ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2009

◆公演時期   2009年7月31日〜8月2日
◆会場 北千住 THEATRE1010
◆原作 レオ・バスカーリア
◆企画・原案 日野原 重明
◆脚本・演出・制作 犬石 隆
◆翻訳 みらい なな
◆総合プロデュース 黒岩 祐治
◆地球環境メッセージソング「緑の詩」
作詩・作曲
河村 隆一
◆音楽監修・作曲・作詞・編曲 玉麻 尚一
◆作曲 金子 貢
◆歌唱指導 岡崎亮子
◆振付 中川久美・関根玲子

あらすじ
いのちというのは、永遠に生きているのだ。
春に生まれた葉っぱのフレディ。
夏には人間に木陰を作り、秋には紅葉してみんなの目を楽しませ、
冬、風にのって母なる大地へ帰っていく。

人間の心の移り変わり、そして、短い葉っぱの一生・・・
いのちはめぐる・・・・・
(パンフレットより、一部抜粋)
観劇感想
2000年の観劇感想
2004年の観劇感想
2005年の観劇感想
2006年の観劇感想
2007年の観劇感想
2008年の観劇感想

毎回、子役のレベルが本当に高い舞台。
「葉っぱのフレディ」のメンバーで下手な子なんていません。
子役のレベルが物凄く高い。

今回、私は初日公演の観劇なので、そのあたりはご容赦ください。

私が観た、最初の頃の「葉っぱのフレディ」は1幕でしたが、
ここ最近は2幕。
2008年から再び1幕に戻りました。
だいたい90分〜100分ぐらいでしょうか?
1幕だと、子供たちが飽きやすいこともあるのでどうかな〜と思いましたが、
全く問題ありませんでした。
コンパクトにまとまっています。
中途半端な流れや、間の空いたところがありません。
飽きさせない演出はさすが。

パンフレットでひとつ思ったことは、みんな笑顔で歯を見せた写真。
私は元々笑わないタイプなので絶対に無理。
口とアゴのラインの三角?を出せる子は素直に尊敬してしまう。
笑顔の作り方、歯の並び等、重要なポイントがけっこうたくさんある。
子役で矯正したりするのも当たり前の時代。
矯正は数万円から数十万円とピンキリですから。
そういえば私的な話ながら、
私も子供の頃に「親不知」ができて痛くなったため、
歯医者に行ったのですが、
麻酔注射を打ったはずなのに、死ぬほど痛かった思い出があります。
「麻酔の効き目が弱いよ、歯医者さん・・・」と子供ながら愚痴ってました。

さらにパンフレットでは、初代フレディ役の星野聖良も登場。
星野聖良か〜
う〜ん・・・・・・
まぁ〜いろいろ(汗)
当時から天然系ではありました。

とりたてて、今までに観た舞台の内容と大きく変わらない・・・
ような気がするので、特に気になるところはありませんでした。
話の流れも、演出上の大きな変化も特には見当たらない。
エコを取り入れたのは2008年からかな?
そのたぐいで、ペットボトルの話はありましたが。

あくまで、細かい部分で気になったところとしては、ミニスカが多い。
と言っても、クリスとメアリーですが。
足が長いから魅せられるというのもあるのかな?
2008年のクリスは宇田千夏でしたが、
年齢が若過ぎるためセクシーさは感じませんでした(爆)
2009年の武田めぐみは年齢相応の色気があります。
魅せるという演技、表現も重要。

フレディ、クレア、メアリー、3人のナンバー、
とても良い曲で聞き応えあります。
両チームともに、歌唱力ありますからね。
ただ、あくまで私のイメージだと、2008年の方が印象度が強いかな?

最後の葉っぱの一枚の時の生ヴァイオリンはとても印象的。
ここは好きだな〜

気になった役者は・・・

葉っぱのフレディ出演者はレベルが高く、
特に言うことないのですが、気になった方だけ少し。

フレディ役、松田亜美
彼女は、ミュージカルアニー2007のモリー役の時から印象度が高いです。
雰囲気は当時のまま。
コメディチックで、明るく元気で、ピーターパンのようなフレディ。
演技力抜群。
モリーの時よりも遥かに成長しているのがわかります。
特に今回は歌かな?
さらに歌唱力がつきました。
彼女の場合は雰囲気が面白いし、
「ちょっとここが・・・」というところがひとつもないのが、私も悔しい。
元気ハツラツなこのフレディ役に関しては、言うことありません。

