公演時期 | 1994年12月9日~29日(初演) |
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会場 | 銀座 博品館劇場 |
原作 | 彩花みん(集英社 月刊りぼん |
演出 | 三ツ矢雄二 |
台本・作詞 | 織田ゆり子 |
音楽 | 佐橋俊彦 |
振付 | 天野まり |
美術・舞台監督 | 宮原修一 |
衣装 | 宇野善子 |
音響 | 大坪正仁 |
照明 | 松田直樹 |
歌唱指導 | 実川俊晴 |
あらすじここは魔法の国。 世界一の魔法使い、 セラヴィー先生のもとで勉強中のチャチャは、元気で明るい女の子。 でも魔法に関しては失敗ばかりです。 仲良しのリーヤやしいねちゃんと一緒に、魔法学園で楽しく過ごす毎日でした。 そんなチャチャを誘拐しようとする者たちがいました。 悪の大魔王の命をうけたキラー軍団です。 そこに人魚のマリン、少女忍者のお鈴ちゃん、 黒ずきんのやっこちゃんも加わって大騒動に(パンフレットより一部抜粋) 観劇感想三ツ矢雄二の演出博品館劇場だったので、とても観やすかったです。 まずは声優として有名な三ツ矢雄二さんが演出と聞いて、すごく興味を持ちました。 また、ミス・サイゴンで主役を演じた入絵加奈子さんや、声優として有名な桜井智さん、 アルゴや他の舞台でも活躍されている樋口智恵子さん等が出ると聞き、 いてもたってもいられませんでした。 ヘタなミュージカル見るより、子ども向けではあるものの、 素晴らしい役者さんがそろったこの舞台の方が遥かに楽しいですね。 ムチャクチャ最高でした! 三ツ矢さんの演出も素晴らしい。 子供を飽きさせないってことかな? 入絵さんがひとりで歌う場面、子供たちはちょっと飽きたみたいですが、 その他の部分に関しては問題ありませんでした。 各ミュージカルナンバーが素晴らしい歌がまたいいんですよ。 子供向けとはいいながら、多少説教じみているものの、 子供たちに訴えかける歌は好きですね。 「魔法を何のために使うのか?」や「ひとりよりふたり~」のナンバー。 気持ちが入って良かったです。 最初の自己紹介のナンバーも好きですね。 しいねちゃん「コミ、コミ、コミ・・・」って言ってるのかな? あそこが、ちょっと意味不明でした。 そして、その後登場のまりんちゃんが可愛い(笑) また、悪役三人のナンバーも。とってもカッコいい! さらにはエンディングの全員のナンバー。 いいですよね~ひとりひとりの気持ちが伝わってくる歌詞。あれは秀作でしょう。 「傷ついたらそこから、もいちどスタートしよう・・・」のところが一番印象深いかな? なにしろ、このエンディングは最高。文句のつけようがない構成。 独特な客層は初めてひとついえるのは、ちょっと客層が違いましたね。 家族連れは当然ですが、声優さんファンの人が多いのかな? 赤ずきんのコスプレをしている人がたくさんいたりで、ある意味怖かったです・・・慣れればどうというものでもない。ただ初めては緊張します。 気になった役者主役、チャチャ役の入絵加奈子もぉ~凄かったですね。 チャチャとは年齢差がかなり離れてるのに、そのまんまチャチャでした(笑) このへんは流石女優です。 真剣な表情、そしてコミカルな表情、悲しい表情、 この移り変わりはまったくもってうまい。 アニメのイメージが強い舞台ですが、彼女のチャチャは適役で、 回りのお子さんたちも、おそらく違和感なかったでしょう。 そして、なにより歌唱力が素晴らしい。 ひとつひとつの歌詞に感情がこもっていて、 特にみんなを元気づけようとすナンバー、 「ひとり~よりふたり、ふたり~よりさんにん」のところは、 すっごく記憶に残ってます。入絵加奈子の凄さが全てつまっている。 ベテランの人たちが演じるファミリーミュージカルを観ると、 子供達も、きっと舞台に夢を持ちますよね。 ブラック・キラー役の真矢武かっちょいい~! まずそれが第一印象。 それほど背が高いわけではないのですが、舞台では大きくみえます。 戦隊もののレッドを演じてほしいと思いました(笑) 歌も低めで渋く、かっこいいです。 リーヤ役の秋山純伝説の「Gang」の初演に出ているんですよね~見たかった。 ちょうど、声変わりの時期だったのかもしれません。 声がかすれることがけっこうありました。このへん難しいですよね、男の子の場合。 演技的には、まずまずって感じ。 ただ、アニメのイメージは壊していないので、問題はないです。 ダンスの動きとか、この時点でジャニーズのニオイを感じますね(笑) 好演でした。 しいね役の三浦勉リーヤとは正反対の真面目な役です。 三浦君は舞台や映画経験も豊富で、かなりのベテランと言っていいでしょう。 とても落ち着きがあって、真面目でリーヤ役のピッタリでした。 歌は微妙だな~うまいというか、ラップぽかったというか・・・ ちょっと、不可思議な表現ですみません。 大物の素質を垣間見ましたね。