「ラブリーズ2〜ひなごころバージョン〜」「ラブリーズ3〜きみの迷い道〜」


チーム空 満足度
チーム愛 満足度
チーム夢 満足度
チーム虹 満足度
◆公演時期   2011年12月29日〜2012年1月9日
◆会場 下北沢 小劇場 楽園
◆構成・演出・作曲 桝川譲治
◆脚本・作詞 熊手菜津子
◆振付 羽永共子、吉永まりや、他

あらすじ
放課後になると集まってくる、学年も制服も性格もバラバラな4人の女の子。
いろんな依頼に応えて駆けつける、4人だけの応援チーム、ラブリーズ。
今回の依頼は・・・・・
(パンフレットより抜粋)
観劇感想

前回とはまたメンバーが異なります。
ダブルキャストである、細川さりかは観ることができませんでした。
申し訳ございません。

「ラブリーズ2〜ひなごころ〜」前回と同じ作品なので、
詳細はそちらで。
「ラブリーズ3〜きみの迷い道〜」は新作。

新しい脚本の「きみの迷い道」
話の内容としては、岡本美歌が再び登場をし、
自分の夢を叶えるために海外に目を向けるか、
はたまた母と一緒に過ごすか、という選択の悩み。
正直なところ、これは難しい判断ですよね。
健康体であればともかく、
たとえば、病気を患っていたりしたら、
アルツハイマーになっていたら、その場合の選択も難しい。
自分の年齢もある。
若い時と、年齢をかさねた場合と、
家族に対する思いは自然と変わっていきますから。
やらずに後悔するよりは、実行して後悔する・・・という考え方の人もいる。
一概になんとも言えません。

申し訳ないけれど、最初のコメディチックなところは面白くありませんでした。
これは私の感性にあわなかっただけ。
観劇感想を書いているわりに、
私はそんなに感情的にならないもので。

正直、新作の「きみの迷い道」は、
あんまり話の進展がないので、面白味にはかける。
岡本美歌が来ることは来ますが、
基本は日常のラブリーズの風景。
その淡々とした生活の流れを感じさせる舞台。

「チーム空」

守口翼役 平田梢子
ココスマイル5 魔法使いサリー2008ココスマイル4と見ていますが、
今回は本当に久々。
とても楽しみにしていました。

まず思ったのは、色っぽくなった(笑)
一番お色気ムンムン(死語)ですね。
私は好きだな。
言うまでもなく、このチームの要。
演技力は抜群だし、セリフ回しもいいし、
大人の役者と変わりない。
そうとうまい。
思うに、今までかなりいろいろレッスンを続けてきたんだろうな〜
というのが予想できます。

あと、ルックスや雰囲気が若い時の太田彩乃にそっくり。
表情付けとか、瞳の動かし方とかが似ていてビックリしました。
平田梢子のレベルアップには驚かされる。
かなりいい。

安達あげ葉役 高木夏美
高木夏美はあいかわらずうまい。
毎回あげ葉。
あげ葉役に命かけるぐらい、集中して演技をしている。
言うことないな〜って思えるぐらい、
自然な演技を続ける高木夏美は素晴らしい。
同じことを続けながら、微妙に進化させるのも大変なんですよね。
もうこの年齢で、かなりベテランの風格がでてきた感じもします。

久野里沙子役の高橋安莉沙は、
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」山本遥香役。
まだまだこれからの子だな〜と、この時は思っていました。
で、今回里沙子役を拝見しましたが、
うまくなった。
すぐにわかる。
今までの里沙子のイメージとは違うけれど、
それは彼女なりの個性ある里沙子。
自然でなめらか。
そして、フワッとした感じ。
高橋安莉沙、そうとう研究しましたね。
正直、めちゃくちゃ驚きました。
着実に進歩している。

森田小雪役 金光歩乃佳
かわいい。
去年よりもさらに可愛くなった。
アイドルルックスであることは間違いない。
彼女は喋り方もかわいいし、雰囲気もほんわか。
ただ、やっぱり正直な話し演技はまだまだかな。
特にOPの高木夏美とのかけあい。
ここは、ごめん、つらかった。
スラスラ〜と流れ作業。
頑張ってますけどね。

