◆ 「フラッパーズ〜私たちにできること〜」


チーム風 満足度
チーネ桜 満足度
チーム華 満足度
◆公演時期   2011年8月9日〜2011年8月21日
◆会場 下北沢 小劇場 楽園
◆構成・演出 桝川譲治
◆脚本・作詞 熊手菜津子
◆振付 吉永まりや/他

あらすじ
強豪陸上部の部室から遠く離れた場所に、
控えの、そのまた控えの選手たちが集まる部屋があった。
レギュラーになれるチャンスもなく、
ただ放課後に決められたように集まるだけ・・・
そこに集まってくる控えの選手たちは、
必要とされていない己自身に各々が問いかける。
そんな彼らに思いがけない依頼が・・・
(パンフレットより抜粋)
観劇感想
いつものこの時期は、「ココスマイル」や「フレンズ」など、
「アニー」や「葉っぱのフレディ」に負けず劣らずの、
ジョーズカンパニーの公演がありました。
たくさんの方が練習を積み重ね、オーディションにのぞみました。
人数的にも多いですし、ダブルキャストですからね。
ただ、今回は震災の影響で、
6人×3チーム、18人のストレートプレイの舞台。
特に演技力が問われます。
その中から選ばれたメンバー。
下手な子なんていませんし、
そして、やっぱりチャレンジャー。
怖いものなんてなにもない、そんな意気込みでいいです。

さて本編。内容的には、
陸上部の控えの、さらに控えのメンバー4人+マネジャーの部室。
特にやることもなく、レギュラーの雑用ばかり。
そこに転校してきたみくにがエリート意識をもって登場。
レギュラーになれるタイム・・・と本人は自信をもっていたものの、
陸上部のレベルは高く、じつは平凡なタイムでガックリ。
そんな時、コーラス部が体調不良になり、
明日にせまったコンクールに出場するよう代役を頼まれる。
マネージャーになった千歳の過去、
陸上部に入る前の真咲の過去、
遥香と希未の友情に隠された過去の亀裂、
様々な思いが重なり、6人はコーラスの練習を始める・・・
こんな感じです。
過去話多いですが。

今回の脚本。
正直、つらいものがあります。
頑張って、頑張って、それでも報われない・・・
「残念でした。これが現実!」という感じ。
それでもへこたれない!というメッセージかな?

最初の場面で、走り終わった後の行動。
「笑顔を振りまいて〜」とか、
まるでTBSアナウンサーの田中みな実のようだと思ったのは、
私だけかな?
ちょっとした皮肉かな?

陸上部の話から、コーラス部関連になるのは、
けっこう強引だな〜とは思いますが、
ま〜やっぱり歌を歌わせる流れとして、こうなりますか。

チーム風

日野千歳役 吉永まりや
前々から実力あるし、年齢も年齢だし、
(もう二十歳か〜)
このリーダーかつ、マネジャー役は文句のないできばえ。
エルダ・アルゴの「スタート」の時ももちろん可愛かったけれど、
じつのところ2005年 「ハローグッバイ」の主役みかん役の印象が強い。
いろいろ厳しい感想を書いていますが、だからこそ記憶が鮮明。
演技もさることながら、
声、セリフ口調が、この時と比べたら物凄く良くなっている。
相当な努力、練習をしたことがすぐに想像できます。

花村みくに役 荻野七穂
言うまでもなく、ミュージカルアニー2008の主役のアニー役。
あれから3年ですか。
まず思うのは、笑顔がかわいい。
表情豊か。
子役よりも、少し大人っぽい雰囲気ですね。
私のイメージだと、米澤史織に近いかな?

