◆  『アニー』

◆公演時期   2004年4月24日(土)〜5月9日(日)
◆会場 青山劇場
◆演出 ジョエル・ビショッフ
◆演出補 伊藤 明子
◆翻訳・訳詞 瀬戸 千也子
◆振付 ボビー吉野
◆音楽監督 栗田 信生
◆歌唱指導 呉 富美
◆訳詞 片桐 和子
◆タップ振付 藤井 真梨子
◆美術デザイン ピーター・ウルフ
◆照明デザイン 沢田 祐二
◆舞台監督 森 聡/長沼 仁
ミュージカル『アニー』の原作者
◆脚本 トーマス・ミーハン
◆作曲 チャールズ・ストラウス
◆作詞 マーティン・チャーニン

あらすじ

1933年、ニューヨーク。
孤児院で暮らす、赤毛の少女アニー。
孤児院には父親や母親を亡くした子供たちが、たくさんいます。
ただ、アニーの両親だけは、まだわかりません。
『すぐに引き取りにまいります』という、
自分が赤ん坊の頃に書かれた両親の手紙・・・・・
その言葉を信じて、アニーは11年間支えにしてきました。
しかし、いつまでたっても両親は迎えに来てくれません。

ついに、アニーは孤児院を出る決心をします・・・・・


観劇感想

ジョエル氏、4年目の演出。
今年のテーマは『変革と熟成』です。

振付のスタッフが変わったり、ウォーバックス役に峰岸さんが配役されるなど、
目新しい場面が今回はたくさんありました。

特に気になった点をまず3つ。
ひとつは、『Easy street』のナンバーのところ。
明らかに、ここは相当力を入れたでしょう!
おそらく、小柳さんが先頭を切って、演出、ダンス等、いろいろと練り上げた感じがします。
本間さんが今井さんを肩車して、
その今井さんの足に小柳さんの腕を引っかけて回転する場面。ここも凄かったです!
とにかく素晴らしいの一言。
この場面だけ、アニーの舞台であることを忘れてしまいます。
ハニガンが主役として、もっとも光る場面でしょう。
自分の表現できるすべてを、思う存分、舞台上で発揮している!
そんな印象を小柳さんから受けました。

二つ目は、『NYC』の場面。
ダンスはヒップホップ系に変わったということですが、
この場面は特に印象を受けませんでした。
ストリート・チャイルドもこの場面で登場するのですが……地味。
かなり印象薄くなりましたね。
前はマントをつけていたので、けっこう印象深かったのですが、
今回は本当に地味です。
二人のストリートチャイルドともに、可愛らしいのに、ちょっともったいない感じがしました。

アニーやウォーバックスが席につき、観劇する場面はいいですね。
席がそのまま横へ移動する演出も好きです。

そして、タップキッズ登場。
意味合いとしては、田中夕衣ちゃん、山本実奈ちゃんのツートップという形だと思います。
この二人がかなり目立ってました。
最後は、田中夕衣ちゃんのオンステージ。
う〜ん、素晴らしいけど、個を強く出しすぎな気がしないでもない・・・・・

さらにこの場面。
アニーズも登場するんですよね。
たしか去年は、アニーズ、少しだけかな?登場したのは。
一昨年は、今年と同じようにアニーズも出ていました。
で、私としては、タップキッズとアニーズは一緒に出てほしくないです。
タップキッズがメインのところなのに、アニーズが登場するなんて、
タップキッズのメンバーに失礼じゃないかな〜と思います。
去年は、タップキッズに集中できましたが、今回はアニーズも登場したので、
タップキッズの印象がかなり薄いです。
前述した田中夕衣ちゃん、山本実奈ちゃん、それと、『フレンズ』の舞台を観たこともあり、
堀内夏海ちゃんぐらいしか覚えてないです。
いろいろ演出があるので仕方がないことですが、私、個人の感想としては、
タップキッズの人たちだけで作り上げてほしかったです。

