公演時期 | 2016/5/19→24 |
会場 | サンモールスタジオ |
作・演出 | 桜木さやか |
あらすじ | |
福山幸恵は、「幸せ」に「恵まれる」と書く自分の名前が大嫌い。 なぜなら、じぶんは正反対だから。 小さい頃から大事な日にはいつも雨。 ジャンケンには必ず負ける。 いつしか「最凶ガール」とよばれいじめられるようになった。 そんな不幸続きの幸恵が私立ルドビコ女学院に転校して来た。 初めての女子校に戸惑いつつ、いじめられないように努める幸恵。 だが、久しぶりに再開した幼なじみの少女に、 オカルト研究部に入部させられ、心霊現象に巻き込まれることに・・ ※公式サイトより引用 |
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観劇感想 | |
2014年の「最凶ガール」と話しの流れは大きく変わりません。 あらすじ とにかくあらゆる運に見放された女性、福山幸恵。 →お嬢様女子校に転校。 →人と関わりたくないと思いつつも、 ヤンキー系なり、オカルト研究部なりが近寄ってくる。 →さらには痛い女子学生、永瀬のの花につきまとわれる。 →学校では聖母マリアを主役にした演劇が行われる予定。 →旧校舎には、階段先に鏡があり、 ある時間にそこに立つと魂を奪われるという噂が・・・ →特に何もなかったが、その階段で亡くなった学生がいたことが判明。今でも幽霊に? →オカルト研究部により、降霊の儀式が。 →その最中、アクシデントで福山幸恵と霊感の強い野村ひなたが何者かに憑依される。 →一方、学園七不思議を調査していた白石七海たちは、偶然に鳴海優子と出会う。 ただ、要所要所の脚本は変わっている部分が多いです。 出演者が変わったことによる変更も。 (ブッチー関連やら、アフロやら憑依する人物やら) 福山幸恵の姉が登場するエピソードもあるけれど、 これはおそらくルドビコの違うエピソードであったのでしょうね。 それよりもなによりも、私が最初に思ったことは、 全員声が出るようになったということ。 これが一番大きい。 初演の「最凶ガール」では、声の質では主演の中村裕香里を含め、数人のみ。 他の方は申し訳ないけれど、あまり印象に残りませんでした。 これが今回はほとんどのメンバーの声の質が良くなった。 それだけ舞台で成長したと言えるのかもしれない。 (マイク等、音響設備が前よりも整った、ということも否定はできないが) 脚本の一部変更については、かなり改善と言える。 特に単純な憑依ではないだけに、誰が誰で、回想シーンなのか現実なのか、 とてもわかりやすくなった。 これはとても良いことだと思う。 初演を見た私でも、イマイチ理解できない部分がありましたから。 今回の脚本はとても良い改善で観やすい。 中村裕香里メインの舞台なのだけれど、彼女の魅力だけではなく、 今吉めぐみ、安藤遥と、サポートする役者がじつに良かった。 破天荒なお馬鹿キャラを長谷川愛紗が怪演、 高坂夏乃のミュージカル系玄人にはたまらない演技とダンス、 物語の流れとは一線を引く、 森塁珠とさいとう雅子のコンビはとても清々しいものがありました。 前回、前々回出演していた子はセリフ量が増えて、 観ているこちらも成長度合いを確認できました。 これは別件ですが、今回スタッフの対応が悪く、 非常に不快に感じた。 そもそも舞台を見る前に不快に感じ、その状態で舞台を観劇するというのは「最悪」 ワクワク期待を胸にふくらませて会場に来たのに、 その舞台を観る前に感情を害することは、愚の骨頂。 今後は改善を求めたい。 あえて深くは言わないけれど。 ちなみに今まで舞台観劇をしてきたけれど、こういった不快なことは2回目。 1回目は、途中休憩でスタッフの人から 「体がフラフラしているので後ろの人が不快とのこと。