公演時期 | 2005年8月29日~30日 |
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会場 | ゆうぽうと簡易保険ホール |
企画・原案 | 日野原重明 |
脚色・作詩・演出・制作 | 犬石隆 |
総合プロデュース | 黒岩祐治 |
音楽監督・作詞・作曲・編曲 | 玉麻尚一 |
作曲 | 金子貢 |
振付 | 中川久美/関根玲子 |
ヘアーメイク付 | 四方田公子 |
美術 | 斎木信太朗 |
照明 | 山田茂 |
衣装 | 本谷智子 |
音響 | 実吉英一 |
原作 | レオ・バスカーリア |
あらすじいのちというのは、永遠に生きているのだ。 春に生まれた葉っぱのフレディ。 夏には人間に木陰を作り、秋には紅葉してみんなの目を楽しませ、 冬、風にのって母なる大地へ帰っていく。 人間の心の移り変わり、そして、短い葉っぱの一生・・・ いのちはめぐる・・・・・ (パンフレットより、一部抜粋) 感想今回は、赤組の方だけの観劇です。 毎回、感想には書いていますが、 エンターテイメントのミュージカルとは異なり、 物語性、教育を目的としたミュージカルだと思います。 正直、「葉っぱのフレディ」って、そんなに好きじゃないんですよね。 一回でいい感じ。何度も観るというものではないでしょう。 教育的な意味合いで、押しつけがましい感動的な作品は逆に引いてしまうんですよ。 私の心はドス黒いので(爆) それでも今まで何回も観ている私って・・・・・ある意味すごい(汗) さて感想ですが、去年と比べると、ゆっりとした印象が残りました。 ゆったりというのは、セリフです。 ほとんど全員のセリフの口調がゆっくりで、誰でも安心して聞くことができます。 これはおそらく、犬石演出でしょう。 気になったことのひとつに、 パンフレットの中で犬石先生が、 「散りゆく葉っぱに注目」というコメントがあり私も注目していました。 特に最後の一枚となる内藤もゆのちゃんの散る場面。 えっ・・・・・ 回転することもなく、普通に坂道(?)を降りて倒れるだけなんですけど・・・ じゅ、重要な感じなんでしょうか? ごめんなさい。私にはよくわかりませんでした。 それとも、「死」とはあっけないものなんだ・・・という意味があるのかもしれません。 最後の一枚であるフレディが落ちるシーンでの雪の降る場面。 ここの演出は秀逸!! ただ、雪が降るのではなく、青の照明がじつよく効いてるんですよ。 レーザー光線なのかな? とても幻想的で美しかったです。 流石、犬石演出!! 気になった役者フレディ役の内藤もゆのちゃん。伝聞で、「もゆのちゃんがすごいらしい!」 と聞いていたので、ワクワクしながらの観劇となりました。 う~ん、少し期待高すぎた(爆) 事前情報がなければ、もっとクリーンな感じで観られたと思うのですが、 「すごい!」って聞かされると、「うわ!きっとものすごいんだろうな~!」と、 期待しすぎてしまうんですよね。もちろん、もゆのちゃんのせいじゃない(汗) 前回の高橋愛子ちゃんが完璧すぎるほど完璧だったので、 フレディ役はたいへんだったことと思います。 で、もゆのちゃんですが、とりあえず普通~な感じ。 演技は良くできています。 声が少しかすれてましたが、 あれが地なのか、のどの使いすぎなのかはわかりません。 歌唱力はまだまだです。 セリフはキッチリしていましたが、かなりか弱い声質なんですね。 ただでさえ、体の線が細く倒れそうなのに、さらに倒れそうな声質にビックリ。 表情付けはまずまずかな? ただ、ちょっぴり気になったのは、 彼女って、笑っている時も、泣いている時も、似たような表情なんですよ。 というか、どちらかと言うと常に泣いているような表情。 独特な感じです。 これが幸いしてか、悲しい表情、そして、泣いている演技はひじょうにうまいです。 ここが一番印象的です。 ルーク先生役の越智則英さん。特に言うことないですね。プロですから。 マーク役の菊地創さん。前回同様、自然な演技でいいですね。彼は問題ないでしょ。 メアリー役の小山菜穂ちゃん。少し痩せましたね。 それはさておき、前回と比べるとメアリーが派手ではなくなりました(笑) 普通な感じ。前回はもう少し積極性あるメアリーだった印象があります。 今回の方がおとなしい感じ。 彼女もベテランなので、特に言うことはありません。 