公演時期 | 2004年4月24日(土)~5月9日(日) |
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会場 | 青山劇場 |
演出 | ジョエル・ビショッフ |
演出補 | 伊藤明子 |
翻訳・訳詞 | 瀬戸千也子 |
振付 | ボビー吉野 |
音楽監督 | 栗田信生 |
歌唱指導 | 呉富美 |
訳詞 | 片桐和子 |
タップ振付 | 藤井真梨子 |
美術デザイン | ピーター・ウルフ |
照明デザイン | 沢田祐二 |
舞台監督 | 森聡/長沼仁 |
ミュージカル『アニー』の原作者 | |
脚本 | トーマス・ミーハン |
作曲 | チャールズ・ストラウス |
作詞 | マーティン・チャーニン |
あらすじ
観劇感想ジョエル氏、4年目の演出、テーマは「変革と熟成」振付のスタッフが変わったり、ウォーバックス役に峰岸さんが配役されるなど、 目新しい場面が今回はたくさんありました。 特に気になった点をまず3つ。 ひとつは「Easy street」のナンバーのところ。 明らかに、ここは相当力を入れたでしょう! おそらく、小柳さんが先頭を切って、演出、ダンス等、いろいろと練り上げた感じがします。 本間さんが今井さんを肩車して、 その今井さんの足に小柳さんの腕を引っかけて回転する場面。ここも凄かったです! とにかく素晴らしいの一言。 この場面だけ、アニーの舞台であることを忘れてしまいます。 ハニガンが主役として、もっとも光る場面でしょう。 自分の表現できるすべてを、思う存分、舞台上で発揮している! そんな印象を小柳さんから受けました。 2つ目は「NYC」の場面。 ダンスはヒップホップ系に変わったということですが、 この場面は特に印象を受けませんでした。 ストリート・チャイルドもこの場面で登場するのですが、地味。 かなり印象薄くなりましたね。 前はマントをつけていたので、けっこう印象深かったのですが、 今回は本当に地味です。 2人のストリートチャイルドともに、可愛らしいのに、ちょっともったいない感じがしました。 アニーやウォーバックスが席につき、観劇する場面はいいですね。 席がそのまま横へ移動する演出も好きです。 そして、タップキッズ登場。 意味合いとしては、田中夕衣ちゃん、山本実奈ちゃんのツートップという形だと思います。 この二人がかなり目立ってました。 最後は、田中夕衣ちゃんのオンステージ。 う~ん、素晴らしいけど、個を強く出しすぎな気がしないでもない。 さらにこの場面。 アニーズも登場するんですよね。 たしか去年は、アニーズ、少しだけかな?登場したのは。 一昨年は、今年と同じようにアニーズも出ていました。 で、私としては、タップキッズとアニーズは一緒に出てほしくないです。 タップキッズがメインのところなのに、アニーズが登場するなんて、 タップキッズのメンバーに失礼じゃないかな~と思います。 去年は、タップキッズに集中できましたが、今回はアニーズも登場したので、 タップキッズの印象がかなり薄いです。 前述した田中夕衣ちゃん、山本実奈ちゃん、それと「フレンズ」の舞台を観たこともあり、 堀内夏海ちゃんぐらいしか覚えてないです。 いろいろ演出があるので仕方がないことですが、私、個人の感想としては、 タップキッズの人たちだけで作り上げてほしかったです。 3つ目は「ここが好きになりそう」のナンバー。 ここはアンサンブルの人たちが、大活躍して本当に嬉しかったです! 最近は、ここのナンバー大人のキャストは静かだった気がします。 今回は、たくさんのダンスや凝った演出もあり、すごく見応えありました。 いつにもまして、小道具もたくさん登場しましたね(予算増えたのかな?) 大人のキャスト陣も、自分たちのダンスを発揮できて嬉しいのではないでしょうか? 私的には、大満足の場面です。 最近はいつもなのですが、アニーが階段を駆け上がって、ハニガンに見つかる場面は、 もうすこしタメを作ってもいい感じがします。 せっかく盛り上がる曲を使っているのだから、もっとタメをつくってほしいな~ 今回パンフレットは赤に戻りました。 私、個人的には「モリーの日曜日」が面白い!! 単純で馬鹿馬鹿しいのですが、かなり笑えます!! これ考えた人、すごいです!! ウォーバックスがグレースに『結婚しよう!』という演出がありました。 でも、それを言わない回もあったような、ちょっとうろ覚えです。 気になった役者アニー役の宮原理子う~ん、かなりいい!(笑) まさしく癒し系ですね。 笑顔がなによりも素敵です。笑った時に三日月になる瞳も可愛らしいです。 本当の性格はわからないのですが、すごく母性的な印象があります。 大きくなったら、肝っ玉母さんになるような(爆) 可愛らしく、優しい系で、ほのぼのした感じなので、 「歯をへし折られたいのかい!」のセリフはちょっと違和感がある(笑) まっ、これが個性ですけどね。 そして、理子ちゃんは歌唱力も抜群! 