みくには転入生役なのですが、
各チームによって、かなり演じ方が違います。
荻野七穂のみくに役は、
どちらかというと、お嬢様系の学校から来た感じ。
立ち振る舞いとか、雰囲気とか、お嬢様のイメージ。
演技力は言うことないです。
本当にうまい。
さらに、この荻野七穂という女優は、
自分の世界、荻野七穂ワールドを持っている。
独特な演技。
セリフひとつひとつが、じつに丁寧。
言葉の重みを感じることができます。
セリフを大事に大事にしているのが良くわかる。
ただセリフを喋るだけの子ではない。

ということで、
これだけの独特な世界観をもった女優を見ると、
彼女のひとり芝居を見てみたい衝動にもかられます。
荻野七穂ワールドに引きずり込まれる。
いや、引きずり込まれたい。
女優として。

あえて、ひとつだけツッコムことがあるとしたら、
初めての歌のレッスン、
普通にうまいし、伸びがあって完成されている、
というところでしょうか?
変な音程、音痴の演技ができないのは仕方ないでしょうね。

山本遥香役 澤田樹里亜
まず一番驚くのは背の高さ。
すごく大きくなった印象。
高木夏美の方が小さいとは驚きでしょう。

歌のレッスンの時、
ひとりだけ音痴のレッテルを貼られて、
手のほどこしようがない感じ。
ここが何かしんみりしてしまうんですよね。
他のチームをかえりみると、本当はコメディチックに笑う場面だと思います。
複雑に考えてしまいがちだけれど、
なんというか、ボケキャラというか、面白さがほしいかな。
せっかく自分が引き立つ場面ですからね。

山谷希未役 高木夏美
意味合いとしては、ラブリーズのあげ葉と、そんなに遜色のない役。
「あげ葉とは、ここが違います!」
と言われても、たぶん違いなんて気づきませんから。
ボーイッシュで活動的で、考えるより行動優先のムードメーカー的存在。
あえて言うのであれば、
前のあげ葉よりかは、弾けない感じでしょか?
やや落ち着いているような・・・気がします。
こういう役は、本当に演技の度量が出ますからね。
高木夏美の演技力、そうとうついてきている。
特に言うことないな〜
あえていうのであれば、
おしとやかな役のオファーが、今後きづらいかも。

水川かえで役 堺ひなの
彼女の演技を観るのは初めて。
パンフレットはおでこ全開ですが、
舞台上は髪を下ろしています。
個人的にはこちらの方がかわいい。
水川かえで役も、各チームもバラバラな個性。
空気が読めない、ハーモニカで自分の気持を表現したりするわけですが、
ま〜演技的にはこれからの子でしょうね。
どちらかと言うとダンス系かな?
ただ、今回の舞台でそうとう鍛えられたでしょう。
6人の中のひとりですから。
次回どうレベルアップしてくるのか、凄く興味深いです。

森井真咲役 堀江聖夏
過去に「ラブリーズ」であげ葉役を演じていて、
独特の世界観をかもしだしていました。
面白かったです。
前述している、荻野七穂ワールドと同じく、
堀江聖夏もワールドを持っている女優。
今回は違う役。
さて、どう演じるかと、凄く期待していました。
過去にあげ葉役を演じた子が山谷希未役ですから、
その役だとあのままの演技かな〜と思いましたが、違う役ですからね。

で、です。
何も変わっていない。
あげ葉のあの役の演じ方、性格、そのままなんですけど。

ルックスは抜群にかわいいし、面白い演技は大好きなのだけれど、
同じタイプの役しかできないのはつらい。
このカンパニーならいいけれど、
仮に他の舞台にたった時、役を演じろと言われた時、
これで突き通せるのかは微妙なところ。

ただおそらく、
彼女はこの演技、スタイルを貫くのだと思う。
間合いがゆっくりで独特、喋りも独特、
3チームあるけれど、
正確に計ったわけではありませんが、
おそらく、このチームが一番公演時間が長いと思います。
堀江聖夏のゆったりとした間合い、
空間、ワールドが、そのためでしょう。
堀江聖夏ワールドは、荻野七穂ワールドに比べて、
濃いし強すぎる。
たしか、ふたり芝居のところも、
かなりゆったりで聖夏ワールド全開でしたから。
ま〜本人マイペースなんでしょうけど。

