公演時期 | 2015年10月17日→25日 |
会場 | サンモールスタジオ |
作・演出 | 桜木さやか |
あらすじ |
私立ルドビコ女学院は幼稚園、小学校も併設する、中高一貫教育の女子校。 園田美波は小学校から通っていたが、5年生で1度転校、高校からまた通うこととなった。 幼なじみの立花渚、福山幸恵と再会し、ごく普通の高校生活を送っていた。 と、誰もが思っていた。 しかし、高校2年生のある日突然、美波は屋上で首を吊る。 一体彼女の身に何が起こったのか? この事件を捜るミステリー研究会は、美波のネットでの投稿を見つける。 すると……… 不感?俯瞰?不完? 女子高生達の裏と表、本音、願望、友情、嫉妬、執着……… 揺れ動く想いが交錯する!! (公式サイトより引用) |
観劇感想 |
vol.5ということですが、 私はvol.1である私立ルドビコ女学院開校記念公演「最凶ガール」から二度目。 その2、3、4がどういう展開になっていたのかは知るよしもありません。 そのへんはスルーで。 観劇感想にも書いていますが、初回は「初」ということもあり、 まだまだ手さぐり状態の舞台でした。 みんな頑張っているのはわかるけれど、主役の中村裕香里におんぶにだっこだった。 演技ができる子もいれば、これからの子もいる。 まだまだ未完成で手さぐり感満載。 その舞台が、キャスト達が、どれだけ成長したのか? その意味においても、とても楽しみにしていた舞台。 話の流れは、 園田美波が自殺未遂。 →過去に似たような事件、動物虐待もあり、 ミステリー研究会の瀬戸、天宮、長谷川が事件の謎を解明するために始動。 →演劇部ではテレビでも活躍している黒木と部員との対立。 →泉と古川も、男子をめぐって対立。 →園田美波には立花と福山という親友がいて、 自分に対する行動により点数をつけていることも判明(福山はマイナスばかり) →学校内で過去に動物虐待の事件があり、その犯人が園田ではないかという疑惑が。 →ネットの中でハンドルネーム「実験少女」と「みーちゃん」の会話があることがわかる。 →園田は実験好きで過去に奇妙な実験を行っており「実験少女」では? →また「みーちゃん」は園田が大切にしていたウサギの名前で、 動物虐待の末、死亡させていた? →とある女子グループにいた八木は自分のことがネット書かれていることを知る。 →表では仲良しであっても、ネットでは悪口。それでもそのグループから離れたくない。 そんな中、たまたま白石のスマホの中身を見てしまう。 →白石は逆にそれを利用し、 自分たちが親友であることを証明してもらうため、あることをやってほしいと八木に頼む。 以上です。 まず、率直に言って脚本が素晴らしい。 まさに「今」の時代を象徴している。 児童虐待、動物虐待、ネットいじめ。 いじめをする本人ではなく、逆らえないいじめられている子による犯罪。 回りの友達もそれがわかっていても、 いざ自分に降りかかるかもしれないので止められない。 女性だけの舞台。さらには脚本も女性。 男性の学校生活とはまた違った女性視点での問題や悩みが散りばめられている。 女の子が多数集まるとどうなるか? これが現実の舞台でもよくある話。 それこそ妬みとかあるもの。 これが同じ子供同士もあれば、大人になることもある。 友情だったものが、じつは裏切りであったり。 山ほど聞く話。 「事実は小説より奇なり」ってまさにこのこと。 あまり多くは言えませんが。 オープニングとエンディングだけ、歌とダンスあり。 両方ともに楽しい。 特にエンディングは、今回は舞台の内容が重いテーマなこともあり、 その女優たちが笑顔でにこやかにダンスをしてくれると、 ギャップもあってかさらに楽しくなる。 二回しかないけれど、相当楽しい。 前半は展開が早くセリフ先行。 少し内容が追いつかなかった部分もある。 いろいろな出来事が満載で、自分の思考に順序立てて整理できず、 物語が進行してしまう。 出演メンバーも多いので、覚える事も多い。 2回観ると、ここはもう少し整理できたのかもしれない。 後半の方がゆったり。 おそらく後半の重い部分をじっくり伝えたいために、そこはゆったりと残し、 他を削っているのかもしれません。 公演時間は決まっているので、泣く泣く切った部分があるのかも。 