ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2012

春組 満足度
夏組 満足度
◆公演時期   2012年7月24日〜7月26日
◆会場 北千住 THEATRE1010
◆原作 レオ・バスカーリア
◆企画・原案 日野原重明
◆脚本・作詞・演出・制作 犬石隆
◆翻訳 みらい なな
◆総合プロデュース 黒岩祐治
◆音楽監修・作曲・作詞・編曲 玉麻尚一
◆作曲 金子貢
◆振付 中川久美・関根玲子

あらすじ
いのちというのは、永遠に生きているのだ。
春に生まれた葉っぱのフレディ。
夏には人間に木陰を作り、秋には紅葉してみんなの目を楽しませ、
冬、風にのって母なる大地へ帰っていく。

人間の心の移り変わり、そして、短い葉っぱの一生・・・
いのちはめぐる・・・・・
(過去のパンフレットより、一部抜粋)
観劇感想

今回はなんとか春、夏、両組を観劇。
子役のレベルが本当に高い舞台。
というのが言い飽きるほど。

今現在「ミュージカル・アニー」と「葉っぱのフレディ」は、
ジュニアミュージカルでも両巨頭でしょうね。

「ミュージカル・アニー」の場合は、
毎回、ハニガンや、グレース、ルースターなど、
大人の役が変わることが多く、
それゆえのテレビ等、マスコミへの宣伝効果が見込まれます。
それはそれ。
「葉っぱのフレディ」はそれが無いだけの話。
オーケストラがある分、
「アニー」の方が格式は高いかもしれませんが。

さて、内容的には大きく変わっていないので、
過去の観劇感想と遜色ありません。

気になったのことはふたつくらい。
ひとつは、葉っぱが散る場面。
私の記憶違いかもしれませんが、
前の演出としては、大木があって、
その台のもとから葉っぱが散っていく梶感じでした。

今回は、舞台前に葉っぱたちが一度集まり、
そこから葉っぱが散っていきます。
私は観やすくてとても良かったです。
前回も同じ演出でしたら、申し訳ない。

もうひとつは、最後の1枚となるフレディが、
ついに木から離れて自分がいた場所を見つめる場面。
あくまで私自身の印象としては、
前はもっと感情的に、物凄く悲しい、
「死」を強くイメージする演技だった気がします。
ただ、今回を観ると、
そこまで感情的にはなっていない気がします。
あんまり、悲しいシーンにしたくないのかもしれませんね。
ただ、回りの観客はボロ泣きなので、
私が異質なだけかもしれませんが。

気になった役者は・・・

まず、私が思うのは、
葉っぱ役である、河合栞菜赤須千夏
この二人がじつに効いている。
役名は「葉っぱ」
地味で目立つことはない。
それでも、ダンスの素晴らしさが秀でている。
風のウェンディと一緒の風が出演する場面も秀逸。
この二人がいるからこそ、
他のメンバーも安心して物語を進行させることができる。
もちろん、全員の和があればこそだけれど、
この二人の存在はじつに効いていた。
この二人なくして、今回の舞台の成功はありえない。
そう断言できるほど。

主役、フレディ役の日暮梨花
この子は面白い。
そのままコメディ。
生意気な部分も、全部コメディにもっていけますから。
アドリブなのか、脚本どおりなのか、
よくわからないセリフすらありました。
歌唱力も、この年齢でこれだけ歌えれば十分でしょう。
しかし、面白い子が出てきました。

同じく、御子柴凜々子
ルックスはじつに可愛らしい。
太眉、瞳パッチリで華がある。
よく目立ちますね。
文句無いな〜
歌もよくやっているし、
コメディチックなところもいい。

クレア役、小倉優佳
歌はうまいほうだと思う。
どちらかと言うと、
彼女のクレアの方が母性をくすぐるかな?

同じく、木村奏絵
う〜ん、どちらかというと、普通かな〜?
個性として、癒し系でも、面白系でもなく、
フレディとの関係は友人感覚。

ダニエル役の石川鈴菜
田中瞳と比べると、
少年っぽさは断然彼女。

同じく、田中瞳
彼女の演技を観るのは久々。
「ミュージカルアニー2009」では、
ストリートチャイルド役でした。
当時も瞳パッチリで可愛らしい女の子で、
かなり印象に残っています。
今回の出演、私も注目していました。

で、最初に思ったことは、パンフレット。
「好きな有名人は?」の質問に対し、
「声優の坂本千夏」
とんでもないところを、突いてきますね。
マニアックすぎる。
ま〜普通に考えると「となりのトトロ」のメイ役では有名ですが。
でも、そこをとりあげる思考が凄いなと思いました。

