公演時期 | 2015年12月23日→28日 |
会場 | 新宿村LIVE |
演出・翻訳強力 | 藤倉梓 |
翻訳・訳詞 | 高根流斗 |
Book | Chad Beguelin and Tim Herlihy |
Music | Matthew Sklar |
Lyrics | Chad Beguelin |
あらすじ |
ウェディングシンガーのロビーはサミーとジョージとバンドを組み、 結婚式場で働いている。 自分自身も恋人リンダとの結婚を控えていたが、式の当日リンダは現れず。 落ち込み自暴自棄になるロビーをウェイトレスのジュリアが慰める。 ジュリアにもグレンという婚約者がおり、その結婚式でロビーに歌って欲しいと頼む。 それをきっかけに二人は親しくなり・・・ (公式サイトより引用) |
観劇感想 |
Seiren Musical Project第37弾公演。 Saturday Nightチームのみの感想。 もうひとつのチームは観られなくて残念。 「Seiren Musical Project」は 「FAME」、「シンデレラストーリー」、「42nd Street」、 「LITTLE WOMEN 〜若草物語〜」に続いて、今回で5回目の観劇。 大まかな内容は、 ウェディングシンガーのロビーは、結婚式場で働いている。 →自分自身も恋人リンダとの結婚を控えていたが、式の当日リンダは現れず。 →落ち込み自暴自棄になるロビーをウェイトレスのジュリアが慰める。 →ジュリアにもグレンという婚約者がいるが、二人は段々と惹かれあい・・・ こんな感じです。 正直あまり大きな展開はない。ベタな感じ。 ホリーとのキスや、出戻りのリンダが再び復縁?が少しあるぐらい。 全体の流れとしては、軽いノリで展開も早い。 重苦しい雰囲気も無く、サラッと観られる。 生バンドも3人。 物語の内容としては、大人の方が理解できる感じ。 子供はイマイチ理解に苦しむでしょうね。 恋愛と結婚等、複雑な背景は子供には難しい。 家族向けではないな。 「LITTLE WOMEN 〜若草物語〜」のように、 そこまで感動を揺さぶる物語ではない。 「若さゆえの行動」が主だと思う。 どこかの歌詞にもありますが、 「若さってなんだ?」の答えが「振り向かないことさ」 「愛ってなんだ?」の答えが「ためらわないことさ」 が、しっくりくる物語。 元々ある脚本だけれど、かなり展開は早い。 ロビーが飛行機に乗って、 ジュリアの結婚式に間に合うというのはじつにエンターテイメント。 今回は群舞というか、集団のダンスが多めでした。 個々の演技での出演シーンは少ないかもしれないけれど、 ダンスシーンが多いので、ダンスが得意な子にしてみれば見せ場があります。 私が言うのもなんですが、恋愛は計算どおりにことがはこびませんからね。 好きになったら、年齢差があろうが、相手に妻がいようが、悪党であろうが、 走り出したら止まりません。 こればっかりは他人がどうこういう資格はありません。 それをストレートに突っ走っているのがロビーかな? ジュリアにしてみても、 金持ちのグレンをとるか、貧乏でも何か惹かれるものがあるロビーをとるか、 いろいろと複雑。 観客にしてみると、現実問題とエンターテイメント、両方の価値観で観てしまう。 物語として、ロビー、ジュリアだけでなく、 ホリー、グレン、サミーの内面まで追っていくこともあり、 3人もピックアップされる。 正直そこまで3人を追う必要があるのか、脚本自体は疑問だが、 登場人物が少ないし、追わざるをえないのかもしれない。 ツンケンしてSキャラ的なホリー、 ホリーと別れ、他の女性とも付き合おうとするがやはり彼女が気になるサミー、 二人の恋愛の話しは、そこまで本筋とは関係ないんですけどね。 グレンは内面の話しというよりかは、 会社のシーン、ダンスを入れたいがための追い方でもある。 私自身、会社のダンスシーンは好きです。 気になった役者は・・・柴原直樹 ロビー役。 主役だけれど、結婚式当日に婚約者が消えたこともあってか、負のオーラが漂い、 一気に負け組になる役。 なよなよっとした雰囲気がじつにいい。 本人の性格を知るよしもないけれど、そのまんまな感じで私は好感もてました。 柔軟性があって、自然な感じ。 歌もまずまず頑張っていると思う。 佐藤まりあ ジュリア役。 「42nd Street」では主役。 「LITTLE WOMEN 〜若草物語〜」ではベス役。 私的な印象として、過去に、 「TRUE PRESENT」というのがありまして、 その時はトナカイの格好をしていました。 