Seiren Musical Project 第30弾ミュージカル「シンデレラストーリー」

チェダー組 満足度
◆公演時期   2013年9月4日(水)→8日(日)
◆会場 笹塚ファクトリー
◆演出 清水裕明
◆企画 平井桃佳 水田奈緒子

あらすじ
誰もが知っているシンデレラの物語
でも、なぜ魔法は12時までなの?なぜガラスの靴は消えないの?
なぜ魔法使いは助けに来たの?
シンデレラのお父さんはどこにいるの?
既存の物語を面白おかしく別解釈。
ハッピーエンドになる!?
(サイトより一部抜粋)

観劇感想
チェダー組のみの感想。
モッツァ組も観たかったのですが、かなり前から完売とのことで残念。

Seiren Musical Project 第30弾ということで、
29弾の「FAME」に続いての観劇。

物語は誰もが知っている「シンデレラ」
そこに王国の政略結婚やら、
ネズミの思惑やら、
父親の存在を散りばめ、
既存のストーリーに枝葉をつけていく脚本。

いろいろあるんですけど、
まず思ったことは、照明が素晴らしい。
色使いも無数に変化し、原色のライトが効果的。
私は特に魔法使いの時の緑と白が印象的かな?
ガラスの靴に当てられる何本もの斜光のスポットライトも印象深い。
この照明の力で舞台が盛り上がったことは言うまでもありません。
これを早稲田の制作陣がやったのかな?
と思いましたが、さすがにここはプロの方のようですね。
スモークも効果的にかなり使われていました。

最初は王宮の王子との鬼ごっこ演出は意外。
つまりは、王子目線、
戦略結婚に揺れ動く王子の気持ちを描いたところは新鮮。
シンデレラだけでくな、王子の心も並行して追っている脚本。

コメディチックに、笑える場所が各所にありましたが、
正直、私はついていけませんでした。
ま〜若い人向けの笑いでしょうね。
その役割のひとりにおそらくピエールが担当すると思うのですが、
ちょっと私には合いませんでした。
申し訳ない。
私は変人なので、気にしないでください。

ねずみの4人のダンスはなかなか良かったです。
特に女性ふたりのダンスは見応えありました。
チュウ太郎はなかでもメインなので、演技もしっかりしている。
シンデレラって、けっこうネズミが関わってくるんですね。
すっかり忘れてました。
ディズニーも全く見ていないもので。

魔法使いの魔法で、
見すぼらしい格好からドレス姿に変身する演出は、
早着替えでかなり頑張ったと思います。
カボチャの馬車本体部分は、
天井から降りてきたキラキライルミネーション。
こちらもかなり頑張っている。
ガラスの靴の斜光のように、
見せ場は特に丁寧に作り上げている。

シンデレラと王子が結婚してハッピーエンド、
と行く前に、女王が血筋を気にします。
これもわかる。
特に自国の経済や防衛が弱いとなると、
息子を政略結婚させて、なんとか富国強兵。
真に国民の為を思えばこその判断。
そして、それをくみ取って、
王子との恋愛から身を引こうとするシンデレラ。
ここも健気。
本編とは少し離れた部分ではあるけれど、
このやりとりの王子、シンデレラはとても良かったです。
これって原作どおりなのか、
あえて付け加えたシナリオなのかは私はわかりませんが、
こういった部分をきちんと描いたのは物凄くいい。

シンデレラの父親の存在もありますが、
いてもいなくても、どちらでもあまり変わらなかったかな?
存在はかなり薄かった。
べラドンナと再婚したことから、シンデレラの悲劇が生まれるのですが、
昔はべラドンナにも良いところがあったから、父も結婚したんでしょうね。
ある意味、最大の謎。
でもま〜悪い女性に引っかかるのはよくある話・・・
いや、悪い男性に引っかかることもありますね、はい。

気になった役者は・・・
シンデレラ役 佐藤まりあ
彼女を初めて観たのは、
2006年の葉っぱのフレディ
葉っぱ役でしたので、さすがに観劇感想にも触れていませんが。
その彼女が、ついに主役。
成長過程を知っているだけあって、感慨深いです。
「華」がどうなることか、かなり不安でしたが、
まずまず頑張ったと思います。

主役ではあるけれど、
王子やベラドンナ、オードリー、ジェシカ、魔法使い、
たくさんの方のバックアップがあってこその主役。
みなさんのサポートがあることに感謝。

まず第一声を聞いた時に、声質が変わったな〜と思いました。
最初のセリフですぐ気づきました。
じつに心地良い、落ち着いた声質。
かつて葉っぱのフレディ2010ではアン役、
ミュージカル「プリンセス・バレンタイン2 ROCK!PRINCESS2012」
ではロキシー役と、
どちらからと言うと、お茶目で明るい役であったり、
ヤンキー系でガサツな役が多かったと思います。
そのイメージがあるせいか、
シンデレラの清楚で真面目で、優しく地味な役はじつに新鮮。
というよりも、たぶん初めて観ました。
ハッキリ言って、彼女に合っている役柄。
もちろん、女優ですから、いろんな役を演じなければなりませんが、
彼女には合っている。

言うまでもなく、彼女はセリフ遣いは素晴らしいし、
おどおどした表情もうまい。
瞳が大きいので、それが彼女の特徴だけれど、
それにプラスして彼女の美点は「はにかんだ笑顔」
これができる女優は少ない。
ただ単に「笑顔」であれば他の女優でも作ることができますが、
「はにかんだ笑顔」というのはなかなか難しい。
それを自然とできてしまうのは、彼女の一番の特徴だと思います。
彼女特有と言っても過言ではない。

