ミュージカル シュガー〜空色のプールサイド〜(2014)

A組 満足度
Y組 満足度
公演時期 2014年2月25日〜3月2日
会場 下北沢「劇」小劇場
構成・演出 桝川譲治
脚本・作詞 田村綾子
振付 羽永共子・吉永まりや・他

あらすじ
毎年、夏になると結成される水泳サークル。
しかし、年内いっぱいでプールは取り壊しが決定。
今年が大好きな仲間たちと過ごす、最後の夏となった。
(パンフレットより抜粋)
観劇感想

ミュージカル シュガー〜空色のプールサイド〜(2012年)が初演。
今回が再演となります。

物語の流れはほぼ前回と同じなので、そのあたりは割愛。
上記リンク先を参照。

ただ前回の内容、特に前半部分の話しは詳しく覚えてないのだけれど、
ちょっと修正してきた気がしないでもない。
(同じだったら私の勘違い)
そして、脚本とは別に、歌やダンスが増えた印象。
特に前半は明るくなった。
最初の導入部分も凄く明るくていい。
エンターテイメント的になっていて、私は素直に楽しかった。
オープニングは4人のキャストで進行するのも違和感無し。

話の流れとして、
ちょっとうがった見方で申し訳なけれいど、
よく考えるとこの話は、ゆる百合的な感じでもある・・・ように思える。
今さらながら気づく私も私ですが。
それを裏設定と、自分なりに考えるとそれそれで面白い。
とはいえ、そこまで考えて作ってはいないでしょうけど。

前回もそうですが、
出演者全員が半袖、短パンという気合はいい。
見栄えもいい。
若いんだから、ガンガンアピールしてOK。

Aバージョンのチームは、少し流れが速い。
セリフ先行のような気もする。
何か、私自身感情移入しにくい。
落ち着いて観られない。
イマイチまとまり感が無いように思えてしまう。
古川未結が、なんとかそこに柔和させている感じかな?

Yバージョンのチームは、吉田ひよりが地味に効いている。
全体的なバランスとして、彼女の存在は大きい。
そして、ある意味主役はマキセなので、
藤井ゆりあの笑顔の作り方が「シュガー2」の時に比べて、
格段に良くなっていることもあり、感情移入しやすかった。
なんとなくだけれど、笑顔の多さ、明るさではこちらかな?

気になった役者は・・・

吉永まりや 三石真紀子役
彼女もベテランすぎるほどベテラン。
言うことないんですけど、
後半の髪を下ろした、ストレートの髪質の方が私は好き。
そして、なによりセリフ遣い。
これは相当努力しているでしょ。
昔と比べたら見違えるほど。
もう違和感ないもの。
人知れず努力しているのが、長年その経過を観ている私には凄くわかる。

宮沢なお 三石真紀子役
芸名ですけど、この名前になってからは、
2012年の戦国降臨GIRL以来。
実名ですと、ココスマイル時代から出演しているベテランもベテラン。
昔と全く変わらない雰囲気で驚く。
役者としていろんな役を演じなければならないけれど、
今回の役は本当に彼女にうってつけだと思う。
真面目で誠実なリーダー役はハマリ役でしょう。
芯がしっかりしている。
セリフ回しも歌も、非のうちどころがないもの。

さらに後半の元井佳奈との二人芝居のところはグッと惹かれる演技。
そしてミュージカルナンバー。
二人のハモリ。
としてつもなく素晴らしい。
この舞台の中でもキーポイントのひとつ。

越川萌花 佐倉保奈美役
ミュージカル 葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜 2011のクリス役から、
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」2013年の日野千歳役など、
幅広い天性の才能の持ち主だと思う。
小芝居能力は抜群だもの。
ただ久々に観たせいか、
この役のせいかわかりませんが、
申し訳ないけれど、ちょっと近所のおばちゃん化しすぎている気もする。
お姉さん系にそろそろ戻した方がいいような気が、しないでもない。
あくまで役として、
ちょっとおばさんくさい性格をイメージしたのかもしれない。

