「真夏の夜の夢〜LOVE〜」 2015年


満足度
公演時期 2015年8月18日→20日
会場 ムーブ町屋
原作 ウィリアム・シェイクスピア
製作総指揮・演出・振付 郡司行雄
音楽 玉麻尚一/片野真吾
脚本 風の男

あらすじ
ハーミアは親の反対を押しきり、ライサンダーと駆け落ち。
そこへ、ハーミアの婚約者であるディミトリアス、
ディミトリアスに片思いをしているヘレナが現われる。
その様子を見た妖精王オベロンはヘレナの思いを成就させてやろうと、
妖精パックに恋の媚薬をとりに行かせるのだが・・・
(パンフレットより引用)
観劇感想
郡司企画のものは2012年に観て、今回で2回目。
歌もダンスもあるミュージカル。
出演キャストは多いけれど、ソロもあり、出番も均等で、
個々のキャラクター付けがしっかりしているので観やすい。

内容は基本前回と同じ。
それほど大きな変更点もないと思うので中身の感想は割愛。

話の流れはあらすじどおり。
そこに一般人のボトムと、妖精の女王タイテーニアの恋愛が加わります。
原作ではボトムはロバの化け物になるのですが、こちらは河童。
また、職人たちの劇中劇は「金色夜叉」
ちょっと日本向けに脚色されています。

おそらく、違う組のアンサンブルの子たちも、
ダンスシーンに登場していると思いますが、
彼女たちのダンスも見応えありました。
前回同様オープニングから素晴らしい。

気になった役者は・・・

毎度のことながら、この物語の肝心要の役と言えば妖精パック。

私が観た回のパック役は、出野泉花
演技もしっかりしているし、ダンスもできる。
それはわかる。
ただ、なんと言うか、お茶目な可愛らしさが欲しかった。
雰囲気が意外と大人っぽい。
「華」はそんなに必要は無いのだけれど、
「いたずら好き」としては若さがほしい。
大人がいたずら好きでは単なる困り者。
もう少し若さをアピールしてほしかった。
彼女の影である、ローラが若さに該当するのだけれど、
それでももっとほしい。

ヘレナ役は纐結女凜
頑張ってる。
それは痛いほどわかる。
ひとり芝居は大変だもの。

ただ、本当に申し訳ない。
2012年に演じたのが妹川華。
彼女のイメージが強過ぎて、比べざるをえない。
妹川華のヘレナが尋常ではなく素晴らしかった。
ひとり芝居のシーンは、観客を魅了。
この時の記憶が鮮明すぎて、どうしても彼女と比較してしまう。
ひとり芝居の部分はまだまだ。
観客を引き込むには到底至らない。
ヘレナとしては淡白。
もっとくどくても良かった。こってりな感じで。
ヘレナは出落ちというわけではないけれど、
最初に登場した時の観客へのインパクトが大事だと思う。

それから、本人がわかっていると思うので多くは語らないけど、
歌唱力は頑張ってほしい。
かけあいのミュージカルナンバーもありますから。
それはそれとして、だとしたら演技でカバーしないと。

絹川麗 タイテーニア役。
正直言って、今でも舞台女優として活躍していることに驚き。
2006年「僕らのかわいい女神様〜GRAFI」では主役を演じていました。
歌の印象は強かったのですが、演技はまだまだ。
モデルばかりなので、
「舞台出演も一過性の方ばかりかな〜?」なんて思っていたのですが、
私の予想を大きく裏切り、2015年まで続けているなんて本当に驚き。
最近では、
ミュージカル「GANG〜がんばれタイガー!」2011でも観劇していますが、
本当に演技がうまくなっています。
素直に感心する。
ずっと演技も歌もダンスも稽古を続けていたのでしょう。
努力は裏切らない。
舞台でわかってしまうもの。
セリフはしっかりしているし、当時から定評のあった歌唱力もあるし、
さらに胸元が開いたタイテーニアの色気も抜群。
気の強さ、威厳、そして色気、彼女独自のタイテーニアになっている。
いろいろと懐古してしまいますが、
積み重ねが彼女をここまで成長したのだと思う。
タイテーニア役、本当に素晴らしかった。

パックの影である、ローラ。
私が観た回は佐舗琉愛
まずまず頑張っている。
笑顔もかわいい。
この舞台では、いつもローラの方がパックパックしている。
最後のひとり芝居、演技、セリフ回しもしっかりしていた。
出演シーンが多いわけではないけれど、子役としては十分。

オーベローン役 郡司行雄
今さらながら言うことはないのだけれど、
昔と全く変わっていないことに驚く。
これは言いたい。あいかわらず凄い。

クィンズ役のさとう龍二もうまかった。
前回もそうでしたが、職人メンバーの男性陣がしっかりしているからこそ、
劇の稽古シーンでだらけることなく楽しめる。
さらに恋の駆け引きも面白くなる。
男性陣は本当に声が通っていた。

相馬毬花 ハーミア役。
2006年のミュージカルキッズ・アルゴ『新かぐやの浦島モモタロウ』 で、
エターナルファンタジー演劇大賞の最優秀新人賞。
その当時から、良い意味でほとんど変わらない雰囲気。
ある意味すごい。
ハーミアという美少女キャラも頑張った。
純粋で穏やかでありながら、
流石に我慢の限界となって切れるところもいい。
なんとなく相馬毬花はそういう役をしないことが多いが、
いざ切れるとなると「怖い」という部分も観せられた。

ライサンダーの八巻貴紀との身長差カップルもそんなに違和感はありません。
ただ、二人とも少し緊張しているかな?
もっとくっついてもいいと思う(笑)
演技やセリフ回し、表情の豊かさはじつに安定している。
私としては歌唱力が一番印象深い。
ここまで歌がうまくなっていたとは思わなかった。
ライサンダーの八巻貴紀の歌も良かったので、
ふたりのミュージカルナンバーも聞き応えありました。

八巻貴紀 ライサンダー役
初舞台のようですが、どうしてどうして、凛としたたたずまいで私は好印象。
背が高く、小さなハーミアとのかけあいも楽しめました。
雰囲気的には好青年で純粋、素直にハーミアを愛する紳士にも見える。
緊張感ある表情は見受けられましたが、
特に演技的に違和感を感じることもありませんでした。
歌唱力もまずまずあって、ハーミアとのナンバーも良かった。

諸澤朋弥 ディミトリアス役
彼も演技がしっかりしていて、見応えありました。
歌はもうちょっとかな?

職人メンバーの中では、
ボトム役のTAKUYAが印象深いかな?

出演メンバーが多いのでなかなか全員を見渡すことはできませんが、
芥子の種役の青木瑛里奈のルックスが印象深い。

総括

ライサンダー、ディミトリアス、職人、他、
男性陣がしっかりしていると舞台は映える。
さらに色気満載の絹川麗のタイテーニアにも魅了される。
ただ「華」があるだけでなく、演技+風格が漂っていた。
あまり深く考えず、
エンターテイメントとして、自然と素直に楽しめるミュージカルでした。

(敬称略)
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