◆ミュージカル ミンキーモモ 鏡の国のプリンセス

満足度
◆公演時期   2010年4月29日→5月5日
◆会場 池袋 サンシャイン劇場
◆脚本・作詞 広井王子
◆演出 藤森一朗
◆作曲 中村友則
◆振付 伊藤大輔/WAKAKO
◆衣装 木鋪ミヤコ
◆プロデューサー 竹澤寿之

あらすじ
鏡の国、ミラーナーサのプリンセス、ミンキーモモ。
モモがやってきたのはロンドン郊外の小さな町。
そこには夢を失った子供たちと、希望を失った大人たちが・・・
(パンフレットより抜粋)
観劇感想
子供モモはダブルキャスト。勝沼美紅、一岡杏奈、ふたりとも観劇。

まず一番思ったことは、観劇対象の客層がかなり低めだということ。
子供向けミュージカルと言っても定義が曖昧なので、
その舞台が、どのくらいの年齢層を対象にしているのかわかりませんが、
今回のこの舞台は相当低い。
通常、ファミリーミュージカル系の場合は、かなり低めだと思いますが、
この舞台に関しては、それよりもさらに下。
おそらく、幼稚園から小学校1、2年生ぐらいだと思います。

ということで、大人がこの舞台を観ると、かなり感じ方が違うと思います。
観客の低年齢の子供たちには笑い声もあって受けているようですが、
大人目線だとかなりつらい。
申し訳ありませんが、大人目線で感想を書かせていただきます。

この舞台が始まる前、過去の舞台である、
赤ずきんチャチャナースエンジェル・りりかSOSをイメージしていました。
このふたつはかなり低年齢向けでありながら、教育的な意味合いも少しあるし、
何よりミュージカルナンバーが楽しい。
特に「赤ずきんチャチャ」は物凄く楽しめました。
物語の流れ、ミュージカルナンバー、最初から最後まで通して楽しい。
まだそらで歌えますよ。
「ひとりより、ふたり。ふたり〜より三人、もっと、もっとみんなで〜」
「お金持ちもいいけど、それより大事なことを、魔法が教えてくれた〜」
懐かしいです。

「ナースエンジェル・りりかSOS」は、今をときめく、秋元康氏が原作と企画。
観劇感想にも書いてありますが、1幕はものすごく楽しいのですが、
2幕が暗くなりすぎて残念でした。
ちなみにこちらの曲も口ずさめます。
「もうちょっと、あと少しだけ。大事なゲストがまだよ〜」

さて本編。
話がイマイチ面白くない。
ほんとに広井王子?ってくらい、普通すぎる脚本。
伏線はったり、二転三転することもない。
なんというかな?普通のテレビ放送のアニメのような無難な脚本。
凄く違和感があります。何かあったのかな〜?
演出も、この脚本だとひじょうに難しい。

その本編をカバーするのが役者の力量。
桂亜沙美のモモ、犬のスケッチブックの幸村吉也、
お猿のモンチャ 大山貴世、小鳥のルピル 服部杏奈、
このあたりがしっかりしているので、なんとか見られるぐらい。
もちろん、横山智佐もだけれど。

違和感がある理由のひとつに、キャパが大きすぎるのかもしれません。
このサンシャイン劇場は広過ぎるかな?
もう少しコンパクトな博品館劇場でも良かったと思います。
その方が見やすく、より舞台に集中できた・・・かもしれません。
セットはかなり豪華なんですけれど。

今回は歌がメイン。
ずっと歌ばかりというわけではないけれど、歌の比率が異常に多い。
ちょっと不思議。
子供を飽きさせないための戦略かな〜?
ただ、覚えたいナンバーがエンディング以外はない。
ドラゴンファンタジー2009の「い〜じゃん別に」なんて、今考えるとすごくいい曲だった。
そういう曲があってもいいのだけれど、この舞台には無い。
ノリがある曲、ほとんどありません。悲しいな。