出演者全員が女性ということもあり、じつに華やか。 ただ、ベテランの舞台女優ばかりというわけではなく、 まだまだこれからの子がたくさん。 だからこそ、今、この時期、この年齢でしかできない演技、心のゆらぎ、 観客に伝えられるものがあるのもまた事実。 彼女たちのパワー、意志はここにある。 5年後、10年後、もし芸能活動を続けていれば、 歌や演技は練習によって上達していることでしょう。 けれど、同じようには演じられない。 演じたとしても、また違った意味合いに受け取られてしまうかもしれない。 観客への受け止め方は変わる。 仮にベテランの大人の舞台女優が「ミュージカル アニー」の主役のアニーを演じても、 観客に感動を伝えることができるのか?ということ。 その年齢でしか伝えられないものが確かにある。 今回の出演メンバーにしても、 演技、セリフ回し、発声、発音、まだまだ未完成の子もたくさんいる。 だがそれを差し引くほど、未完成の部分を微塵も感じさせないほど、 圧倒的なパワーで観客に訴えかけてくるものが彼女たちにはあった。 全力でぶつかってきくれた。 それが何より嬉しい。 為近あんなや森累珠の訴えかける演技、 熱く演技をすることなく、淡々とすすむ今吉めぐみの演技、 役柄によって演技の熱さは違うが、私には伝わってきました。 物語は舞台上、ふたつの流れの同時進行で進むことも多く、 照明を調整しつつ同期させる。 こちらの流れがあって、向こうにいって、またこちらの流れと。 演じる女優もタイミングが難しかったことでしょう。 自殺未遂、動物虐待、人間関係、ネット社会、イジメ。 イジメからの直接関与での事件ではなく、間接的に関与する第三者を伴っての事件。 仲間をおとしめ、誘導させて事件を起こすという手口。 なかなか奥深く、実際にもありえる話。 社会風刺も盛り込まれ、それが大人から見るものではなく、 女子高生目線というものがいい。 少女たちでしか表現できないものもある。 動物虐待の舞台だと、私としては世田谷シルク「ブラック・サバンナ」も印象深い。 動物虐待というテーマから、それを行う人間の心理描写をどう表現するか? 脚本家、演出家の見せ場でもあります。 今回の少女の闇も深く、考えさせられる内容。 全ての人がそんな悩みを持っているわけでもなく、 生まれてきた環境、そこでの生い立ちや、自分の精神、回りのサポートによっても、 いろいろ変化が生まれていたことでしょう。 ミステリー研究会がストーリーテラー的存在。 彼女たちが学校の七不思議を解明しながら、物語が進むのは面白い。 「最凶ガール」でも似た展開だったかな? 海外ドラマの「CSI」シリーズ。 私はかなり観るのですが、OPで凄い惨殺シーンがあり、 どんな犯人なのかな?と想像しながら見ているとじつは・・・ という展開が多く、それにも似た感じ。 人を自殺に追い込んだり、動物虐待をしたり、犯人はどれだけ残酷で冷酷な人間なのか? その期待を裏切るような普通の女子高生。 だからこそ怖い。 そして、そこまでのことはしていなくても、 自分たちが気づかないうちに誰かを傷つけてはいないか? それが散りばめられている気もします。 演劇部のレッスンでのイスを使っての喜怒哀楽。 漫画「ガラスの仮面」にもありました。 私はそれだけで大爆笑。 原作知らないと、面白さは伝わりにくい。 それを基本として、二回目はおそらくアドリブで、 いろいろなものを喜怒哀楽で表現していました。 その日によって、あたる人が違うのだと思います。 ここは毎日のイベント的要素かな? 細かいところですが、上履きの色で、1、2、3年生を表現していました。 2回目を観る時はここをチェックしたかった。 かなり細かい配慮をしています。 園田の親友ということで、福山幸恵がアンラッキー少女であることは、 おそらく初めて観た人でも理解できたと思うのですが、 もうひとりの親友である立花渚の個性がイマイチわかりませんでした。 私的に今までずっと気になっているのはそこ。 彼女が主役の舞台を観れば意味がわかるとは思いますが、初見だと普通の美人。 別の対立としては、黒木と演劇部の対立は良かった。 特に黒木は美人だし、ツンケンしていてお高くとまっている感じが物凄く出ていた。 