あえて言うのであれば、
SETにおける三宅裕司や小倉久寛、
キャラメルボックスにおける西川浩幸のような演技スタンスでしょうか?
それぞれに役は振り分けてはいるものの、
舞台としては、それほどその役の個性にとらわれず、
毎回毎回、素の演技を楽しみにしている感じです。
「あ〜やっぱり三宅裕司だな〜」
という、お約束の演技。
それを楽しみに観劇する方も、たくさんいらっしゃいますから。
いちがいに「同じ演技ばかり」と否定はできません。
とはいえ、やはりカンパニーによって事情は異なりますけど。
テレビドラマで、そんな個性が強い演技はしませんし。
ただ最近は、同じ役者がいつも同じ演技・・・
なんて揶揄されることも多いですから、
たいした問題でもないでしょう。
いかにお客さんを呼び込むか。
「堀江聖夏」を、「フラッパーズ」を、何回も観に来ていただくか、
それがあればいいのかもしれません。
好き嫌い別れます。

チーム風 総括
チーム風は、良くも悪くも堀江聖夏に左右されすぎる。
いやがおうにも引きずりこまれる。
堀江聖夏の演技が大好きな人にしてみれば、
毎日観劇したくなるほどの中毒性をもっていると思う。
逆に「前と同じ演技か〜」と思う人にしてみれば、
観劇は1回だけでしょう。
バランスが難しい。
荻野七穂は抜群の笑顔を持っているけれど、
彼女も自分の世界観をもっているため、
このチームはワールドを持っている子がふたりいることになる。
このバランスを保つべく、流れを操作するべく、
吉永まりやがいるのだとは思うけれど、
流れを正道に持っていくようにする修正等、ものすごく大変だったでしょうね。
一番苦労したのは吉永まりやなのかもしれない。

チーム桜

日野千歳役 速見里菜
ココスマ関連ではないけれど、
「ラブリーズ」では守口翼役を演じ、
「メリッサのゆりかご ジルの監獄」ではヒロインのニーナ役を演じました。
今回のこの役、基本、リーダー役として大変ですし、
チームの中でも彼女が一番年齢が上なので、まとめ役も大変だったことでしょう。
特にこちらは新人的要素が2人いますから。
吉永まりや、細川さりかだと、
なんとなく、リーダー的存在として仕切れるような感じがしますが、
速見里菜はなんとなくまだ幼い印象が強いもので・・・

発声もしっかりしているし、セリフづかいもいいし、
演技もしっかりしいるし、安定力は抜群だと思う。
リーダーとして日野千歳役、本当によくやっていると思う。
ただ、私はあえて言いたい。
何かもうひとつ欲しい。
全てがまとまりすぎている感じ。
たとえば、細川さりかの日野千歳役だと、
ひとり芝居の部分、ものすごく重厚感がある。
グッとくるんですよ。
それがまだ速見里菜には足りない。
真面目な演技も、コメディチックな演技もできる。
ただ、なんというか、
悲壮感、重苦しさ、押しつぶされそうな部分が欲しい。
言い方変ですが、よどんだ暗さかな?
ダークサイド的な雰囲気とか、病んだ感じを身につけていくと面白いかも。
ま〜安定感ありすぎるがゆえの、私のひとりよがりの意見。
そもそも、普通の子にはこんなこと言いませんから。

花村みくに役 森本祐加
「ファミリーミュージカル ココスマイル」2010年ではサヤ役を好演。
じつのことろ、
エターナルファンタジー演劇大賞 2010年のMVP候補で、
北川理恵がいなければ、森本祐加を考えていたぐらいの実力ある女優。
そのぐらい、私は森本祐加の実力をかっています。

みくに役は転入生ということで、
各チーム微妙に性格設定が異なります。
自分でいろいろ設定を考えることができるキャラですから。
森本祐加の場合は、
リレーのアイドルが、万をじしてこの学校に転入するという感じでしょう。

アイドル的ルックス、演技力抜群、歌もダンスもできて、
コメディもできるという、非のうちどころのなさ。
ものすごく素晴らしい。
コメディチックな演技もできるのが、
森本祐加のすごいところなんですよね。
なんでもこなせるって簡単に言いますけど、
それだけものすごく努力している結果ですから。
リズミックタウン2007から、体の成長はともかくとして、
ルックスや雰囲気があまり変わっていないのも、
魅力のひとつかも。
ほんと、この年齢で、ひとりで観客を魅了できる子なんてそういません。
私だってファンになりたいくらい。
「やっぱり森本祐加はすばらしいな〜」としか言いようがないもの。
それだけ素晴らしいみくに役でした。