気をつけてほしい」 と言われたことがありました。 いやそれ、私のとなり人のことなんですけど。 スタッフも又聞きだから仕方ないけれど。 そういうこともあって、不快な気持ちで舞台を再び観るのは本当に「最悪」 今までこれだけ観劇して不快になったのは2回なので、言わずもがな。 ここまで言ったので、もう言いません。 途中、たまたまイベントか何かで歌うことになったのですが、 全く知らない曲。 ちまたで流行っている?ネットニュースで一部話題になった曲かな? そういうネタには私は全く興味が無い。 特にネットニュースは持ち上げ方が露骨すぎて、私は引いてしまう。 必ず物事の裏を考えないと。 とはいえ、このご時世、誰もが知っている流行歌が無い。 全く無い。 作曲家、作詞家の小林亜星も「流行歌は滅びた」となげいていたが、 そのとおりで、去年に続いて誰もが知っている曲が何もない。 今年の紅白も懐メロ曲が中心になるだろう。 大勢の前で歌う曲が懐メロになるのは仕方がないこと。 今回も社会風刺ネタを入れてきて嬉しい。 アイドルっぽい舞台で、若い娘たちが皮肉るのはとても良いことだと思う。 それが生の舞台の良いところ。 えせコメンテーターよりも、遥かに説得力がある。 うちわだけで「あーだこーだ」言っているのではなく、 アイドル系の子だって「社会に対して言いたいことがあるんだよ!」的なところがいい。 私的には、幸恵と蘭の成長は、 「昔は太っていた→激ヤセ美少女」が良かった。 あのギャップが良かった。 アフロだと印象度は初演に比べると低い。 キャスティング的に、興行的に、もうできないのかしれないけれど。 気になった女優は・・・ 中村裕香里 福山幸恵役 前回の「最凶ガール」に続いての主演。 再演するのは、やはり彼女のキャラ、演技力があってのものだと思う。 同じ役、同じ舞台だけれど、やはりそこには女優。 前回よりも成長した姿を見せたいのは当然のこと。 前回と比べて、私としては、メリハリが良くなったと思う。 おそらくセリフの間合いもいろいろと研究したのだろう。 コメディな部分がより楽しくなっている。 オンオフの切り換えが素晴らしく、彼女の演技に引き込まれる。 ダンスの部分も秀逸で、表情も明るく、観ていてとても楽しい。 おそらく、初めて彼女を観た観客は引き込まれること間違いなし。 アイドルルックスだけれど、子役からの舞台女優だから、ちょっと違う。 こういうタイプを、NHKの朝の連続ドラマでいきなり起用させてほしいんですけどね。 一番似合っているでしょ? 無名のド新人をもってきたら、世間は驚くでしょうね。 あ~今はオーディションは無くなったのかな? 昔はアルゴミュージカル出演者が主役になったこともあったな~ なんて懐古主義はともかく、 どこかのプロデューサーなりディレクターに伝われば嬉しい。 今吉めぐみ 泉莉奈役 前回の「最凶ガール」と比べてしまうのは申し訳ない。 前と全っっっ然違う。 前回の観劇感想を観ればわかりますが、主役の中村裕香里の対抗の役柄なのですが、 イマイチ、パッとしませんでした。 今回はマジで全然違う。 というのも、そもそもの最初のオープニングのダンス。 ここで印象が全然違った。 表情がすっごくキラキラしている。 こんなにキラキラしていたっけ?って思うぐらいキラキラしている。 なんてキラキラした表情で踊るのかと、凄く驚いた。 泉莉奈の演技も、前回と全然違う。 前回はちょっと影がありすぎる印象だったけれど、 今回はそこまでではないと思う。 中村裕香里にもしっかり対応している。 彼女はキーポイントだから、 ここがしっかりしていると舞台全体もしっかりしてくる。 主役の子を光らせるのも、彼女の役目ですからね。 そして何より声。 