おそらくは苦手だったから、ラップにした可能性もあります。 やっこちゃん役の五条まい元宝塚ということで、やはり歌も演技も、そして表情がいいですね。 ルックスが、お嬢様系の美人で、ファンもかなり多かったです。 やっこちゃんという、ちょっと意地悪な魔女の役でしたが、 これがハマルんですよ。 チャチャのライバル関係ということもあって、入絵さんと何かとからむのですが、 そのへん面白いですね。良ベテランのかけあいは観ていて超楽しい。 ダンスが上手みたいなんですけど、それほど華麗なシーンは無かったのが残念です。 ブラック、レッド、キラキラーの三人のところのダンスぐらいかな? しかし~彼女の声質と、ちょっと生意気そうな表情が妙にそそります(笑) 微妙な表彰の表現は本当にうまい。 レッドキラー役の結城めぐみ元グラビアアイドルですね。 でも舞台で活躍していたり、CDも出しています。マルチタレントって感じですね。 演技は、自然な演技で素晴らしかったです。 歌も、声量を発揮するほどの曲は無かったのですが、 ソロの部分は歌手としての実力をまざまざと見せつけてくれました。 期待以上の出来だったので、私的には大満足。 ラスカル先生役の荒川亮この人も、本当に演技がうまいです。 「あかずきんチャチャ」にそれほど詳しいわけではないので、 このラスカル先生がアニメではどんな感じなのかはわかりませんが、 荒川さんの演技で、だいたいわかりました。けっこう強烈なインパクト。 でも、演技より歌かな~ ウララ学園長役の大原ますみさんとかけあうところがあり そこの時の歌声がいい。 本当はソロでじっくりと聞きたいところなんですけど。 コミカルな演技は、客席を和やかにしてくれました。 マリン役の桜井智アニメでもマリン役の声優です。 演技、なかなかいいですね。声だけではなく、表情もマリンそっくりでした。 これだけアニメとそっくりなら、子供たちも大満足でしょう。 歌手ということもあり、歌はうまいです。 ただ、わざとアニメのマリンの声で歌を歌うことが多いため、 きびしいところもありました。 このへんは仕方がないのかな?判断は難しいです。 でも彼女には華があるので、観ているだけで和みます。これだけ可愛くて演技ができればほぼ問題無し。楽しい。 キラキラー役の今井敦コミカル系のボケボケキャラでしたが、さすがベテランさん、うまかったです。 演技はいうことなしでしたし、さらに歌もいい。 「悪代官~!」のところが特に好き。 根っからの悪人ではないこともあり、子供たちの受けは良かったです。 おユキ先生役の冨永み~な声優さんですが、マルチタンレントと言ったほうがいいかな? 内気なおユキ先生役、ばっちしハマッテました。怖いほど(笑) 演歌っぽいソロの部分がありますが、あそこは「み~な」さんの独壇場でした。 「私を見て!」って感じ! かなりインパクトありました。 お鈴ちゃん役の樋口智恵子アニメでは背が一番小さいんですけど、さすがにそこまでは強要できません。 引っ込み思案で、恥ずかしがりやという役柄ですが、 智恵子ちゃん、問題なく役を演じていました。 役が役なだけに、表情の変化があまりなく、そこが残念でした。 智恵子ちゃんの歌声が聞けて良かったとしましょう。 オッス君役の玉置千砂子わき役で、メインキャラでは無かったものの、 舞台上ではとても注目度が高かったです。 コミカルな部分で観客の笑いを誘っていました。 私の回りの子供たちが、彼女が「男か女かどっちかな~?」という声が耳に入り、 玉置さんの演技が、子供たちに伝わっていると印象づけられました。 ダンスの俊敏な動きは、この当時から素晴らしいものがありましたね。 さらに私ごとですが、彼女の、おそらく親戚が来ていて娘さんの演技に感動、 そして、コミカルな役どころに笑っていました。 ちょっと泣かせる話です。 セラヴィー役の堀米聰穏やかでおっとりとして落ち着いた性格のセラヴィー、それにマッチしてました。 落ち着いた演技は言うまでもありませんが、やはり彼も歌がいい。 「自分の力で、みつけなさい」というナンバーが特に好きです。 おっとりしたセラヴィーが、みんなに魔法のことについて語りかける場面。 ここは秀逸でしょう。観客の子供さんにも向けて歌っているのかもしれません ウララ学園長役の大原ますみ彼女も元宝塚です。 役柄的に、ちょっと大げさな役だったので、演技論については述べられません。 でも、やはり声量、豊かな歌声はすばらしいです。 もうすこし出番があっても良かったんですけど。 次回作の「ナースエンジェル」ではけっこう活躍してるので、よしとしましょう。 総括素直に言って、面白かったです。 これはハマリますね。前回の『姫ちゃんのリボン』も観るべきでした。 たしかに客層は濃いですけど(笑)なにより、楽しい舞台がいいです! そして、ベテランの役者さんを近くで見れるというのも、ありがたいです。 ただ、アニメあっての舞台ということで、ちょっと前途が不安定。これがちょっと心配でした。 ※敬称略 |