越川ゆうき 佐倉保奈美役
正直な話、歌は残念だけれど、そこは演技力でカバー。
みんなを支えるお姉さん的な存在。

岩崎杏珠 牧瀬いつみ役
パンフレットの紹介文にもちょっとふれていますが、
本当に男っぽい。
少年役が多そうなのもうなずけます。
それもあってか、ダブルキャストの藤井ゆりあと比べると、
笑顔的な部分には劣る。
やっぱり、男っぽい部分が出過ぎる。

ダンス力、歌唱力も印象に残りました。
ただ、セリフ回し、カツゼツはこれから。
悪いってわけではなく、勢いがあって、声の発声はいいもの。
現時点では、声が先行していて、演技が一歩遅れる感じ。
もうちょいセリフに感情が伝わるといいな。
それゆえ、彼女のテンポの早さにつながっている。
ここを抑えると、もっとゆったりとしたテンポになると思う。
これからいろいろな部分を改善していくと、
今までのジュニアキャストと比べると異端な部分があるので、
ひじょうに面白い存在になる。
独特な個性を持った女優に化ける可能性大。

藤井ゆりあ 牧瀬いつみ役
「シュガー2〜いくつものツバサ〜」からどのくらい成長したのか、
ひじょうに楽しみにしていました。
まず何より印象的なのが笑顔。
前回の役とは違うせいかもしれませんが、
いい笑顔になっている。
もともと本来のものなのか、
笑顔の作り方を勉強したのかは定かではないけれど、
心地よい笑顔。
格段に成長している。
ダンスの部分も、前回と比べるとキビキビとしてスピーディーになっている。
リンリンこと室橋鈴花との言い争い、お守りのところも非常に印象的。
ミュージカルナンバーでも、上のパートを頑張っていました。
私の予想以上に成長している。
でもって、まだまだ伸びる。のびしろあります。

片瀬萌南 元井佳奈役
どちらかと言うと、歌の子かな?
吉永まりやとの二人のミュージカル・ナンバー、
ハモリは素晴らしかった。
かなり感情移入するタイプかな?
気持ちが高ぶっている歌い方。

渡部真鈴 元井佳奈役
彼女は歌の人かな?
三石真紀子とのハモリのナンバーは絶品でした。
表情付けもよく、ダンスもでき、
オールラウンダーの印象。

古川未結 高辻あや役
ミュージカル シュガー〜空色のプールサイド〜
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」2013年
等、年々実力を上げていく女優のひとり。
今回も、ハッキリ言って素晴らしいと思う。
コメディチックな演技、見応えありました。
それでいて、表情の変化も楽しく、三枚目役を思う存分発揮している。
目がトロ〜ンと、三日月になるところもかわいい。
Aバージョンの中では、かなりキーポイントな部分を負っていると思う。
彼女がいるといないとでは、Aチームの印象度はめちゃくちゃ変わります。
それぐらい印象度は高かった。

廣田真海 高辻あや役。
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」2013年等、
新人から、徐々に中堅になりつつあります。
役柄的にはコメディタッチな感じかな?
パンフレットにも書かれていますが、
自分の性格とは違うキャピキャピ系な役柄、
正直微妙な部分もあるけれど、頑張っていたと思う。
この役は、他の役に比べても独特な特徴があるから、
演じる方は難しい。
だからこそ、要にもなる。

島田侑佳 室橋鈴花役
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」2013年から観ていますが、
まだまだ新人、新鮮な雰囲気そのまま。
う〜ん、辻友里香にも似た感じ。
とりたてて、言うべきこともないかな〜?
いたって普通。

辻友里香 室橋鈴花役
ミュージカル シュガー〜空色のプールサイド〜
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」
「シュガー2〜いくつものツバサ〜」
いつのまにか、かなりベテランの位置にいてビックリ。
落ち着いたのんびり系なキャラは、彼女は得意でしょうね。
本領発揮だもの。
彼女のおっとりペースに巻き込まれる。
それが演技なのか、素なのか、判断は難しいけれど、
キャラ的には安定している。

