ファミリーミュージカル ココスマイル6 〜夏色のキャンバス〜

◆公演時期   2009年8月20日(木)〜24日(月)
◆会場 全労災ホール・スペースゼロ
◆構成・演出 桝川譲治
◆脚本・作詞 長田育恵
◆作曲・編曲 砂本典子
◆振付 羽永共子/かとうゆみこ
◆歌唱指導 阿方智恵

あらすじ
夏の間、研修センター「コロンブス」に集まる、居場所を失くした少女たち。
荒削り、個性派、奔放、そして様々な形の孤独や悩みを抱えて集まってきた。
さらには、去年の研修メンバー、研修所のある村の子供たちと、
真剣なぶつかりあいが生じる。
ぶつかりあいながらも、心の壁を超えたいと、もがき始める。
その中で不思議な少女ココが、
彼女たちの心に変化をうながす「きっかけ」を与えていく。
(パンフレットより一部引用)
観劇感想
ココスマイルもついに6!
今回はココスマシリーズ始まって以来の続編ということで、
ものすっごく楽しみにしていました。
ココスマイル5観劇感想も参照していただくと幸いです。

観劇感想の前に少し。
今回、もしかしたら、私の受取り方が他の人とはかなり違うもしれません。
ちょっと違う方向性で考えてしまう。
それから、できるだけ客観的に書こうと思うのですが・・・
ひとり、ど〜しても気になってしまう人がいる。
そこは話し半分で聞き流してください。

とにかくまず一番に思ったことは、メッセージ性が物凄く強い。
ここまでメッセージ性が強いのは初めてではないでしょうか?
ココスマシリーズと言えば、夢、ファンタジー、友情がメイン。
もちろん今までも、
ところどころ、大人の嫌な部分や、社会風刺も取り上げていました。
特にココスマ5からは子供にまつわる社会問題を意識していましたが、
今回のココスマイル6ではそれを大幅に上回る強いメッセージ。
母子家庭、イジメうんぬん話はいままでもけっこう出てきましたが、
生活保護のことはあったかな?
現実で起こっている、今の状況を作品として伝えたい熱意が、
私の座席にも伝わってきました。

ココスマシリーズでは初の続編ということで、
意欲的作品、挑戦的な作品に思える。
あくまで私の受取り方としては、
桝川譲治氏のメッセージが物凄く強い。
それは、脚本家の長田育恵氏の伝えたいメッセージなのかもしれない。
これを受け取る私には・・・私自身の解釈かもしれませんが、
わかる・・・物凄くわかる。
表のメッセージ、そして裏(?)とも思えるメッセージ。
これが痛いほどわかる。
胸に痛い。
いや、心臓に突き刺さるほど痛い。
左心房がものすごく痛い・・・
あまり多くは語れないけれど、座席で苦しくなるほどでした。
いろいろあるんですよね、いろいろ・・・

今回のココスマイルのパンフレットの裏表紙には、
今まで出演したキャストの名前が全員、輪になって記載されています。
これこそが、今回のメッセージにも感じる。
「みんな頑張れ!
芸能界でも、他の分野でも、自分の個性を持ち続けろ!」
と桝川譲治氏、脚本の長田氏がエールを送っているように思える。
これも意味合いが強い。
あっ!でも、昔のパンフレットにもありましたね。全員の名前が載っているのは。

「果ての果てまで!」ナンバーが・・・ものすごく色々考えさせられる。
私自身、嗚咽が走るほど。

大人になっても、他の色に染まることなく、
世界でたったひとつの色になれ。
いい子になるな。
かたやぶり。
自分の個性を大事にしろ。自分は自分。
同じになるな。

う〜ん、私の妄想で申し訳ないが、
ココスマ出演者、芸能界、そして観客、
子供たちに向けてのメッセージに思えてしまう。

「アニー」や「葉っぱのフレディ」は、一過性の不変な物語。
要所要所に現代社会風刺を多少は散りばめることはできるものの、
本筋を変えること、全てを組み込むことは難しい。
それがジョーズカンパニーの作品であれば、
新作としてできてしまいますからね(新作を作るの大変な労力ですが)
そこは強みだと思う。

前述しているように今回はココスマイル5の続編。1年後の話。
前回に続いて、ナツメ、はるき、あきなが登場。
ココに再会するという演出は、いままで当然のことながらありません。
なんというかな、すごく心温まる。
ココは急に消えて、そのままですからね。
3人が、ココによ〜やく会えたという気持ちが、
ココスマを何度も観ている観客には愛おしく感じるかもしれません。

そのココにうながされて研修センターにやってくるのが、サトミ。
後述しますが、この役は、受け取り方がものすごく難しい。
人それぞれに違う。
演じている役者も、おそらく解釈が違うかもしれない。
それだけ複雑な思いを持った役。
簡単にいうと、
自分の道を見失い、ひとりぽっちになってしまった・・・という感じかな?