声の質が違う。 ここまでよく出るようになった。 「フカンショウジョ」等他の舞台を観て、成長しているな~と思ってはいたが、 特に2014年と比べてると顕著にあらわれる。 演技に表情付けに声質も成長したとなると、印象度合いは遥かに大きい。 特に言う必要もないのだけれど、 今回は地震がらみもあって心境の変化というか、 「やらなきゃいけない」というか、 何かの目覚めがあったのかもしれません。 安藤遥 早乙女蘭役 知り合いでもなんでもなく、大きなお世話ながら言うけれど、 安藤遥は本当に頑張ってる。苦労人の印象が強い。 もちろん、みんな頑張ってるんだけれど、 アイドル活動、グラビア活動、舞台活動、 地道に頑張るその姿は、感動というのではないけれど、密かに「頑張れ」という気持ち。 グラビア活動をしながら舞台で頑張っている子は多いから、重なる部分もある。 「Apple tale」も懐かしいな。 某女優がいることから、一回だけ見たことがありましたが、 その時も安藤遥はツンツンしつつ、色気のある表情で踊っていました。 ま~当時も目立ちました。 言うまでもないけれど、ルックス抜群。 ラップのところは、ま~コメディとして置いといて、 通常モードの早乙女蘭はパワフルに演じるわけではなく落ち着いた演技。 どちらかといえば普通の演技なので、逆に難しかったと思う。 やや冷静面においての普通の演技。 しかも福山幸恵をオカルト研究会に引き込むという究極目標が裏にある。 そういった演技を演じてくれた。 目力もあるし、彼女はもっとブレイクしていいと思う女優のひとり。 ダンス等、冷たく見られる雰囲気だけれど、決してそうではない。 彼女なりのダンス。 高坂夏乃 野村ひなた役 彼女は 前回の「最凶ガール」にも出演しており、 私も物凄く印象に残っています。 アイドルというよりは、私の得意分野である舞台系で育った感じの女優。 ジュニアミュージカルにいるタイプなんですよね。 前回はそこまで目立つ役ではありませんでしたが、 私の観劇感想が効いたせいか(爆)美味しい役に格上げ。 私の観劇感想なんていざしらず、彼女は演技が素晴らしいもの。 覗きこむような表情付け、声もしっかりしているし、ダンスもキレキレ。 可愛い女の子がダンスをしている姿は目をみはるものが確かにあるけれど、 彼女はそれにプラスしてメリハリがありますからね。 ファンがつくのも至極うなずける。 舞台系、ミュージカル系が好きな玄人ファンは、彼女を1番に推してくると思う。 彼女の性格は知らないけれど、この舞台の演技を観る限りにおいてはファンになりそう。 惚れそうになる。 そのぐらい女優として魅力的。 うん。なんとか自重した。 今回の役は本当に美味しい役。 オカルト研究会の部員で、さらには憑依される。 ここでのひなた役と憑依された役と、メリハリが素晴らしい。 オカルト研究会での明るい笑顔、変わって憑依されたツンケンした表情。 両方見られるのは楽しい。 彼女の憑依の演技も、今回の舞台の見どころのひとつでした。 今さらながらで申し訳ないが、彼女はファミリーミュージカル系でも活躍した、 藤澤志帆にルックスが似ている。 それが私の脳内の琴線に響いているのかもしれない。 森塁珠 白石七海役 「フカンショウジョ」では、とても素晴らしい演技でした。 ファンになってしまいそう。 (ま~言うだけでならないんですが) 今回は、どちからといえば普通の女の子役。 例の鳴海優子にビックリする役です。 極端な性格ではなくて、いたって普通の女子校生役。 こういう普通の演技をするというのも、また難しい。 どちからと言えば大人しく、優しい、まだ純粋で乙女チックな印象があるかな? 印象の強い部分は、やはり、例の驚いた表情。 とても良い表情をする。 