公演時期 | 2008年3月1日~3日 |
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会場 | CATTAC DANCE PLAZA |
作・演出 | 犬石隆 |
音楽監督・作曲 | 金子貢 |
振付 | 中川久美・綱代ひろみ |
企画・制作 | 中川久美&シアターキャタック |
あらすじニューヨークの下町ブルックリン。 古い倉庫に17才のジュディ・バレンタインとみなし子の女の子たちが暮らしていました・・ (パンフレットより抜粋) 感想個性爆発!主役、プリンセス・ジュディ・バレンタイン役の北川理恵演出家・犬石隆氏の久々の新作ということでとても楽しみにしていました。 「葉っぱのフレディ」の内容とはある意味、正反対なので、思う存分柔軟な演出ができたような気がします。 犬石氏はかなり北川理恵をかってますね。 そもそも彼女がいなければこの作品を書くことはなかったとまで言い切るほど。 北川理恵の演技は本当にうまいです。独自の世界を作り上げることができるこなれた演技は秀逸。 発声もしっかりしているし、柔軟性あるし、表情の表現力もいいし、歌唱力もあって、ダンスもできる。 また、殺陣というほどのものではありませんか、ほんのちょっぴり格闘シーンがあったのも面白いです。 犬石氏が好きなタイプでしょうね。 特に今回私が一番印象深いのは、迫力ある低音の歌声。 綺麗な歌い方ではなく、少しドスの入った重い歌声がじつに良かったです。 こういう歌い方をする人は他にいないでしょう。外国の方がよく使う歌い方。 北川理恵らしさ全開でした。 ただ、ひとつ気になったのはこの舞台、北川理恵のひとり舞台にちかい。 出演者が多いわけでもなく、衣装も個性的なので、 詳細な性格付けや個人個人のエピソード等があるかと思いきや、ほとんど無し。 あえて言うなら、シスターの大胡ぐらいでしょうか? 犬石氏の演出として、ひとりひとりの性格付をしっかりするタイプだと思ったのですが、 今回はよくわかりませんでした。 もしかしたら、時間の制約もあって内容をあまり詰め込むことができなかったのかもしれません。 あくまで小劇場用の演出。 次回、また公演がある時は、ひとりひとりの個性がハッキリするといいな~と思いました。 また、あくまで私のうがった見方で恐縮ですが、 オスカー役の吉田雄と北川理恵の淡いラブシーンでは、 なんとなく犬石氏が自分のことを彼に投影しているのではないか?な~んて考えたりしてしまいました(汗) と、北川理恵絶賛の嵐なのですが、じつのところ私の印象として、彼女には色気がまだ足りない(爆) もちろん、可愛いですよ。 ただ、女性としての魅力だとか、色気だとか、セクシーさだとか、残念ながら私には通用しませんでした・・・ 太ももを見せられても・・・「えっ??」という感じで、ドキドキ感ゼロ・・・申し訳ないです。 舞台の内容的に映画「プリティーウーマン」を彷彿させるものなので、こなれた演技もいいけれど、 男性を魅了する力もつけてほしい。年齢的にも身につけてほしい年頃。 いらないならいらないで、役者としての幅が決まってしまいますが。 それから、彼女は雰囲気的にサバサバしている感じ。あまり重きをおいていないように思えてしまう。 やや軽いんですよ。 もちろん、感情が高ぶって涙を流す重いシーンはあるけれど、私は軽さを感じてしまう。 ジュディ役自体が軽い性格の役ではあるけれど、もっとベタベタしたしつこさがほしい。 でないと、もう一回彼女のジュディ役を観たいという気持ちになれない。 葉っぱのフレディ2007でクリス役でしたが、強く印象に残らないのはそういった面もあると思う。 主役だからこその私の意見。 内容的にはジュディ北川がオスカー吉田に出会って、運命の扉が開かれる・・・みたいな感じです。 前述しましたが、映画「プリティーウーマン」・・・・・になりそうでならない。 ただ、一気にハッピーエンドになると思いきや二転三転する流れは面白いです。 彼女を含め、みなしごたちだけで生きていけるのは「お借り」したり、 キャバレーで働いたりするという理由付けがしっかりしていることには納得。 最後の銀行口座問問題では、使用差し止めになる可能性もあるかな~なんて考えたりもします(笑) ノスタルジックな雰囲気なので、主婦層狙いがけっこういいかもしれませんね。 過去の思い出にひたる・・・ような気もします。 彼女たちがキャバレーで働いているということで、キャバレーのナンバーがあったのですが、 ごめんなさい。こちらも全く色気を感じませんでした。 今回のメンバーで色気、セクシーな雰囲気を持つ人は・・・いないような(汗) これからですから。女性の魅力が出てくるのは。 受ける印象は人それぞれですが。 ギャグ要素もあったのですが、ごめんなさい。私の感性には合いませんでした・・・ 私は笑い上戸ではない変人なので、ここは気にしなくていいです。 その他の役者として、悪徳エロ刑事役の方が出演しているのですが、 おそらく、大先生でしたら絶対やりませんね(爆) それをやるところが柔軟性があっていい感じです。 小さな劇場は本当に楽しい。 