この「シンデレラ」での「ガラスの靴」は、
ドラえもんの秘密道具のひとつともいえる。
シンデレラはダンスができないため、
魔法使いが舞踏会でダンスを踊れるように、
魔法のガラスの靴を、シンデレラに与えました。
それが、うまく機能している時は、王子様と踊っていられるのですが、
うまくいかない時は、タンゴやら、他のダンスが始まってしまう。
さらには独りでにダンスも。
その場面は、まさにガラスの靴が勝手に踊っているかのよう。
ここの佐藤まりあの演技、ダンスは素晴らしいと思う。
本当にガラスの靴のせいで踊らされているのか?と思ったほど。
ここは本当に魅了されました。
素晴らしい。

佐藤まりあは割烹着姿がよく似合う。
言うなれば「渡る世間は鬼ばかり」のラーメン屋、
「幸楽」で働いているかのよう。
さらに言えば、蜷川演出の舞台「ガラスの仮面」の北島マヤを演じた、
大和田美帆のよう。
彼女もラーメン屋で働く割烹着姿が抜群に似合っていた。
それを佐藤まりあは私の中では彷彿させる。
それぐらいバッチリ似合う。

その地味な格好からの、変身後のドレス姿が素晴らしく、
「ギャップ萌え」が生まれる。
その対比が楽しい。
これが佐藤まりあシンデレラの特徴。

パンフレット、ちょっと気になるのが、
チェダー組のシンデレラの佐藤まりあは見すぼらしい格好なのに、
モッツァ組のシンデレラである敷波美保は変身後のドレス姿。
これは悪意に満ちたパンフレットにも私は思えてしまうのですが、
ある意味、ネタとして観るべきなのかな?

そのモッツァ組は観ることができませんでした。
こちらのシンデレラは前述しましたが、敷波美保。
まー美人。
前回29弾の「FAME」ではアイリス役で強く印象に残っていますが、
森は生きている2009でも観劇しています。

観てないので妄想で語るのは申し訳ないのですが、
恐らく彼女は地味な格好の時から可愛いでしょう。
美人でしょう。
それが変身してドレス姿になっても美人。
ずっと美人。
観客からしてみれば、ま〜確かに美人を観ることには集中できる。
さらに演技力もありますから。
ただ舞台としての面白さには欠けるかもしれない。
男性はそれでいいとしても、
女性は、
「なんだ、最初から美人なら、王子様も一目惚れするに決まってるー!」
という嫉妬心も生まれることでしょう。
私なりのすれた意見かもしれませんが。
だとすると、女性の支持層としては、
佐藤まりあに軍配が上がるかもしれない。

ただひとつ、あくまで私の個人的な感想ですが、
彼女の歌。
歌唱力はあるし、普通に聞いていれば問題のないレベル。
キーが高い、高音の声質。
声量も良く伸びている。
ただ、人それぞれに歌い方、発声方法が異なる。
たとえば、地声でそのまま高いキーを出せる人もいれば、
練習をして裏声によって出せる人もいる。
普段のセリフの声と、歌いだした後の声質が変わること、
良い悪いではなくて、私は気になってしまうタイプ。
そこだけかな?
歌い方については、人それぞれ好き嫌いの問題。

べラドンナの松下豪、オードリーの佐藤琴音、ジェシカの門田奈菜
この3人の意地悪トリオはかなり良かったです。
「シンデレラ」の物語では、ある意味ラスボス的な存在。
「ヤッターマン」で言うなれば、ドロンボー一味。
裏の主役でもある。
だからこその演技の実力は必要なのですが、
この3人は素晴らしかった。

べラドンナの松下豪は継母役を男性が演じます。
「森は生きている」でも、継母や娘を男性が演じることがありますが、
面白くなる。
この継母はひじょうに良かった。
ここまでやってくれれば、私は満足。

オードリーの佐藤琴音、ジェシカの門田奈菜は、
誇張したお馬鹿な演技も良かったけれど、
じつのところ歌唱力が素晴らしい。
ここは聞き応えありました。

魔法使い役の粕谷日香里は、かなりキーポイントの役。
ブロードウェイミュージカルでもかなり重要なポジション。
粕谷日香里は「FAME」ではアンサンブルでしたが、
ルックスは物凄く印象に残っています。
彼女は演技も良いけれど、
とにかく歌唱力。
おそらく、このメンバーの中で一番声量はあるかもしれません。
今後さらに重要な役を任されていくのでしょうね。

王子であるチャールズ役の張沢紫星
パンフレットのイメージとはちょっと違うんですけど、
私はかなり満足。
歌唱力もまずまずだし、
王子役としてのルックスも十分。
声質は優しい喋り方なので、
ちょっとか弱く、気になる部分でもあるけれど、
純粋な少年っぽいところは良く出ていました。
男性から見て、この王子役は好きですね。
清廉されたイメージに見えます。

チュウ之丞の加藤彩は、ちょっと出番が少なくて残念。
もう少し観ていたい感じ。
そのためにミュージカルナンバーがありましたが、
独特な歌い方が印象深い。
ラップでいいのかな?あれは?

王女役であるガードルート役の行友理美子は、
歌唱力はあるのだけれど、王女の声質としては、
もうちょっと低い声が私は好み。
ベテラン女性アナウンサーではないけれど、
落ち着いた低い声の方が威厳がある・・・気がします。
これは観客の好き嫌いなので、特に気にしなくていいです。
私の戯れ言。

私的に畠山このみ栗田実佳のムチムチっぷりがいい。
需要、大いにあります。

総括
照明、音楽と制作陣にも恵まれているものの、
それに見合う役者たちの演技も見逃せない。
佐藤まりあのシンデレラは、かなり心配でしたが、
十分に大役を果たしたでしょう。
もちろん、彼女を光らせるためのたくさんのサポートもありました。
若手ばかりとはいえ、本当にレベルが高い舞台。

(敬称略)
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