公演時期 | 9/10(火)→ 15(日) |
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会場 | 日暮里d-倉庫 |
脚本・作詞・作曲・演出 | 藤倉 梓 |
振付 | 原田美穂 |
あらすじ舞台は大都会・東京。 6 人の男女が「sign(=啓示、合図、兆候、痕跡)」というキーワードを軸に、様々な時代を越えて歌い継ぐ、 人生の旅の物語。実話をベースに描かれるオムニバス・ストーリーを綴った、“日本人の、日本人による、日本人のための”ソングサイクル。 (公式サイトより抜粋) ソングサイクルとはオフ・ブロードウェイ界隈でこの10 年ほどの間に広まった新しい形式/ジャンルのショウ。 ある1つのテーマを設定し、1 曲1 話完結型のオムニバス形式でストーリー紡ぐミュージカルのこと。 これは私も初めて知りました。 観劇感想Dusk Castのみの感想。 生バンドは本当に素晴らしい。 これがあるから、生歌を披露する役者も気合が入るというもの。 1話完結のオムニバス形式のショートストーリーが10数話ある(時に続きものもある) 基本、演劇、歌、たまに振付ありのダンス。 セリフそのものが歌になる「レミゼ」のようなものもあれば、 ミュージカルナンバーそのものが1話になるものもある。 ミュージカルナンバーの美味しい部分を見つくろった感じかな? ジャンルも豊富で、恋愛、コメディ、アイドルっぽい曲、サスペンス、戦争等、バラエティにとんでいる。 そもそも私は演技、歌、ダンスが入ったミュージカルナンバーが大好きなので、 こういった手法は好評価になる。 1話完結で観やすいし、全く飽きない。 いろいろなストーリーがあるけれど、 手品のナンバーは楽しかった。 そして素晴らしかった。 なかなかここの種明かしはわからない。 よくあるパターンで、観客がトランプのカードをストップで止め、舞台上の人物はそのカードの数字が何かはわからない。 が、手元にあるトランプの数字を元に歌いあげ、 最後の1枚を当てオチをきちんとつける。 じつに面白い。 「先生」のナンバーは、ハチ公かな? 擬人化した気もする。 それは受け取る側で感じることかな。 3億円事件をモチーフにしたナンバーは続き物。 女性が・・・というのはけっこう前からあったかな? 私的に一番楽しかった物語、ナンバーはホテルの話。 ここの小ネタは面白過ぎた。 あんまり言うと問題なので言いませんが、話が濃く、深過ぎてかなり面白かったです。 小此木まり、清水彩花、小林風花、 3人のアイドルのナンバーはそれぞれの個性あるキャラが作詞に凝縮されている感じで面白い。 個性がみんな違う。 気になった役者清水彩花はアルゴミュージカルでも超有名子役でした。 アニーにも出演(今は無きシャーリー) アニークリスマスコンサートにも。 そんな中で「学べるミュージカる」に出演した時の印象が強く、久々に観劇したくなり、ようやく観ることが叶いました。 思うに彼女はバリエーションが豊富。 「ホテル」のナンバーのようなコメディもできるし、サスペンスチックな表現も、幸薄い悲哀な表現もできる。 男性に捨てられて人生が絶望した役とか抜群だと思う。 この役を同じ出演者の小此木まりや小林風花が演じようと思っても、彼女の個性には太刀打ちできないと思う。 やればれできるのは当然だけれど、清水彩花の、あの哀れな絶望した表現力はたいしたものだ。 ヤバイ雰囲気がビンビン伝わってくる。 あと思ったのは、彼女は歌う時に声質を変えてるかな? 普通の歌い方と、俗に言うミュージカル色が強い歌い方と。 小此木まりのミュージカルナンバーで、 そんなにうまい役者でもないけれど、顔がいい、ルックスがいい、華があるから、主役になれるというものがあったが、 それが清水彩花にもあてはまる気もする。 ミュージカル女優としては本当に素晴らしいのだけれど、 もうひと華あったら、もっと輝いてたな~なんて思う。 ほんとに大きなお世話だけど。 これがあったら、ほんと跳ね上がっていた。 整形の皮肉な話しも出ていたけれど、こればっかりはもって産まれた個性。 それをどういかすかは本人次第。人生いろいろだ。 だからこそ、持って産まれたルックス、華だけでなく、 観客の心をグイッと最初に引き込む演技や歌、ダンスが必要になるわけだ。 それさえ引き込めば自分のペースにもっていける。 その最初が大変なんだけれどね。 清水彩花の観客を引き込む力は本当に素晴らしい。 小此木まりは子役の時から観ているが、 最近だと、『LITTLE WOMEN ~若草物語~』のエイミー役。 大人のメンバーの中に混ざると予想以上に小さくて驚く。 ただその小ささとは反比例にやることはパワフル。 演出、脚本が藤倉梓だが、小此木まりが演じた離婚した相手が同じ舞台上でという設定はとても面白かった。 まるで彼女そのもののよう(失礼) ホントか嘘かわからない雰囲気。 真実味が非常にある。 舞台あるあるネタも含まれているので、観客からの笑いも多かった。 前述した「手品」のミュージカルナンバーも素晴らしかった。 ディズニーの「塔の上のラプンツェル」の歌唱部分で起用されるわけだ。 小林風花は、正直言ってルックスは可愛い。 前述した話しで、ルックスが~整形が~とか言って、舞台とルックスのことをネタにしているが、 正直な話、とりあえず目が行くのは仕方がない。 それは人間の真理だ。 彼女は正統派で真面目な雰囲気がすぐ伝わってくる。 しっとりとした滑らかで透明感ある歌い方。 クセがない。 あまりことを荒立たせない、落ち着いた歌い方。 大きく激しい抑揚ある歌い方はしない方かな? 3人の女性のアイドルチックなミュージカルナンバーでも、その個性がわかる。 村井成仁はパッと見は、スラッとした感じだ。 意外と静かで落ち着いた歌い方だ。 たまたまかもしれないが、もっとパワフルな感じの歌い方も聞きたかった。 荒田至法は爽やかイケメンだけれど、意外と荒い雰囲気がある。 加賀谷真聡は古いところだとKiddy2003、近いところだと姫君vol.3「Freak box -RE:turns-」 フランケンのイメージがあったから(失礼)もっと低音ヴォイスかと思いきや、そこまでではないんだよな~ 男性はあまり印象に残らず申し訳ない。 ま~やっぱり女性を観ますからね。 なにげに振付が原田美穂というのが驚く。 たしかかつて子役だったような? ちょっとうろ覚えですが。 パンフレットの写真で面影が残っているので間違いはない。 総括全員プロだし、歌唱力があるので言うことはありません。 だからこそ、いろいろな個性の歌い方がある。 全員歌がうまいからこそ自分独自の個性を発揮しないと、こういう舞台では飲まれるな~と思う。 個性は本当に大事。 申し訳ないけれど、あくまで私の感覚としては女性陣のパワーの方が強かったかな? 舞台の面白さとしてはソングサイクルとはとても面白かった。 大きな流れの物語もいいけれど、 ショートストーリーでミュージカルナンバーが立て続けに歌いあげる演出の舞台は、 とても観やすいし、私は大好き。 ※敬称略 |