それから、ど~してもひとつだけ書いておきたいのはカーテンコール。 めちゃくちゃすごい。 小さな舞台でこれだけしっかり作り上げるカーテンコールはなかなか無いですよ。 というか、大舞台でグダグダなカーテンコールを何度観てきたことか(爆) 気になったキャストプリンセス・ジュディ・バレンタイン役の北川理恵については前述していますので割愛。 オスカー・ロスチャイルド役の吉田雄彼は初めて拝見しました。 なるほど、個性的な雰囲気を持つ男性。 最初はひ弱な印象を受けたのですが、じつは・・・というところには私も騙されました(笑) 惜しむらくはもう一回観たかったです。 ロキシー役の持田紗希、ニッキ役の小川侑子二人とも大学生ということで、他の役者とは比べ物になりません。 声の発声は抜群。北川理恵メインではあるけれど、この2役も目立つ。 ただ、二人ともに衣装の意味が良くわかりませんでした。インディアンっぽい格好とか・・・ 何の意味も無いかもしれませんが。 私の客席的に、持田の歌声はよく届きました。流石です。 小川侑子は、涙ながらにジュディの北川を責めるところがとても印象的。 舞台としても一番緊張する場面ですし、彼女の訴えかける表情はかなり良かったです。 シスター役の大胡愛恵性格付けがわかりづらい今回の舞台ですが、彼女は一番ハマッていました。 シスター姿はすごくよく似合います。当たり役といっていい。 おとなしい雰囲気を持ちつつもじつは・・・という役の方が実力を発揮できる感じ。 カーテーンコール時のダンスシーンも見応えあります。 キャバレーシーンよりも、シスターのままの方が好きかな(汗) ベルマ役の長田那奈子彼女も実力ある役者。葉っぱのフレディ2007ではアン役ですからね。 衣装が、メイドというか、どちからというとピンクと白のアンナミラーズ風の衣装。 理由はイマイチよくわかりませんが。 ダンスシーンの方が印象深いかな? イライザ役の佐藤まりあ彼女は葉っぱのフレディ2008のアン役。 こちらは王道の黒と白のメイド服。ただ、この意味合いもよくわからない。 かわいいことはかわいいのだけれど、彼女も個性、性格付けが全くわからず。 ドラゴンファンタジー2の気の強いジッポー役の方が、個性としては魅力的でした。 キャバレーのシーンでは、まだまだ恥じらいがありますね(汗) カーテーンコールのダンスシーンは足がよくあがっていました。 ネリー役の矢野七海葉っぱのフレディ2005と 2006では主役のフレディ そして2008ではダニエル役。 2006のフレディ役では、ダブルの内藤もゆのと比べて互角以上の演技を見せつけてくれたので、 今回の彼女も楽しみにしていました。 う~ん、ただ、今回は出番が少ないですね。 パワーが無いおとなしい役のためか、何か淡々としています。 正直かなりもったいない気がしました。 ルイーザ役の宮島小百合彼女も「アルゴ」や「葉っぱのフレディ」にも出演する実力者。 2008年のアルゴミュージカルにも出演します。 衣装が原色豊かで一番目立ちますね(笑) 声も良く出ています。当たり前ですが。 ただ、どんな性格なのかもわからずじまい・・・ まぁ~あえてひとつツッコムのであれば、 色気うんぬんよりも宮島小百合の足がよく目立ってたということぐらいでしょうか(爆) サンディ役の工藤万実TRUE PRESENTの舞台では、かなり美味しい役でとても印象に残ってます。 2008年にも葉っぱのフレディに出演します。 う~ん、北川理恵を除いて今回一番印象に残ったのは彼女。 すごく演技がうまい。じつにしっかりしています。 凛とした雰囲気があり、立ち姿が綺麗。発声、セリフ遣いも抜群。 彼女は非常に使いやすいですね。どんな役にも柔軟に対応できる感じ。 改めて今回彼女の実力をかいま見ることができました。 ドロシー役の石井千夏GANG2005のジャスミン役がとても印象に残っています。 おそらく一番下の年齢であったにもかかわらず、当時受け答えがしっかりしていましたから。 演技とは別の話しですが。 ちなみに2006でも出演していましたが、こちらは不思議とあまり印象に残りませんでした。 そして、約2年ぶりの観劇。 当然のことながら、背は伸びました。 ただまぁ~、特にどういういうほどの役、そして演技でもないので、なんとも言えません。 一番小さいメンバーなので、逆にいろいろな場面で目立つかな~と思ったのですが、 そうでもありませんでした。 性格付けとしてあまり喋らない役のせいもありますが。 普通に「良くできました」としか言いようがないです。 彼女はまだまだこれからですから、経験を積んで頑張ってほしいと思います。 今度はもっと弾けた役を観てみたい。 総括基本は北川理恵のひとり舞台。 上の方でちょっと厳しいことを書いていますが、彼女は本当にすごくよくやっていました。 とにかくも、まずは色気をぜひとも身につけてほしい。それが身ににつくと相当すごい女優になる。 前述しましたが、今回はおそらく小劇場用。 孤児たちひとりひとりの個性がいまいちハッキリしませんでしたが、 大きな舞台、そしてファミリー層に向けてはエンターテイメント性を強めて、 また違った演出が出てくるでしょうね。 ※敬称略 |