◆  『アニー』2006年

◆公演時期   2006年4月22日(土)〜5月7日(日)
◆会場 青山劇場
◆演出 ジョエル・ビショッフ
◆演出補 伊藤 明子
◆翻訳・訳詞 瀬戸 千也子
◆振付 ボビー吉野
◆音楽監督 栗田 信生
◆歌唱指導 呉 富美
◆訳詞 片桐 和子
◆タップ振付 藤井 真梨子
◆美術デザイン ピーター・ウルフ
◆照明デザイン 沢田 祐二
◆舞台監督 長沼 仁
ミュージカル『アニー』の原作者
◆脚本 トーマス・ミーハン
◆作曲 チャールズ・ストラウス
◆作詞 マーティン・チャーニン

あらすじ

1933年、ニューヨーク。
孤児院で暮らす、赤毛の少女アニー。
孤児院には父親や母親を亡くした子供たちが、たくさんいます。
ただ、アニーの両親だけは、まだわかりません。
『すぐに引き取りにまいります』という、
自分が赤ん坊の頃に書かれた両親の手紙・・・・・
その言葉を信じて、アニーは11年間支えにしてきました。
しかし、いつまでたっても両親は迎えに来てくれません。

ついに、アニーは孤児院を出る決心をします・・・・・


観劇感想

ジョエル氏、6年目の演出。
私が見たのは、加藤茜(昼)服部杏奈(夕)の順番でした。

加藤茜、服部杏奈、両アニーとも素晴らしかったです。
オーディションがいかに激戦であったかわかります。
他の最終に残った人たちも紙一重だったことでしょう。
ただ、杏奈ちゃんはね・・・・・・

メイキングであまり稽古風景を見せなくなったのはこのためですね。
特に今回の杏奈ちゃんがメイキングで稽古風景を見せてしまったら、
舞台を観る時の感動が薄れてしまいます。
何の先入観もなく舞台を見て、
「えええええっ〜〜〜!!!」って驚くのがいいです。

今回はウォーバックス役に目黒祐樹さん、ハニガン役に辺見マリさんが配役されました。
ふたりとも実力があって安定していたので、舞台全体が引き締まりました。

タップキッズの登場シーン。去年とほとんど同じですね・・・
それから、去年も書いたのですがアニーズはいらないです。
タップキッズだけでやってほしい。
広い舞台を生かし、大きく見せたい気持ちはわかるのだけれど、
タップキッズの存在感すら薄れる危険性がありますから。
タップキッズをもっと全面に、もっとたくさんの見せ場を作ってほしいです。
去年と同じで、私はここだけは好きになれません。

ウォーバックス邸での掃除の際に起こるハプニングは、
今回ワンテンポタイミングをずらしました。確実性を増すためでしょう。

今回「モナリザ」が登場しましたが・・・「ダヴィンチ・コード」の伏線なのか?
と勘繰ってしまいました。もしかしたら、特に意味はないかもしれませんが。

ダンスでは、テーブルを使ったものがありました。
なかなか面白い演出だと思います。スカートを直したりするところもあったり、
細やかなところがあって私は好きです。

『Easy street』のナンバー、今回はキスは無し。良かったです(汗)

腹話術の人形ですが・・・新しくなってますよね?
それだけの予算が組まれたんでしょうね。スポンサーの方に感謝です。
スポンサーあっての舞台ですから。

気になった役者さんは……

アニー役の加藤茜ちゃん。
じつは彼女の演技を観るのは初めてなので、とても楽しみにしていました。
セリフまわしもいいし、カツゼツもしっかりしているし、表情の変化も抜群です。
見ていて本当に楽しいアニーです。
良い意味で、目で人を殺せる感じですね(爆)
それだけ魅力的ということ。

声質は意外とアニメっぽい感じですね。ちょっとビックリしました。
名塚佳織とまではいきませんが、なんとなく似ていました。
さらに、彼女の歌唱力もややアニメっぽいのですが、
私の感性にあった歌い方なので、大好きになりました(笑)
歌い方は完全に好き嫌い好みの問題ですから。
とにかく歌い方は好き。

ひとつ思ったのは、けっこう語尾が上がることがありますね。
劇団四季の影響でしょうか?

