確立されているし、
自分勝手に演技変更なんてすることもできず、
そこから大きくぶれることはありません。
そこまでひとりひとりの個性は必要無いもの。
今年はそれが顕著に感じました。

ストリート・チャイルドの豊田桃子
演技が意外と良かった。
前述したように演出が変わったようなので、
その新鮮なイメージが強いためかもしれませんが。
同じく桜井美咲はどちらかというとダンスかな?
特に「NYC」のところ。

大人キャスト

ハニガン役の佐藤仁美
私的には好きな女優のひとりなので、とても期待していました。
あくまで役者として。
「ママさんバレーでつかまえて」のメグミも良かったし、
「非婚同盟」も見てましたからね。主役の伊庭由起子役。
ちなみに伊庭由起子の子役時代を、
今アイドルをやっている林愛夏が演じてます(笑)
意外とつながりあります。

それはさておき、佐藤仁美のハニガン。
けっこう怖くて驚く。
登場シーンから怖かったです。
演技はプロなので言うことないけれど、
歌がここまで歌えるのにはビックリ。
演技的にはメリハリがあるハニガン。
怖い部分とコメディな部分。
怖い部分の方が強いからこそ、
ストレス発散として大声をあげるところは、面白く感じるもの。

グレース役の彩輝なおは去年も見たので割愛。

ルースターの川久保拓司は、
「音楽劇 ガラスの仮面 2008」で桜小路役。
私も観劇しています。
演技うまいし、かっこいいし、歌唱力もある。
言うことないでしょ。

リリー役の杉本有美は、
中野ブロンディーズ 2008で主役の瑞希役。
私も観劇しています。
演技は当時から上手かったので、
私が言うこともありませんが、
歌もここまでうまいとは思いませんでした。
「Easy Street」でも、よく彼女の声が聞こえます。

タップキッズは、
原田かほの笑顔が印象的。
パンフレットの写真よりも、断然かわいい。
あとは、名前を知っていることもあってか、中村優芽
ミュージカル「GANG〜がんばれタイガー!」」2011年や、
他にも観劇していますが、演技的にも実力がある女の子。
タップがどれほどすごいものなのか、
実力はよくわからないので、
私としては、二人の笑顔を見ていて楽しいという感じでした。

それにもまして驚くのは、
今回、タップのスター役って山本実奈だったんですね。
全くチェックしなかったので、パンフレットを読んで驚いたほど。
本当に大きく、そして色っぽくなりました。

小さな頃からなぜか観る機会が多かった。
アニー葉っぱのフレディ東京メッツココスマイル4
GANgTOKYOアリス
知り合いでもないのに、こんなに見ています。
私の場合、一番印象的な舞台は『ベストドリーム』
これは本当に楽しかった。
特に代々木公園での、
自主制作ライブイベントは今でも強く印象に残っています。
何の曲だったかな。
「勇気を出して、言ってみよう!
99%、怒られるって知っているけど。
残りの1%にかけるのよ。
私だってやりたいことぐらい、あるんだから」

この曲、山本実奈はまだ覚えているかな?
メリーポケッツ、復活だな。うん。

そして、未来のスター役の北川理恵はとりあげないと。
最近見たばかりの、Seiren Musical Project 29th 「FAME」は、
物凄かったです。
前回も出演していましたが、今回はついに未来のスター役。
とにかくも「N.Y.C.」のナンバー。
あくまで、私の見解で申し訳ない。

目黒祐樹さんが一番を歌い終わっての間奏、
そしていざ北川理恵が歌う場面。
ここの曲調、何か急に盛り上がりません?
オーケストラも、転調したかのような変わりよう。
まさに彼女の為の演出と見紛うほど。
歌の中に北川理恵ワールドが凝縮されている。
未来のスターという役を演じながら歌いあげる、
短い時間ではあるものの、彼女のひとり芝居。
ここはアニー度外視しても、魅了されるでしょう、彼女に。
それだけ異彩を放つ。
ジョエル氏も、そうとうここは気に入ったのではないでしょうか?
でないと、ここまで強調しないもの。
北川理恵の実力を見て、少し演出を変えた・・・なんて思うのは気のせい?

総括
二人のアニーともに申し分ない出来ばえ。
私が観た回はちょっと残念な体調もありましたが、
それほど問題があるものでもありません。
アニーズなんて、ほぼ全員歌唱力ありますからね。
もう、歌えないアニーズなんて出てこないでしょう今後。
それだけ「ミュージカルアニー」は、
まず歌えないとお話にならない。

ただ、あくまで全体的な面白さとしては、
去年の方が印象強いです。
去年は両アニーもさることながら、
松本明子や松田賢二の面白さが加わったので、
「コメディ」「新鮮さ」が強かったのかも。

同じことを何年もやりつつ、
微妙に変化させていくことは難しい作業。
(敬称略)

ミュージカルアニー過去の観劇感想
1993 1994 1995 1996 1997
2000クリスマスコンサート
2001 クリスマスコンサート
2002年1回目 2回目 東京千秋楽 クリスマスコンサート
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