過去に園田が奇妙な実験をしていた理由や、 もうひとりの「親友」の闇も丁寧に描かれている。 それが後半ゆったりゆっくりじっくり観せる理由はになったけれど、 ここが伝えたい部分ですからね。 私はとても良かった。 二人の思いが凄く伝わってくる場面。 何気ない、普通の女子友達。 なのにじつは裏で八木には内緒のネットのグループを作り、 面白おかしく書き込みをしていた。 その秘密が本人の知るところになっても、別にかまわない態度。 ものすっごくありそうで、かなり現実感あります。 裏アカウントというわけではないけれど、このグループで話そうと言っておきながら、 こっそり別のところでやっているなんて、普通にあるでしょ。 今のネットイジメはそこですから。 それがありつつ、学校では普通に友人として接触する。 それが当たり前だと思わないとやっていけない世界。 そんなイジメの対象となりつつある八木を、 白石は逆に自分の親友として認めさせるため、 前から気にくわなかった黒木への嫌がらせをするよう指示する。 嫌なシーンなのだけれど、舞台としては面白い。 自分では手をくださず、他の人にやってもらう。 まさに主犯と実行犯の関係。 よくある犯罪の縮図が、女子高生の中にも平然と組み込まれている。 黒木への嫌がらせは、なんだかんだで、福山幸恵のアンラッキー体質によって回避。 福山幸恵の防御能力は半端ない。 近場であれば、全部自分の身にふりかかる。 彼女に恋人ができるとしたら、相当なラッキーマンでないと対処できないだろう。 なんとかプラマイゼロにしないと。 全ての謎が解決してからの、泉莉奈の最後の言葉。 ここも「ハッ」と驚かされる。 最後の最後まで謎を散りばめていて、脚本として本当に面白かった。 戯れ言として、入り口前のお祝いの花を見ると、前に観た時よりもかなり増えている印象。 ファンが増えているのでしょう。 これを見ると、出演メンバーもいろいろ大変だな〜という、 心の部分も感じてしまう。 でも、これあるゆえのモチベーションアップにもつながりますから。 気になった女優は・・・ 白河優菜 立花渚役 私は初めて観たのですが、 どうやらこのルドビコでは過去に主演をやっていたようです。 その役のままだと思いますが、個性が無いというか、普通の子という設定なのかな? 福山幸恵が不幸の連続という設定で、初心者にもわかりやすかったのに対し、 彼女はその対比としての役柄。 過去作品を観ていればイメージがついたのかもしれませんが、 初見だとイマイチ個性がわかりづらかったです。 私なりの解釈でいうと、「さよなら絶望先生」でいうところの普通少女、 「日塔奈美」のような存在か? 白河優菜自身については、ま〜美人。 アイドルルックスで、一目で美人といえる。 個性が無いのが個性という役どころなのかな? 園田美波の友達役として出番は多いし、美人だから印象には残るのだけれど、 舞台の役どころとしては意外と印象は薄かった。 普通だな。 為近あんな 園田美波 今回の舞台では主役。 「最凶ガール」でも拝見しましたが、 まだまだの女優ではあるけれど、成長度に期待はしていました。 グラビア活動をしながら、舞台女優として活躍している人はたくさんいますからね。 前半そこまで主役主役していないので、お飾り主役なのかな? なんて思ったりしましたが、どうしてどうして、後半はセリフ膨大。 精神的な演技もあり、とても難しい役どころ。 彼女の発声、発音は独特。これは好き嫌い別れると思う。 比較するのは失礼だが、藤原竜也の声が好きか嫌いかにも似ている。 演技は初演と比べれば雲泥の差。 初演はまだまだ学芸会の延長といったレベル。 それを考えたら相当できるようになった。 セリフの量も多いし、それにともなっての演技も大変だったことでしょう。 演じながら喋る。 当たり前のことだけれど、それを改めて身に染みて感じるようになったと思う。 ルックス、スタイルともに前回とほとんど変わっておらず、アヒル口も健在。 別に彼女に限るわけではないけれど、スタイルを維持するのって大変。 イメージ的に初演はギャルっぽい感じでしたが、 今回は淡々としていながらも、強くいきがる部分、臆病な部分と、じつはかなり複雑。 自分の中で対比をつけるのも難しかったことでしょう。 自分と似ているあの子との対決も凄く見応えありました。 