おなじく、フレディ役の小田切美織
彼女も、ミュージカルアニー2007でモリー役。
失礼ながら彼女に関しては、ルックスはかわいいけれど、
アニークリスマスコンサート2008のように、
私としてはややイマイチな部分を感じていました。
ところが!!
う〜ん、今回のフレディ、やりますね!
松田亜美に比べたら逆の印象となる、弱々しい貧弱なフレディ。
はかなげで、か細い感じ。
触れたら倒れそうな印象。
今回のこの役に関してはバッチリ合っていると思います。
歌もまずまず良く頑張っている。
少なくとも、アニークリスマスコンサートの時の100倍いい。

ただ、やっぱり表情がのっぺりする時があるんですよね。
元々のルックスがかわいいから、そんなに強い印象は残りませんが。
もうちょい、ここの表情付けがあるとなお嬉しい。
最後の自分がいた木を見つめるところはやや淡白にも思えてしまう。

クレア役の金本南希
彼女は子役としての経験が豊富。
数々の舞台を主要キャストでこなしている、ある意味ベテラン。
最近ですと、2008年 若草物語 〜ルイザが描く愛の世界〜ではエイミー役。
この演技も秀逸でしたが、
今回のこのクレア役も言うことありません。
演技的なことや、セリフ回し等は本当にうまいもの。

彼女の場合、クレアの解釈が今までの子とは全く違うことに驚きます。
かなり動的。動くクレア。
受動的ではなく、能動的であるとも言える。
かつて鈴木満梨奈クレアを演じていたとき、
それはそれは優しく穏やかで、
母性のように温かい眼差しをフレディに向けていました。
本人のブログでも、受かった当時の嬉しさや、
クレア役を演じる上での意気込みが凄かったことが思い出されます。
その鈴木満梨奈が演じたクレア役とは、かなり性格が異なる。
真逆にも近い。
ハキハキして、テキパキした姉さん系の、ある意味お節介好きな存在。
それが、金本南希が自分の中で解釈したクレアなのでしょうね。

歌唱力は本当に素晴らしいと思う。
ただ、動的クレアのためかわかりませんが、
正直セリフが軽く、口調がやや早い気がします。
このあたりは、
クレアを演じる上での性格付けによって異なるのかもしれません。

この能動的、積極的なクレアでも別にいいのだけれど、
そのあおりをくったのが、鹿目聖名のアン。
穏やかで慎ましいクレアと、
コメディチックで積極的なアンという対比があってこその個性なのに、
クレアが積極的だと、アンと性格が似通ってしまうんですよ。
鹿目聖名のアンが印象に残らないってわけでもないけれど、
性格が被るのはどうだろう?

同じくクレア役の田代りさ
彼女は王道の、優しく穏やかで安心感を与えるクレア。
ラブリーズでやや落ち着いた優しい感じの小雪を演じていましたが、
今回も似た役柄。
田代りさという女優は、優しく穏やかな演技をそつなくこなす。
ここは素直にうまいと思う。
彼女の性格の全てを把握しているわけではありませんが、
普段のおっとりして穏やかで優しい雰囲気が、そのまま出ている感じ。
私的に彼女は優し過ぎるので、多少は壁を作った方がいいなと思ったりもする。
年齢を重ねて経験してくると、自分で判断できますけどね。

ルックスは可愛いし、笑顔の作り方も抜群。
ほぼずっと笑顔。
それを加味して温かみのあるクレア役の演技は、申し分の無い出来。
彼女の場合は母性的という感じではなく、アイドル的かな?
歌はまずまず。
前半よりも後半の方がいい感じ。
彼女はここが成長してくると、とてつもなくすごい女優になる・・・気がする。

ダニエル役の小山侑紀
2008年ではメアリー
2007年ではフレディ
と、違う役を演じています。今回はダニエル役。
演技もしっかりしているし、特に声量はすばらしい。

ただ、私は少年っぽさが足りないな〜と思いました。
ダニエルが少年であることに気づかないほど。
かといって少女らしい可愛い雰囲気でもない。中性的な感じ。
そして、なによりも彼女のダニエルは強い。かなり強い。
一瞬、主人公かと見紛うばかりに強い。
前に前に出る。
ここまで我が強いダニエルは、私が観た「葉っぱのフレディ」では初めて。
これが彼女の解釈したダニエルなので仕方ありませんが、
私は冷静で落ち着いた雰囲気のダニエルのイメージが強いんですよね。
個人的には、もう少し自分を抑えた演技をしてほしいな。ちょっと強い。
これが彼女の解釈したダニエル役なので、それはそれでかまいません。
私はちょっと苦手なだけ。