というか、私の予想以上の強烈な表情。 アイドルルックスなのに、あそこまで表情ができる人は珍しいもの。 それだけ役者として取り組んでいるのがわかる。 ただのアイドルではない。 そして、そこだけでなく、エンディング間際。 理想と現実はあるのだけれどそれは置いといて、 ロマンティックな友情の物語としては、二人の表情はともに素敵だった。 森塁珠の白石七海とさいとう雅子の鳴海優子のコンビの仲の良さが、 舞台上であふれていた。 これは絶対に言っておかなくてはならない。 舞台としては福山幸恵のお話しなのだけれど、 ここだけは、二人の秘密のお話。 それがとても温かい。 さいとう雅子 鳴海優子役 前回の「最凶ガール」では前田美里が別名で演じていました。 名前が違うことから、同じ物語だけれど違うものと思った方がいい。 彼女は「シュベスターの祈り」等で観劇していますが、 ま~かわいい。 容赦なくかわいい。 それと今回発見したのは、小顔。 凄く小さい。 ビビッタ。 となりに並ぶ子は覚悟をもって並ばないと。 大変だ。 笑顔も抜群。この役にピッタリ。 三つ編みもかわいい。 あの独特な笑顔こそ、逆に幻想的な雰囲気をかもしだしている。 一番の美味しい場面。 あそこはある意味この舞台の肝でもあるから、 あれを失敗したら「最悪」だと思う。 全てにおいて、その後の舞台もグタグタになる可能性すらある。 だから、毎回毎回プレッシャーがあったことでしょう。 私が観た回はバッチリうまくいきました。 出しただけでなく巻き上げるところまで、間合いも難しい。 そういったコメディチックな面白さのタイミングも勉強になった気がする。 上記したように、森塁珠の白石七海役とのコンビは本当に素晴らしかった。 純粋な女性同士の友情。 別件だけど、彼女は隠れて鍛えている。 おそらく、そういう機会はないとわかっていて鍛えている。 たまたま今回はそれがいかされたと。 何も言わずに黙々と。 その部分に関してだけは私と似ている(笑) 羽宮千皓 桐谷ほのか役 「フカンショウジョ」で初めて観劇。 ルックスは本当に可愛らしいアイドル。 アヒロ唇?も印象的。 全体的な体の線も細く、スタイルも抜群。 前回はチョイ役でしたが、今回は出番もセリフも多い。 あくまで私の印象だと、前回よりも表情のつけ方が良くなった。 演技的な部分も上達してきた。 声がハスキー声なので、今後をそれをどういかすかだと思う。 他の演技ができる子に比べたらまだまだだけれど、 前回よりも成長した姿が観られると、観劇している方はとても嬉しい。 まだまだな子が頑張って成長する姿は、印象に残りやすい。 水野絵理奈 古川結衣役 今回は、普通の時よりも、あのコスプレの印象が凄過ぎてヤバイ。 あまりにも似過ぎたから、けっこう推したんでしょうね。 細かいことを言うと、左ききですね。 木村若菜 小阪涼子役 気合入りまくりの、誇張した舞台声。 今にして思えばそういうことだったのかと納得がいく。 前回はそこまで気づかなかった。申し訳ない。 たまたま彼女を観る機会が多いせいか、だんだん彼女にハマッテいる自分がいる。 あの妙~な感覚がいい感じ。 なんというか、蚊に刺された時の痛かゆさ。 腫れ物にさわる感じ。 それが逆にいい。 長谷川愛紗 永瀬のの花役 「シュベスターの祈り」ではアイドル的な雰囲気を持った子か~ なんて思ってましたが、今回の役でそれが吹っ飛びました。 役柄的に大抜擢だと思う。 凄く美味しい役だし、他の子も、もしかしたら狙っていた役かもしれない。 それを彼女が射止めたのか、配役的に適材適所で組み込まれたのかはわからない。 ただ、ここまでできる女優さんとは思いもよらなかった。 突拍子もない破天荒さ、変顔、アイドルとしてはどうだろう?なんてことはともかく、 演技的には十二分に発揮してくれた。 