研修センターには、その3人とココとサトミの他に、
都会からやってくる少女たち。
こちらにもグループが存在し、
反抗的なグループと、嫌々ながら参加するグループ。
反抗的なグループのリーダー格ミサと去年のメンバー3人との対立。
それらのグループには属さない、単独行動をするヒロ。
前半、「携帯持ってないから」というセリフは伏線となります。
生活保護を受けているから、そういう高額のものは持っていないという・・・
この役も、ものすごく難しい。
単純に憎らしい役ではなく、彼女は一歩引く。
家庭環境、回りの冷たい目、すさんだ気持ちが心の中を駆けめぐる。
気持ちの移り変わりがかなり激しい。
そして村の子供たちも加わって、またひと騒動・・・

今回、ストレートプレイと思える部分が多かったです。
前半では、ナツメ、はるき、あきなの3人の場面。
ここは、ずっと出ずっぱり。

後半部分では、おそらく、一番のメインというか観客に聞いてほしい場面、
ヒロ、アユミ、ナツメ、ココの4人のところ。
音楽もたしか無かったと思います。
ココスマイルとして、ここまで音楽が無いのは珍しいかも。
じっくり演技を魅せる感じで、各々の気持ちを表現できる場面。
アユミ→ナツメ→ヒロ
ココをのぞいた、3人の過去、似ている性格、生い立ち、流れがリンクする。
ミサ(橋本わかな&森本祐加)もそうなんですけど、すぐ和解するし(笑)
この舞台の伝えるべきメッセージの一部分が、
この4人の演技にあるような気します。
おそらく、ストレートプレイということで、
「ラブリーズ」の影響があったのかもしれません。
エンターテイメント性だけではなく、演技だけでも勝負する。

ココスマシリーズ初の続編ということもあり、
前回の曲、「差し込む光」や、携帯を持つ「ライン」も登場。
う〜ん、名曲。ここはとても好き。

ダンスシーンはほどほどにあるし、エンディングでもあります。
ただ、全体を通すとたくさんというわけではない。
ボクシングのエクササイズはあるけれど。
今回は意図して演技を長めに入れているような気がします。

秘密の部屋のセットが豪華すぎてビックリ・・・
どこか強力なスポンサーが入ったのかな〜?
と思いましたが、前回のリニューアルかな?

ハルキ、アキナ、ナツメ、
そして手紙で登場のさくらと入院中のイズミ。
続編はなかなか深い。
そうそう、たしかにイズミは病気してた。
ココスマイル5観劇感想があると助かります。

また、今回は各ひとりひとりにスポットが当たる。
話の方向がかなりいろいろ飛ぶ。
伏線も物凄く多い。
この物語をどうまとめるのか、前半ではちょっと気になりました。
ミサはあれだけ反目してたのに、すぐに仲良くなってしまうのは、
本来良い人ってことでしょうか?

しっかし、オープニングのサトミの部分はグッとくる。
人それぞれ受取り方は違うが、私はすごく重くのしかかる。
サトミのセリフひとつひとつが・・・重い。重いな〜
特に三井麻由だと、倍増するぐらい重く感じてしまう。

みちるの「サバンナ」のたとえ話は、秀逸なエピソードだと思う。
意外とこのエピソードの印象は強い。

全体をとおして好きな舞台なのですが、
ひとつだけツッコミたいところは、
「スリーデイズ」のナンバー
ちょっとビックリ。
あの振付は・・・さすがにちょっと突然すぎる感はある。
正直、ここは違和感あった。
「なんで、突然歌って踊るの?」
と、ミュージカルとして当たり前のことを思ってしまいました・・・

