公演時期 | 2015年9月17日→27日 |
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会場 | 日暮里d-倉庫 |
脚本 | Allan knee |
作詞 | Mindi Dickstein |
作曲 | Jason Howland |
演出・翻訳 | 藤倉梓 |
演奏 | 村井一帆 |
あらすじ世界的な作家を夢見てニューヨークを訪れているジョーは、 何度応募しても「不採用!」の通知が来てしまう自身の小説について、 同じ下宿に住むベア教授と議論を交わしていた。教授のアドバイスも受け入れず、 皮肉を言われながら「こんなはずではなかった」と、故郷マサチューセッツで過ごした昔の日々を回想する。 時は遡り南北戦争時代。出征中の父を思いながらマーチ家の女性は慎ましくも健気に暮らしていた。 母マーチ夫人や隣人ローレンス達に見守られ、 四人姉妹のメグ、ジョー、ベス、エイミーは、夢や希望、悩みや絶望を経て立派な女性、 「Little Women」へと成長していく… (公式サイトより引用) 感想Seiren Musical Project第35弾公演の『LITTLE WOMEN ~若草物語~』と、 お話、演出はほぼそのまま(ピアノの位置や階段の位置は変わる) 今回はScore Produceの公演。 内容はほぼ同じなので割愛。 Rose組のみの観劇。 全てがプロレベル。 歌も演技も。 非のうちどころがない。 ただ、じつのところ、 Seiren Musical Project第35弾公演の『LITTLE WOMEN ~若草物語~』よりも感動しませんでした。 特に観客全員が泣くであろう、 ジョーが亡くなったベスについて思いを語るミュージカルナンバー。 ここがなぜか感動しない。 演技も、歌も最高。 だが、Seirenでジョー役を演じた粕谷日香里に及ばない。 私なんて、2回観て、2回とも泣きそうになりましたから。 今回も「このシーンはヤバイな、覚悟しないと」と思っていたのですが、 全く抑揚を感じませんでした。 物凄く不思議。 演技力、歌の力があっても、観客に響くものは人それぞれ。 私が考えるに、要因のひとつは「若さ」ではないかと思う。 常々私は言っているのだけれど、年齢は関係なく、今できる全て発揮できることが最高だと思う。 年齢を重ね、経験を積むことによって得られるものはとても大きい。 ただ、その反面若さは無くなる。安定感が増し、守りになりかねない。 率直に言うと、この舞台に関しては全員年齢を感じる。 若い時、その年齢でしかできないお芝居、役、演じ方等、 今ある全てをぶつけようとする華々しい熱さ。 それがSeiren Musical Project第35弾公演の『LITTLE WOMEN ~若草物語~』ではあったように思える。 ひとりひとりの実力はこちらのカンパニーの方が遥かに上だけれど、 実力だけでは計れないものをSeirenの方では感じました。 全員がプロの役者でも舞台によっては、面白さが伝わりにくかったり、 感動する舞台になるとは限らないことが改めてわかりました。 受けての観客の年齢層にもよるところもある。 前回と同じく、舞台上部に小さなオーケストラピット。 Seirenと比べて配置が逆。楽器は多いかな? 舞台セットのピアノの配置も左右逆でした。 最後は前回もそうだけれど、ジョーとベア教授が仲良くなってfin。 けっこう、あっけない終わり方です。 気になった役者は・・・島田彩 主役のジョー役演技力、歌唱力ともにプロレベル。 ただ、正直言うと表情がちょっと怖い。 気の強さも少し強めかな? 私が思うに髪を切ったショートカットの方がかわいい。 亡くなったベスを思い起こしてのミュージカルナンバーはうまいのだけれど、私は感動しなかった。 感情表現の差なのかな? 「私にとって初めての妹がベス」 ジョーのこの思い、感情がほとばしるナンバーなのだけれど残念。 「なんてこった」が口癖。 これはSeirenではなかったフレーズだと思う。 小此木まり エイミー役驚くのは、私が彼女を初めて観たのが1996年の舞台『GANg』 どれだけ前から観ているのかと。自分でも驚いた。 それはともかく、ルックスと雰囲気は当時と全く変わらない。 なぜそこまで覚えているのかというと、2001年のアニーにも出演しているため。 表情は当時から印象に残っています。 雰囲気的に、今はタレントの千秋をさらに美人にした感じかな?(失礼) このエイミー、 Seiren Musical Projectの『LITTLE WOMEN ~若草物語~』の櫻井汐里の時と同じで、 すぐにはエイミーっぽさを感じませんでした。 ゆっくりと時間をかけて彼女なりのエイミーを観客に知らしめる感じ。 おそらくは、人それぞれにある若草物語のエイミー像が異なると、 それを修正するのに時間がかかるのかもしれません。 無論、違和感あるエイミーではなく、慣れれば普通にエイミーとして観られます。 おしゃまな感じで、甘えん坊。 4姉妹の背の高さのバランスも、今回の組はいい感じ。 背が低いぶん、上目づかい ひとつ私が強く推したいことがある。 彼女はディズニーアニメ「塔の上のラプンツェル」の歌唱部分を担当。 主役のラプンツェルの声優は中川翔子だが、歌は彼女。 それだけディズニーが認めているということ。 これって、ものすっごく凄いこと。 松原凜子 メグ役穏やかな優しい長女。 三日月まゆげが印象的。 それだけ笑顔が印象に残る。 北川理恵 ベス役「ミュージカル プリンセス・バレンタイン」で私の満足度満点で主役、 Seiren Musical Project 29th 「FAME」セリーナ役 「ミュージカルアニー」の未来のスター、 最近では「Go!プリンセスプリキュア」のエンディング歌手、 舞台にアニメ歌手にと多忙。 私が言うのもおこがましいのだけれど、プロの舞台女優。 どんな役でもするのが女優ではあるけれど、 北川理恵のベスがどうなるのか?期待と不安が入り交じりました。 彼女のイメージ的にはジョーですから。 ベスが一般的にイメージされる、物静かで清楚とか、 しっかりものかつ、ほわ~んとしている、そのまんまではない。 彼女独自のベスかな? あえてあまり誇張させなかったのかもしれない。 どちらかというと自然体。 あまり多くは語らず、みんなを見守る感じ。 見どころは、亡くなる直前にジョーとたこあげをするミュージカルナンバーかな? ピアノでのローレンスと一緒に歌う「マサチューセツ」の部分もあるけれど、 彼女の歌の実力を計り知ることができるのはこちら。 ま~うまい。うまいなんて表現も失礼なほど。 ただ、歌の場面がほぼここしかないのが残念。 ベスは地味なキャラなので、目立たないことが役作りのひとつではありますが。 私的に思うキャラ設定だと、やはり彼女はジョーかな? 松之木天辺のベア教授は、私には合わなかった。 申し訳ない。 総括Seirenとほぼ同じ内容でキャストが違う舞台。 舞台全体としては本当に素晴らしいものだけれど、 対比して申し訳ないが、感動の度数は向こうが上でした。 それだけ粕谷日香里のジョー役が凄かったということか。 あくまで私の印象。 ? ※敬称略 |