公演時期 | 2012年1月14日~15日 |
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会場 | 世田谷パブリックシアター |
作・演出 | 犬石隆 |
音楽監督 | 金子貢 |
振付 | 中川久美・網代ひろみ |
あらすじニューヨークの下町で生活している孤児の犯罪集団。 リーダーのジュディ・バレンタインは、兄オスカーを追って海外へ。 残った孤児たちはシスターをリーダーに、あいかわらずの稼業。 そこに、マフィアのボスを刺して逃亡してきたマーガレットが現われて・・・ (パンフレットより一部抜粋) 感想ミュージカル プリンセス・バレンタイン2008が初演。 2010年は再演。 今回は、なんとか両チームとも観劇できました。 最近は予定がなかなかつかず、 本当に久々の両チーム観劇。 舞台観劇はあくまで趣味で、 他にもいろいろと抱えている現状ではあります。 私は普通に一般素人なもので。 2011年の公演でしたが、 震災の影響で延期。 各方面の尽力によって、ようやく公演再開。 キャスト陣は、調整がつかない方もいて一部変更。 残念な方もいたでしょうね。 その人たちの思いも・・・ということもあるでしょう。 今回は前回の東京芸術劇場小ホールから、 さらに大きなホール、世田谷パプリックシアター。 私がここに来たのは本当に久々。 アルゴミュージカルの「スタート」以来。 ここの劇場は広い。 そこで「プリンセス・バレンタイン2」を上演するというのは、 スタッフもキャストも、各方面、本当にいろいろな意味合いがあると思います。 観客動員が気になりましたが、 そこまで空席はありませんでした。 よく埋まっていた方でしょう。 私の予想としては、これだけ大きな劇場で、 新人の役者も含め、勉強させてあげたかったのかな~と思います。 出演者はそういった各方面の方に対して、感謝すべきでしょうね。 休憩無しの1時間30分弱。 パンフレットを配布する某女優が華やかで、 パンフレットをもらう時がちょっと緊張(笑) さて、どうしても前回と比べてしまうのは申し訳ない。 まず思ったことが、これは「プリンセス・バレンタイン」の続きということ。 というのも、ジュディがいないのでシスターが主役になっています。 「プリンセス・バレンタイン」はジュディありきの舞台なので、 ねりにねって、計算して、主役のジュディが生まれました。 「プリンセンス・バレンタイン2(以降プリバレ2」)は、前回の流れでのシスター。 性格もあのまま。 つまりは、主役として確立したキャラではもともとない。 S、Mという言い方は変で恐縮ですが、 シスターはSキャラすぎる。 こういうキャラが好きって人はそれでいいですが、 私は主役が気の強いヤンキー系でSなキャラはダメでした。 普通に怖い。 大胡愛恵は役の性格どおり演じているので、 彼女がどうこうという問題ではありません。 その役として演じていますから。 「リトルプリンス」でのアントワーヌ役なんて、私大好きですし。 プリバレ1のキャラをそのまま持っていくのは、 ちょっとつらい部分もある。 もちろん、その抑えとして、 ダブル主役と言ってもいい、 マーガレット役の加藤梨里香がいるわけです。 目新しさとして。 ま~しゃがんだ姿は、 「葉っぱのフレディ」のメアリーにも似た雰囲気ですが。 話の流れとして、 ミケランジェロ、チャーリー、マーガレット、ヴェロニカが、 ショーキャバレー「プリンセス・バレンタイン」に加入。 そこで一悶着が起こる・・・ という感じなので、意外と簡単であっさり。 前回は主役であるジュディの生い立ちなどをおえたので感情移入できましたが、 今回はシスターの過去の生い立ちとか、何もありませんからね。 そのぶん、またマーガレットの生い立ちが少しありますが、 サラっと終わるので、そこまで感情移入はできない。 あまり詳細な説明ができない生い立ちではありますが。 冒険活劇というわけでもないので、そこまでのワクワク感はない。 前回と比較して本当に申し訳ないけれど、 北川理恵がすばらしすぎた。 先人が偉大すきると、後人が苦労するわけです・・・ と妥協するわけにはいきませんが。 前回90分、今回も90分ですが、 なぜか長い印象。 