ただ、セリフ的に少し高音が目立つようになったかな? クリス役の保泉沙耶ちゃん。ちょっと待って・・・・・ あまりにもレベルが違いすぎますよ。別格です。 いろいろな事情があってこの舞台に出演したことと思いますが、 「レミゼ」等、帝劇コースに進むべきです。 というか、彼女の実力であれば十分に狙えます。 まず、根本的に立ち振る舞いが違います。 まぶしいくらいのオーラを持ち合わせています。 演技がじつに自然だし、歌もセリフ口調も、半端なくすばらしい! 彼女について論評することさえ失礼(爆) それから、彼女は「間」をうまく使っています。 ここが印象深いです。 揺れる乙女の気持ち(?)というわけではありませんが、 彼女独特の「間」を舞台で表現できる資質は流石の一言。 クレア役の田中みいやちゃん。彼女の演技を観るのは、「フレンズ」のりんこ役、 2004年アニーのペパー役の続いて3回目です。 しかし、ずいぶん背が伸びましたね。これがまず印象的。 そしてもうひとつ、気の強い演技じゃなくても大丈夫なんだ(爆) クレアは清楚で優しく穏やかな役なので、 「みいやちゃんはどうだろう?」とかなり心配したのですが、 全く杞憂に終わりました。おとなしい演技もなかなかやりますね! 過去の役が気の強い役ばかりで、そのイメージが強かったものですから。 今回の穏やかな演技には、正直驚きました。 フレディを優しく見つめる演技もじつに良かったです。 こういう時は、瞳が大きいと有利ですよね。 優しく微笑む表情もいいし、セリフもゆっくり口調でハッキリしています。 (犬石演出だとは思いますが・・・) 彼女の弱点は歌。 今回はソロがありました。 う~ん、まずまず頑張っていると思います。 昔に比べたら、成長しています。 これからももっと頑張ってほしいですね。 女性らしい、みいやちゃんを観ることができて満足でした。 ダニエル役の藤田宏樹くん。今回一番の驚きは保泉沙耶ちゃんですが、 二番めは間違いなく彼でしょう。 背筋がピシッ!と立っていて見栄えがいいです。 さらには声質。 とてもしっかりしていて、聞き取りやすいです。 そして、声量ある歌声。 ちょっとすごいんですけど。ビックリ~! 男子で、ここまでできるのは本当に久々ですよ。 山崎育三郎くんクラスかもですね。 出番がもう少し多かったら、 主役であるもゆのちゃんがかすんでしまうかもしれません。 それくらいの出来ばえ。 今後の彼の動向に注目でしょう! ウェンディ役の斎藤美代さん。彼女はやっぱり歌声がいいですね~! ベン役の平林靖子さん。彼女はSET出身、さらにはアルゴでも活躍していました。 言うことないでしょ。 男役は抜群にうまいです!気の強さを表に出す演技は本当にすばらしい! もう、ベテランと言っていいくらい(汗) 声がしっかり出ているし、カツゼツもじつにいいです! そして特に秀逸なのが、カミキリムシに手を(?)奪われた時の絶叫。 すばらしいです!100点満点あげてもいいでしょ。 観客の胸にも響く大絶叫でした! アン役の田上純さん。2003年「アニー」のタップキッズ、そして、前回の「フレディ」にも出演しています。 彼女は表情付けがいいですね。 少しお茶目な感じもグッドです! 犬石さん、好きでしょうね、こういう役者さん。 それが垣間見えます。 メフィスト役の小野田龍之介くん。私的にはなかなか良かったと思います。 クモの独特な振付も良かったですし、歌唱力もかなりありますよ。 葉っぱ、カミキリムシ役の渡辺里佳ちゃん。2002年の「若草物語」では、エイミー役が秀逸でした。 今回でも葉っぱ役ながら目立ちます。 瞳が大きいのが幸いしているでしょうか? 表情付けは遠くからでもわかるほどです。 私的にはもっと良い役を与えてほしかった・・・・・ 言うまでもなく実力のある子なので、次回の舞台に期待です。 葉っぱ役の本田有希ちゃん。彼女は2004年アルゴにも出演しています。 表情付けがいいし、ダンスにも見応えあります。 彼女も実力者なので、良い役が観たかったかな~? 総括犬石演出が冴え渡る、感動的な作品です。 出ている役者のレベルが高く、家族で安心して観られることができる、 心を洗うようなミュージカルです。 楽しむというよりは、「心のケア」という感じでしょうか。 しかし・・・ 過去3回の観劇で、すべて日野原先生をお見かけすることになる偶然もすごい。 ※敬称略 |