ミュージカルアニー2007

◆公演時期   2007年4月21日(土)〜5月6日(日)
◆会場 青山劇場
◆演出 ジョエル・ビショッフ
◆演出補 伊藤 明子
◆翻訳・訳詞 瀬戸 千也子
◆振付 ボビー吉野
◆音楽監督 栗田 信生
◆歌唱指導 呉 富美
◆訳詞 片桐 和子
◆タップ振付 藤井 真梨子
◆美術デザイン ピーター・ウルフ
◆照明デザイン 沢田 祐二
◆舞台監督 長沼 仁
ミュージカル『アニー』の原作者
◆脚本 トーマス・ミーハン
◆作曲 チャールズ・ストラウス
◆作詞 マーティン・チャーニン

あらすじ

1933年、ニューヨーク。
孤児院で暮らす、赤毛の少女アニー。
孤児院には父親や母親を亡くした子供たちが、たくさんいます。
ただ、アニーの両親だけは、まだわかりません。
『すぐに引き取りにまいります』という、
自分が赤ん坊の頃に書かれた両親の手紙・・・・・
その言葉を信じて、アニーは11年間支えにしてきました。
しかし、いつまでたっても両親は迎えに来てくれません。

ついに、アニーは孤児院を出る決心をします・・・・・


観劇感想

ジョエル氏、7年目の演出。

簡易的な感想でも述べましたが、T組サンディは本当にひどかったです。
私が観た回は最初から最後までやる気ゼロ。
初めてアニーと会う時はアニーの側に行くことなく違うところに行ってしまい、
舞台袖に消えたり現れたりを繰り返していました。
けっきょく、栗原沙也加が舞台袖に消えてサンディを連れてこざるをえませんでしたから。
警察官とのやりとりも、吠えることなくスルー
最後に大きなプレゼントから出てきても、ポカ〜ンとした感じ。
たしかに栗原沙也加とのコミニケーションが取れていない・・・という理由も一理あるとは思いますが、
それだけを理由にしたら、栗原沙也加が可哀相。
これはサンディにダメ出ししないとね・・・・・・
あくまで私が観た回のサンディですが。

今回、目新しい場面のひとつとして、ウォーバックスに新曲が登場しました。
目黒祐樹さんの心しみいる歌声は本当に良かったです。
つまりは、ジョエル氏が語る「ミュージカル・アニーはウォーバックスとアニーのラブストーリーだ」
という意味合いが、ここでいかされるわけです。
しかし〜そもそもウォーバックスとアニーのラブストーリーだなんて、私、初めて知りました・・・
今のいままで聞いたことなかったですよ。私がちゃんとパンフレットを良く読んでないせいかな〜?
たしかにこの舞台、二人のラブストーリーと捉えてみてもおかしくないです。
ただ、これを加えるのであれば、アニーズにも新曲を追加してほしかったな〜と思います。
重厚なナンバーであるからこそ、これと対比した明るいナンバーがほしかった。

今回はリリー役に太田彩乃が配役されたことによって、
『Easy street』がとても映えるんですよね。ここは素直に嬉しかったです。

大統領官邸のところは、カーテンもテーブルクロスも「青」で統一してましたが、
今までもそうだったのでしょうか?ちょっと気になりました。

ラジオの場面では立ち位置が大きく変わりました。
今まではアニーたちが下手(客席から舞台に向かって左側)で、上手にラジオスタッフだったのですが、
今回は逆。
これはビックリ。なにか意図があったのでしょうか?
人間の目は、左から右に流れます。
ということで左がやや印象的になるんですよね。
(テレビの走査線も左から右、横書きも左→右が通常です)
これは番組制作にも重要視され、たとえばニュース番組では、
女性キャスターがどちらに位置するかで視聴者に与える影響も微妙に変わってきます。
それだけ上手下手の位置は重要な問題なのです。
今まで変えなかったものをここまで大きく変えたのには、
何かしらの意図があるには違いないのですが、
さて?
まっ、2008年何事もなく元に戻っていたら、それはそれで面白いですけど(汗)

優劣をつける意味合いは全くないのですが、私はトゥモロー組の方が印象に残りました。
アニーズのバランスがいいし、個性もハッキリしているし、華もある。
あくまで私が受けた印象。