演技的には無論まだまだなのだけれど、 高校生としての若さ、少しぎこちない部分も逆にマッチしていたと思う。 素の女子高生。演技演技してないところが良かった。 前回は視線が泳いだり、落ち着きがなく集中できないところも見受けられましたが、 今回は皆無。 真っ直ぐストレート。じつに集中している。 OP、EDのダンスの時なんて、 たまたまかも知れないけれど、私が観ている時は観客に対しても視線が真っ直ぐでした。 それだけ集中していたのか?逆に怖かったから集中せざるをえなかったのか? ともあれ、私は今回の役に関しては評価してあげたいな。 物凄く良くやってくれた。 私は一回しか観劇できませんでしたが、 彼女のこの出来ばえではあれば、もう一回観たいぐらいでした。 いずれテレビで女優として出演する機会があるとは思うけれど、 この声質については、メディアや視聴者からいろいろな意見を言われるかもしれない。 だけど、これが彼女の個性だし、逆に武器にして頑張ってほしい。 園田の子供時代はかなり太っていた、 という部分は初演を見ないとわからない密かなお楽しみネタかな。 今吉めぐみ 泉莉奈役 彼女は「最凶ガール」の舞台から続いて二回目。 前回はヤンキー系だけどじつは・・・みたいな役どころ。 今回もそれを継承。 静かな役なので派手さは無いのだけれど、前回よりもひじょうに印象に残る。 思うに、前回は淡々としてぶっきらぼうなイメージ。 笑顔もなく、私は少し拒否反応がありました。 そういう演技だというのはわかるのだけれど、イマイチしっくりこない。 今回はそれが無い。 おそらくだけれど、同じ役どころでも演技の上達のせいか、 彼女の演技の真意が伝わってくるんですよね。 ただ淡々とした役というのではなく、そうする彼女の思いが観客に伝わってくる感じ。 今回もそんなに笑顔がある役どころではないけれど、 前回の印象に比べたらまるで違う。 彼女なりに、この泉莉奈という役を仕上げてきたのだと思う。 少なくとも私には伝わりました。 最後は・・・そういうことか。 中村裕香里 福山幸恵役 「最凶ガール」で主役だったこともあり、 ほとんど前回書いてあるので、あまり言うことはないな〜 でも少しだけ。 アイドルルックスだらけのルドビコ女学院ですが、 他のアイドルたちに負けることなく、かわいい。容赦なくかわいい。 子役の時から変わる子、変わらない子、両パターンあるけれど、 彼女は全く変わらないタイプ。 今回の役も前回同様、最凶ガールということで、 とにかく不幸!でも頑張る!というおいしい役。 何かとオチに使われて、演出家も扱いやすかったことでしょう。 彼女をオチに使うと舞台が映える。 ま〜外せない。 演技力は抜群だもの。 天然ボケキャラ全開で、観ていて本当に楽しい。 ポイントポイントで登場するので、舞台も和む。 じつのところ彼女が不幸だからこそ、救われた展開があり、それはそれで面白い。 最後までキーポイントでした。 福山幸恵としては、ほんと最悪ですが。 それで人が救われるのであれば、何より。 劇中劇でのロミオとジュリエットでは、おばあさん(おばさん?)役。 これが本当におばあさんそっくり。 若い人がおばあさん役を演じる時、だいたい誇張することが多い。 しかし、彼女は物凄く自然。 自然な感じでおばあさんを演じられる。 マニアックな話しで申し訳ないが、 2005 かぐやの浦島モモタロウ おばあさん役が凄かったんですよ。 当時14歳ぐらい? あれ以来のおばあさん役かな(笑) 若い人が演じるおばあさん役、今だに彼女を超えた人を観たことがない。 それだけ凄いおばあさん役だった。 今でも鮮明に覚えています。 ちなみにOP、EDではセンターでのダンスが多かった。 歌もダンスも、演技もできますからね。 いろいろ重宝する。 土山茜 瀬戸いちか役 彼女は初めて観ました。 ミステリー研究会のひとり。 ミステリー研究会自体がストーリーテラー的な存在でもあり、 物語の進行役でもある。 そのため、けっこう印象に残ります。 この土山茜は演技力もあって、表情もコロコロ変わって楽しい。 リーダー的に存在かな? 初めて観るメンバーの中ではかなり印象が強く、 次回さらなる飛躍も期待できる。 私的にはかなり好印象。 未浜杏梨 黒木百合亜役 彼女も初めて。 