同じくアニー役の服部杏奈ちゃん。
茜アニーが自分としてはかなり好きなアニーだったので、
杏奈アニーがどう演じるのか、ちょっと不安でした・・・
しかし、それは完全に杞憂に終わります。
これがね・・・凄いんですよ。
完璧とか、そういう次元を超えてるんです。
ハッキリ言って、今までにないアニー像を杏奈ちゃんは確立しました。
誰もやったことがないアニーです。
言うのは簡単ですが、それを実際に舞台上でしてしまうところに恐ろしさを感じます。

アニーとウォーバックスが初めて出会った時のやりとりが、まず面白いです。
(男の子じゃなくてごめんなさい・・・というところ)
また、「アニーが来たからね」のセリフも面白い。
独特のイントネーションのところがあるんですよね。
さらにウォーバックスが一緒に行かないことに対しての、
「う〜ん、そっか〜」
「残念だな〜」
は秀逸!!すごいですよ、この微妙なセリフの表現の仕方は。
今までにないイントネーション。彼女オリジナルでしょうね。

さらにさらに、
「じゅぅぅ↓いっさいだよぉ〜↑」
ここも素晴らしい!
たいていの場合は「じゅぅぅ↑いっさいだよぉ〜↑」と上り調子のセリフ遣いになるのに対し、
彼女は「じゅぅぅ↓」と一回下げるんですよ。そして「いっさいだよ〜↑」とあげる。
単純なようで、この微妙なイントネーションを作り上げるのは並大抵ではできません。
それをサラッと自分の中で消化してしまう・・・・・凄すぎ。

昔と比べて表情付けが尋常ではないほどうまくなりました。
「見ていて楽しい」を通り越すほどの凄さ。
グレースとウォーバックスの関係を悟って見つめるしぐさ。
面白過ぎ・・・・・・今までにありえないですよ、アニーがこんなことをするなんて!
それをしてしまうのが杏奈アニー。何者なのかと(笑)

杏奈アニーを見ていてひとつ思うのは、彼女の少年らしさ。
これが一番思い浮かびました。
少女というよりも、少年のいたずらっぽい雰囲気。
それが杏奈アニーの魅力だと思います。

歌唱力は、じつのところ戸惑ってます。
「Maybe」はややかすれたように思えました。
喉の調子はそれほどよくないのかもしれません。
ところが「Tomorrow」では声量あふれる超絶な歌唱力!!
誰もが聞き惚れます。
これはどうしてかな〜?と自分で分析すると・・・
もしかしたら、使い分けしているのかもしれませんね。
「Tomorrow」に力をいれるために、「Maybe」では力をセーブしている・・・
あくまで私の予想の範囲内ですが。

特徴的なものが視線の動き。
常にそうするわけではありませんが、途中、ふと視線をやや下に向けるんですよ。
そして、ゆっくりと見上げるように視線を動かします。
この一連の動きが秀逸!
じつはこれって、女優の吉永小百合さんの話し方に似ているんです。
同じように視線を斜め下に向けて話し、そして見上げるようにする・・・・・
色気というか、間というか、それをかもしだしているんです。
それを知ってか知らずか、彼女はやってるんですよね。
これには恐れ入りました。

あまりこの言葉は安易に使いたくないのですが、あえていいます。
間違いなく『天才
北島マヤにはおよばなくても、乙部のりえは超えてます(爆)
それに+して努力をしていることは言うまでもありません。
このアニーは観ないと一生後悔するでしょうね。
そして、永遠に語り継がれることは間違いないです。
もちろん、これをOKさせたジョエル演出がすごいことも忘れずに。

ちなみに、いつも重要視されるウォーバックスさんとのロケットのシーンですが、
そこだけは茜ちゃんの方が私的には好きです。

ダフィ役の大山知理ちゃん。
彼女は瞳に特徴があるため、すごく目立ちます。
表情付けもいいですね!変化あると楽しいですよ。
蛇足ですが、モリーを回転させるスピードはかなり速かったです(笑)

同じくダフィ役の安西楓ちゃん。
彼女も表情が豊かで見ていて楽しいです。
両ダフィとも意外と目立ってました。

ジュライ役の小川苑子ちゃん。
腹話術をしながらの歌でしたが、それだけでも彼女の歌唱力がわかりました。
たぶん、普通に歌ってもうまいと思います。
声も良くでていました。

同じくジュライ役の生駒春奈ちゃん。
喋り方に独特なクセがありますね。わざとかな?
気になったのは腹話術のところ。
特に腹話術をしていないで、普通に歌っていたように思えたのですが、
真相はどうなんでしょう?

ペパー役の植野真友ちゃん。
正直、ペパー役としては美人すぎる(爆)
そんなこと言うと、過去のペパー役に怒られますが(汗)
笑顔を見せる時があるのですが、それが抜群にかわいいんですよ。
気の強さ+本当は心の優しいペパーという意味合いは、
過去にペパー役の子が何度もしているのですが、彼女は・・・優しすぎるかも。
下手ではないので、好き嫌いの問題。

同じくペパー役の小坂華加ちゃん。
彼女は体の線がかなり細いですね。
ダンスは機敏に動いていました。
彼女も、気の強いところもあるけど本当は優しい心を持つというペパーのイメージ。
最近はみんなこんな感じのペパーを演じている人が多いです。
私はあえて、その優しさを見せずに、
気の強さを全面に押し出すペパーが好きなのですが・・・

