◆  『ミュージカル ギャラクシーエンジェル Re-MIX』
◆公演時期   2005年12月7日〜11日
◆会場 銀座 博品館劇場
◆原案 ブロッコリー
◆キャラクターデザイン かなん
◆演出 宇治川まさなり
◆音楽 佐橋俊彦
◆脚本 杉原研二
◆振付 SATOMI THOMA
◆殺陣 Ryuji
◆美術 杉山至、山下昇平
◆舞台監督 宇佐美雅人
◆照明 関口裕二
◆音響 山本浩一
◆衣装 木村猛志

あらすじ

はるか未来。
トランスバール皇国を中心に、栄華を極める銀河があった。
その銀河で最強の名をほしいままにする美少女部隊こそ「エンジェル隊」

とはいうものの、宇宙は平和そのもの。
パトロールをしなくてはならない彼女たちであったが、
ミルフィーユが、「銀河ケーキコンテスト」優勝を目指すと、突然宣言。
呆れ果てていた仲間たちであったが、
副賞が彼女たちの欲しいものと一致しているため、意気投合。
レシピ会議がおこなわれる中、突然、一機の小型艇がエンジェル隊のもとに飛び込んできた!
(パンフレットより、一部引用)
観劇感想

前回の公演は見ることができなかったので、今回はとても楽しみにしていました。
再演ということで内容は前回と同じようですが、
敵役に声優界の大物、横山智佐さんを迎えての公演なので、少し違うようです。

まずはパンフレット・・・と思い、売り場に向かうと・・・
えっ・・・・
グッズがいっぱい並んでいるんですけど(汗)
各キャラクター、各キャストのブロマイドがたくさんです!!
4枚セットで600円ぐらい。大きいのは800円。
それから、前回の舞台のDVDの7100円・・・・・
好きな人は買うし、「お金が無いなら買うな」という話ではあるけれど、
その金額だけで閉口。
でも、企業の戦略としては間違ってないと思いますよ。
グッズの売り上げは重要ですから。

客層が怖かったのですが、とりあえず普通な感じで安心しました。
さて、私はA席で見たのですが、S席との距離が6席ほどありました・・・

気になったのは、開演前から観客に向けて照明がついていること。
とにかく目が痛いです。
光源によって目に負担がかかる人もいるのだから、この演出はやめてほしい。
公演前、公演中も、ずっと目が痛かったです・・・

舞台が始まる前には、前座(?)としてライブがありました。
私が見ていた時は平野綾さんでした。
なかなか可愛らしい方です。歌もマズマズ。
う〜ん、でも、歌詞は忘れないでね。
一応プロなんですから。

さて、本題。
ミュージカルとしては、かなり面白かったです。
金額のことを考えなければ・・・ですけど。
とても楽しい舞台でした。

最初に、各キャラクターごとの紹介ナンバーがあるのですが、
過去に観たことがある「赤ずきんチャチャ」「りりかSOS」「水色時代」の音楽に似ていました。
同じ人なのかな〜?と思ったら、そのようですね。
音楽は佐橋俊彦さんです。
ちなみに、今回の演出は宇治川まさなりさん。
雅 花鳥風月」でも担当された方です。

チケットの中で、「エンジェル隊が通ります・・・」というのがあったのですが、
その時点では意味がわかりませんでした。
で、結局のところ、客席に降りて、近くをうろついたり、話しかけたりするみたいな感じです。
客席からネタを提供してもらうこともあります。
これが、何回もあるんですよね・・・
舞台として、やってもいいのだけれど、
それが、高いチケットを買った人だけっていうのはね〜
仕方ないですけど。

各キャストともレベルが高く、基本的に下手な人はいません。
あくまで私の印象としては、富田麻帆ちゃんと横山智佐さんの舞台ですね。
麻帆ちゃんは言うにおよばず、
横山智佐さんの場合は、出演交渉でソロ等のメインの場面があることを確約していたのでしょう。
でなければ出演しませんから。

ギャグ満載だし、アニメのイメージを壊してないし(アニメは見てませんがなんとなく)
テンポいいし、とっても楽しい。子供が見ても飽きることがない舞台だと思います。
スピーディーに展開しますし(途中の観客席へ降りるところは、ちょっと間があきますが)
基本的にはストレートプレイなので、演技を見せる場面が多く、舞台に集中できます。
もちろん、たまに歌いますけど。
ただ、前半が楽しかっただけに、後半は雰囲気がやや重かったでしょうか?
これもよくあるパターンなんですけどね。