ルックス抜群の美少女。 それだけでなく、物語中の役どころである、 黒木百合亜のツンとした「芸能人」としての嫌らしさの演技も素晴らしい。 何もしなければ美少女だけれど「お高くとまっている」と見られる感じがいい。 そんなに笑顔になる役柄ではなかったけれど、冷たい表情付けも良かった。 笑顔は次に期待かな? それと、彼女は背中でも演技できる。 私は素直に凄いと思った。 あれは彼女の実力があっての演出でしょうね。 テレビ映えもするだろうし、何かのきっかけでブレイクするかもしれない。 森累珠 白石七海役 あまりネタバレしたくないので多くは語りませんが、 物語を観ていて「まさか」でした。 「みーちゃんと、実験少女が逆だな」とはすぐに予想がついたけれど、 ここまでキーポイントになるとは予想だにできなかった。 率直に言って素晴らしい演技。 セリフ回しもいいし、演技も丁寧。 まだまだ、たどたどしいところも確かにある。 でも、ひょうひょうとした普通の女子高生な部分、気の強い部分、気の弱い部分、 幅広い演技力が求められるこの白石七海役を十二分にやりきった。 特に彼女の恍惚かつ訴える演技は胸にくるものがありました。 単純にいじめる役というものではなく、物凄く深いものがある。 もうひとりの主役は彼女。 彼女の役の出来次第で、この舞台の成否半分がかかっていたといっても過言ではない。 それだけ重要な役だし、彼女の演技があったからこそ、舞台も引き締まった。 演出家もこの役を誰にするか、悩んだでしょうね。 今回は自然体で演技ができる子が多いもの。 そして、それに選ばれた彼女も白石七海を演じきってくれました。 彼女の思い、観客に必ず伝わったと思う。 緒方もも 雨宮聖恋役。 初めて観劇。 ミステリー研究会のひとり。 物語前半では、彼女ひとりでストーリーテラー役を担っている場面もあります。 さすがにひとりは大変だな〜と思いました。 ずっとかと思ったら、ミステリー研究会3人になったのでひと安心。 ボーイッシュというわけではないけれど、ショートカットも可愛らしく、演技も自然。 平井杏奈 上原りこ役。 初めて観劇。 普通の女子高生ながら意地悪女子高生のひとり。 演技はきっちり。 OPのダンスシーンは、私の座席位置のせいかもしれないけれど、 丁寧にしていた印象。 羽宮千皓 桐谷ほのか役 初めて観劇。 アイドルルックスの可愛らしい女の子。 スタイルも抜群。 彼女も為近あんなに似てアヒル口。 普通の女子高生ながら意地悪女子高生のひとり。 そこまで目立つ役ではなかったけれど、これからの子かな? アイドルグループにも所属しているみたなので、 これから地道に演技も頑張ってほしいな。 水野絵理奈 古川結衣役 彼女は「最凶ガール」の役と同じ。 トラブルメーカー的な存在かな? 泉莉奈との、彼氏を取った取られたの女の戦いはけっこう怖かったです。 木村若菜 小阪涼子役 彼女も「最凶ガール」と同じ役。 本作の歌唱指導や製作をしていることもあり、 みんなをまとめていくこともに苦労していたことでしょう。 そんな裏事情はともかく、声は一番出ている。 わざと役作りとして出しているとは思いますが。 演劇部の部長として三枚目役担当。 宝塚と「ガラスの仮面」のパロディっぽい感じでもある。 前回と同様の展開ですが。 「椅子」で喜怒哀楽を表現というのは、マンガの「ガラスの仮面」そのまんまの展開。 私はひとり爆笑したのですが、これはネタを知っているのと知らないとでは、 笑いのツボが違いますね。 それをベースに、他の素材をネタとして喜怒哀楽を表現。 これはおそらくアドリブでしょう。 そして誰がそれを演じるのかは、その日しだいという感じ。 岡野里咲 大河内花代役。 彼女も「最凶ガール」同様の生徒会長。 典型的な自己中なお嬢様生徒会長。 今回はそこま出番は多くないけれど、印象度は高い。 個性強いですから。 雪中梨世 望月雫役 ちょっぴりパンフレットの印象と違うかな? 舞台の方がもっとかわいい。 笑顔が素敵で、演技もしっかりしている。 そこまで出番がある役ではないけれど、私はけっこうかっています。 彼女の表情付けは、とても惹かれるものがある。 いずれ重要な役が回ってくると予想。 