ただ、じつのところ、あくまで私の好き嫌いですが、
後述する「ひな実」の演技力も見応えあります。
あくまで花村みくに役に関しては、
「ひな実」に魅了されます・・・
いかにアイドル的ルックスを持ち、演技力がある女優でも、
違うタイプの女優に心を動かされることもあるということ。
それが今回の舞台とひとつの特徴かもしれません。

森井真咲役 野田紗貴
野田紗貴に関しては、ベテランすぎて言うことなくなってます。
この年齢にして超がつくほどベテラン女優ですし。
2004年の「ココスマイル3再演」ルイ役からですからね。
おそらく、配役的に日野千歳役の速見里菜とかぶったと思います。
野田紗貴が日野千歳役を演じても、無難にこなしていたことでしょう。
彼女の実力なら、どちらでもいけますから。
あくまで私のイメージとして、
野田紗貴のポニーテールは珍しい。
私だけかな?
なかなか似合っています。

役柄的にこの森井真咲は、
どこにでもいる普通の女の子といった感じ。
とちらかというと、ちょっと積極的で明るい感じでしょか?
後述しますが、本橋舞衣の森井真咲役と比べると、
真面目な印象がします。
おちゃらけた感じ、面白さ、コメディチックには欠ける。
もともと私の印象で申し訳ありませんが、
野田紗貴の演じ方はすこく真面目な印象を受けるんですよね。
常に一生懸命に努力しているのがわかる感じ。
だから、この森井真咲役も、やや優等生のような雰囲気が出ます。
そのぐらいでしょうか?
このあたりは人それぞれの個性ですから。

山谷希未役 日岡愛香
「ラブリーズ」では里沙子役でした。
山谷希未役は、意味合い的に「ラブリーズ」におけるあげ葉。
過去にあげ葉役を演じた女優が、今回山谷希未役を演じているのもうなずけます。
それを日岡愛香が演じます。
テンション高いこの役、日岡愛香、よくやっていると思う。
全く関係ないけれど、この役を演じるにあたり、
おそらく家でもこの役を練習をすることでしょう。
テンション高めで練習するわけですからね。
その光景を想像すると・・・大変だ。

で、そのテンションの高い、
恥ずかしさのかけらもない、
粗削りな山谷希未役を演じる日岡愛香。
頑張ってますよ。
ダンスが得意であることは言うまでもないけれど、
今回の舞台で、完全に「ダンスの日岡愛香」は卒業したと思います。
演技レベル、ものすごく上がっているのがわかる舞台でした。
やるね、日岡愛香。

山本遥香役 高橋安莉沙
高橋安莉沙は初めての観劇。
おそらくだけれど、
彼女がハーモニカの水川かえで役を演じてもいい感じですね。
ただ、金光歩乃佳がまだ若いので、
バランス的にセリフの多い山本遥香を演じることになったのかもしれません。
大抜擢でしょう。
セリフ回し、独特の間合い、
他のチームの山本遥香役とはまた違った雰囲気。
まだ新人だな〜
頑張ってるな〜
という思いが観劇していて募ってしまう・・・
今回のすごく貴重な経験を糧にして、また頑張ってほしいです。

水川かえで役 金光歩乃佳
「ファミリーミュージカル ココスマイル」2010ではルカ役でした。
私の場合、ダブルキャストだった菅野吏紗が強く印象に残っており、
金光歩乃佳が薄かったことは申し訳ない。
だからこそ今回の舞台、ものすごく楽しみにしていました。
かえでというのは、
ちょっと不思議ちゃんであり、天然系な女の子。
時にハーモニカの音色で答えたりします。
この役は、各チームでも演じ方が異なります。
一番年下。なんとなくミソッカスみたいな感じかな?
みんなのマスコット的存在。
何をしても「いい子いい子」みたいな雰囲気。