ダニエル役ではない、「葉っぱ」の時のダンスはすばらしい。
葉っぱでも目立ちますからね。

同じくダニエル役の飯沼ひかる
ファミリーミュージカル魔法使いサリー2008では弥生役、
ミュージカルアニー2007ではテシー役として活躍。
飯沼ひかるというと、ルックス抜群の美少女。
その彼女が少年役であるダニエルをどう演じるのか?
とても興味がありました。
で・・・・
まいった。
素晴らしい。
か・な・り、すばらしい。
ダニエルの少年らしさが良く表現されている。
落ち着いて、知的で、博識のあるダニエル。
私が好きなタイプのダニエルを演じているので、超!魅力的に感じてしまう。
あんなに可愛らしい少女が、少年役を完璧に近いほどこなしています。
歌唱力もありますね。
ここの成長度も高い。
また、「葉っぱ」役の時の表情付けも白い歯が見えるほどの笑顔。
表情の付け方も面白い。ここも印象深いな〜
このダニエルは何度も観たくなってしまうほど。

メアリー役の加藤梨里香
たいして威厳の無いエターナルファンタジー演劇大賞 2008年では、
最優秀新人賞を受賞しています。
ルックスはあいわからず可愛い。
さらには足が長くて細い。
ミニスカートもじつによく似合う。

ただ残念ながら、私が観た回は声がややハスキーヴォイスでした。
元々なのか、これが声変わりのためなのか、のどを痛めたためなのか、
それは定かではありません。
それでも歌唱力はあります。
前半ちょっと伸びないな〜と思いましたが、後半パワーアップしてきました。

前半部分は派手でヤンキー系なメアリーですが、
正直、セリフをまだ自分のものにしていない感じがしました。
セリフが先行していて、気持ちが伝わってこない。
まだまだ軽い。
これが慣れてくるにしたがって、自分のものにしてくることでしょう。
私が観たのは初日ですしね。

ダンス部分では、ヒップホップはおそらく得意でしょ?
そうとう派手に目立ってました。
うってかわって、メアリーではないダブルの葉っぱの部分では、
クラシックな葉っぱのダンスもきっちりしていてすごく魅力的。
基本、やっぱりダンスの子だな〜と納得。

同じくメアリー役の川田菜々子
たいして威厳の無いエターナルファンタジー演劇大賞 2008年では、
新人賞で、最優秀新人にも後一歩というほどの実力者。
あの時点では、わずかな差ながら私は加藤梨里香に軍配を上げました。
今回、このメアリー役を見るかぎり、すばらしい成長度だと思います。
少なくとも差は全く無い。
瞳パッチリな女の子。
演技もしっかりしていて、セリフも軽くなく、良い感情ののり方。
ややセリフのイントネーションがアニー口調だったのは、
私の気のせいかな?
体の線が細いし、足も長くて細い。
ヒップホップもやりますね!
歌はまずまずな感じ。
とにかくも、去年と比べての成長度に驚きました。

それから、これはあくまでも補足。
私が観た回では、
大事なアイテムであるペットボトルを使っての、
舞台進行が全て無くなっていました。
宝田明氏が、何事もなかったかのように舞台を進行させてくれたため、
観客も気付かない人が多いでしょうね。
ただ、環境、エコという点においては重要なシーン。
それがまるごと無くなってしまったのは、何よりも本人がつらいでしょう。
悔しいし、おそらく号泣したかもしれません。
現時点においては、とにかくも次に向けて頑張ってほしいと思います。
経験ですもの。
過去には「約束の金メダル」なのに、
金メダルを忘れてしまった人だっています(汗)
何事も経験。それが生の舞台。
大きくなった時、そのことも良い思い出になるはずです。


アン役の鹿目聖名
たいして威厳の無いエターナルファンタジー演劇大賞 2008年では、
聖橋特別賞を受賞しています。
雰囲気地味ですが、かなり実力ある女の子。

何より一番思ったことは背が伸びたということ。
しかもそれに加味してか、腕や足も伸びました。
さらに細い。
彼女だけでなく、最近の子は足が長くて、しかも細いんでよね〜
脱線しました。
彼女の演技は無難かな?
アンのハキハキした感じの演技はいい感じ。
カツゼツいいですからね。ベンとの漫才チックなところも面白い。
じつのところ歌唱力もある子なので、
惜しむらくはそこをたくさん披露できなかったことかな?
役柄的に仕方ありませんが。
しっかし、まだこの時点で中1ですか。中3ぐらいかと思いました。
その年齢の低さにも驚かされる。
彼女は、まだまだのびしろありますね。