アドリブは満載ですし、舞台上で縄跳び、大縄跳びもありました。
舞台の流れとしては完全に止まってしまうのですが、まぁ〜このくらいはいいと思います。
お楽しみイベントと思って、楽しむ方がたくさんいますから。

殺陣は、小出由華ちゃんは素手での格闘、白川りささんは銃です。
頑張っているのはわかるけれど、ものたりないです。
やるのであれば、もっと迫力があってほしい。
青あざ等ができているのは十分に理解しますが、
せっかくの殺陣なので、ここはもう少しお稽古を積んでほしかった・・・

ダンス・・・というダンスはないですね。
まぁ〜簡単な振付と言った感じです。

ミルフィーユが銃弾に撃たれるところですが、撃たれてから倒れるまでの間、歌を歌います。
あってもいいのですが、ちょっと歌が長過ぎ(汗)
もう少し短くてもいいかな〜と思いました。
ま、すぐに治癒しちゃうんですけど。

気になった役者さんは・・・

ミルフィーユ・桜葉役の富田麻帆ちゃん。
う〜ん、言うことないんですけど(笑)
表情はあいかわらず豊かでかわいいし、演技は抜群にうまいし、
セリフの喋りかたも、役柄に合わせて可愛くしているし、歌も相当うまくなってます。
この役だけを見れば、これが麻帆ちゃんの性格だと思ってしまいますね(爆)
それほどのデキ。
こなれた演技は天才的ですよ。
これは彼女特有の才能。お見事。

そうそう、タップもありました。ちょっと短かったですけど。
ミント役の小野まりえさん、アイスヴァイン役の横山智佐さんも、タップに参加してました。

蘭花・フランボワーズ役の小出由華ちゃん。
森は生きている2004」に出演していて、私も見ているはずなのですが、
全く覚えてないです(爆)
「若者2」だとつらい・・・

で、今回。
おそらく本来はもう少し高音の声質だと思いますが、
姐御肌の男まさりタイプなので、少し低音にしていました。
色っぽい雰囲気を持つ役ですが・・・正直、色気はまだ感じません(汗)
セクシーな雰囲気は、これからの課題でしょう。
演技的には、がんばっていると思います。
雰囲気もピッタリでした。
歌唱力もまずまずありますよ。なかなかやりますね。

ミント・ブラマンシュ役の小野まりえさん。
初めて拝見しますが、彼女も演技がうまいです。
笑顔がとてもかわいいですね。表情の変化も楽しい。
この役の髪形でイメージすると、河辺千恵子さんにも似てます。
カツラをとると違うのですが・・・
歌はマズマズかな?下手ではないです。
背が低く、雰囲気的にもボケキャラタイプなので、
これから人気がさらに出るでしょうね。

フォルテ・シュトーレン役の白川りささん。
軍人タイプで、リーダーとして他のメンバーを仕切る感じです。
ハスキーボイスで、なかなか合ってますね
演技もひじょうにうまいです。

ヴァニラ・H(アッシュ)役の明坂聡美さん。
役柄的には、無感情でセリフも少ない役。
その役の性格を演じ続けなければならないため、ダンスシーンや歌うところも無感情。
演技的にはそれをやり遂げていたので、問題ないでしょう。
雰囲気も面白かったです。

公演後のキャラクタートークイベントでは、けっこうお話をしてくれました。
そうしないと、本人の性格わからずじまいですから(笑)

すでに声優さんのようですが、可愛らしいルックスも加わって、
人気が出ることと思います。
この役に関しては、とてもうまかったです。

烏丸ちとせ役の中山恵里奈さん。
あえて言うのであれば、彼女がこの舞台では一番浮いています。
頑張っているのはわかりますが、雰囲気とセリフ。
舞台役者としてセリフ口調はまだまだだし、
少しろれつがまわらず、まどろっこいしゃべり方にもなります。
ここを改善してほしいかな?
歌ももう少しかな?
そのためかどうかわかりませんが、彼女だけ本メンバーとは違う行動が多いです。
あえてはずしたのかはわかりませんが・・・

