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中野ブロンディーズ 2008年観劇感想

満足度星星星星空星
公演時期 2008年3月12日~20日
会場 全労済ホール スペースゼロ
脚本 金房実加
脚色・演出 大岩美智子
演出補 冨田昌則
音楽 楠瀬拓哉
作詞 うえのけいこ
振付 mickEy
チア・リーディング・ディレクター 森あかね
歌唱指導 白神直子
衣装 兵頭奈々子

あらすじ

アニメ・漫画好き少女たちが不思議と集まる場所、中野ブロードウェイ。 その一角ににあるマンガショップ「ブロンド」 そこの常連である瑞希は、女店主の寿美枝から店じまいすることを聞き、 なんとか存続させるために、 ひょんなことから町内で行われるチアリーディング大会に参加することとなる。 メンバーを集う瑞希であったが、 集まったメンバーはマンガ・オタク、ゴスロリ、ゲームマニア、特撮マニアなど、 一癖も二癖もある少女ばかりであった・・・ (パンフレットより一部引用)

感想

あまり詳細がわからず、アイドルも多いため、どんな舞台になるのかいささか不安だったのですが、 思っていたよりも100倍楽しい舞台でした。 じつはもう少し、こじんまりとした舞台を予想していたんですよね。 イメージ的に普通のストレートプレイの舞台なのかな~と思ったのですが、 完全にミュージカルと化していたのにはビックリ。 内容をあまり知らずに観に行ったので、逆に驚きの連続で楽しめました。

エンターテイメント全開で、おたく要素全開です(笑) 知らない人はクスリとも笑えないでしょうが、私は笑えました(汗) う~ん、私が知る限りは、アニメの機動戦士ガンダム、聖闘士星矢、 あとは特撮のスーパー戦隊関連でしょうか。他はあまりわかりません。

内容的は、

  • 主人公、瑞希がよく使うマンガ専門のお店が閉鎖
  • 女店主の寿美枝にチアリーディングの大会で入賞すればやめると言われる。
  • オタクには無理と言われ、頑張ってチアのメンバーを集める
  • まったものの、協調性、やる気も見られず前途多難→で、どうなるか?

という感じです。

最初のシーンへの時間軸はよくあるパターンですね。 舞台の途中のシーンを一番頭に持ってくる手法。 とりてて重要なシーンかは微妙ですが、ま~一応演出してみたという感じでしょうか?

ネットでの「チアリーディング募集」とは全く違う書き込みで、 メンバーが集まるというのはなかなか面白いです。 集まったメンバーがじつに個性的。 役に個性があると、見ている方はすごくわかりやすいですから。 誰がどの役なのか、すぐにわかります。 顔だちや髪形が全員あまり似ていないというのもあるかな?

ルックスが可愛らしい子が多いため、ひとりひとりをじっくり見ることもできるし、 舞台全体を見渡すこともできるしで、見方が広がります。

後述していますが、ひとつ気になるのはキット役の森咲樹が、ずっといなくなるんですよね。 ある程度早めに信頼回復するのかな~と思いきや、放りっばなし。 まっ、そのぶんオタクではない普通の人、音木役の藤崎ルキノが登場するわけですが。 いろいろな理由が考えられますが、私としてはちょっと違和感を感じました。

最後に魅せる全員のチアリーディングは本当に素晴らしいです。 私的におすすめの舞台だと思います。 これを一回観てしまうと時間のある人は何回も観てしまいますね。 リピーターが確実に多いと思います。それほど楽しい内容。 まさにエンターテイメント。 物凄く華のある人たちが集まった舞台と言えます。 もちろん、舞台によっていろいろな性質がありますが、 やっぱり「華」って重要だな~とつくづく考えさせられました。 セリフの噛みや、間違い等、私が観た公演では全く無し(たぶん) 素晴らしい!!

舞台とは完全に別件なのですが、 プレゼントのお花がたくさん飾られていて、すごく匂うんですよ。良い匂い。 花が送られた現場は何度も見ているのですが、これほどの匂いはしませんでた。 初めての経験。 特殊な品種なのかな~?それとも花が多いせいなのかな?

気になった役者

主役瑞希役の杉本有美

全く存じあげないのですが、すごくよくやっています。 美人で演技もいいし、カツゼツもしっかりしてます。 立ち姿も綺麗。 口パクではなく、ちゃんと歌っていますし、好感もてました。 オタクの中では一番まともな感じなので、ある意味地味にはなってしまいましたが、 リーダーとしての苦悩をよく表現としていたと思います。 主役として申し分ない出来ばえ。

エリー役の黒木マリナ

ま~私がどうこう言うことすら失礼でしょう(汗) 演技、歌、ダンス、全てにおいて飛び抜けてます。 今回はギャル系の役でしたが、文句無しの演技力。 あのままだと、あれが黒木マリナの本性だと思ってしまうほど(笑) さらにはガンダムや聖闘士星矢のうんちく。 まさか黒木マリナの口から飛び出すとは夢にも思いませんでした。