ゴルフ場建設による環境破壊の話も私は好き。
最近は、石川遼や宮里藍の活躍もあるけれど、
ゴルフ場に雑草が生えないのはなぜか?を考えた方がいい。
近辺の生態系の乱れも。

それから草や木の話しが多いから、私も一言。
家の回りをブロック塀にする人も多いようだが、
暑い日は大変らしい。熱がこもるし、空気の通り抜けがよくない。
その点、垣根、これ最強。
やっぱり草や木のエネルギーは凄い。
風の通りもいいし、暑さもやわらぐ。
ただ、しゃくとり虫(後に成長すると蛾になる)が大量発生したり、
うどんこ病が発生したり、
夏には刈らないといけないから、かなり重労働。
大きなハサミで高さと奥行きを整える。
業者に頼まず、自分でやる。これがいい。

気になった役者さんは・・・

過去のメンバーを列挙しておくと、イメージが掴みやすいです。
今回の配役もたしかに雰囲気が似ています。
ココスマ5のイズミ役今泉舞大谷瑠奈
ココスマ5のナツメ役 山本愛星大木梓彩
ココスマ5のはるき役 平塚あみ藤井玲奈
ココスマ5のあきな役 中原知南稲葉美月
なるほど、大木梓彩はそのままですね。
思い入れ、ものすごく強かったでしょう。

Eチーム
ココ役の一岡杏奈は荒削り。
可愛らしいけど、へんてこりんなココ。
今までにないココ。
面白い。
けっこう独特なポーズがある。
頭におだんご二回つける感じのポーズ。
前半、歌はイマイチかな〜と思いましたが、後半持ち直しました。
声もよく伸びている。
カツゼツも特に悪くない。
ダンスはまだまだかな?
ただ、前述しているとおり、
かなり荒削りなココではあるが、私はとてもよくやっていると思う。
ココ特有の独特の個性を、たしかに彼女は持っている。
みんなに好かれるココ。
「エッヘッヘッヘッヘ〜」みたいなセリフは好きだな〜
コメディもいけそうだ。

かづき役の栗原沙也加はうまい。
べらぼうにうまい。
アニーだが、あのアニー当時よりも断然いい。
アニーより、このかづき役の方が好きだな。
カツゼツバッチリだし、歌唱力、ものすごいでしょ?
めっちゃ驚いた。
これは相当練習している。
かづき役の雰囲気もじつにピッタリ。
真面目系で芯の強い感じ。
「見違えるほど、ピッカピカに・・・」ってところは、
アニーのオマージュかな?
ちょっと面白い。
やや上目づかいで、
「サトミ?」と声をかけるところは意外と印象に残っています。
かづき役は間違いなくハマリ役だと思う。
う〜ん、栗原沙也加の演技、かなり好きになった。
少なくともこの役はものすごくすばらしい。

ヒロ役の日美野梓は言うまでもなくうまい。
2008年エターナルファンタジーのMVP
そんなに凄い賞ではないですが。

憎まれ役・・というか、ちょっと影がある役は本当にうまい。
生活保護、母子家庭というレッテルが人生のトラウマとして残り、
他人への対応がうまくできない役柄。
たしかに単純な役ではない。
その難しい演技をよくこなしている。
この舞台とは全く関係ありませんが、
似たような役柄が多いので、ラブリーズのような役も好きだな。
彼女は、演技、カツゼツ、雰囲気作り、そして歌。
どれをとっても一級品だと思う。
でも・・・やっぱり歌がいいな。聞き応えあるもの。

鮎未役の藤澤志帆
彼女は、もういうまでもなくベテラン。
過去の「小公女プリンセス・セーラ」や、「若草物語」ベス役も、
物凄かったです。
一時期アイドルっぽいこともしてたような・・・
ま〜いろいろなこと、そして経験を積んでいる女優。
あくまで私が過去から受けた印象は、彼女はとにかく真面目だと思う。

ただ、演技は舞台特有の演技。
俗に言われるテレビ的な演技ではない。
舞台出身者がもつ、独特な声質と雰囲気。
これは経験してきた舞台やらカンパニーにもよるのかもしれません。