今までのダニエル役と比べると、
そこまで少年少年はしていない感じ。
まだ幼い、少女の雰囲気が残っていました。
フレディとの関係も、一応「一番の親友」という設定なのだけれど、
けっこう淡白かも。

ダンスが得意?ということもあり、
やっぱりキビキビしたスピーディーなダンスは今回も印象的。
キレキレですから。
ダンスだけでなく、当然のことながら歌もある。
そんなに得意ではないと思うけれど、
私はよくやっているな〜と思いました。

アン役の相馬毬花
彼女もけっこう昔から観ています。
ミュージカルキッズアルゴ 「かぐやの浦島モモタロウ」 2006年から。
演技力や表情の表現力は、昔から定評あります(私の中で)
こちらのアンは、そこまで姐御肌タイプではなく、
どちらかというと穏やかな感じ。
ベンともやりあいますが、
そんなに「いけず」な雰囲気ではなく、
受け止めてあげる度量を持ち合わせている。
今回は歌もありましたが、
歌唱力は相当うまくなっている。

同じく、稲葉愛夢
彼女は、まず歌唱力が素晴らしい。
そして、今回のアン役の演技は、
姐御肌的であり、コメディチック。
なかなか面白いアン。

ベン役の中道杏菜
秋山美里のベンと比べると、そこまで強くない感じだけれど、
普通にうまいでしょ。

同じく秋山美里
とりあえず、まずまずのベンかな?
王道系?

ベン役については、二人とも申し分ないと思う。
誰もが思い浮かべるベン役を演じることこそが、
難しいんですけど。

メアリー役の土井ひなた
「ミュージカルアニー2011」ではテシー役。
私はなんとなく覚えているぐらい。
彼女は歌唱力というよりも、表情付けが印象的。
ルックス的に言えば、
伊藤有沙、長澤夏実に似ているな〜とも思う。
演技力としては、
こちらのメアリーの方が安心して観られるかな?
今後どれだけ伸びるのか、とても興味深い。

同じく、大塚あかり
彼女はおそらく歌唱力で選ばれてますね。
演技やセリフ回しはまだまだ。
ヤンキーっぽいところも、ちょっと無理があるような。
ただ、やっぱりメアリーはソロで歌う部分が多いので、
歌唱力は重要。
私は演技よりも、どちちらかと言うと歌に重きを置いているので、
歌がうまい子は印象に残ります。

クリス役の鈴木麻祐理
ミニスカで、太ももバッチリで、
けっこう色気があるクリス。
演技的には、前々回の北川理恵的な雰囲気かな?
比べるのは酷だけれど、私はよくやっていると思う。
北川理恵と比べると、どちらかと言うと天然系かな?
演技はしているものの、
ちょっとほんわかしている部分も見え隠れする。
毎回言いますけど、クリス役のソロは本当に難しい。
高いキーの部分、凄く頑張ってると思う。
それから、けっこう他の場面でも、ダンスシーンで登場しますね。

マーク役には蔦木竜堂
ついにマーク役ですか。
時が経つのは早い。
キャタックオリジナルミュージカル「TRUE PRESENT」2006年
この時から考えてしまうので、感慨深い。

今までのマーク役に比べると、かなりコメディチック。
ラップもきますからね。
NARUTOのビーなみに、セリフのラップが多い。
歌はまだまだこれから。
声変わりもあるし、男子は大変だもの。

あと、メフィストも彼なのですが、
怖さというよりも、なんと言うかな、
特撮ヒーローもので毎回登場して、
その回で倒されてしまう怪人のような雰囲気。
ちょっと面白いメフィストのように、私は思えました。

ま〜それよりも何よりも、
今までずっと女の子たちの舞台で、
男ひとりで頑張ったりと、大変だったろうな〜という、
関係無い部分で尊敬してしまう。

風のウェンディ役の小山侑紀は、
けっこう小さい頃から観ていますが、
ついにここまできたか!って感じですね、私としては。
ダンスの実力もさることながら、歌唱力もある。
十二分に役目を果たしました。
素晴らしい。
ウェンディ役に起用するのも当然の流れだもの。
ときたま、スリットから見え隠れするおみ足もセクシー。

総括

どちらの組も私の評価は5点満点中の4.5点。
言うことないほど、すばらしい舞台。
たぶん「葉っぱのフレディ」では5点満点は難しいと思います。
やっぱり、何かプラスアルファ的なエンターテイメント性がないと、
満点はつけづらい。
だからこそ、舞台の出来としては、4.5点でも満点と言えます。
この舞台は、本当に素晴らしい。
もっともっと、世間に知らしめたい舞台。
私も告知、けっこう頑張ってます。

(敬称略)


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