公演時期 | 2004年11月21日~22日 |
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会場 | ストアハウス江古田 |
演出 | 佐藤明子 |
音楽 | 枝園 瑞華/押川千賀 |
舞台監督 | 小野誓史 |
衣装 | 佐藤理沙/宮島千裕 |
音響 | 高橋秀雄 |
照明 | 千田実 |
プロデューサー | 菅谷英一 |
企画・主催 | KM企画 |
あらすじ飯野未来は普通の中学3年生の15歳。 彼女の夢は歌手。 しかし、いろいろな事情がからみ、父からは猛反対されます。 いっぽう、山田優子は、東京でメリーポケッツというショーガールチームをくみ、 自分の夢に向けて、歌にダンスに練習の日々が続いていました。 しかし、彼女の父が亡くなり、故郷に帰らなければならない事態が発生。 それを発端にして、メリーポケッツの中にも亀裂が生じ、内部分裂が始まります。 そんな中、運命の女神のイタズラか、飯野未来がメリーポケッツの新メンバーに大抜擢! (パンフレットより一部抜粋) 感想過去に三度公演されていますが、私は二回観劇しており、今回で三度目です。 ストアハウス江古田という場所は、小劇場タイプ。 私も観劇したことがありますが、池袋小劇場に近い感じです。 これが良い方向に転じました。 前回までのミスも激減していて、今までの中で一番の出来でしょう。 成長したスタッフに感謝を言いたいです。 脚本も手直ししましたね。前回とはかなり変っている部分がありました。 また、舞台と客席がすごく近いこともあり、舞台に集中することができました。 座席自体はせまいですが、舞台との距離が近いですからね。大満足です。 さて、まずなによりも言いたいのは、齋藤彩夏ちゃんの出来。 私的に、齋藤彩夏ちゃんの声や歌声は、どちらかというと好きな方ではありませんでした。 なぜか私が観る彩夏ちゃんの公演は、のどの調子悪いことが多かったんです。 しかしながら、今回は調子が良かったのか、完璧!! 特に演技力においては、文句のつけようが無いほど素晴らしい出来です! もうひとつあげたいのは、未来の父親役の菊池一麻さんと、マネージャー役Mattyさん。 この二人が舞台をピシッ!と引き締めていました。 菊池一麻さんの、柔軟性ある優しい父親像と、迫力ある怒鳴り声。 このバランスがひじょうにいいです! 怒鳴り声で舞台上に緊張感が走り、より舞台に集中することができました。 Mattyさんの大阪弁で明るい演技は、メリーポケッツのメンバーとの対応において、 清涼剤として、時にはカンフル剤として機能していました。 照明で気になったのは、未来と健太が携帯で話す時『未来への応援歌』のナンバー。 普通の照明+豆電球の照明ですが、意外とここがいいです! 星空をイメージ(?)してるかどうかわかりませんが、とても気に入りました。 今回は、基本的にはダンスが下手な人はいないので、かなり安心して見られました。 あまり上手でなくても、やる気が伝わってくればいいんですけどね。 ボーイズポケッツは、できたら、もっと見たかったです。 二人ともカッコイイですし、女性の観客も多かったので期待していたことと思います。 『マネージャーの娘だからリーダー』という回想シーンの結論は、 結局意味が良くわからなかったです。あまりいらない気がします。 『Friends』のナンバーでは、途中からまだメリーポケッツに入っていない、 齋藤彩夏ちゃんのソロパートがあります。 少しだけ違和感ありました。 本来は、メリーポケッツのひとりが歌うはずなのですが、 今回はひとり少ないための演出だと思います。う~ん、難しいところですけどね。 気になった役者主役、未来役の齋藤彩夏ちゃん。前述しましたが、凄かったです! 歌については特にかすれることもなく、素晴らしい出来だったと思います。 今回はとにかく演技。 あの独特な声質で滑らかな口調。