気になった役者さんは・・・

アニー役、栗原沙也加
演技的には未完成な部分はあるものの、何が飛び出すかわからない感じがあって楽しめました。
ある意味、破天荒な自然なアニーという感じでしょうか?
歌唱力は声量がすごい!というほどではありませんが、優しくしっかりとした歌声で良かったです。
私のイメージ的には2001年アニーの橋本安奈に近いかな〜と思いました。
可愛らしいルックスですが、やや目が疲れやすいのかな?ちょっと気になりました。重い感じ。
これから芸能関係で仕事をするのであれば、もう少し瞳をクッキリする必要があると思う。
大きなお世話ながら、マスカラとビューラー、つけ睫毛だけでも印象は一気に変わりますから。

また、上目づかいも多かったです。
もちろん大人キャストはみんな背が高いので上目づかいになるのは当然なのですが、
伊藤有沙は全く気にならなかったもので・・・

セリフ口調は早いところが多い。正直聞き取りづらいところもありました。
それを頑張ってゆっくり話しているのもわかる感じ。
意外と独特なセリフ回しでした。

同じくアニー役の伊藤有沙
服部杏奈や加藤茜同様の完成された雰囲気。
演技、セリフ回し、発声、歌唱力、どれもしっかりしていて素晴らしかったです。
どちらかと言えば伊藤有沙の方が安心して観られます。
ただ、なぜか「天然さ」が漂う(笑)
そのためか、気の強さはあまり感じられませんでした。
あなたそんなに怒らないでしょ?って感じ。

ペンダントのシーンはじつに丁寧。
ウォーバックスに、問いかけるように諭すように話しかける感じでした。
なかなかいい味だしてます。
また、彼女は笑顔の作り方も上手です
失礼ながら、超絶的な美少女というキャラではありませんが、
彼女特有の笑顔もあってかアニーが抜群に輝く。
可愛く、愛しく思えてくるんです。
これが伊藤有沙の魅力でしょうね。
ただ単にカツラが似合ってた、というのもあるかもしれませんが。

二幕でラジオ番組に出演する場面。
ウォーバックスの5万ドル発言を受けて、アニーが「ワ〜オ!」と驚きの言葉を発するのですが、
それまでの過程において、有沙アニーは意外とヌボ〜っと立ってるんですよ。
なんだかよくわからない場所にいる、みたいな感じ。
なので、ウォーバックスが5万ドル!という発言があっても、
「それがどうしたのかな〜?」みたいな表情に思えるんです。
「ワ〜オ」という言葉は彼女の雰囲気を考えると発しないセリフ。
まぁ〜どこまで本当に「天然」なのかはわかりませんが(あるいは私だけの妄想か)
喋っていない時は素の「天然」の雰囲気になるが、
アニーのセリフが突然頭の中に入ることによって、アニーの役になるという感じ。
私はそんな印象を受けました。

去年はアルゴでは猿役でしたが、
「キッ〜キッキッキッキ〜〜!」という猿のソロに比べたら雲泥の差です(爆)
本人相当努力したでしょうね。去年のイメージなんて微塵もありません。
というか、去年なんて私は気づきもしませんでしたから・・・

モリー役の松田愛美
ルックスも可愛らしいですし、瞳もパッチリです。
当初、アニーと手紙のやりとりをするところはイマイチな感じでした。
アニーの服ばっかり見ているので、服にセリフが書いてあるのかと思いました(笑)
(そんなことはありません)
演技的にそれほど秀でてるわけではありませんが、この子は面白いです。
早くも私がコメディをやらせたい・・・
独特な雰囲気があるんですよ。
私が審査員でも彼女を絶対にモリー役に起用します。それだけちょっと不思議な魅力を感じる。
ダンス的にはまだまだこれからですが、カツゼツはしっかりしていて聞き取りやすいし、
なにより物おじせず堂々としていて大物感が漂います。
数年後アニーになる可能性もある・・・・・・かもしれない・・・
面白いだけでアニーになれるのだったら、苦労はないのですが。

同じくモリー役の小田切美織
彼女はルックスからしてかわいい。
松田愛美に比べると声はイマイチハッキリしないが、それでも十分にうまい。

ケイト役の飯塚萌木
ルックスは抜群にかわいいです。華もあります。
他の映像媒体に出ることもありえます。
たまにボォ〜っとする場面もありますが、
目立つルックスと演技がしっかりしているので全く気になりません。

同じくケイト役の春原早希
演技はなかなかしっかりしていて、目立ちます。
でもそれ以上に、ダンスの時のテンションが物凄く高い。
私の中で異常に目立ちました。
おそらくだけれど、自分の中でスイッチのオン・オフの切替が極端なのかもしれない。

テシー役の川島想妃愛
表情付けはすごくうまい。さらにカツゼツもしっかりしている。
そして独特な雰囲気の演技。この年齢にして玄人が好きそうな演技だと思う。
それでもって歌のソロの場面もじつに魅力的!歌唱もすごい。
全てにおいてバランスがとれています。
トゥモロー組の中では一番目立つ存在。
彼女はこれからさらに伸びていくと思います。
個人的に大絶賛!