そもそもラブリーズの中ではマスコットキャラ的存在。
ミソッカス。
他の3人のメンバーが守っていく感じ。
他のチームの小雪役とは、ここが違います。
ひとそれぞれの個性なので、これはこれでいいと思う。
彼女なりの「小雪」ですから。
ただ、苦言を申しましたが、彼女には「華」がある。
これは最大の武器。
つけようと思っても、つけられない子もたくさんいます。
これは女優を目指す上で、絶対に彼女にとって有利に動きますから。
少しの成長度合いでも、「華」があるとないとでは、
印象度が違います。
今後、さらに期待。

仁木ひなた役の藤井真世はあいかわらずうまい。
特に告白する場面は、前回よりもはるかに感動的。
私が感情移入するほど。
本当にすごい。
明らかに演技力がレベルアップしているのがわかる。
いい女優になったし、本当にいい演技。
私的にめちゃくちゃ評価してあげたい。

総括
平田の演技力が抜群。
安定しているあげ葉の高木夏美、
成長度が著しい高橋安莉沙、
チームのマスコットキャラ的存在の金光歩乃佳。
それぞれの個性のバランスが、一番組み合わさっているチーム、
だと私は感じました。

「チーム愛」

守口翼役 速見里菜
速見里菜も再び翼役。
リーダー的、人をひっぱる役。
無難で王道な演技だけれど、
みんなをまとめようとする雰囲気が出ていていい。
彼女もけっこうムチムチな感じで、
女性の色気も出ている。
演技力あるし、特に言うことないな〜

安達あげ葉役 ひな実
私的にひな実の独特な演技は好きです。
面白いと思う。
特に今回のあげ葉役は独特なので、
どういうキャラでくるのか、ひじょうに興味がありました。
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」のみくに役と、
そこまで変わらないかな?
ま〜じゃっかんヘンチクリンなキャラになった感じでしょうか?
やっぱり、ひな実独自のあげ葉。
激しく元気爆発的な感じではなく、おちゃらけボケキャラながら冷静。
猪突猛進というよりは、
いろいろ計算をしているようにも思えてしまうあげ葉。
アニメチックで可愛らしい声も健在。
あと、今回ダンスで気づきましたが、けっこう柔らかいダンスでした。
独特なスタンスの女優なので、観ていてひじょうに面白い。
私からも超おすすめな女優。

だけど一点。
ちょっとだけ気になったのは、視線の位置。
この劇場に限ったことかもしれませんが、
視線の位置が観客よりもじゃっかん高い。
他のメンバーではそんなことは思わなかったので、
ひな実は観客と視線を合わせるのが恥ずかしいのか、
ちょっと上向きなのかもしれません。
少しだけ気になりました。

久野里沙子役 星乃奏子
彼女は初めて観劇しました。
ルックスや雰囲気的には、
アルゴミュージカルに出演していた、
池田愛とか、水野夏美のよう。
(そんな印象が浮かんでしまうのは、アルゴ好きのためか)
まず、笑顔がいい。
普段はひとみパッチリなのに、笑いと三日月の瞳になる笑顔。
表情付けは抜群。
これは、男性陣はやられますね。
久野里沙子役は、どちからというとマミーナさんキャラで、
個性付けが難しいのだけれど、
彼女は物凄く自然な感じで演じていました。
今回の時点でこんなに演技ができるとなると、
演技のレベルが上がればどこまですごい女優になることか・・・
正直かなり驚きました。
ルックスもかわいいですし、アイドル系ですね。