説明要員として、ぷっちモモのふたり。
ま〜これはこれで仕方ないですね。
本当は説明をしない、演出、脚本にしてほしいところなんですが。
ストーリーテラーキャラを入れるわけにもいきませんから、仕方ありません。
関谷樹愛瑠 猪狩美月、ふたりとも良く頑張りました。
それよりもなによりも、関谷樹愛瑠に送られた花の豪華さに驚く。

今回振付の印象が少ない。ちょっと残念だな。
それから変身シーンも、もう少し格好良くしてほしかった。
スモーク+クルクル回転は・・・

ただ、畑の兄弟の心が痛いというところだけは、凄くいい。
ここは大人へのメッセージですね。
サラサラ〜と終わってしまいそうですが、ここが一番のキモだと思います。
西村陽一、Velo武田も、力を抜いた演技ですが、
そう見えて、じつは一番力を入れている場面ではないか?と推測します。

気になった役者は・・・

子供モモ役、一岡杏奈
ココスマイル6では主役のココ。
とても楽しみにしていました。
とりあえず、無難な演技だったと思います。
出番自体、そんなに多くはありません。
ココの時と比べると遥かに少ないですし。
「パンが焼き上がっている」くだりは、コメディタッチで面白い。
ここはさすが一岡杏奈。
ひとつ気になったのは、声量があるように感じるのに、
歌はまだまだなところ。なんでかな?

同じく子供モモ役の勝沼美紅は初舞台かな?
初舞台にしては、特に違和感の無い演技でした。
出番が少ないこともあるけれど、一岡杏奈とそんなに変わらない。
よくやっていると思う。
イベントの動画を見た時に、
一岡杏奈に比べてダンスはまだまだかな〜?と思いました。
ただ今回はそれほどダンスシーンが少ないためか、特に違和感は感じませんでした。
あとはルックス的に華があるな〜という印象くらいかな?
これからでしょうね。

ナイトメア・・・この存在が意味不明。
ま〜私の考えからすると、人間たちが作り出す悪夢といったところでしょうか?
その辺の大まかな意味合いが、舞台ではイマイチ語られていない。
そのナイトメアー役がAKB48の秋元才加
いろいろツッコミどころがあるのですが、
まず不思議なのは、普通は歌いながら登場するのに、
彼女の場合はまず登場して、
センターに歩いてから立ち止まり、そこで歌を歌う。
そんなにセンターで歌わなければならないのかな〜?
セリフづかいはいいし、声の張りはあるし、存在感はある。
それは認める。
ただ、ほとんど歌ってばかりで、
ミンキーモモとの演技、セリフのからみがほとんどありません。
これがよくわからない。
別パートで練習をしやすいためなのかな?
ふたり一緒の稽古時間が少なかったためか?
もっと迫力あるセリフでやりとりをしてほしかった。
一応、正義対悪なのだから、演技、セリフでのぶつかりあいを観てみたかった。
それこそ舞台の醍醐味なのに。
歌で対決もわかるけれど、そればっかりすぎる。

それからマイクが非常に違和感を感じます。
気付く人、まずいませんが。どうなのかな〜?真相が知りたい。

歌はまずまずうまいとは思いますが、
その歌の重みが感じられない。悪夢の気持ちがイマイチ伝わってきません。
セリフもそう。ただ台本のセリフを喋っているだけに感じる。
これ、舞台をよく観る人がみれば、すぐにわかります。
本人もおそらく気付いているんじゃないかな?
舞台をやる上での、歌、セリフの重みが足りないこと。
アイドルだらけの舞台ならいざ知らず、
演技達者なプロの役者の舞台では、生の声はつらい。
アイドルとしての歌であればそれでいいけれど、
舞台でのミュージカルナンバーはそれとは違う。
桂亜沙美のあの魅力あふれる舞台声に対抗すべき、
もっともっとおどろおどろしい歌声、悪夢のパワーがほしかった。
歌がうまいだけではなく、舞台では舞台特有の歌い方も必要。