市川春琳 三尾柚名役
パンフレットの写真より実物の方がかわいい。
久々に萌え系的なルックス。
ダンス等はまだまだだけれど、
存在感があって、演技も頑張っている。
そして何より彼女は笑顔がいい。
ホッとする、一時のオアシスのよう。

吉田ひより 三尾柚名役
Yチームの中では、かなり重要な役柄。
彼女がいるかいないかだけでも、印象度がかなり違うと思う。
喋り方が少し独特にもかかわらず、セリフ回しがいい。
心地よい声質。
演技はしっかりしているし、ダンスの時の笑顔もいい。
表情付けも本当によく変化する。
意外とエクボが頬よりもやや上なのも印象的。
もし、今の時代にアルゴ・ミュージカルがあるとしたら、
彼女は欠かせない存在になっていたことでしょう。
そういう雰囲気をかもしだしている。
すぐにピンときました。
今後の成長に大期待な女優。

津田彩花 国光幸役
優しい魔法のとなえ方 2011
五十嵐なつめ役が印象に残っており、
久々の観劇ということもあり、かなり期待していました。
基本はダンスの子かな?
切れがあるし、スピーディー。
ただ、大きな表現ではない。
もう少し振りを大きくしてもいいかな〜?と思う。
舞台がせまいので大変とは思うけれど。
ただ、ダンスの時のクロールの振付は凄く良かった。
本当に泳いでいる感じが伝わってくる。

セリフ的にはもう少しハキハキして、声をだしてほしいかな?
それから舞台上で気になるのは、彼女はけっこう顔を作りますね。
気を抜いたというわけではなく、自然な表情から、キリッとした瞳に変化させる。
癖なのかな?
私は普通に自然な表情の流れの方がいいと思うけれど、
それを意識してやっているのか、癖でやっているのかはわかりませんが、
表情の強弱は気になりました。
無理やり作るのではなく、自然とそう演じていけるようになると嬉しいな。

花房有里 国光幸役
美人になる予兆があるし、演技もしっかりして、ダンス力もある。
ただひとつ気になるのは笑顔。
無論、笑顔が無いわけではない。
随所に笑顔をみせる。
ただ、それほど笑顔の作り方はうまいほうではないと思う。
これで自然と笑顔を絶やさないようになると、
非常に魅力的な存在になるのだけれど。

苫米地琉七 佐倉美由紀役
一番印象的なのは、エクボが大きい。
演技やダンスもまだまだこれからの発展途上。
越川萌花の妹という役割だけれど、
顔だけ見れば姉妹であると至極納得する。

内海帆乃夏 佐倉美由紀役
一番小さいメンバーのひとり。
ハスキーヴォイスがまず印象的。
今で言う、子役当時の有安杏果にも似ている。
また、意外と少年っぽく、ピーターパン的な雰囲気もある。
基本はダンスの子かな?
ただ、歌も演技もいいし、成長性を感じる。
と言っても、まだまだこれからですけど。

総括
初演から比べると、かなり明るくなった印象。
少しエンターテイメント性があるほうが、やっぱり観やすい。
じっくり演技を魅せるストレートプレイの部分もありつつ、
子供たちの明るく楽しいミュージカル部分もある。
初演は、ストレートプレイに重きをおきすぎた感じですから。

話の内容的に、精神的にもけっこう暗めな部分も多いので、
前半部分で明るいナンバーを多めにしたのは正解だと思います。
それがあっての、
後半の二人のナンバーでのハモリで聴かせる部分にもつながりますから。

たった9人の少女たちが、ミュージカルもありつつ、
ストレートプレイに近い演技もおこなう。
これに心を動かさない人はいないでしょう。
子供だけでなく、大人の心にも響く、
生活環境、親と子の絆をテーマにした舞台。
(敬称略)
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