他の美少女アイドル系では、あの変顔は規制されるレベル。 ま~森塁珠ならやっても大丈夫かな? コメディチックで場違いな役柄。演技的には怖い部分もある。 舞台を壊しかねない永瀬のの花を、長谷川愛紗はよく演じてくれた。 河野奈々 八木みのり役 「フカンショウジョ」の演技は本当に秀逸でした。 あそこまで深い演技はなかなか難しいもの。 前回の「最凶ガール」では、 たしか学校の七不思議を調べる普通の女子高生のひとりだったと思います(うろ覚え) 今回はその中でもリーダー格。 演技は無難と言えるほどうまいので、地味にサラサラ~と流されてしまう。 普通に演技ができるところが難しいのだけれど、 彼女はその役柄を理解してそれを全うしたのだと思う。 オープニング、エンディングのダンスも素晴らしい。 ここは見どころのひとつ。 かとうみゆ 笠原朱里役 「フカンショウジョ」には出演していたが「最凶ガール」は初めて。 う~ん、正直前回と同じような雰囲気の演技。 役柄、役名として、同じように演じたのだと思う。 今回の舞台、みんなアイドル系で清楚なタイプが多いから、 見た目でギャル系というのは、個性として必要だと思う。 思うに、普通の子がギャル系を演じると、 けっこう誇張された濃い演技になりがち。 元々ギャル系ではないから、人間観察として少し誇張されたものになる。 彼女の場合は、素というわけではないと思うが、 自然なギャル系なので受け入れやすかった。 ただ、私はMではないのでS系キャラはちょっと怖い(汗) 長橋有沙 長谷川つぐみ役 彼女は初演の「最凶ガール」にも出演していて、地道に頑張っていた。 それが長い期間をかけてようやくセリフがたくさんある役をもらい、 観ていた私も感慨深い。 オカルト研究会だけれど、そこまで独特な個性でもなく普通な感じ。 まだまだ舞台声というよりかは、素人っぽさが残る。 ここは徐々に頑張ってほしいところ。 ただ、全体的には彼女のほんわかした雰囲気そのままなので、違和感は無かった。 ひとつだけ気になったことはダンス。 他のメンバーに比べるとかなり落ちる。 舞台がメインなので、演技面で頑張ればいいのだけれど、 みんながみんなダンスがうまくなると、逆に目立ってしまう。 ちょっと別件だけれど、アイドル「アンジュルム」の勝田里奈の省エネダンス。 福田花音や和田彩花が厳しく、ネタとしてではあるけれど駄目出しをしていた。 そういうことにならないとも限らないので、ぜひゆっくりでいいので頑張ってほしいな。 鹿糠葵 生田艶子役 シスターの中にひとりだけ超絶美少女がいてビビッタ。 平山さら 中山瞳役 彼女は初めて。 ギャル系な雰囲気をもつ女優さん。 新人なのでこれから。 成沢愛希 栗原季菜役 パッと見は意外と高坂夏乃とルックスがかぶる。 慣れればすぐに違うことがわかりますが。 セリフはハッキリしているし、発声もいい。 今回は新人扱いなので、そこまで大きな役ではなかったけれど、 今後に期待ができる女優。 私はすぐにピンときました。 高坂夏乃と同じように女優的雰囲気がわかるので、 彼女もまた玄人好み。 郡司みわ 小渕郁恵役 経験積んでいるプロなので言うことないですが少しだけ。 コメディ部分はお任せ。 面白いキャラクターでとんでもない存在感。 アイドルだらけの舞台で、とても大きなインパクトを与えてくれました。 アイドルばかりの舞台もわかるのだけれど、 要所要所に彼女のような個性的なキャラクターがいないと、 舞台として面白味には欠けると思う。 アイドルだけを使うと、舞台の本当の深み、醍醐味が味わえないので、 演出、脚本も苦労する。 総括 「私立ルドビコ女学院」としては公演数も重ねてきたこともあって、 出演者の発声のレベルが高くなったことが一番印象深い。 