話の内容が正直な話し単純明快なので、 ちょっと伸ばしがあるかな~?と、私は思いました。 チャーリーとミケランジェロのところや、 ガンビーノ、ロメオのナンバー。 大人のナンバーが多いので、 家族向けという感じではないですね。 もうちょい、子供を使ってもいいかな~と思います。 子役の個々の個性も、今回は少ない。 シスター、マーガレット以外としては、 ロキシー、チャーリー、イライザ、ビリー、ルイーザぐらいでしょうか? 他のキャラはいまいちわかりませんでした。 なんというか、子役たちが集まってのミュージカルナンバーがないんですよね。 「白雪姫ゲーム」や「真夏のシンデレラ館で」のような、 数人のユニットが組んだ、個々のキャスト紹介ナンバーがほしい。 次回公演があったら入れてほしいな~ 全体の盛り上がる曲も、 じつのところかなり後半なんですよね。 そこは楽しい。 ミュージカル「ヘアスプレー」の有名な曲。 「You can't Stop the Beat」の日本語版。 みんが盛り上がって本当に楽しい。 大胡愛恵、加藤梨里香、ふたりともソロは素晴らしいですから。 ただ、前半にも入れてほしかった。 それと似たような話しになりますが、 オープニングも、前回の方が良かった。 今回は、なんというか、コーラスラインのように、 口を大きくあけてのミュージカルナンバー。 それはそれで素晴らしいのだけれど、 後半で盛り上がったような曲調も、 前半でもうひとつ欲しかった。 キャバレーのダンスナンバーは、 絶対にこのキャパでもやると思いました。 お色気はあって全然OK。 観客が引くぐらい、ガンガンやってるOK。 このぐらいやっても、私はいいと思います。 こんなところで、回りの目を気にすることはありません。 ちなみに私の指名は、後半に述べます・・・ マーガレットをみんなで探すシーンのM(ミュージック) やはりあの懐かしい 魔法使いの夏休み 1991年の、「help me help me mama」 のような・・・ わかる人にはわかりますよね~ 武田と、土屋と、小山が舞台のスミで歌っているところがあるけれど、 3人だけのパートでも面白いかな。 ミケランジェロことミケが、 「金をもらって、何が悪いって?」って言うけれど、 たしかにそのとおり。 マンガのカイジではないけれど、 仮にここに1000万円あるとする。 車のタイヤをパンクするなんてこと、すると思うか? しないな。 なぜなら、金があるから。 そんなことをする意味がないから。 金が無いから、そういうことをする。 これを思い出してしまいました。 お金が絶対ではないけれど、 心のもち方ひとつ。 働けるのに、何もせずに生活保護をもらっているようなもの。 生活保護をもらって、そのお金で遊んだり、 ひそかに働いている人もいますらからね・・・ それがニュースにもなったりするわけです。 気になる役者プリンセス・シスター役、大胡愛恵前述したように、前回と同じ役を演じます。 気が強いシスター。 髪は茶髪系のソバージュ。 「真夏のシンデレラ館で」の真夏役をイメージしているようにも思える。 演技力に関しては言うことないほどベテラン。 気の強い演技は怖いほど。 それが観客に伝わるということは、 それだけ彼女の演技に真実味があるということ。 本当の性格は知りませんが、シスター役に没頭していましたね。 演技力もさることながら、歌唱力もあるし、ダンスもできる。 もう普通にベテランですし、言うことないです。 ただ、今回の場合はどうしても、 前回の主役のジュディ、北川理恵の影がちらついてしまう。 ジュディ役は気が強いだけでなく、 ちょっとお茶目で、ずるがしこく、お色気たっぷり、 いろいろできる。 観客もそういった面白い部分に目が向く。 シスターは、やっばり地の気の強い部分が見える演技なので大変。 私は、怖いな~と思ってしまう。 M属性の人でしたら、いいんでしょうけど。 主役なのだけれど、観客との距離感が出てしまう役。 本人もそうとう悩んだかもしれない。 どうやって、自分の役をお客様にアピールするのかと。 かなり難しい役だし、主役としての立場もありますからね。 前回は、外目では静かな雰囲気があって、 仲間の孤児たちの前に現われるとガラッと変わって、 というギャップがありましたから。 