う〜ん、やっぱりまだ幼い。
今回の出演者で一番年齢が低い小学生。
2000年生まれですから。
世が世なら「ココ」を演じたかも・・・なんてのは妄想でしょうね。
やっぱりまだ若いから、
瞳をキョロつかせて落ち着かない部分はあるし、
回りのセリフを聞いていて、
「いざ自分のセリフの番!」
という、待っている感が見えてしまいます。
こういう性格だから、こういう演技をしないと・・・
ということまでは、ちょっと受け取れませんでした。
演技はまだまだ発展途上といったところ。
でもよくやってますよ、この6人の芝居の中で。
ものすごく鍛えられているでしょ。
かわいらしいアイドル系のルックスですし、
次々世代を担う子だと思いますから、今後に期待大です。
来年あたり、化けそうな予感。
あくまで予感。

チーム桜 総括
このチーム桜は、若いメンバーがふたりいます。
正直言って、不安定な部分がやや見受けられました。
他の4人の実力があっても、カバーしきれない部分があります。
舞台の完成度という意味においては、まだまだ発展途上。

チーム華

日野千歳役 細川さりか
彼女の観劇は2回目。
「虹の向こうに続く道」も好印象でしたが、
今回もすばらしいです。
ハッキリ言ってうまい。
しっかり落ち着いたリーダー役、
日野千歳をじつにうまく演じています。
度量というか、深みがある。
特に一番印象に残るのがひとり芝居。
ものすごくいい演技をする。
演技はうまいな〜と思っていましたが、
ここまで女優としてできるとは思いませんでした。
声質がこの役に合っているのかな?
何か安心する感じ。
これはあくまで私の予想の範囲内ですが、
一番の年長ということもあって、
チーム華のメンバーを引っ張っていった気がしますね。
役者のイメージ的には、
過去に「ラブリーズ」にも出演していた島田華衣的な雰囲気。

花村みくに役 ひな実
彼女は初めて観ました。
出てきた瞬間面白い。
演技も独特でうまい。
ちょっと声質がアニメ声で、舌なめずり。
でも、セリフ回しに違和感は全くありません。
むしろしっかりしている。
みくに役は各チームでとらえ方が異なりますが、
ひな実のイメージは、
ちょっぴり天然おバカそうでいて、
じつはしっかり計算高いという感じかな?

雰囲気的には、一番初めて見た時の、
松田ひかる、左川桃子、春日希的な感覚。
久々に観る衝撃的な女優。
驚き度から言えば、服部杏奈以来かもしれない。

ただ、正直、今の段階の演技は、
自己中心的で、自分の演技に酔っている部分も見られる。
かなり自分自分。
でも、今はそれでいい。
回りのことを気にして観るのは、
もう少しあとでも遅くはないもの。
自己中部分をいずれは少しずつ削っていて、
回りに合わせていけばいい。
今、これだけできれば大したもの。凄い逸材。

ま〜あえてひとつツコッミをいれるのであれば、
ちょっと瞳がホワッとしがちなので、
そこが気になると言えば気になりますね。

あくまで私の感想として、この花村みくに役に関し、
元アニーの荻野七穂、
ココスマイル再演サヤ役の森本祐加、
この両名を越えている。
この二人を越えるって、どれだけ凄いことなのかと。
恐ろしい子。

山谷希未役 中庭ひなこ
「ラブリーズ〜君に捧げるハーモニー〜」2011年の、
あげ葉役で初めて見た女優ですが、
当時も素晴らしいし、今回も素晴らしい。
ま〜意味合いとしては、あげ葉も、山谷希未も似たようなんもですから。
山谷希未役は元気いっぱいで、メンバーの中でもムードメーカー的存在。
こういうクセのある演技、中庭ひなこは抜群にうまい。
嫌味がいっさい無い弾け方ですから。
演技はあいかわらずしっかりしているし、
おどけた部分もうまいし、
変なリズム感で歌うところも面白い。
各チームの山谷希未役も、面白いリズム感で歌うのですが、
中庭ひなこが一番面白い。