森田小雪役 堺ひなの
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」ではかえで役でした。
あれ?前と比べて可愛くなった。
髪形のせいかな〜?
ちょっとわかりませんが、印象的には前回よりもいい。
現役小学生ということで、演技は他の3人と比べたら正直まだまだ。
でも、表情は前回と比べたら断然良くなってきています。
そもそも演技が下手ってわけでもなく、
あくまで他の3人と比べてですから。
他の3人がそもそもの時点でレベル高いですから。
そんなに卑下することもありません。
おとなしいというよりは、ほのぼのした小雪を演じてくれました。
今の時点でここまでできるとなると、
さらに良くなっていくことでしょうね。
身長もさらに伸びそう。
あと、歌唱力。
客席まで良く聞こえました。
可愛い+素朴な雰囲気がいい。

総括
速見里菜とひな実の対決を楽しみにしていたので、
私的には大満足。
ひな実の独特な個性を、
王道スタイルの速見里菜が受け止める構図は楽しい。
さらに星乃奏子の演技力と表情付けが予想以上にすばらしく、華をそえる。
堺ひなののちょっとほのぼの系の小雪もアクセントとなる。
堺ひなのはこれからだけれど、
他の3人の演技レベルが高く、見応えありました。

「チーム夢」

守口翼役 田村花恋
田村花恋は、ミュージカル「きみにとどけ・・・」
「東京俳優市場2011春」で観劇していましたが、
ラブリーズとなると久々。
里沙子役から翼役へ。

まず思ったのは、少し痩せたイメージ。
シャープになって、正直前よりも美人になった。
元々演技はうまいので、「華」を身につけてくると、
さらに存在感が増す。
それから、演技部分、今まではちょっと尖った部分もありました。
顔はほんわか系なのに、少しピリピリしたイメージ。
それが、今回翼役ってわけでもないと思いますが、
すごく滑らかで自然で抵抗感なく自然になっています。
柔和という感じでしょうか?
少なくとも私はそう受け取りました。

久野里沙子役 木村奏絵
彼女は初めて拝見しました。
(ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2009ではペティ役のようですが、
ほとんど印象がないので、申し訳ありません)
予想以上にうまい。
表情のつけ方も抜群。
ものすごくよく変化します。
抜け目ない女優という感じ。
瞳はそんなに大きな感じではないけれど、
けっこうクリッとして目立つ。
憂いげな表情、瞳の使い方は絶妙。
今後注目の女優だと思います。
小雪役でもアリかな。

安達あげ葉役 村田実紗
ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2010で、
ベン役を観劇しています。
このときのベン役も、ものすごく素晴らしかったです。
今でも印象に残っているほど。

さて、独特なあげ葉役。
雰囲気・・・がそうなのかはわかりませんが、
ボーイッシュ的な感じ。
ただ元気というよりは、ボケキャラの方が強い。
カツゼツ、発声の良さは天下一品。
これは誰もが感じることでしょう。
現時点で一流のレベルだと思います。
(ぜひ超一流を目指してください)
途中、岡本美歌の歌をアカペラで歌うところがあるのですが、
明らかに岡本美歌よりもうまい(笑)
これは仕方ありませんが。

森田小雪役 角田萌夏
「メリッサのゆりかご ジルの監獄」ではマゼ役。
ルックスの印象も強く、なんとなくは覚えています。
ただ、当時とは成長の違いがありますから、
その成長度合いが楽しみでした。
今までの小雪のような、おとなしく、静かな印象の小雪という感じではない。
どちからというと、普通な感じ。
彼女なりの小雪でしょう。
それはそれでいいと思う。
演技も下手ではないですし。
個人的に思うのは、
もうちょい表情の変化があると嬉しいかな。
あくまで観客席からの印象だと、同じ表情っぽい雰囲気を感じました。
ま〜小雪は、そんなに大きな変化はないタイプですけど。
でも、「メリッサのゆりかご ジルの監獄」の時よりは、
断然にうまくなっています。

ちょっとダンスも踊りましたが、
しっかりしていますよ。
けっこうピンときます。

岡本美歌役 吉永まりや
岡本美歌役を吉永まりやが演じる時代になりましたか。
時が経つのは本当に早い。
吉永まりや姉さんは、特に言うことありません。
と言うのもつまらないので、
そうだな、やっぱり、バラエティというか、コメディというか、コントというか、
このあたりはうまくなった。
他人が見たら、恥ずかしいようなことをひとりで堂々とする。
小雪が嫌いなピーマンが一番面白かったです。
人を笑わすということは、本当に難しいことですから。
吹っ切れた吉永まりやの演技はすごい。

総括
あくまで、私の印象で申し訳ありませんが、
田村花恋がリーダーとして上にいて、
他の3人を引っ張っている感じ。
仲良し4人組というよりも、ちょっと田村花恋が上の位置かな?