特に初演の「最凶ガール」を観劇した私にしてみると、 成長の度合いがハッキリするほどわかる。 基本、アイドルの舞台なので、みんなかわいい。 かわいい、かわいい、と書いてばっかりの感想ではある。 仕方がない。本当にみんな可愛いから。 完全にアイドル重視の舞台。 販促からの売上も、この戦略の方が儲かる。 資金があるからこそ、次の公演につながる。 これは映画もそう。ヒットして、その資金で次の映画を製作したいもの。 だから、商業としての舞台公演を否定することは全くない。 2000年の『BOYS BE・・・ALIVE -TRY AGAIN-』も商業主義で、 トレカなりいろいろ取り組んでいた。 南青山少女歌劇団もアイドル系に近い舞台であったが、 あまりにも舞台重視で 今の商業主義のやり方であればもっと存続していたかもしれない。 感想を執筆していた時に、たまたまあの事件が起きてしまった。 全員に伝わることはないとは思うが、 1000人のうち1人ぐらいに伝わればいいと思うので記載する。 イベント、舞台、ミュージカル、どこにでもファンはいる。 自分の夢の手助けをしてくる人が現れてくれたこと、 応援してくれる方ができたことは本当に嬉しいと思う。 ただ、残念ながら極わずかではあるけれど、危険な人もいる。 特に私が思うのは、意外と舞台出身の子は天然、純粋な子が多い。 何でも自然に受け入れてしまい、他人を信用しすぎる。 それがファンがつく、ひとつの理由ではあるけれど、 危険を伴うことを誰かが教えてあげないと。 痛い目にあって、後から気づくことも多々ある。 そうなってからは遅いのだが、あくまで「他人」なので立ち入ることは難しい。 人を信用することは、生きていく上でとても重要。 それを自覚しつつ、表裏一体、相手を見極めないと。 蛇足ながらひとつ。 遥か前に、舞台の公演後、ファン同士の争いがあった。 警察沙汰にもなった。 私の友人が、 とある役者への粘着な迷惑を行為をしていたファンを注意したことが、喧嘩の引き金。 見ている人が誰も止めないから、私がその相手を抑えて警察へ電話をするように伝えた。 たくさんのファンがいたのに、誰ひとり止めない。 見て見ぬふり。 これが現実。 私だけ体をはって馬鹿みたいに思えるけれど仕方がない。 だって、友人は顔面血だらけだし、一方的に殴られているのだから。 別の友人が警察に電話をして、とりあえずは事なきを得た。 実際に何か起きたときは誰も助けてくれないことを痛感した。 その役者は、そんな事件があったことすら知らないだろう。 あくまでファン同士の喧嘩にすぎない。 回りにいた人も、役者に危害を与えることもなく、 ファン同士のゴタゴタであるという理由でスルーしたのであろう。 そして今、役者を守ってくれた友人も亡くなり、通報してくれた友人も亡くなった。 銀英伝のセリフではないけれど「良い人間ほど早く死ぬ」と言うことを思い出す。 (これは戦争の最中の物語ではあるが) 私は偉くもなく、聖職者でもなんでもない。 ただ、長年観劇している一舞台ファンとして、 お節介にも言いたくなったのでご容赦ください。 本当はここに書けないぐらい、いろいろなことがたくさんあって、 ひとりひとりに注意を促したいし、講義もしたいぐらい。 舞台出身者は親御さんを含めて純粋すぎる。 ただ、場合によっては役者さんにもときたま「独特」な子もいるので、 真面目に言うのも難しいところが正直あります。 あくまで注意喚起として明記しました。 長年の観劇経験者として、どうしても言わざるを得ない。 それだけの事件。 舞台に情熱を傾ける女優たちへのエール。 (敬称略)
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