三つ目は、『ここが好きになりそう』のナンバー。
ここはアンサンブルの人たちが、大活躍して本当に嬉しかったです!
最近は、ここのナンバー大人のキャストは静かだった気がします。
今回は、たくさんのダンスや凝った演出もあり、すごく見応えありました。
いつにもまして、小道具もたくさん登場しましたね(予算増えたのかな?)
大人のキャスト陣も、自分たちのダンスを発揮できて嬉しいのではないでしょうか?
私的には、大満足の場面です。

最近はいつもなのですが、アニーが階段を駆け上がって、ハニガンに見つかる場面は、
もうすこしタメを作ってもいい感じがします。
せっかく盛り上がる曲を使っているのだから、もっとタメをつくってほしいな〜

今回パンフレットは赤に戻りました。
私、個人的には『モリーの日曜日』が面白い!!
単純で馬鹿馬鹿しいのですが、かなり笑えます!!
これ考えた人、すごいです!!

ウォーバックスがグレースに『結婚しよう!』という演出がありました。
でも、それを言わない回もあったような・・・ちょっとうろ覚えです。

気になった役者さんは……

アニー役の宮原理子ちゃん。
う〜ん、かなりいい!(笑)
まさしく癒し系ですね。
笑顔がなによりも素敵です。笑った時に三日月になる瞳も可愛らしいです。
本当の性格はわからないのですが、すごく母性的な印象があります。
大きくなったら、肝っ玉母さんになるような(爆)

可愛らしく、優しい系で、ほのぼのした感じ……なので、
『歯をへし折られたいのかい!』のセリフはちょっと違和感がある(笑)
まっ、これが個性ですけどね。

そして、理子ちゃんは歌唱力も抜群!
優しく柔らかい歌声で声量もあります。
後述しますが、澤井杏奈ちゃんも歌はうまいですが、
やはり理子ちゃんの方が優しい系(?)のためか、印象強いです。

セリフは、たまに聞き取りづらいところもありますが、
すごく違和感があるというわけでもなく、私は安心して見ることができました。

もうひとりのアニー役、澤井杏奈ちゃん。
ニュージーランド出身ということもあり(汗)
『ミシシッピー』の英語のスペルの発音は抜群でした。
その発音関連で、あくまで、私個人の感想ですが、
『しんじられないよ』というところが、イントネーション変わってました。
まっ、かなり微妙なんですけどね。

演技も上手いですし、歌唱力もなかなかあります。
どちらかというと、理子ちゃんの歌い方の方が好きなのですが(汗)
いやいや、彼女も決して下手ではありませんから。好みの問題です。

彼女は声質というか、喋り方が可愛いんですよね。
このまま声優さんをやらせても、間違いなく無難にこなすことでしょう。
理子ちゃんに比べたら、気の強いアニーです。
まっ、誰でも理子ちゃんに比べたら気が強くなりますが(笑)
アニーらしさ(少しいたずら好き)ということに関すると、
杏奈ちゃんの方がアニーに近い気がします。

モリー役、荒原美咲ちゃん。
ダンスはちょっとまだまだかな〜。
でも、歌は上手いです。口を大きく開けてなくても声がでますね!
声量もあります。
演技もまずまず頑張ってました。
ただ、セリフはただ喋っているだけで、感情表現はまだまだです。
ちょっとセリフのテンポも早いかな?
これから頑張ってほしいです。

同じくモリー役の蛭薙ありさちゃん。
私としては、歌が一番印象深いです。

ケイト役の佐藤夏帆ちゃん。
ルックス可愛らしいですし、これから人気出るでしょうね。
表情付けもとってもかわいいです。

同じくケイト役の奥村優希ちゃん。
彼女も表情付けが上手いです。
特に印象に残ったのは、ダンスかな?
意外と印象度高かったです!