優しく柔らかい歌声で声量もあります。 後述しますが、澤井杏奈ちゃんも歌はうまいですが、 やはり理子ちゃんの方が優しい系(?)のためか、印象強いです。 セリフは、たまに聞き取りづらいところもありますが、 すごく違和感があるというわけでもなく、私は安心して見ることができました。 もうひとりのアニー役、澤井杏奈ニュージーランド出身ということもあり(汗) 「ミシシッピー」の英語のスペルの発音は抜群でした。 その発音関連で、あくまで、私個人の感想ですが、 「信じられないよ」というところが、イントネーション変わってました。 まっ、かなり微妙なんですけどね。 演技も上手いですし、歌唱力もなかなかあります。 どちらかというと、理子ちゃんの歌い方の方が好きなのですが(汗) いやいや、彼女も決して下手ではありませんから。好みの問題です。 彼女は声質というか、喋り方が可愛いんですよ。 このまま声優さんをやらせても、間違いなく無難にこなすことでしょう。 理子ちゃんに比べたら、気の強いアニーです。 まっ、誰でも理子ちゃんに比べたら気が強くなりますが(笑) アニーらしさ(少しいたずら好き)ということに関すると、 杏奈ちゃんの方がアニーに近い気がします。 モリー役、荒原美咲ダンスはちょっとまだまだかな~。 でも、歌は上手いです。口を大きく開けてなくても声がでますね! 声量もあります。 演技もまずまず頑張ってました。 ただ、セリフはただ喋っているだけで、感情表現はまだまだです。 ちょっとセリフのテンポも早いかな? これから頑張ってほしいです。 同じくモリー役の蛭薙ありさ私としては、歌が一番印象深いです。 ケイト役の佐藤夏帆ルックス可愛らしいですし、これから人気出るでしょうね。 表情付けもとってもかわいいです。 同じくケイト役の奥村優希彼女も表情付けが上手いです。 特に印象に残ったのは、ダンスかな? 意外と印象度高かったです! テシー役の生駒春奈彼女もダンス、表情付けが抜群にいいです! トゥモロー組の中で、稲川実花ちゃんも役者として好きなのですが(汗) 彼女と同等ぐらい、存在感ありました。 同じくテシー役の加藤結菜彼女についてはあまり言いたくないです。でも言います(笑) 2002年のケイト役でも、かなりの存在感でした。 今回のテシー役も、すばらしいの一言。 表情付け、セリフ、ダンス、歌唱力、とにかくすべてにおいて抜群の安定感を持っています。 二回目ということもあるのかな? 良い意味での余裕も感じられました。 ペパー役の、田中みいや彼女を観るのは「フレンズ」以来です。 う~ん、あくまで私の感想ですが、 みいやちゃん、もっともっと気の強い部分を出してほしかったです。 ペパーは、意地っ張りで反抗的(?)な役なので、 みいやちゃん得意だろうな~と思ったのですが、意外とおとなしい印象を受けました。 「フレンズ」のりんこ役の方が、もっと弾けていたような気がします。 彼女の本当の性格はわかりませんが、もっともっと弾けていいんじゃないかなぁ? そこが、みいやちゃんの魅力的な部分だと思うし。 パンフレットのコメントを見ると、 『ペパーのやさしいところや普通の女の子の部分をみせたい』 と書いてあるので、それが影響している可能性大です。 同じく、ペパー役の安西楓うん、なかなかいい! 舞台上の気の強さは、田中みいやちゃんより上のような印象を受けました。 私的には、彼女のペパーの方が好きかな? ジュライ役の稲川実花彼女も今回が2回目。 前から注目していましたが、実力ありすぎてあまり言うことないです(笑) そうそう、モリーを腹話術人形にしたてて、 唇を動かさずに歌うところは、すごく良かったです! ハッキリ声が聞こえていました! かなり練習したことでしょう。そこが一番印象深いかな? 同じくジュライ役の佐伯聖羅彼女も2回目です。 表情、セリフ、ダンスが印象深いです。 かなりの実力者なので、言うことないです。 けっこう怖いジュライでした! 彼女も唇を動かさずに歌うところが上手かったです! ダフィ役の高橋依里役柄自体は地味ですが、彼女も存在感ありました。 大きなダンスが魅力的でした。 同じくダフィ役の水谷まり(2023年現在、エリザベス・マリー)意外とダフィの髪形、似合ってますね(笑) 彼女の舞台を観るのは「ココスマイル3」以来です。 おおっ!なかなかいいですね! 「ココスマイル3」の時よりはるかにいいです! というより「ココスマ3」ではハル役で、ハッキリ言ってよくわからない役でしたから。 それに比べると雲泥の差です。 印象深い場面は、クリーニング袋にアニーを入れて、みんなで見つめ合ってる場面。 一番上の年齢として、他のアニーズをさとすような表情がとっても良かったです! うんうんと、みんなを納得(?)させているところが可愛かった~! そういえば、アニーズの中でダフィ役だけソロが無いんですよね。 これはちょっと残念でした。 無論、まりちゃんが歌が下手というわけではない(笑) 外の空気を吸う時の行進では、あやとりをしています。 