同じくアン役の塩川菜摘
彼女は初めて観ましたが、
うん、落ち着いていて無難なアンを演じていました。
私が観た回では、巻き付けのスカートがちょっと落ちましたが、
冷静に直していました。
アン役ではない、「葉っぱ」の時の表情付けも素晴らしい。
なんだかこれから人気が出そうな予感。

ベン役の伊宮理恵は言うことないな〜ベテランですしね。
「僕は葉っぱのベン」は笑いましたが。

同じくベン役の江見ひかる
伊宮理恵のベン役とはまた違う雰囲気で面白い。
そこまでおとこおとこしてない感じです。
彼女なりに解釈したベンが好印象。

マーク、メフィスト役の堀江慎也
彼は今回で二回目のマーク役なので、言うことなしにすばらしいと思う。
特に今回はメフィストのダンスの方に目が行きました。
あの衣装での動きは大きく見せないといけませんから、
その点においては本当に良くやっていると思う。

クリス、カミキリムシ役の武田めぐみ
前述していますが、彼女のクリスはじつにセクシー。
色気を感じます。
ラブリーズの小雪とはまた違う役のクリス。
恋愛に夢中で、いたずら心満載の演技もいいと思う。
個人的にはもっとラブラブでも良かった気もします。
北川理恵もしていた、おばあちゃんの演技もいいですね〜

ただ、やっぱり歌かな。
もともとクリスのナンバーは難しいんですよね。高音ですし。
保泉沙耶クラスが頑張ってようやく歌えるレベルだもの。
他の舞台であれば、1オクターブ下げたりすることも考えられますが、
ここは、かたくなにこだわります。
武田めぐみも裏声で頑張って対応してますが。
難しいナンバーですよね・・・

カミキリムシのモア、葉っぱ役の春日希
カミキリムシのモアのセンターは、すごく印象に残っているダンス。
最初誰か忘れてましたが、春日希ですか。やりますね!
変わって、葉っぱの時は「凛」とした表情がじつに好印象。
スッと前を見つめて微笑んでいます。
ダンス、雰囲気はとてもすばらしい。
地味な葉っぱの部分でも見映えがありますよ、彼女は。

ペティ、パティは、前々から良くわからないので申し訳ないです。
そっちばかり見ていると、視点がずれ、本編がわからなくなってしまうもので。
ペティに中原櫻乃 木村奏絵
パティに石井千夏 村野芽唯

ということで、彼女たちの場合は、
子供での登場や「葉っぱ役」での印象が強い。
村野芽唯は子供の時の後ろ足の蹴り上げ方が素晴らしい。
ヒップホップもなかなか。

木村奏絵は表情付け。
葉っぱの時の笑顔はかなり目立つ。

中原櫻乃は・・・ごめんなさい、あまり印象に残りませんでした・・・

石井千夏は、笑顔はかわいい。
センターでクリスやマークがイチャイチャしていたり、
ルーク先生がお話しされていたりしても、
とにかく常に笑顔。そこはすばらしい。

ただ、葉っぱではなく、子供で登場した時のヒップホップが、
いかんせん、あまりにもまだまだすぎる・・・
いろいろな理由があるとは思いますが、観ていてちょっと。
これからの課題でしょう。

風のウェンディ役の大胡愛恵は言うことないでしょ。
ダンスは当然のことながら素晴らしいし、
なにより、最後のナンバーのソロは聞き応えあるもの。

葉っぱ役の安藤玲奈は、葉っぱだけでも印象に残る。
表情豊かで、すぐにどこにいるのかわかるくらい。
印象的なのはダンスかな?
観ればわかりますが、切れが抜群。

風、葉っぱ役の宮島小百合は、葉っぱも印象深いですが、やはり風。
後半の風のウェンディとともに登場する風のダンス。
ここは素直に素晴らしいと思う。
柔らかなダンスだし、左右に足を上げる打点も高い。
この流麗なダンスを観ると、
いずれは風のウェンディ役になることも考えられます。
ただ、大胡愛恵はダンスだけでなく、演技も歌唱力も素晴らしすぎますからね。
そこまで到達してほしいな〜という、淡い可能性。

総括
今回、私は初日のみの観劇なので、
舞台を重ねるごとに、役を理解して慣れていったに違いありません。
演技もダンスも、地方公演を重ねてレベルアップしていたことでしょう。

全体を通しての歌唱力という点においては、去年の方が上かな?
生駒春奈、栗原沙也加、加藤茜、伊藤有沙の4人が強烈すぎたかも。
ただ、毎回観ている奇特な私の比較なので、
一般の方は十二分に楽しめるし、感動できる舞台だと思います。
二人のフレディは本当に素晴らしい。

(敬称略)


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