この鮎未役というのも、すごく難しい役。
みんなをまとめる先生にも似たお姉さん役で、
頼りがいがあって、みんなを引きつける優しさを持つ・・・
だけでなく、いろいろと過去があり、
じつは悩める生徒を見るのが嫌な部分もあり、生徒をうざったく思ったりもする。
うわべだけ仲良くして、心の中では激しく罵倒したくなる・・・
いやいや、やっている状態。
さらには過去の友達とのトラウマもあって、なかなか奥が深い。
じつのところ、彼女の心の悩みを瓦解することも、
今回のテーマのひとつかもしれません。

歌唱力はさらにうまくなっているな〜
「天空の城ラピュタ」の主題歌「君をのせて」を歌っている、
井上あずみの声質にも似てる。
聞き惚れる歌声。ま〜プロですけどね。

淳平役の海宝直人はいい。
言うことないでしょ。
低音でもすごく聞き取りやすい発声。
歌もいいんですよ。
役柄的に、存在感がやや空気と化すことがあるのはもったいない気もします。
「アイサ節」の時の太鼓は、「ボンゴ」でいいのかな?
楽器演奏もご苦労さまです。

ナツメ役の椋木えり
彼女の姿は久々。
花やしき少女歌劇団以来かな?
当時は「クールビューティー」のフレーズがあったような。
テレビでも活躍しているらしいですが、そのあたりは詳しく知りません。
スタイルは昔から変わらず細い。

セリフ回しはちょっと癖がある。
けっこう低音。
演技的には普通な感じかな?まずまず無難な演技。
前はもうちょい「華」というか、オーラがあった気がするのですが、
今回は役柄的にはわざと地味にしたのかな?
ほどほどに暴力的なイメージという前振りがありますから(汗)
昔と比べて髪形の違いも影響あるのかな?

主要キャラクターで出番も多いのだけれど、
私にしてみると印象は薄い。
「普通」という言葉が出てくることじたい、
それだけ自然な演技だったということかもしれませんが。
ただ、ダンスはすごく見応えある。
ダンスをしている時の方が、表情が穏やかになる気もする。

ミサ役の橋本わかな
ルックスはあいかわらず抜群にかわいい。
普通にピチモやらニコモだとしても、おかしくないくらい。
今回の役は憎まれ役。
彼女は清楚な役よりも、ちょっと憎まれ役の方が光りますね。
うざったい雰囲気とか、気が強いところとか、不快な表情もいい。
登場してから、いろいろ皮肉ったり、
敵対心あらわにして、どんどん敵を作っていくにもかかわらず、
すぐに仲良くなってしまうのはなんですが・・・
ストレートプレイもやっていることから、演技は良くやっている。
カツゼツ、かなり良くなりました。すごく聞き取りやすい。
一番思ったことは、歌唱力がついたことかな?
前回、やや弱点であった部分。
それをきちんとを改善してくる。

元々モデル並のルックスでかわいらしいですが、
憎まれ役もうまいし、三枚目役もできるという、けっこう稀有な女優。
最近はなかなかいないもの。
そうだな、芸能人でいうと多部未華子をもっと可愛くした感じ(爆)
別におべっかいうわけではないが、このあたりは評価していいと思う。
元・花やしき少女歌劇団同士の椋木えりとのバチバチな関係も面白い。
観てるこちらは、けっこうハラハラドキドキするくらい緊張感走ります。

彼女はセリフを喋り終えて、何か後ろに振り返ったりする時、
斜め上に視線をあげるクセがある。
ここは気になりましたが、普通の人はそんなとこ、ど〜でもいいかな。

はるき役の松村理子は雰囲気変わったかな?
髪形のせいかな?
見ないうちに、ま〜た美人になっていてビックリ。
このはるき役は、明るく優しく穏やかな感じで、じつにいい。
松村理子もやりやすかったんじゃないかな?
雰囲気あるもの。
目立つ役ではあるものの、けっこう落ち着いた演技をしている。
が、それでも彼女の華やかさがあって、やっぱり目立つ。
ダンスはうまいし。カツゼツもいいし、かなり光っていた。
このはるき役もイメージピッタリだな〜
彼女の笑顔はすばらしい。ほんと光るもの。