河野奈々 八木みのり役 「最凶ガール」にも出演していましたが、そちらは印象少なく申し訳ない。 今回は重要な役。 普段何気ない仲良しグループのひとりでありながら、 わずかに気になる違和感。 ただそれがわかっていてもスルーする。 この仲間と一緒にいたいがため。 そのグループのリーダー(?)のスマホの中身を見てしまったために、 さらに離れなくなり、あらぬことをも実行してしまう・・・ 表のMVP、裏のMVPとあるけれど、彼女は裏のそのまた裏の影のMVP。 彼女の演技がなかったら、ここまで評価しなかったかもしれない。 それほど難しい役だった。 演技もさることながら、表情、目の配り方、そして心の動き。 自分の心の弱さをじつによく表現している。 心の弱さを持ちつつも、優しさを兼ね備え、それゆえに行動に走ってしまう。 物語後半での印象は物凄く強い。 彼女の立ち位置に共感できた、男性、女性もいたのではないだろうか? 学校生活において、社会において、家庭において、仕事において、 誰しもがその立場になりうる可能性があるもの。 この難しい役を良く演じてくれた。 キノコ髪よりも、おさげの方が可愛く、印象度はかなり変わる。 泉川恵美 大谷楓役 「最凶ガール」でも印象度強し。 生徒会副会長でしたっけ?忘れてました。 前の役とは違い、今回はそこまで出番が多くなく、 生徒会のメンバーのひとりという立場。 ボーイッシュなハキハキ系で目力は強い。 かとうみゆ 笠原朱里役 正直、この子はつかみどころが難しい。 この役は、淡々とした表情なのだけれど、何か計算している感がある。 「まっ、いっか」みたいな、物事を一歩引いてみている。 役どころとして派手に立ち回ったり、お喋り好きなタイプではない。 どちらかというと落ち着いている感じ。 ただ、一言一言のセリフを聞くと言葉が重い。 じつは演技ができる実力を隠しているのではないか? なんてうがった見方をしてしまう(舞台女優なのに演技を隠すという表現も変だが) もっとセリフの多い、違った役も観てみたいところ。 石原奈津美 瀧沢詩音役 「最凶ガール」にも出演していたようだが、覚えていなくて申し訳ない。 生徒会のメンバーのひとり。 定期的に生徒会メンバーがしゃしゃり出るけれど、 そこまで目立つ役がらではないので、なんとも言えず。 雰囲気的に、同じ生徒会役の大谷楓役の泉川恵美とかぶる。 長橋有沙 長谷川つぐみ役 「最凶ガール」にも出演していたようだが、当時は印象少なく申し訳ない。 今回は印象度強い。 パンフレットの写真はほぼ最後の方なのだけれど、舞台上では上位レベルで輝いていた。 彼女は笑顔が良く、表情の変化が物凄く楽しい。 八重歯も可愛い。 ミステリー研究会ということもあり、進行役をかっており、出番は多く印象にも残る。 存在感もあるし、私的にはとても素晴らしかった。 もっと観てみたい女優のひとり。 長尾真奈美 西尾明日香役 彼女は、前回の「最凶ガール」でも印象に残っています。 今さらながらで申し訳ないけれど、 アリババとモルギアナ王女 2009 にも出演していたんですね。 今回は生徒役ではなく先生役。 しかもシスターですから、演じるのは物凄くむずかしかったと思います。 あの衣装だと髪形もわからないし、印象度は薄くなってしかたありませんから。 総括 コメディもありつつ、自殺未遂から、動物虐待、 何の変哲もない女子グループに訪れる事件、 さらにその真相の裏の裏まで。 社会風刺かつ、 その目線を高尚な大人たちではなく女子高生目線で表現しているところがいい。 えせ評論家、えせコメンテーターが発言するよりも遥かに心に響く舞台。 マンガ「タッチ」「みゆき」「H2」等、出演キャラクターは似ている。 原作者、あだち充に言わせると一種の劇団であり、 同じ役者が演じているゆえに似ると言う。 ルド女のキャラクターを使っての社会風刺、 今回はじつにマッチしていました。 今、この年齢でしかできない若さあふれる新進気鋭の女優陣たちも、 その脚本に答えるべき演技を舞台へぶつけてくれました。 これは次回作も相当期待できますね。 ハードル上げ過ぎるのも難しいところですが、 期待のカンパニーのひとつだと思う。 (敬称略) |
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