全員が自然な雰囲気で、
それほど強い性格付け設定はされていない感じ。
放課後にのんびりみんなでラブリーズ、みたいな。

それから大きく蛇足ながら「うちわ」
まさかの全日本プロレスうちわ。
ジャイアント馬場、小橋、ジョニーエース、
それからスティーブ・ウィリアムスと、相棒が誰かはわかりませんでしたが。
普通はテリー・ゴディなのですが、たしか違いました。
そこまでわかる、私も元全日ファン。

「チーム虹」

安達あげ葉役 藤井結夏
彼女は本当に久々。
「花の海 花いろの風−里山小学校5年1組−」以来ですね。
当然のことながら、大きくなったし、
ちょっと色っぽくなったでしょうか?
ちょっとですけど。
変わっていないな〜と思ったのは喋り方。
かわいい。
喋り方がかわいいというのはアドバンス。
ただ、セリフ回し、口調は独特。
なんというかな、ちょっと声優っぽい?
あ〜声優やってましたっけ?
その為の独特なセリフ回しなのかもしれませんね。

藤井結夏のあげ葉は、ほどほどに真面目。
正直、彼女は小雪役でもいけるでしょう。
ダンスの時の表情もいい。
三日月な瞳で、笑顔。
しかし、じつのところ一番驚いたのは、足が長くなったところ。

守口翼役 野田紗貴
野田紗貴の知り合いでもなんでもないのですが、
なぜか不思議と野田紗貴の舞台を観る機会が多い。
ずいぶん前から観ている気がします。
まず思ったことは、ちょっと髪形を微妙に変えました?
ま〜女の子は気分で髪形を変える人もいますが。
その髪形のせいかはわかりませんが、予想以上に美人になっている。

翼のリーダー役はしっかりしているし、
クリッとした瞳での威圧感はあるし、
言うことないほどすばらしい演技。
無難と言ったら 野田紗貴に失礼だけれど、
翼役として本当に充実しているし、安定しています。

久野里沙子役 渡口緋奈乃
彼女は初めて。
今回のメンバーの中でも新人の部類でしょう。
表情的にはおっとりした感じ。
しゃべり方はかわいい。
ちょっと舌なめずりなところもあるので、
気になる・・・こともある。
ただ、萌え系の里沙子役は珍しい。

正直なところ、
発声はこれからの子だと思います。
他の子と比べたらそれはすぐにわかる。
でも、彼女はまだまだ発展途上。
さらには回りがベテランすぎますからね。
比較するのは可哀想。
「萌え系」の女優は超重要ですし、
これからどんどん経験を積んでいってほしい。

森田小雪役 池澤汐音
彼女の演技を観るのは初めて。
雰囲気はバッチリ小雪。
ただ、小雪役にしては、かなりしっかり者で、
テキパキ動く感じ。
か弱さはそんなにない。
リーダー役はもちろん翼だけれど、
サブリーダーは小雪と思えるほど。
演技力あるし、カツゼツもいいし、
今の段階でこれだけ素晴らしい演技をするのだから、
間違いなく今後さらに伸びてくるでしょうね。

総括
チーム虹は、強烈に突出したメンバーもなく、
自然な感じでまとまっている。
野田紗貴は、そこまで強いリーダー役としてアピールしていないので、
全員が柔和な感じ。
小雪役の池澤汐音も、
あげ葉の藤井結夏もしっかりしているように見えるからかな?
意外と真面目なラブリーズ。

2008年1月公演観劇感想
2009年1月公演観劇感想
2010年1月公演観劇感想
2011年1月公演観劇感想
(敬称略)


トップ     観劇一覧     キャスト