今回は全編にわたって、気が強い印象が強い。 「リトルプリンス」でアントワーヌ役のような清廉した演技の方が私は好き。 これは個人の趣味ですが。 プリンセス・マーガレット役 加藤梨里香シスターの茶髪系、気の強さを毛嫌う観客をいると予想して、 マーガレットは黒髪・・・なのかもしれません。 しかし、久々に見ましたが大きくなりました。 ヒールの関係もありますが、 大胡愛恵と並んでも、少し小さいぐらい。 ハーフパンツで、太ももも眩しい。 アイドルルックス全開で、ものすごくかわいい。 小さい頃もかわいいけれど、 成長した今でもルックスはほとんど変わらない。 ビックリ。 AKBとか、そのへんのアイドルがかすむぐらい。 それでいて、演技力、セリフ回し、発声、歌唱力もある。 喋り方とか、カツゼツとか、抜群すぎる。 そもそも彼女はダンスの印象が強いのに、 他の部分までレベルアップしてきている。 私もお手上げなくらい、すごい。 足をあげる打点の位置も高いですしね。 後半のソロの歌の場面も素晴らしい。 稽古している成果が如実に出ているもの。 ファンは確実に激増しますね。 ルックスだけでなく、 これだけ歌唱力があれば魅了できる。 でも、まださらにその先のレベルを目指すんでしょうね。 今の時点でこれだけ素晴らしいのだから、 まだまだ伸びる。 役のイメージとしては、生い立ちが悲惨なのか、 それとも明るくふるまっているからなのか、 本当にマスコットキャラだけだったのか、 真実がちょっとわからない。 そこはそもそも、あやふやなんでしょう。 前述した「葉っぱのフレディ」の変化前のメアリーっぽい。 もう1年ぐらい経過すれば、 さらに色気も出てくるでしょう。 私が大手芸能関係者なら、すぐに引き抜きしくたくなるくらい。 関係者の目はフシアナだな~ ビリー役 蔦木竜堂男の子は、本当にすぐに大きくなります。 キャタックの「TRUE PRESENT」が初見ですから、 それは大きく感じる。 それはそれとして、パンフレットのコメントの時点で、 こういう役でくるだろうな~と予想できました。 やはりそんな役。 大変だけど、頑張った。 もうちょいセクシーで、積極的でもいいかな~と思うけれど、 あまりこの役に没頭しすぎると大変だし、 深入りしすぎるのも困る。 難しいところ。 イケメンほど気をつけないと。 元に戻れなくなることも・・・なんて。 チャーリー・チェン役 羽賀悠仁初見ですが、素晴らしかった。 とにかくよく声が出ている。 声がとおっている。 大声が出る少年はいい。 3枚目っぽい雰囲気もよくとらえているし、 演技もいいし、セリフ回しもいいしで、 これだけできたら、上の上でしょう。 私の評価なんてどうでもいいですが、かなり高いレベル。 同じく 生島稜大比較するわけでもないから、あくまで私の感想。 こんなにだだっ広い、世田谷パブリックシアター、 私だったら恐れおののくほど。 緊張するのも仕方ないです。 まだまだ表情の固さは目立ちました。 どちらかというと3枚目というよりも自然な感じ。 喋りはしっかりしています。 今回で、そうとう舞台度胸ついたでしょう。 ロキシー役 佐藤まりあ子役メンバーの中では大ベテランの位置づけ。 シスターと張り合ったりする場面が多いので、 こちらもけっこう気の強い性格。 姐御肌で、シスターの次にみんなをまとめる役。 ムチムチなお色気はたっぷりだし、 キャバレーのナンバーも、よくやっている。 お色気担当は上の年齢が頑張らないとね。 武田めぐみもそうだけれど、 そこまでM属性な雰囲気はないかな? 同じく、武田めぐみ久々に観ましたが、 声質、少し変わりました? 気のせいかな? 武田めぐみって、雰囲気的には何か色っぽいイメージがあったのだけれど、 意外とこのメンバーの中では、そこまで色気は感じませんでした。 表情付けがまだ子供っぽいのかな? 演技とか、そういうのとは別問題だけれど。 M属性には、やっぱりあんまり感じませんでした。 ベルマ役の高野愛前回と同じベルマ役。 なんとなく、今までのイメージとして、姐御肌とか、 年上のお姉さんの印象があったのだけれど、確変。 けっこうスレンダーでかわいい。 印象変わりました。 姐御肌的な役もいいけれど、三枚目っぽい役もいい。 