あきな役の中原穏乃
う〜ん、今回全てのキャストの中で一番の驚き。
葉っぱのフレディではあまりイメージ無かったのですが、
ビビッた。本当にビックリした。
まず表情。
ずっと笑顔。
ダンスをしている時も笑顔。
本人も楽しそうに踊っているし、観ているこちらも楽しい。
ダンスの実力もありますしね。
得意分野なのでしょう。
あきな役は面白い三枚目役ということもあって、
表情の変化や面白い動きも楽しい。
演技もしっかりしていて、この役に確かに合っている。
よく研究をして、自分のものにした感じ。
この時点でハマリ役に近いと思う。
恐れ入った。
これは今後、さらに伸びるでしょう。
急上昇の注目株であることは間違いない。
私が太鼓判を押す(理由は特にない)

そのみ役の土屋美晴
彼女は2008年の「ココスマイル4」の頃からダンスはうまく、
印象に残っています。
今回もダンスが素晴らしい。
ダンスがうまい子いるな〜と思ったら彼女でしたから。
すぐにわかったもの。
それから、今回は嫌な憎まれ役でしたが、
かなりいいと思う。
嫌な雰囲気があって、表情もイジメオーラ全開でした。
喋りもしっかりしているし、カツゼツ良くて聞き取りやすい。
小さい子でもとても印象に残る。
意外と面白い演技するんですよね、彼女。
要所をうまく抑える感じ。
抑え役として今後重要視されるかもしれない。

みちる役の高木夏美
今回は珍しく、おとなしい、いじめられ役。
なんとなく、いつも元気で明るいイメージがあるが、
今回のような暗く沈んだ役というのは本当に珍しい。
みちる役は、この舞台の中でもスポットが当たるので美味しい役ではある。
サバンナの話しはなかなか泣かせます。
私的にはもっと、こじんまりとして、
あまりハキハキ喋ることができない雰囲気も作ってほしかったが。
喋れなさすぎて、聞き取りにくくなっても困るから、難しい演技ですけど。
それにつけても、やっぱり彼女のダンスはいいね〜
ちょっと痩せたイメージがあるが、気のせいかな?

マスミ役の花房里枝は、けっこう常連。
背が伸びたのがすぐにわかりました。
今回はセリフも多いし、歌うナンバーも増えました。
特に歌唱力に驚き。
なかなかやりますね!

ユキヨ役の今井茉美子は健康的なスタイルでいい。
このぐらいがちょうどいい。
けっこう表情が変化して面白い。
一応憎まれ役のグループなんだが、そこまで対立するしている雰囲気はない。
表情が柔らかいからかな?

サトミ役の三井麻由
今回は歌が印象的。
前に比べてもかなり良くなりました。
前と言っても、2004年の「フレンズ〜ガラクタ怪獣のなみだ〜」からなので、
約5年ぶりですけど。
声質がけっこうコロコロ変わるのは、ちょっと気になりました。
低音になったり、高音になったり。
どれが彼女の本当の声なのかと・・・
感情が入ることにより、ちょっと変わってしまうのかな?
それから彼女はまゆげの演技をする。
困った表情とかもかわいい。
年齢は高いのだけれど、子供っぽい雰囲気。
ボクシングのエクササイズところの「切れ」は、
私が見るかぎり三井麻由が一番いい気がする。
ちょっと意外。

三井麻由がこの舞台に帰ってくるというのは、
私にとってはとても感慨深い。
ま〜人生いろいろある。本当にいろいろある。
雰囲気自体は当時とほとんど変わっていない。
グラビアのお仕事もとても大事だけれど、
女優の仕事も光る。

当時、彼女は背が高く、足も長いイメージがありましたが、
今は小さな子の方が背が高くなったり、足も長かったりで、
彼女の身体的な特徴というイメージの変化はない。
2004年の「フレンズ〜ガラクタ怪獣のなみだ〜」では憎まれ役。
今回はまた違った役。
いうなれば、ひとりではあるが、道に迷っている感じ。
人生の方向性に。
で・・・私はいろいろ考えてしまう。
この役、この雰囲気。
前述しているとおり、
緒方校長が、いろいろなメッセージを歌にこめている・・・
なんとなくリンクするんですよね・・・彼女と。
そう思うと、すごく深く感じる。

今回の脚本、何か・・・不思議な印象を受ける。
出演者個々のイメージやら、意志を感じてしまう。
何かしら意見やら、取り入れたのだろうか?
そういうことを私は凄く感じてしまったのだが、ただの憶測にすぎない。
まぁ〜全て私の妄想ですから。