同じくテシー役の飯沼ひかる
アイドル的なルックスで可愛らしいです。
雰囲気もか弱いテシーのようでした。
歌のソロの場面も頑張ってました。

ペパー役の矢野杏奈
カツゼツもしっかりしてるし、歌唱力もすごい。
優しさよりも厳しさを前面に押し出したペパーだったので、私的には大満足。

同じくペパー役の宇山玲加
彼女も性格のきついペパー役。雰囲気がいいし、演技もじつにしっかりしてる。
私的に優しいところは見せてほしくないんですよね、ペパーには。
彼女の歌唱力もすごい。両ペパーともに素晴らしかった。

ジュライ役の乗本萌
ごめんなさい。私の中では印象が薄かったです。
ただ、腹話術のところは口をあけることなく歌ってました。

おなじくジュライ役の諸岡英実
演技はけっこう独特ですね。
ペパーと口げんかしてるところも、なかなか印象的。
ただ、腹話術のところは口が開いてました。難しかったのかな?

これは激しくど〜でもいい話しだと思いますが、
衣装の袖が長いのは気のせいかな?
ちょっと気になりました。手の半分まで隠れてたもので・・・

ダフィ役の勝田麗美
申し分ない出来ばえ。
ちょっと意外なのは声質。
これだけ背があるのに、声が高く、しゃべり方がかわいい。
瞳が大きいので、意外と印象に残ります。

同じくダフィ役の岩瀬光世
アルゴの時よりもさらに演技がよくなった感じ。
印象度は高くなりました。

それから今回は意外とストリートチャイルドが目立ちました。
最近はほとんど出番が無いのでスルーすることが多いのですが、不思議と印象に残りました。
根本玲奈はあいかわらず華があります。すごいでしょ、これ。
彼女が出てきただけで、舞台が華やかになるもの。
ちなみにパンフレットの写真(ONOFFのところ)
なぜこのポーズがピックアップされたのか疑問。なんか・・・ね・・・

同じくストリートチャイルド役の戎怜菜はキビキビとした動きがいい!
立ち前転(?)もなかなかやります!

タップキッズの実力はプロの方に観ていただいて、私は気になった感想をいくつか。
正直、タップキッズはよくわからないので申し訳ないです・・・

今までに比べると男子の平均身長はかなり低いですね。
木村昴や篠原悠伸がタップキッズの時と比べると全く違う・・・
時代は低さを求めてるのかな?

田中遼は美味しい場面もあるから、目立ちます。
なかなか見応えありますね。

稲田英幸は、かなりかっこいいルックス。
舞台上でもすごく映えます。これから女子から人気が出ること間違いなし。
たぶんね(爆)
目標はキムタクですか・・・・・・・頑張ってください。
ちなみに映画「蟲師」に出演してるんですね。もしかしたらもしかするかも。

一番印象的なのは西山千里かな?
本人もパンフレットに書いてありますが、笑顔は抜群!

小林夏実はタップうんぬんよりも、
モデル関係の仕事が増えるじゃないかな〜なんて考えてしまいました。

あとおまけに一応うちのサイトで掲載しているので近藤亜紀(汗)
う〜ん、特にどうこういうところもないと思いますが・・・頑張ってました。
表情は、だいぶお姉さんの雰囲気になってきましたね。
あのメンバーからすると背が高く見えますが、まだまだ小さい方かな?
それからヘアメイクさんがうまいせいか、髪の毛がいい(笑)
もうひとつ、パンフレットのジャンプの写真は躍動感があってなかなかいいと思う。

私のサイトは知り合いに対しても厳しい感想を書くので、
怒られてばかりなんです(涙)
おべっか記事を書ければいいんですけどね〜
私の矜持としてそれができないんです。すみません。

ハニガン役の杏子は、かなりいいです!
怖い(笑)
たぶん、私がこの孤児院にいたらハニガンに対して反抗しようという気持ちになれない・・・
一生トラウマになるもの・・・
歌唱力は言うまでもなく抜群にうまいし、演技もハニガン役にあっていました。
ひとつだけ気になったのは「あんたたち」というセリフの発音。
ちょっと独特でした。わざとなのかな?