ナイトメアーがつらい理由のひとつに、
敵キャラがひとりだということ。
魔犬?という存在はありましたが。
私にしてみれば、ドロンジョに対する、ボヤッキーやトンズラーのような、
部下が二人くらい欲しかった。
そうすると、そこのからみで面白さが出ていいのにな〜なんて、
偉そうに思ったりもします。
秋元才加の敵キャラひとりに比重がかかりすぎ。

桂亜沙美の大人モモはすばらしいと思う。
というか、彼女はある意味、あんずで完成されていますからね。
そこから経験をともなってさらに進化していますから。
下手なわけがない。
歌も演技も表現力も、とてもすばらしいと思う。
それよりもなによりも、あの当時から体形が全く変わらないことに驚く。
維持するの大変だもの。

お猿のモンチャ役の大山貴世
彼女の演技を観るのは久々。
GO,JET!GO!GO!以来です。
彼女もスタイルが変わらない。本当にすごい。
アイドルルックスもそのままですから。
ルックスに目が行きがちですが、歌も演技もダンスもじつに安定している。
この安定感、言うのは簡単だけれど、それをこなすのは大変。

小鳥のルピル役の服部杏奈
言うまでもなく、ミュージカルアニー2006の主役のアニー役。
私はKiddy2002から観ていますが(笑)
蛇足ながら、
エターナルファンタジー演劇大賞2005
エターナルファンタジー演劇大賞2007
2回MVPをとっていて、
エターナルファンタジー演劇大賞2006は最優秀女優賞。
こんなに評価していますが、全く知り合いではない。

で、今回のルピル役・・・・・
ものすごいんですけど!
今回はセリフ、声質を変えていますが、これって、アニメの雰囲気そのもの。
おそらく、彼女は研究熱心だから、その部分をうまく取り入れたのかもしれません。
全く違和感無し。
なんというかな、「ガラスの仮面」でいうところの、
ヘレン役を研究するために生前のビデオを何度も繰り返して見る、金谷英美のよう。
まさに天才的。
舞台中、ずっとその口調ですから。
ただ、歌う場面になると、物凄いパワーの歌声になりますが(笑)
ダンスは綺麗だし、歌もうまいし、
正直この舞台、かなり服部杏奈にも救われてます。
別件ですが、服部杏奈と横山智佐って同じ誕生日なんですね。

横山智佐は言うまでもなく本当にうまい。
ミュージカル ギャラクシーエンジェル Re-MIXでも本当に凄かったもの。
演技もいいし、歌もいい。
とにかくも、母親役ピッタリすぎる!
お茶目な母親役はアニメのイメージピッタリ。
かなり良かったです。

日岡愛香長澤夏実小西香穂渡部真鈴
ドリームミンキーズの4人のダンスはうまい。
基本、ダンスメンバーですからね。
特に印象に残るのは、日岡愛香の表情の表現力。
長澤夏実は今回は帽子をかぶってるのがちょっと残念。
無い方がもっとかわいい。
じつのところ、一番印象に残ったのが渡部真鈴。
特にダンスがいい。衣装も目立つし、見映えがいい。
さらに腰の柔軟性がよくわかる。
私の中では意外とヒット。

安藤玲奈相馬毬花は、そのメンバーとは違いますが、
ダンスは物凄くしっかりしている。
ドリームミンキーズと一緒に歌う、モモの主題歌の振付も完璧だもの。
ただ、二人とも衣装が男っぽいのが残念。
やっぱり、スカートの方が女の子らしさをアピールできますし。
特に気になるのは、安藤玲奈のカツラと緑の衣装。
真面目な話、これは可哀想だな〜と思いました。
普段の方が断然かわいいですから。
もちろん、言っても仕方のないことですけど。

総括
とにかく、超低年齢向け。
大人がどうこういう舞台ではないと思います。
役者がものすごくカバーしている感じ。
ただ、畑の兄弟のハートが痛いという部分は色あせない。
あの部分だけはとてもいい。
本当に心に響く。重苦しい演出ではないけれど、スッと胸に入ってくる感じでした。
それからエンディングはすごく楽しい。
あの楽しい部分を、本編でも出してほしかったです。
2回観劇しましたが、2回目だと流れがわかっているので許容できる感じでした。
(敬称略)
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