私の中では強く印象に残りました。 同じく赤須千夏まず初めに言いたいのは、 例のお色気のキャバレーのシーン。 指名を誰にするかな~?と私の場合、 間違いなく赤須千夏を第1指名。 それだけお色気・・・ではなく、お馬鹿キャラが良かった。 気の強い人がきても困りますからね。 お馬鹿天然キャラの方が逆に安心する。 赤須千夏をこういったキャラで活用してもらうのは、 私にしてみるとすごく嬉しい。 ものすごく合っているキャラだし、演出家の愛を感じるほど。 イライザ役の指出麻琴変なかっこうで座ったり、口をあけっぱなしだったりと、 けっこう大変で気恥ずかしい舞台上の演技。 頑張りました。 彼女は訴えるかけるような瞳、目の使い方に魅了される。 細身の体ですが、不思議と色気をだせるんですよね。 お馬鹿天然キャラ好きな私としては、第2指名は指出麻琴。 ルイーザ役には、長澤夏実彼女は美人なのだけれど、この役に関してはポニーテール。 それはいいとして、服装がヒップホップ系で、役柄もボーイッシュな設定。 セクシーな部分を出すことができない役ですから。 正直、ちょっと残念。 私的に長澤夏実は、ブリッコのようなアイドルアイドルした方が、 男性人気は高いでしょう。 ということで、じつのところルイーザ役よりも、 アンサンブルでのツインテール、 露出多めのミニスカ衣装の方が断然魅力的。 ものすごく可愛い。 同じく土屋美晴彼女は、歌唱力抜群で、演技もでき、ダンスもできる、 本当にオールマイティな女の子。 が、ルイーザ役は、サンバイザーにボーイッシュ的な雰囲気で、 あまり目立った場面がなく残念。 彼女の歌の実力を知っていると、 歌ってほしいな~と思ってしまうのは私のエゴになるのかな。 キャシー役 小山侑紀葉っぱのフレディ2007のフレディ役、 葉っぱのフレディ2008ではメアリー役、 葉っぱのフレディ2009ではダニエル役。 着実にレベルアップしていく女の子。 で今回、 アンサンブルの時から、ものすごく目立つ。 すぐに気づく。 最初、誰なのか全くわかりませんでした。 まさか小山侑紀とは。 ずいぶんアイドル的ルックスになって驚く。 こんなに美少女になったのかと。 コロコロ変わる表情付けは「過去にやりすぎ」なんて書いてありましたが、 今回はいい。 めちゃくちゃ目立つもの。 意外とミニスカの子も少ないから、そのせいでも目立ちます。 色気があって、ダンスシーンも「華」がある。 あくまで私の印象だと、雰囲気変わったな~と思いました。 ただ、アンサンブルの時の方が目立って、 主要キャストのキャシーは、ほとんど印象無いです。 それはダブルキャストの大貫菜子も同じ。 ひとりひとり喋って変な顔をするみたいなところしか、思いつかない。 ソロとか、アイドルチックな場面とかあると、もっと良いけれど。 子供メンバーはほとんど印象ないのだけれど、 ドロシー役の山内瑞葵は、アンサンブルの時からよく目立つ。 緑色のシャツでインプットしてました。 表情付けもいいし、笑顔もいいし、 それはサバンナでも活躍するのがわかる。 キビキビとしたスピーディーなダンスもいいですし。 歌唱力は全くわかりませんが、 今後注目の女の子のひとりでしょうね。 アンサンブルだけど、田中祐子はよく目立つ。 ダンスうまいですから。 それに表情付けもいい。 それから背が高い子も印象深い。 名前がわからず申し訳ないけど。 総括主役の位置付けが難しい。 主役のシスターが、主役キャラとしては強いし怖い。 その抑えで、なんとか「華」があるマーガレットで保つ感じ。 前回のジュディ役の北川理恵が、 その両方のバランスをもっていましたからね。 前回の主役がいない続編というのは、そのあたりが難しい。 だからこそ、 さらなる続編があるとしたら、 ジュディ、シスター、マーガレットの組み合わせが楽しめる・・・ という空想をしたくなります。 前半よりも、後半の盛り上がりの方が楽しいので、 もう少し前半部分にチョコチョコ、 女性ユニットのナンバーがあってもいいかな~と思いました。 ただ、役者のレベルはハンパなく高い。 歌も演技もダンスも、どこをとっても素晴らしいし、 後半は物語も盛り上がりますからね。 W主役ということで、私の感情移入は残念ながらちょっとぶれました。 ※敬称略 |