なにか意味があったのでしょうか? けっこう謎! ハードノックライフでは、バケツに床を磨くブラシを入れておくのですが、 バケツを置く時の勢いが強すぎて、ブラシが飛び出てしまいました。 でも、どうやら、毎回飛び出すらしい(爆) パンフレットの彼女のコメント。 「みんなをまとめること」というのがありました。 正直「それはどうだろう?」と結構心配でした。 でも、意外と(失礼!)みんなをまとめている姿を見てビックリ! なかなかやりますね! ストリート・チャイルド役、藤井玲奈、望月美里まず思うのが、二人とも美人さんです(笑) で、正直、今回はストリートチャイルドの活躍がイマイチでした。 鉛筆の場面、花の場面、それほど印象に残りません。 NYCの場面もイマイチ。 これは彼女たちがどうこうというより、演出的な問題です。 清宮愛結花ちゃんの時を取り上げるのは申し訳ないのですが、 彼女の時のストリートチャイルドは、かなり目立っていましたから。 もっと、活躍できる場面を作ってほしかったです。 二人とも実力者なのにな~!ちょっと悲しい。 タップキッズについて前述しましたが、メインは田中夕衣ちゃんでした。 「ココスマイル」でも大活躍でした。 久々に彼女の舞台を観劇しましたが、タップは抜群でした! 彼女を見ていると楽しいです! 山本実奈ちゃんは「東京リトルメッツ」のメンバーとしても活躍しています。 怒られるかもしれませんが、セーラーの帽子、似合わないような(汗) 深くかぶりすぎなのかな? もちろん、すごく可愛い女の子ですよ。ただ、ちょっと帽子が気になりました。 堀内夏海ちゃんを観るのは「フレンズ」以来です。 彼女は明るい表情が、いつ見てもいいですね~! ただ、タップキッズの場面では、 アニーズが登場したりして、彼女ひとりに注目できませんでした。 もっと、もっと、活躍する場面がほしかったな~! オリバー・ウォーバックス役の峰岸徹今回、一番の見どころのひとつです。 私的には、すごく良かったです! 最初はかなり怖い印象を受けました。 ここは平野忠彦さんのような感じです。 そして、徐々に柔和な表情になっていく、その変化の演技は抜群でした。 たしかに歌唱力は弱く、本来、歌うべきところをセリフとしていましたが、 私は、全く気になりませんでした。これが峰岸さんのウォーバックスですから。 歌が歌えるウォーバックスを選ぶのであれば、最初から配役を変えているはずです。 それほど重点を置かなかったのでしょう。 峰岸さんは存在感があるし、 机の上でアニーと一緒に寝っころがる(?)場面も、とてもかわいらしかったです(笑) アニーのウォーバックス役としては、平野忠彦さんのイメージが強いですが、 私は、峰岸さんのウォーバックス、大満足でした。 もちろん、これで歌唱力がついていれば、言うこと無しなのですが。 ミス・ハニガン役の小柳ルミ子言うこと無しです(笑) 去年も凄かったのですが、今回も彼女のオンステージでした。 なにより、彼女はアニーの舞台を楽しみ、そして自分も楽しんでいます。 そういう心意気(?)というか、物事に対しての柔軟な態度というか、すごく好感がもてます。 前述しましたが「Easy street」の場面は、まさにそれが凝縮されている場面でしょう。 とても素晴らしかったです。 そういえば「リトルガール」のナンバーで人形を後方に投げる場面がありますが、 あれは、コートかけにひっかかるよう、意図してやっていますね! 私が観た回でも、人形がうまく引っかかりました。 ルミ子さんも「引っかかったら、拍手ご喝采!」と心の中で思っていることと思います。 ある意味、観客、そしてルミ子さん自身も楽しめる場面です。 グレース・ファレル役の岩崎良美彼女も、本当に何も言うことないです。 安定した演技、そして歌唱力。いつも本当にありがとうございます。 ルースター役の本間憲一いやぁ~、本間さんのルースターもすごく見応えありました。 今回はNYCから、プレゼントを持っているという伏線も面白かったです(笑) おそらく、ルミ子さんとともにいろいろダンス、演出等、考えたのでしょうね。 『Easy street』の場面は本当に楽しかったです。 リリー役の今井恵理『Easy street』の場面で、小柳さんの体重を足で支えるので、相当練習したことだと思います。 演技も、なかなか頑張ってました!去年の来栖さんよりは、遥かに上ですね。 変装してアニーの母親役になるところも、演技を頑張ってました。 総括峰岸さんの新鮮なウォーバックス、 小柳ルミ子さん、本間さん、今井さんの『Easy street』、 『ここが好きになりそう』のアンサンブルの方のダンスなど、本当に見応えありました。 昔のアニーの演出等を思い出すこともありますが、 今回の『アニー』の舞台は、ジョエル氏演出の中では相当秀逸な方だと思います。 場面場面、好き嫌いあるのですが、決して悪くないし、これからもぜひ続けてほしいですね! ※敬称略 |