パンフットの髪をおろしている写真を見ると、
もう全然誰だかわかりませんね。
舞台上のポニーテールのイメージが強くなりました。

森井真咲役 本橋舞衣
「ラブリーズ2〜ひなごころバージョン〜」2011年では里沙子役。
観劇感想にも書いてありますが、
彼女は年々レベルアップしているのがわかります。
元からうまい子は「さすがにうまい」とかいう感想になってしまいますけど、
最初はまだまだで段々と伸びる子は、
観ているこちち側もちょっと嬉しくなったりします。
ただ、元々背が高いイメージがあり、
ロングの髪のイメージもあるので、
そういった部分での成長は気づきにくいですが。

ただ、演技は本当にうまくなりました。
舞台進行の芯としては、
細川さりかに続いての要だと思います。
表情付けも柔軟性にとんで、
いろいろつけられるようになったし、
微妙な変化、目配りもうまい。
相手の表情をよく見て、目を配らせているもの。
山谷希未役のような派手さはない役だけれど、
意外とキーポイントなんですよね、この役も。

ただ、ひとり芝居のところは、ちょっと軽い印象を受けました。
もうすこし重くしてもいいと思う。
トーン低く抑えた演技もほしいかなと。
それでも十二分にうまくなりましたけど。
期待を込めて。

山本遥香役 宮島小百合
宮島小百合が6人芝居のストレートプレイに挑むこと自体、
時の流れを感じます。
2006年から観てます。
やはり、小さい頃から観ていたこともあり、
体の成長の印象が強い。
当時、やっぱり小さくて、ここまで成長したかという感じ。
手足のみならず、体全体が成長してます。
今回は普通のポニーテールではなく、
ちょっと横に束ねたポニーテール。
印象がけっこう変わって新鮮。

今回の山本遥香役は、本人にピッタリだな〜と思いました。
雰囲気あってますし。
最初のランニングしている姿だけで面白い。
普通の子の役でありながら、傾向的にはやや真面目。
歌のレッスンで、自分だけ手直しをされず「えっ・・・」
ってなところも面白い。

中庭ひなこと語り合うふたり芝居の場面。
ふたりが語りあうシーン。
もっと弾けてもいいかもしれない。
基本、素直で良い子の役なので、そんなに弾ける役でもないけれど。
真面目でい良い子なんだけれど、言いたいことはもっと強く言ってほしい感じ。
なんとなく淡々として、いつも同じ演技を観ている気がしないでもない。
あとはセリフの重さかな〜
今までの舞台を観ていて、
このセリフ遣いが彼女の特徴ではあることは十分に理解できるけれど、
全体の場面はともかく、ふたり芝居のところは正直もうちょっとほしい。

水川かえで役 辻友里香
ハーモニカを吹く、天然で不思議ちゃんのかえで役。
辻友里香は初めて観ましたが、
じつのところ、意外とこの役に合ってるんですよね。
ものすごくハマッテる。
3チームのかえで役の中で、一番雰囲気がある。
演技はもちろんまだまだだけれど、
不思議な雰囲気があるし、ちょっと背が前かがみな部分も逆にいい。
まだまだ素人な雰囲気全開だけど、
この役に関しては合っているもの。
天然系、ほわっとしている。

ま〜一番の驚きは、おそらく本橋舞衣よりも長い足かな?
絶対に本橋の方が長いと予想していたのだけれど、
それよりも長いことに驚きます。
やっぱり子供の頃から正座とかしなかったのかな?

チーム華 総括
チーム華は、全員のバランスがいいので見応えありました。
なにより、新人、ひな実の演技力が独特で、観ていて飽きない。
演技力もさることながら、表情付け、独特のアニメ声、
人を引き寄せる魅力をたくさん兼ね備えていると思います。
今後、そうとう伸びていくことでしょう。
あとは、もう少しソロの歌を聞きたかったかな?
少し歌っていましたが、もっと聞きたかった。
個々の役者の好き嫌いはありますが、
バランス的には「チーム華」が一番楽しかったです。

(敬称略)
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