テシー役の生駒春奈ちゃん。
彼女もダンス、表情付けが抜群にいいです!
トゥモロー組の中で、稲川実花ちゃんも役者として好きなのですが(汗)
彼女と同等ぐらい、存在感ありました。

同じくテシー役の加藤結菜ちゃん。
彼女についてはあまり言いたくないです。でも言います(笑)
2002年のケイト役でも、かなりの存在感でした。
今回のテシー役も、すばらしいの一言。
表情付け、セリフ、ダンス、歌唱力、とにかくすべてにおいて抜群の安定感を持っています。
二回目ということもあるのかな?
良い意味での余裕も感じられました。

ペパー役の、田中みいやちゃん。
彼女を観るのは『フレンズ』以来です。
う〜ん、あくまで私の感想ですが、
みいやちゃん、もっともっと気の強い部分を出してほしかったです。
ペパーは、意地っ張りで反抗的(?)な役なので、
みいやちゃん得意だろうな〜と思ったのですが、意外とおとなしい印象を受けました。
『フレンズ』のりんこ役の方が、もっと弾けていたような気がします。
彼女の本当の性格はわかりませんが、もっともっと弾けていいんじゃないかなぁ?
そこが、みいやちゃんの魅力的な部分だと思うし……
パンフレットのコメントを見ると、
『ペパーのやさしいところや普通の女の子の部分をみせたい』
と書いてあるので、それが影響している可能性大です。

同じく、ペパー役の安西楓ちゃん。
うん、なかなかいい!
舞台上の気の強さは、田中みいやちゃんより上のような印象を受けました。
私的には、彼女のペパーの方が好きかな?

ジュライ役の稲川実花ちゃん。
彼女も今回が2回目。
前から注目していましたが、実力ありすぎてあまり言うことないです(笑)
そうそう、モリーを腹話術人形にしたてて、
唇を動かさずに歌うところは、すごく良かったです!
ハッキリ声が聞こえていました!
かなり練習したことでしょう。そこが一番印象深いかな?

同じくジュライ役の佐伯聖羅ちゃん。
彼女も2回目です。
表情、セリフ、ダンスが印象深いです。
かなりの実力者なので、言うことないです。
けっこう怖いジュライでした!
彼女も唇を動かさずに歌うところが上手かったです!

ダフィ役の高橋依里ちゃん。
役柄自体は地味ですが、彼女も存在感ありました。
大きなダンスが魅力的でした。

同じくダフィ役の水谷まりちゃん。
意外とダフィの髪形、似合ってますね(笑)

彼女の舞台を観るのは『ココスマイル3』以来です。
おおっ!なかなかいいですね!
『ココスマイル3』の時よりはるかにいいです!
というより、『ココスマ3』ではハル役で、ハッキリ言ってよくわからない役でしたから(爆)
それに比べると雲泥の差です。

印象深い場面は、クリーニング袋にアニーを入れて、みんなで見つめ合ってる場面。
一番上の年齢として、他のアニーズをさとすような表情がとっても良かったです!
うんうんと、みんなを納得(?)させているところが可愛かった〜!

そういえば、アニーズの中でダフィ役だけソロが無いんですよね。
これはちょっと残念でした。
無論、まりちゃんが歌が下手というわけではない(笑)

外の空気を吸う時の行進では、あやとりをしています。
なにか意味があったのでしょうか?
けっこう謎!

ハードノックライフでは、バケツに床を磨くブラシを入れておくのですが、
バケツを置く時の勢いが強すぎて、ブラシが飛び出てしまいました。
でも・・・・・どうやら、毎回飛び出すらしい(爆)

パンフレットの彼女のコメント。
『みんなをまとめること』というのがありました。
正直、『それはどうだろう・・・・・・?』と、結構心配でした。
でも、意外と(失礼!)みんなをまとめている姿を見てビックリ!
なかなかやりますね!

ストリート・チャイルド役、藤井玲奈ちゃん、望月美里ちゃん。
まず思うのが、二人とも美人さんです(笑)
で、正直、今回はストリートチャイルドの活躍がイマイチでした。
鉛筆の場面、花の場面、それほど印象に残りません。
NYCの場面もイマイチ。
これは彼女たちがどうこうというより、演出的な問題です。
清宮愛結花ちゃんの時を取り上げるのは申し訳ないのですが、
彼女の時のストリートチャイルドは、かなり目立っていましたから。
もっと、活躍できる場面を作ってほしかったです。
二人とも実力者なのにな〜!ちょっと悲しい・・・・・

タップキッズについて
前述しましたが、メインは田中夕衣ちゃんでした。
ココスマでも大活躍でした。
久々に彼女の舞台を観劇しましたが、タップは抜群でした!
彼女を見ていると楽しいです!

