「カーズドファミリー 月島家の人々」(2014)

◆組　満足度

公演時期	2014年3月18日〜23日
会場	銀座 みゆき館劇場
脚本・演出	是枝正彦

あらすじ

月島家は橙総合病院を経営する大金持ち。 ある日、その一家の長でもある理事長が倒れた。 容体を心配し、集まってきた家族や関係者は、 ひとくせ、ふたくせある奇人変人ばかり・・・ （パンフレットより抜粋）

観劇感想

まず思ったことは、舞台観客対象は高め。 おそらくはだけれど、50、60代以上でしょうか？ ストーリーの質はいいのだけれど、 コメディの部分が、どうしても私には合いませんでした。 申し訳ない。 他の観客の方からは笑いが起こっているので、 あくまで私の笑いのセンスの違い。 あえていうなら、ベタではあるけれど、 強面キャラが、コメディチックに演じるところは面白いかな？ 天然キャラ、潔癖症キャラ、おねえキャラ、ヤクザキャラ、真面目キャラ等、 いろんな個性が入り交じっての、庶民性あふれるドタバタコメディ。 実際に普段の生活でもありうる？なんて思うリアリティさもある。 そういった部分において、観客対象の高さがいきてくる。 基本、待合室がメイン。 そこで入れ代わり立ち代わり、 登場人物たちが騒動を巻き起こす流れ。 だいたいは夢子 聡子、そして夫の安彦。 途中、場面転換として支配人、看護婦、電話をかける人、ヤクザ等が登場。 この舞台、たしか暗転は一回のみ。 一番最後に、理事長に会う手前の場面転換の時。 ここは意図的にしているでしょうね。 結局のところ、支配人？である松本が「呪い」の黒幕である、 死神だった？みたいな話しでいいのかな？ そのあたりは、観客の想像におまかせする感じでしょう。 あの、その、という双子の看護婦が、 同じ言葉遣い、同じ挙動をし、 サスペンスタッチの違和感をかもしだしてはいるんですけど、 私はちょっとよくわかりませんでした。 映子役の武井萌がセクシー系な衣裳になるのは予想していました。 いかにもブカブカ服で、中に何を着ているのか見えなかったので、 さすがの私も登場シーンでピンときました。 最後の最後で、たたみかけるように一気にネタバレ。 血のつながりのこととか、いろいろな人とのつながりのことを話すのだけれど、 一気すぎて、なかなか頭に入ってこない。 前の人間関係すらうろ覚えなので、観客の方としても認識することに戸惑う。 ある程度、小出し小出しに秘密をだしておいた方が良かったのかもしれません。 理事長が手術直後という設定のため、セリフ遣いがたどたどしいこともあり、 このネタバレの話しが聞き取りづらいのも残念。 気になった役者は・・・ みなさんプロなので、あくまで私が気になった方のみ抜粋。 まさかの相原愛と逢澤みちるとの舞台上での戦い。 これが観られるとは長生きするもんだと思う。 昔では考えられなかった組み合わせ。 しかも、夢子役の相原愛はココスマイル初演（再演）の雰囲気から、 あまり変わらないのに驚き。 当時の役は真面目な役だけれど、 今回は天然ボケキャラ。 これが「そのまんまじゃないのか？」と思わせるほどの役。 私は本当の性格を知りませんが、妙に説得力ある役柄でした。 本人もやりやすかったのでは？なんて思ってしまうほど、ハマリ役。 逢澤みちるは NEWSエンターテイメントスクール自主公演 『青い空の彼方へ』 BEST DREAM 04　2004年 等、けっこう観ています。 彼女はとにかく体の線。スタイル。 ほとんど昔と変わっていない。 スタイル維持は、並大抵の努力じゃないもの。 これは素直に凄い。 今回のナナ役は、大声でドスの効いた気の強い姐御肌の役。 見た目怖いけど、いい味だしてます。 「甘梨 AMARI」では、クールな役で物凄いハマリ役で、 私はこの役一番好きなのですが、 こういった役ができるのも彼女の魅力だと思う。 大森照子　聡子役 見た目の雰囲気的には、上沼恵美子＋松本明子。 ドスの効いた強面な感じもありつつ、素直に謝ったりと、 庶民性あふれる強弱の演技。 じつのところ、観客の目線としては彼女が主役的な意味合いが強い。 ある意味、一番常識人なので観ている方は安心しますからね。 キャストの中で一番好きなのは、 藤本忠正 小松役。 律儀で丁寧で、ほのぼの。 何気ない役だけれど、そうとう難しい役。 私自身、普段の生活でも、 こんなに落ち着いて穏やかでいきたいな〜と思うけれど 実際問題なかなか難しい。 そういった理想の優しく真面目な人間像。 でもまぁ〜結局は不幸の連続なんですけどね。 やはりこの病院に入院してしまったせいなのか？ 総括 前述しているように、コメディ的要素が多く、観客年齢対象は高め。 物語としても、意外と現実にもありそうな話しを、 じっくり、まったり観せるホームドラマ。 ※敬称略

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