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Seiren Musical Project第45弾公演『High School Musical』

満足度星星星半分空星空星
公演時期 2018/8/23→28
会場 品川六行会ホール
演出 角川裕明

あらすじ

バスケットボール部のスター選手トロイと転校してきた天才数学少女ガブリエラ。住む世界の全く違う二人が出会ったきっかけ、それは歌だった。
舞台はイースト高校。新学期が始まり、トロイとガブリエラは高校の演劇部のオーディションを受ける。普段の自分とはイメージが違うことで周りから反対され、二人は葛藤することに。
彼らは無事、新しい自分と出会えるのか…!?
(公式サイトより引用)

観劇感想


WHITE組、トロイ大河原渉、ガブリエラ佐野史歩を観劇。

Seiren Musicalは過去に何度か観ています。
「FAME」「シンデレラストーリー」「42nd Street」「LITTLE WOMEN ~若草物語~」「The Wedding Singer」「BRING IT ON」続いて、今回で7回目の観劇。
過去にも記載していますが、本当にレベルの高い舞台。
ただ、申し訳ないが今回は小ぶりな印象。

映画「ハイスクール・ミュージカル」と比較せざるをえない


ミュージカル好きなら、誰もが知っている「ハイスクール・ミュージカル」
ディズニーチャンネルで放送しているので、暴力系とか、性描写はがほぼありません。
頑張ってキスぐらい。
けっこうガチガチなコンプライアンス。

だからこそ、子供に見せても安心!というお墨付きをいただいているわけです。
(日本の特撮ヒーローものがディズニー傘下の時は、制約がかかって面白くないというファンも一部いますね)

私はとにかく映画の印象が強い。
歌もダンスも演技も、本当に明るく楽しいミュージカル。
「それと比較されては・・・」と言われるかもしれませんが、
脳内ではどうしても比較してしまうのは致し方ない事実。
これだけは申し訳ない。

団結力はわかるが、個々の力もほしい


若くみなぎるパワーでみんなが創りあげる舞台。
それはわかる。
とても素晴らしいこと。
パッション、熱意は伝わってくる。

ただ、いかんせん舞台の団結力の前に、
個々の力が備わっていないことが気になる。
それを補ってみんなの力で、という建前はあるとは思う。
だけれど、普通に観劇している者としては、やっぱり気になってしまう。
みんなで作り上げる舞台という言い方で「おんぶに抱っこしてないか?」
まず個の力があって、そこからの団結の力ではないか?
そう思ってしまう私がいる。

いかんせん歌唱力が・・・


オープニングからイマイチ。
何よりトロイ役の大河原渉の歌が残念。
荒削りながら演技は頑張っている。
バスケットのミュージカルナンバーも。
それは十二分にわかる。
ただ現実問題、
ミュージカルで主役の歌唱力が厳し過ぎるのは、観ている方がつらい。

ヒロインのガブリエラ役の佐野史歩も、そこまで歌唱力があるわけではない。
歌の迫力には欠ける。
雰囲気は少し上目づかいで優しくて大人しくてチャーミング。
声優のようなかわいらしい声質も印象に残る。
映画版のような雰囲気で、私的にはとても好きなガブリエラなのですが。
全然下手ではないのだけれど、
もっとパワーがあれば観客をも引き込むのにな~とずっと思っていました。

このふたりがメインのミュージカルナンバーを歌うこともあって、
観ている方は、つらい。
しかも二人のシーンが多いですから。
映画「ハイスクール・ミュージカル」のイメージもさらに加わりますからね。
良い補正ではなくて、悪い補正が頭の中でカチカチと構築してしまう。

物語の内容として、初めて二人が出会い意気投合してデュエットする場面とか、
学校の演劇部のオーディションで合格するとか、
「それはないだろ?」と疑問が沸いてしまう。
これを観客に思われてしまうのはひじょうにまずい。

さらに重要なシャーペイも・・・

シャーペイはキーポイントで重要な役。
ここがこけたら、みなこける、というぐらい重要。
ここでさらに輪をかけてつらいのがシャーペイ役の宮本伊織
で、申し訳ないんだが、演技もセリフ回しもイマイチ。
私の目から見るとツンケンしている演技が、
空回りしているように見えてしまう。
頑張っているのは重々わかるのだけれど、
映画版とどうしても脳内で比べてしまうので、ほんと申し訳ない。

歌も普通かな~?
そこまで強い印象はない。
体の線の細さ、あと足をあげたりしているところから見ると、
ダンス系なのだろうか?

ケルシー役、杉本紗矢のメガネの可愛さだけが救いかな。
はかない演技はかわいい。
ただ、歌はあまり覚えてないな~申し訳ない。

アンサンブルでは、おっとビックリ川村咲季
ミュージカルアニー2015でダフィ役
ココスマイル7~夏色のマイソング~2014では、津久井ちい役
最後にアンサンブルのメンバーでも歌う場面がありましたが、
彼女ともうひとりの子が歌う場面の方が、声が出ていた。
歌唱力は相当あるでしょ。
あの瞬間だけで、すぐに気がつく。
彼女クラスがメインに上がってこないとね。

コーチ役は、演技も歌もつらかったな~

大学生ゆえの感想

もう子役ではないので厳しく書いてしまう。
高校演劇だと、ま~頑張ってほしいな~という感情にはなるけれど。
とは言え、私のサイトは子役のミュージカルでも、かなり厳しく書いているので、あまり関係ないかな?

確実ではないけれど、
ダブルキャストのスリヤ佐野ヨハネ聖文はかなり歌唱力ありますよね?
観客から突然出てくるシーン。
こちらの組も観たかった。
要チェックだったな~
シャーペイのダブルキャストは露詰茉悠。
彼女は「BRING IT ON」では主役でしたが、私が観ていない組でした。
こちらも観たかった。

ピックアップ

  • チアの熱意は凄く伝ってくる。これは絶対に言わなければならない。本当に素晴らしい。みんな笑顔だし。明るいし。ワクワク感が伝わってくる。
  • 学校の食事のシーンのミュージカルナンバーもイマイチ迫力が足りない。(ここは私が好きな場面だからこそ物足りない)
  • ジーク役の小寺圭吾の歌唱力は非常に聞き応えあった。雰囲気もいい。
  • ライアン役の山田雄大はイメージピッタリなので、ほとんど違和感なく観られた。ここも救いだ。歌も良かったな~
  • テイラー役の庄司紗瑛は雰囲気的には好き。ほんわり感があって。ただ、舞台上だと意外と印象度が薄い。歌はもっとほしいな~
  • ダーバス先生役の堀川陽子はイマジン・ミュージカルにも出てきそうな雰囲気が面白い。ただ私的にはさらに滑らかなセリフ回し、もっともっと圧があっていいと思う。

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総括

前述したことを二度も言うほど野暮ではないので、もう言いません。
私が今まで観てきた「Seiren」、
たまたま主要キャストが歌も演技もダンスも実力がある役者だったのかな~?

毎回、いつもながら、熱意、団結力は十分に伝わっています。
だからこそ、個々の力もほしい。
もっともっと伸ばしてほしい。
内輪受けするような感じだけはやめてほしい。

お金を払ってチケットを買う人がいる以上、
観客にいかに楽しんでいただけるか?
また次回行ける機会があれば、観てみたい。

※敬称略
キャスト表