山本実奈ちゃんは『東京リトルメッツ』のメンバーとしても活躍しています。
怒られるかもしれませんが、セーラーの帽子、似合わないような(汗)
深くかぶりすぎなのかな?
もちろん、すごく可愛い女の子ですよ。ただ、ちょっと帽子が気になりました。

堀内夏海ちゃんを観るのは『フレンズ』以来です。
彼女は明るい表情が、いつ見てもいいですね〜!
ただ、タップキッズの場面では、
アニーズが登場したりして、彼女ひとりに注目できませんでした。
もっと、もっと、活躍する場面がほしかったな〜!

大人キャスト
オリバー・ウォーバックス役の峰岸徹さん。
今回、一番の見どころのひとつです。
私的には、すごく良かったです!
最初はかなり怖い印象を受けました。
ここは平野忠彦さんのような感じです。
そして、徐々に柔和な表情になっていく・・・・その変化の演技は抜群でした。
たしかに歌唱力は弱く、本来、歌うべきところをセリフとしていましたが、
私は、全く気になりませんでした。これが峰岸さんのウォーバックスですから。
歌が歌えるウォーバックスを選ぶのであれば、最初から配役を変えているはずです。
それほど重点を置かなかったのでしょう。

峰岸さんは存在感があるし、
机の上でアニーと一緒に寝っころがる(?)場面も、とてもかわいらしかったです(笑)
アニーのウォーバックス役としては、平野忠彦さんのイメージが強いですが、
私は、峰岸さんのウォーバックス、大満足でした。
もちろん、これで歌唱力がついていれば、言うこと無しなのですが。

ミス・ハニガン役の小柳ルミ子さん。
言うこと無しです(笑)
去年も凄かったのですが、今回も彼女のオンステージでした。
なにより、彼女はアニーの舞台を楽しみ、そして自分も楽しんでいます。
そういう心意気(?)というか、物事に対しての柔軟な態度というか、すごく好感がもてます。
前述しましたが、『Easy street』の場面は、まさにそれが凝縮されている場面でしょう。
とても素晴らしかったです。

そういえば、『リトルガール』のナンバーで人形を後方に投げる場面がありますが、
あれは、コートかけにひっかかるよう、意図してやっていますね!
私が観た回でも、人形がうまく引っかかりました。
ルミ子さんも『引っかかったら、拍手ご喝采!』と心の中で思っていることと思います。
ある意味、観客、そしてルミ子さん自身も楽しめる場面です。

グレース・ファレル役の岩崎良美さん。
彼女も、本当に何も言うことないです。
安定した演技、そして歌唱力。いつも本当にありがとうございます。

ルースター役の本間憲一さん。
いやぁ〜、本間さんのルースターもすごく見応えありました。
今回はNYCから、プレゼントを持っているという伏線も面白かったです(笑)
おそらく、ルミ子さんとともにいろいろダンス、演出等、考えたのでしょうね。
『Easy street』の場面は本当に楽しかったです。

リリー役の今井恵理さん。
『Easy street』の場面で、小柳さんの体重を足で支えるので、相当練習したことだと思います。
演技も、なかなか頑張ってました!去年の来栖さんよりは、遥かに上ですね。
変装してアニーの母親役になるところも、演技を頑張ってました。

総括

峰岸さんの新鮮なウォーバックス、
小柳ルミ子さん、本間さん、今井さんの『Easy street』、
『ここが好きになりそう』のアンサンブルの方のダンスなど、本当に見応えありました。

昔のアニーの演出等を思い出すこともありますが、
今回の『アニー』の舞台は、ジョエル氏演出の中では相当秀逸な方だと思います。
場面場面、好き嫌いあるのですが、決して悪くないし、これからもぜひ続けてほしいですね!


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