そのトナカイの格好をしていた子が、 ここまで成長をしたかと思うと、本当に感慨深い。 当たり前だけれど、雲泥の差。 まず思うことは美人になった。 主役でも十分に張れることが今回の舞台で認識できた。 久々に観たせいもあるが、さらに痩せた。 顔も、足も、スタイル全般に細い。 表立って言うことでもないけれど、相当な努力をしたことは間違いない。 演技的には言うことなし。 奥手で世話好きで相手のことを思いやる役は、 彼女の得意とするところ。 イメージはピッタリだし、そのイメージどおりの演技だもの。 優しい雰囲気作りはうまい。 彼女自身のダンスシーンは少なかったものの、 酒を飲むシーンもすごくうまかったし、 鏡の前で心の揺れ動きを表現するシーンも秀逸でした。 特にここは一番良かった。 歌唱力は、本当に安定力が抜群。 パワフルで派手な感じではないけれど、大きなハズレもない。 落ち着いて安心して観られる。 私としては、彼女が出演した舞台の中で1番素晴らしかった。 ヒロインとしてここまで「華」を兼ね備えたことに賛辞を送りたい。 「ここがピーク」と言われないように、これからも頑張ってほしいところ。 境悠 ホリー役 「LITTLE WOMEN 〜若草物語〜」ではメグ役。 それとは全く印象が違って面白い。 佐藤まりあジュリアとの対比が活かされる役。 ちょっとひねくれた表情もいいし、へそ曲がりな演技もいい。 サミーとの出戻り関係もいい。 ただ、演技的にはぎこちなさが残っているところもある。 歌や台詞まわしも、メグの方が安心して観られた。 山口衿佳 リンダ役 意外と背を向けるシーンが多く、表情が読み取れない。 もっと顔が観たかった。 ロビーと再び会う場面で、ようやく顔が見られる感じ。 主要キャストながら出演シーンも少ないため、インパクトは薄かった。 佐瀬龍城 グレン役。 この役は、ただ単に悪役というわけでもなく、金持ちでやや上から目線的な役。 しかも自分で企業を立ち上げてますからね。 おそらくストレートにジュリアのことが好きなので、普通の人。 それだけ金持ちであれば、政略結婚なり、有名女優なり、他の選択肢もあるのに、 あえて普通のウェイトレスのジュリアとの結婚を望んでいるのですから。 ということもあり、極端に悪役というわけではないので、演じるのは難しい。 それを彼は無難にこなしていた印象。 派手に見せびらかせるのではなく、 抑えた演技、歌、ダンスに思えました。 まだまだ何か隠し持っているのではないか?というものが垣間見得る。 阪本健 サミー役 「LITTLE WOMEN 〜若草物語〜」ではベア教授役。 それとは全く違う印象。 ま〜観客にしてみると、初めて見る役がその人のイメージなので、 それと感じてしまいますから。 私にしてみると、ベア教授より、断然サミーの方がいいな。 熱いし、むさくるしいけれど、変に一本気がある。 新日本プロレスの中邑真輔にも似ている。 雰囲気的に言うと、戦隊もののヒーローでもいけそうな感じ。 役者として、あらゆる役をできなければいけないのは当然だけれど、 現時点ではこの役の方が、彼の本領を発揮できる。 私は凄く好感がもてた。 杉本峻 ジョージ役 オカマ役だが、違和感もなく凄くあっていた。 アンサンブルの中では、あくまで私的な意見として、 山野莉央の雰囲気が面白い。 ちょっとホッペがプニプニしていて、困り顔がかわいい。 印象としては意外と残る。 あくまで私のマニア的意見として。 あとこれは番外だけれど、 誰と言うわけでもなく、若いのに目の下のクマ、シワが気になった。 たまたま「照明のせい」という可能性もあるけれど、 観客として見ている私からは気になりました。 おそらく、出演している女性同士、 ましてや男性からはそんなことを注意する人もいないだろうから、 あえて私がそれを言っておきます。 せっかく綺麗な顔なのに、凄くもったいない。 私が過去に某女優から聞いたところによると、 公演期間が長い時は、睡眠、美容パック等はかなり重要とのこと。 劇場までゆっくり睡眠をとりたいため、あえて近場のホテルを使うことも。 大きなお世話ながら明記しておきます。 総括 重く、感動する物というよりかは、サラッと観られるエンターテイメント。 そこまでバンドバンドしているわけでもなく、恋愛が主体のミュージカルでした。 (敬称略) |
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