でもって、やっぱりいいな〜と思ったのは、太田彩乃リリー。
1994年のアニー でシャーリー役を演じた記憶も懐かしいし、
アルゴミュージカル Sing fou You Sing fou Meのオウム役で、
丸太の上を歩いていたことも懐かしいし、
オンリーワンもあるし、
近年では東京メッツでの活躍も記憶に新しいです。
私自身かなり観てます。
ちなみに、リリー役でのシャーリーはアニー時代のシャーリーでしょう。

でもって、すんばらしいんですけど。
リリー役はもとより、NYCでも登場するのですが、ここもまた素晴らしい!
足を上げる打点の高さもすごい。これを観るだけでも価値あり。
ちなみにタップキッズがアドリブでいろいろ真似をするところがありますが、
間違いなく自分がやりたいでしょうね!
『Easy street』の場面でもリリー役としては最高レベルのダンス。
近年はちょっとつらい方もいましたが、流石に原点回帰した感じで嬉しかったです。
たぶんこのナンバー、太田彩乃は高音を歌ってますよね?
毎回リリーの声が聞こえないな〜と思うのはこのためなのかな?
ハニガン役がメインということでしょう。
普通に歌っていれば、太田彩乃の声が聞こえないわけがないもの。

ちなみに全くど〜でもいい話ですが、未来のスター役の杉内祐子がかわいい(汗)
ルックス的に矢部美穂にも似てます。
雰囲気がホワホワ〜とした感じで、ウォーバックス邸でも魅力的。

パンフレットを見て気づいたこと
今回ちょっとパンフレットを見て気づいたことがありましたので、少しだけ抜粋します。

服部杏奈の横顔写真を見て・・・・・そっくりだなと(爆)

どうやらAAAというユニットが人気のようだ。
岩瀬光世だけではない。

「今、興味のあること」の質問で平田了祐
「ロボット系・特にガンダム。新機動戦記ガンダムW」
そうですか・・・そっち系ですか。ファーストもお願いします(笑)
それからSEEDと書かないところが、また微妙な・・・

「オン・オフ」のところでは、けっこう今の時代背景を読み取れます。
ニンテンドーDS関連の話しをしている人が5人もいる。
いかに人気があるのか、これだけでもわかります。
PSPの話題なんてひとりもいないし・・・
ゲームもみなさん、やるんですね。
ニュースーパーマリオブラザーズとか、どうぶつの森とか、えいご漬けとか、

逆転裁判4とか


総括
1994年から連続ではないものの「ミュージカルアニー」を観劇してきた私ですが、
私自身の中でちょっと飽きてきました・・・・・
ほとんど同じ内容の繰り返しですから。
今まではそんなことは全く思わなかったのに、今回はそれを感じました。
私だけかな?

前に志村けんさんも言ったことですが、

「マンネリで大いに結構、その域まで達してみろって」

たしかにそうなんですよ。偉大なるマンネリこそ真理・・・・・
ただ、この場合は個人のマンネリですからね。志村けんさんという個性が見たいからこそ。

やっぱり大幅な「てこ入れ」の時期ではないかな〜と思うようになりました。
目新しさがほしい。
ジョエル氏を否定することは全くないけれど、新しい演出家による新しい「アニー」も観てみたい。
「アニーちゃうやん!」というツッコミぐらいさせてほしい。
比較対象になるかはわかりませんが、
「森は生きている」なんて演出家が変わることで本当にいろいろ変わりますから。
もちろん、王道の「アニー」好きな人もいるので、変わると昔の方が良かったと言われますけどね。
私としてはエンターテイメントとしての「アニー」でもいいと思う。一回は。
とはいえ、結局はスポンサーの意向がすべてですが。

それとも私自身「卒業」するべき時がきているのかな?とも思います。
舞台観劇以外にもやるべきことがたくさんできてしまったし、
いろいろなことが重なって大変でした。
もう少し整理できた環境であれば、見方が変わったのかもしれません。
と、あ〜だこ〜だ言いながら来年も観ることになるかもしれませんが、さて・・・・・・


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