おそらく本人は、この舞台に出演できて嬉しいだろうし、
何か変わってくれると嬉しいな。

しずか役の輿石あかねの喋り方がかわいいですね。
「アイサ節」のダンスも良く頑張ってる。

このは役の高木紗友希は、かわいいと思う。
カツゼツが良く、個性があって、聞き取りやすい声質。
そして、ものすごくアニー口調。
そっち系統のカンパニーなのかな?
それから雰囲気、動きが独特。
相槌をうったりするのも、独特。
ハープパンツに青のラメがありますが、これはいいのかな?
ダンスの発表会ではよくあるのですが、
こういった舞台でひとりだけつけているのは珍しい。
と思ったら、Eチームは板垣日向子に「ラメ」が入っていたので、
たまたま衣装の兼ね合いのようです。
歌もいいし、ダンスもいい。
ただ、ものすごく個性的すぎるので、今後、方向性が別れると思う。
舞台系でいくのか、ダンス系にいくのか、はたまたまた違う道か。

マドカ役の横山珠夢は地味だが、声の発声はいいし、
何よりダンスがすばらしい。得意でしょうね。
ちゃんと私は観てますよ。とても良くやっている。好印象。

Aチーム
こちらのチームで一番の成長は、ナツメ役の大木梓彩だと思う。
前のラブリーズよりもさらに成長している。
セリフは凄くしっかりしてきた。
前はまだあやふやで、
セリフひとつひとつに一生懸命という感じだったが、かなり上達してきました。
前回と同じ役というのは彼女だけだし、
この役の思い入れはそうとう強いでしょう。
歌唱力もついてきてるし、なにより一番いいのはダンス。
後半のダンスもかなりいい。いや、そうとういい。
めっちゃ練習してるでしょ?わかるもの、うまくなっているの。
その成果がわかる出来ばえ。
あくまで私の印象だと大木梓彩は穏やかで真面目な感じなので、
前回のナツメのような暴力的なイメージは少ないのですが、
今回は昔よりも成長したナツメということで、安心して観られたのかもしれない。
緒方さんからの手紙で怒るところも、違う意味で怒りますよね(笑)
う〜ん、そろそろ違う舞台で観てみたいな。
そのぐらい女優としてレベルアップしたと思う。

ココの嶋村英里
初登場シーンで私はビビリました。
とにかく体の線が細い。
さらに手足もめっちゃ細い。
しかも、ももをしっかりあげて走るので、
その細さが強調され、きわだちます。

ルックスはかわいい。アゴのラインが三角で細い。
耳がけっこう大きいのも、良い意味での特徴。
ダンスはまだまだ。
歌は普通だが、声量自体は大きい。
カツゼツは特に違和感はありませんでした。
高音の声で、喋りはかわいい。
アイドル的雰囲気。

こちらのココの独特なポーズは、片耳ずつ耳をつかんで舌をだすポーズ。
年齢的には、 同じココ役の一岡杏奈よりも2歳下ということもあって、
ただ単に演技で見比べると見劣りする部分もある。
そのあたり、ルックスを加味した笑顔で乗り切っているので、
とりたてて差があるようには感じませんでした。
もちろん、一岡杏奈の笑顔もかわいいですけどね。

みちる役の板垣日向子は、
登場時点から、かなりか弱そうな雰囲気。
奥手な雰囲気がよく表現されている。
高木に比べると、やや口調は早いけれど、
それほど違和感があるというわけではない。
高木の方がセリフに重きを重視した感じかな?

Aチームでの、前半初めの三人、はるき、あきな、ナツメのところは、
なにかイマイチ。
ギクシャクしている感じ。
正直あんまりまとまりがない。
遠藤優美子が引っ張っていこうとするのが良くわかるのですが、
村山がついていけない感じ。
ルックスがかわいいのに、意外と表情の変化が無いからかな?
しかもおちゃらけタイプなのに、何か真面目風。
その、あきな役の村山彩希は、
ドラゴンファンタジー2で風のファンファン役。
ルックスはかわいいんですよ、それは写真からでもすぐにわかる。
ただ、このあきな役は、先に中原穏乃の方を観たせいもありますが、
こちらは弾けてないんですよね。
静かで穏やかな感じ。
村山彩希がイメージしたあきななので、それは仕方ありませんが。