長谷川桃との眼力対決もあったのですが、二人の女優のバチバチなところがいいですね。 さすが、お互いに舞台役者という感じ。 ソロオンリーというわけではありませんが、各ナンバー部分でのソロのところでは、 彼女の歌唱力が思う存分発揮していました。

私としては、最後のチアの場面が一番印象深いです。 ダンスが得意なこともあり、やっていて楽しいんでしょうね。 この時の笑顔が最高でした。 ちなみに「ガラスの仮面」最近読んだみたいです(汗)

ハスミ役の落合祐里香

「ゆりし~」の愛称で知られるかなり有名な声優さん。 じつはかなり楽しみにしていました。 う~ん、さすが声優! 役柄的にゲームマニアなので、説明的、解説的なセリフが多いのですが、 カツゼツが素晴らしく、噛んだりしたところは全くありませんでした。 本当にスラスラ~と喋る感じ。 ルックスもかわいいし、演技力もあるし、人気が出る理由がわかりますね。 ソロの歌はまずまずでしたが、ダンスはよく頑張ってました。 私もファンになりそう(笑)

キット役の森咲樹

かわいい。 基本はこの一言(笑) 背は高いのですが、顔が小さく、手足が長いです。 キット役はゴスロリで奥手な性格。 それがわざわいしてか、セリフが多いわけではありません。 演技、歌は微妙かな~ 頑張ってますけどね。

ハロプロエッグの仕事関係もあるためか、ただ単に演出上の問題なのかはわかりませんが、 長い間舞台に出てこないんですよね。 出演する場面も、みんなとの呼吸が必要でないシーンが多いです。 ひとりで練習できるということ。 そんな感じを受けました。 ただ、ダンスに関してはすごくやっていると思います。 正直もっとダメダメかと思ったのですが、チアはかなり良かったです。 チアの時の笑顔もじつにかわいらしい。 雰囲気的に、奥村優希が大きくなったらあんな感じかな~と思いました(笑) 笑顔、表情の付け方がそっくりだったもので。私個人的な感想として。

ゆずか役のりりあん

グラビアアイドルということで、 どんな感じになるか不安だったのですが、すごくハマッテいました! 本人の本当の性格はわかりませんが、 天然のおっとりとして、やわらかな演技が抜群でした。 トロ~ンとした瞳も印象的で、舞台の見映えもいいです。 ゆったりとした喋りなのに、カツゼツがいいんですよ。 ここまで出来るとは思いませんでした。 初舞台のようですが、今後、じゅうぶん舞台でも活躍できると思います。 役が固定されるかもしれませんが(汗) そこをどう脱却するか、かな?

音木役の藤崎ルキノ

彼女も初めて知りました。 黒髪でおかっばで瞳パッチリということで、舞台映えします。 お人形さんみたいな感じです。 舞台をやっているだけあって、演技、ダンス、そして歌もうまいです。 意外と実力派。 彼女のファン、これから増えるでしょうね。予言します。 ちなみに足は一番細かった(笑)

松子役の小林由佳

一目見てすごい筋肉だな~と思いました(汗) 特撮マニアで戦隊シリーズのヒロインに憧れる役、しかも体育会系のノリ。 戦隊ものの登場シーンのモノマネもしていました(ギンガピンク!みたいな感じ) 演技もしっかりしていて、カツゼツもいい。 運動神経抜群ということでバクテンしていました。 男性っぽい雰囲気がかなり好きだな~

うさ役の中島愛子

彼女は語り部、ナビゲーター役でもあります。 それを任されるだけあってか、演技力は抜群。 おとぼけた三枚目役は、演技の実力がとわれますから。 方言のセリフ遣いも完璧だし、おそらく舞台もたくさんやっているでしょう。 かなりこなれた演技でした。

沙織役の長谷川桃

少しきつめな性格の演技はさすが。 声の張りが違うし、演技もダンスも抜群。 風格、迫力が違いますよ。 驚きなのはソロがあったこと。彼女メインですからね。 当然、声量、歌唱力の実力を大いに発揮してくれました。

るみ役の丹羽あおい

一番最初に登場するおたく役もやっていました。 ここが、本編よりも印象的。 かなり良い演技します。

寿美枝役のたくませいこ

お婆さん役ということで、本人のすてき素顔を見られないのは残念(汗) それはともかく、舞台役者としての演技、セリフの発声は抜群。 ソロナンバーもあって、なかなか美声。 主役の杉本有美、ナビゲーター役の中島愛子と並んで、物語の重要な位置を占める役なので、 彼女ぐらい演技力がないと物語がしまりません。

総括

エンターテイメント満載、アイドル色満載、おたく色満載(笑)の楽しい舞台でした。 チアリーディングのところは、全員ともに相当練習したことと思います。 女性のみの舞台ということで、やっぱり男性からしてみると「華」があってすごく楽しいです。 「舞台」として、芸術的な作品、問題提起な作品、お笑い向けの作品、家族向けの作品、大衆演劇等、 いろいろな方向性がありますが、この舞台の基本は「華」 私としては、チケットを買って本当に良かったと思える内容で大満足でした。

※敬称略
キャスト表