テシー役の金本南希ちゃん。
彼女の表情付けは抜群!見ていて楽しいです。
セリフもしっかりしていて発音もいいです。
特に後半のソロは秀逸!
素晴らしい歌声を披露してくれました。
あれだけで、かなり印象に残りましたね。
この子は伸びるでしょう。

同じくテシー役の斉藤瑞季ちゃん。
ルックスに関しては言うまでもなくかわいいです。アイドル的。
特にテシーではなく、タップを踊る時の髪形がいい(笑)
彼女はすでに人気があるようですが、さらに人気が出るでしょう。
ソロがあるので、歌唱力をもっと頑張ってくれると嬉しいです。

ケイト役の荒原美咲ちゃん。
元モリーということもあり実力もあるので演技はうまいです。
言うことないですね。

同じくケイト役の吉池愛さん。
彼女は眉毛の使い方がうまいですね。
それを表情付けにうまくいかしているような気がします。

モリー役の岡田花梨ちゃん。
表情がいいですね。
まゆげが太くて印象的。
できたら細くしないで、そのままにしてほしいけど、
年頃になると細くしたくなるんですよね(汗)

同じくモリー役の村田佳穂ちゃん。
演技的には彼女の方が好きですね。
しっかりしている印象があります。

今回のストリートチャイルド役、伊藤麻友ちゃん、村山留美ちゃん。
あれだけでは、感想も書けないです。ごめんなさい。
この演出では、ストリートチャイルド役の必要性すら疑問に思えます・・・・・

タップキッズでは、私が注目していた川崎春香ちゃん。
ダンスの素晴らしさは言うまでもないのですが、
今回はそんなにダンスっぽいところがないので残念。
(タップメインなので当然なのですが)
ところどころにはあるんですけどね・・・
彼女の持ち味が発揮されないのがつらい。

安藤さくらちゃんはかわいいですね。それしか覚えてない(爆)

一番驚いたのは、藤松祥子ちゃん。
最近は全く見ていなかったので久々に拝見したのですが、
すごい美人なんですけど!
ビックリ〜〜〜!
体の線も細く、見栄えもよく、表情の変化もあって楽しいです。

本多陽葉ちゃん、本多玲菜ちゃん。
いきなり蛇足です。
今回の髪形のせいかわかりませんが、
福田沙紀に似ています(汗)
本人をプラスしてトリプル福田沙紀というユニットもありえます(爆)
それは置いといて。
ふたりとも美人で、見栄えがあるし、体の線も細く、背筋もピシッとしています。
もちろん、タップの実力もダンスの実力も十分!
これは何かのきっかけでブレイクするかもしれませんね。
私がプロデューサーなら仕掛けます(笑)

山本実奈ちゃん。
一昨年に続いての出演。
表情の変化は見ていてとても楽しいです。
正直、アニーが終わった後が気になります。
タップキッズになること自体、本当にたいへんなことですし、名誉なことです。
この経験を生かして、早く次のステップに向かってほしいのが正直なところ。
彼女ほどの実力があれば、たくさんのことにチャレンジできるはずですから。
歌、演技、ダンス、それが見たいんですよ。
私の視線は早くも来年に向けてます(笑)

オリバー・ウォーバックス役の目黒祐樹さん。
正直、あまり期待していませんでした・・・・・
がビックリ!かなり素晴らしいんですけど!
演技はしっかりしているし、ウォーバックスとして全く違和感無いです。
歌もあれだけ歌ってもらえば十分すぎるほどです。
ど〜しても過去のファンは、平野忠彦さんが「最高」になってしまいますが、
過去は過去として、今も大切にするべきだと思います。
その現在である今において、目黒祐樹さんのウォーバックスは秀逸でした。
彼の安定感があったからこそ、
今回の「アニー」の舞台を落ち着いて観ることができた要因のひとつかもしれません。
全体的なバランスはすごく重要ですから。
これが定番、当たり役として、私的に来年も続けてほしいです。

ミス・ハニガン役の辺見マリさん。
彼女はベテラン。言うことないですね。
悪女役はお手のものって感じかな?
無難に悪女役をこなしました。その無難なところが難しいんですけど。
意外と悪女+ボケキャラかも(笑)

グレース役の岩崎良美さん。
彼女については、言うことないです。

ルースター役の本間憲一さん。
彼についても言うこと無しです。

リリー役の川原多美子さん。
前回に続いて二度目。
去年よりは演技の面で頑張っていると思います。
それは認めます。
ただ・・・やはりまだまだ。
もっともっと頑張ってほしいと思います。
しかし、リリー役は相変わらずどういう理由で選んでいるのかわからない。
聞きたいんですけど・・・・・無理でしょうね(汗)

総括

「茜アニー」を見て、
「自分が好きなタイプのアニーだな〜」
と思ったのも束の間、
とてつもない「杏奈アニー」を見て、驚愕しました。
「服部杏奈」伝説の一端を観ることができて幸せでした・・・・・


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