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ミュージカル「葉っぱのフレディ~いのちの旅~」感想2004年3月

満足度星星半星空星空星
公演時期 2004年3月30日
会場 戸田市文化会館
企画・原案 日野原重明
脚色・作詩・演出 犬石隆
総合プロデュース 黒岩祐治
音楽監督・作詞・作曲・編曲 玉麻尚一
作曲 金子貢
振付 中川久美/関根玲子
歌唱指導 岡崎亮子
美術 斎木信太朗
照明 山田茂
衣装 本谷智子
音響 実吉英一
原作 レオ・バスカーリア

あらすじ

いのちというのは、永遠に生きているのだ。 春に生まれた葉っぱのフレディ。 夏には人間に木陰を作り、秋には紅葉してみんなの目を楽しませ、 冬、風にのって母なる大地へ帰っていく。 人間の心の移り変わり、そして、短い葉っぱの一生。いのちはめぐる(パンフレットより、一部抜粋)

観劇感想

2000年の観劇感想は→こちら 今回は、白組の方だけの観劇です。 さて感想ですが、私としては初演の時よりも遥かに良い印象をもちました! 初演の記憶もところどころ断片的なのですが、 とにかくも、今回の公演の方が印象に残ったことは確かです。 基本的にはエンターテイメント性のミュージカルではなく、思想的なものなので、 ミュージカルの面白味を得るには微妙なところです。 ここが好き嫌い分かれる所以でしょう。

舞台前にはオーバーチェアがあり、これから始まるぞ~という気にさせてくれます。 (初演の時にはあったかな~?) 一番印象的なところは、ルーク先生がメアリーに話すところです。 『人生の終わる時・・・』ここがとても印象深かったです。 人は老いる時、死が近づく時、人生の終わりを感じ、恐怖します。 そのたとえが、今でも心に響いてきます。 カミキリ虫のダンスも良かったです。その時の黄色の照明も効いていました。 (初演はこのダンスあったかな?)

雪が舞い落ちる演出ですが、あの雪の落ち方は特殊ですね。 たぶん、折り方に工夫があるのでしょう。 コンコンと降り積もる雪の感じが、すごく表われていました。 ソロがところどころありますが、基本は合唱ですね。 また、これは初演と同じように、 葉っぱの話、ルーク先生とメアリー、クリスとマークという違ったシーンが、 繰り広げられるわけですが、今回は不思議と違和感ありませんでした。 なんでかな~?不思議だ。

御大、日野原先生も登場しましたが、今回は長話は無く(汗) 普通にお話していただきました。感謝です。 あのお年で舞台に立つだけでも、本当にすごいですよね。 最後は自らの足で階段を降りていきます。 私が言うのもたいへんおこがましいのですが、立派です。

気になった役者

フレディ役の高橋愛子

すごい。 演技はまさにフレディそのものだし、 セリフ口調も滑らかでありながら非常に心がこもっていて、 こちらの心に響いてくる感じ。 そして、それよりもなによりも、今回は歌が素晴らしかった! 透きとおる声でいて、柔らかな歌声。 本当、聞き惚れます。

ルーク先生役の越智則英

いやぁ~、本当に落ち着いたすばらしい演技でした。 お年寄りの心の叫びというか、私も身に染みる思いです。

ダニエル役の村上郁海

彼女の演技を観るのはかなり久々。 『GANg』や、『キディ』等で何度か観劇しました。 まず、セリフ口調が素晴らしい。 すごくハキハキしていて聞き取りやすい。 今回の役は真面目な役でしたが、ストレートすぎる感情表現の役なので、 演技的にはやりやすかったと思います。 私的には、もうすこしクセのある演技をやらせたい気もします。 ちょっとひねくれた役(笑) そういった役柄も、きっとうまくこなすことでしょう。 それは違う舞台での楽しみにとっておきます。 彼女は歌唱力もなかなかありますよ。

メアリー役の小山菜穂

アルゴではおなじみです。 たしか初演はクレア役でした。 私的には、こっちの菜穂ちゃんの方が好きですね。 悩んだり奥深い演技の方が、彼女独自の味わいある表現力が発揮されます。 メアリーの微妙な心の演技を、うまく演じていたと思います。

クリス役の勝目雪菜

雪菜ちゃん、こういう演技うまいですね~!(笑) 特に恋に恋している時の雪菜ちゃんの演技は抜群! 純情っぽいところが、またいいんですよ! 嫉妬に怒り心頭の時の演技も良いけど、私的には前者の方が好きです。

クレア役の皆本麻帆

う~ん、とりあえず無難にこなしていた気がします。 印象深いという感じを、私は受けませんでした。 もちろん、普通にこなすところがすごいんですけどね。

ウェンディ役の斎藤美代

ウェンディって、かなり活躍するんですね! 初演はどうだったかな~?ちょっと忘れました。 彼女の流れるようなダンス、そして表情も素敵でした! 見せ場がたくさんあって、私的には大満足です。

葉っぱ役の関谷愛里紗

当サイトにコメントをいただいたこともあり、拝見しました。 背が低いこともありますが、けっこう目立ちます。 ダンス表現も柔らかでうまかったです。

個別に観る部分では、彼女に注目してしまい、 他にもたくさん有名どころが出ていたのてすが、 チェックできませんでした。申し訳ございません。

総括

とにかくも、初演とはまったく違って、すごく楽しめる舞台となっていました。 さすが犬石先生の演出といったところでしょう。 おそらく、あくまで私の勘ですが、 初演は演出の時間、あまり無かったんじゃないでしょうか? 今回は、かなり練り上げた、ような気がします。 素直に楽しめる舞台となりました。 「エンターテイメントで、すっごく楽しい~!!」 という舞台ではありませんが、 教育的に、お子さまと「命の大切さを」語り合うきっかけになる舞台だと思います。

※敬称略
キャスト表