比較するのは申し訳ないのですが、
私は断然中原穏乃のあきな役の方が好きだな。
役に合っていたのかもしれないが、
ほぼずっと笑顔で、楽しそうに舞台で演じているもの。
ダンス力は間違いなく中原だし、存在感も上。現時点では。
今回のこのあきな役に関しては印象度がかなり薄い。

ヒロ役の吉永まりや
ルックスはあいかわらず美人だし、
ダンスの実力は言うことないほど。
天下一品でしょ。
ただ、ま〜私は二度も三度も同じことを言うのは嫌いなので、
その部分は割愛。
日美野と同じ役ではあるが・・・
このヒロ役は難しいからな〜

サトミ役の今泉舞は、完璧
瞳ぱっちりでかわいいし、演技最高だし、カツゼツも最高だし、
表情の変化、歌唱力、さらにダンスもまた上手くなってるし。
ものすごく安心して観られる女優。
観ていて引き込まれるもの。
「今泉舞はすごいな〜」と、ただただ見惚れてしまう。

ただ、彼女のサトミと三井麻由のサトミとはかなり違う。
おそらく、今泉は自分なりに自己解釈をして、
このサトミの演技をつかんだのだと思う。
その結果が、暗過ぎないサトミだった。
真面目で前向き。仲間とも仲良くなりたい感じ。
だから、普段のサトミも明るいし、正統派、優等生っぽい。

三井は・・・違うんだよね。
経験が。重さが。深さが。
今泉舞が決して経験していないこと、
それを彼女は経験している・・・かもしれない。
三井の過去の経験が、今回のサトミ役にハマリすぎるほどはまり、
完璧なる正統派のサトミを演じている今泉でさえ、
到達できない複雑なサトミを三井は演じている。
私には、そう思えてしまう。

はるき役の遠藤優美子は、穏やかな感じ。
2006年の葉っぱのフレディでは、メアリー役を好演。
その時以来のメインキャストでしょうか?
私は彼女の実力をけっこう評価しているので嬉しい限り。

性格としては、たしかにこのはるき役にピッタリ。
穏やかな演技、得意ですしね。
彼女が憎まれ役はちょっと考えものですし。
歌もうまい。
ソロの場面も聞き応えあります。
松村理子とは、また違ったはるき像で、私は好きだな。
彼女ののんびりした穏やかな雰囲気は観ていて安心します。

ユキヨ役の菊地桃佳はカツゼツばっちり。
ランニングというのがすごい衣装だ。
筋肉質だよな〜
女性もこのぐらい筋肉あっていいと思う。

奥ノ矢佳奈のかづき役は
う〜〜〜ん、ちょっとね・・・
申し訳ないんだが私には合わない。
セリフが早いし、カツゼツが・・・
ダブルキャストを観る人、観られない人がいるけれど、
観ている人は、栗原沙也加の凄いかづきがいますから・・・
あのかづきと比べてしまうと・・・
ココスマイル5の主役、ココの時は荒削りでもいいけれど、この役はね・・・

ミサ役の森本祐加は、憎まれ役、うまいはずなのだけれど、
ちょっとパワーが足りないかな?優しい雰囲気がまだ残っている。
物凄く蛇足だけれど、私の後ろの席で、明らかに小学低学年の子が、
「あの子、本気で怒ってない」とか言ってました(爆)
私より厳しい。見透かされてるな。
そこまで私は厳しく観ませんが。
きつい表情とか、とんがった雰囲気は良く出ていたし。
セリフがやっぱり軽いのかな。
元々の雰囲気が優しいもの。
橋本わかななんて、何もしなければスーパーお嬢様だけれど、
あ〜見えて、三枚目もできるほど芸達者ですからね。
ただ、歌はかなり良くなってきたと思う。
弱点をじょじょに解消してきた成長がわかるもの。

総括
今回はとにかくメッセージ性。
これが、少なくとも私には物凄く響きました。
ココスマシリーズで、ここまでの社会風刺は衝撃的とも言えます。
子供たち、そし大人たちへのメッセージを伝えるミュージカルとして、
新たな方向性を見いだした年とも言える。

(敬称略)


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