公演終了後のトークライブにも登場し、お話をするのですが、
一人称が「ボク」
キャラクターの性格で言ってるのかな〜?と思ったのですが、そうじゃないらしいです(笑)
すごいですね。
女性で「ボク」なんて言うなんて。
好きな人は、好きでしょうね。

アイスヴァイン・トゥルガール・シトローネ役の横山智佐さん。
ゲーム 「サクラ大戦」真宮寺さくら役でも有名です。
ミュージカル 「サクラ大戦」でも、主役の真宮寺さくら役を演じています。
噂には、かねがね聞いていたのですが、生で観るのは初めてでした。

すごい・・・・・・
かなりすごいんですけど・・・・・・

まず立ち振る舞いが燐として、しっかりしています。
背筋もピシッとしている。
次にセリフ。
この発声がすごい!
しかも、相手役の名前が言いにくいにもかかわらず、
(キルシュ・ヴァッサー・リースリング等)
じつにハッキリした口調で聞き取りやすく、かつ早い喋り。
このセリフ口調は物凄いものがありました。
宝塚の男性役と見紛う感じです。
難しい名前を連呼する場面があるのですが、
おそらく「私の流れるようなセリフを見て!」というための、演出のような気がしてなりません。
絶対噛まないぞ!という、強い意志が伝わってくる感じです。

さらに歌。
すごい〜〜〜!
こんなに歌唱力があったんですか!!
今回は、厳しい上官役タイプだったこともあると思いますが、
やや低音の伸びのある歌声は圧巻。
すごい声量なんですけど。
前述しましたが、明らかに麻帆ちゃんと智佐さんの舞台です。
なんと言っても、彼女のためだけの特別なシーンやナンバーもありますから。
この舞台を作る段階で、これは用意されていたのでしょう。

声優さんではありますが、完全に声優の域を超えています。
とてつもなく素晴らしかったです。

キルシュ・ヴァッサー・リースリング役の三橋加奈子さん。
敵の下士官のような役ですが、じつにしっかりしています。
アニメ「ハンター・ハンター」のキルア役の声優さんのようですが、
演技はすばらしいです。
上官役の横山智佐さんもすごいのですが、
その演技を受け止めることができる下士官がいてこそ光るのでしょうね。
後述する三浦初美さんともども、背筋がピシッ!としていて、
全く問題ないレベルの演技でした。

ただ、パンフレットの写真の方は可愛らしい感じなのですが、
役柄的には、凛々しく男性のような雰囲気で、演技もすごく厳しい表情ばかり。
ファンの人はつらかったかもしれません。

コルン・ガイスト・マーゲンビッター役の三浦初美さん。
声優さんでもあり、グラビアアイドルでもあるようです。
で、かなりすごいんですけど!
じつに演技、しっかりしていますよ。
背が低いこと、目がクリッとしていることも加味するかもしれませんが、
良い意味でひじょうに目立ちます。

あっ、でもプロフィールを見ると、エステー化学ミュージカルの、
「赤毛のアン」にも出演していたみたいですね。
下地はあるのでしょう。
厳しい表情が多く、普段の可愛らしい素顔を見ることはできませんでしたが、
演技は本当に素晴らしかったです。
そうそう、バトンも上手でしたよ。

フィルズィッヒ・アナナス・シルバーナ役の細野佑美子さん。
まず、ルックスはすごい美人さんです。
お姫様役は、まさに当たり役。
ただ顔が美人なだけでなく、演技もすごくしっかりしてます。
ほんと、この舞台に出ている役者さんは、みなさんすごいですよ。
さらに彼女の場合は、か弱いお姫さまだけでなく、
気の強い雰囲気をかもしだした部分にも見応えがありました。

総括
総じて、キャストのみなさんのレベルの高さに驚きです。
そして、素直に言って、楽しい舞台でした。何度でも見たい感じです。
値段のことさえ考えなければ・・・・・

ちなみに、
烏丸ちとせ役の中山恵里奈さん、ヴァニラ・H(アッシュ)役の明坂聡美さん、
フォルテ・シュトーレン役の白川りささん、この3人は普段でもお友達のようで、
3人でオンラインゲームの中で集まり、「狩り」にいくそうです・・・
トークイベントはかなりマニアック・トークでした。
しかし、女性がオンラインゲームの中で集まって冒険をするというのは、時代が変わりましたね。
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