すっごく聞き取りやすいです! ほとんど噛まなかったでしょう。 おそらく、彩夏ちゃんの声質は独特な波調(パルス)が出ていて、 観客を魅了するのだと思います(あくまで予想) 彼女の一挙手一投足まで目が離せません!! ずっと見ていても飽きることがない感じです。 『フレンズ』に出ていた時は、ここまで印象に残らなかったのですが、 今回の未来役は自分に合っていたのか、じつに秀逸でした。 イメージ的に、『東京メッツ』の桜井美紀ちゃんの、 南青山少女歌劇団の時代を思い出しました。それほど、こなれた演技でした。 『よぉ~しぃ!』という独特な言い方は好きですね。『ニヒヒ』笑いも健在です(爆) 今まではあまり好きなタイプでは無かったのですが、 超好きになりました(笑) 山田優子役の深谷えりかちゃん。深谷えりかちゃんを観るのは『Kiddy2002』以来です。 しかもこの時は、あまり出番が無かったので、本格的な舞台を観るのは久々です。 彼女は気の強い役が多かったのですが、今回は珍しく温和な女の子の役。 表情を変えましたね。 気の強さ、尖った印象が消えていることが、すぐにわかりました。 優子の穏やかな演技をうまく表現していたと思います。 深谷えりかちゃんというと、やはりダンスというイメージが私の中では強いのですが、 今回は歌ですね! 前よりもさらに上手くなっていてビックリ~! ライブ活動もしているようで、相当練習を積んでいるとのことでした。 金城早苗役の阿川麻美ちゃん。メリーポケッツのリーダー役です。 『GANg』でのビル役は、私の中ではイマイチでしたが、 今回の早苗役はひじょうに合っていました 麻美ちゃんは、やっぱりリーダーという感じがしますし、 人をまとめられる・・・感じがします。 その表現がうまく出ていました。 『TOダイアリー』のナンバーですが、ダンスシーンは秀逸! 麻美ちゃんの魅力がギッシリ詰まったダンスにはファンの方も大満足でしょう。 ただ、その時の歌唱力が落ちている気がします。 のどの調子悪いのかな? それとも感情を込めて歌っているため、涙声なのかな? 真相はわかりませんが、歌唱力という点においては少し残念でした。 そうそう、Mattyさんとのアドリブの対応がたいへんでしたね! そこは本当にご苦労さまと言いたいです。 伊藤明日香役の滝沢路子ちゃん。気の強い明日香役ですが、演技がすごくうまかったです! 少し生意気そうで、男っぽい感じで、サバサバとした感じ。 まるっきり明日香そのままでした。 この役だけしか見ていない方は、 「滝沢路子ちゃんて、気が強いんだぁ~」と思われるかもしれませんが、 そんなことはないので、一応フォローしておきます(笑) ダンス力においては、やはり『東京メッツ』に選ばれるだけあって見事というしかないです。 切れがとにかくすごい!見応えありました! 気になったのが、『Friends』のゆったりとしたナンバー。 ひとりだけ腰の使い方が違います! かなり色っぽい!! 『東京メッツ』仕込みなのでしょうか? 本人も意識してやっているとのことでした。 メリーポケッツの衣装は白ではなく黒だったので、 アダルトチックな雰囲気が漂っていました。 色っぽさとしては、もしかしたら佐藤美奈ちゃんより上かも(笑) ただ、気になったのは歌唱力。 う~ん、少し厳しいですね。 これからメッツでユニットを組ませてもらったとしても、 ソロのパートが無いかもしれないです。ここはこれから頑張ってほしいです。 瀬戸瑠璃役の中村ひとみちゃん。メインキャストの中では一番名前が知られていません。 ネームバリューは低いです。 私もどうなることか、かなり心配したのですが、それは杞憂に終わりました。 元気爆発の瑠璃役をとてもうまく演じていました。 お笑い担当の三枚目役という、意外と難しい役どころなのですが、 じつに明るく表現しています。 彼女に関しては、普段も瑠璃のように明るい性格なので、 役と本人の性格とのギャップに対して、フォローする必要はありません(笑) ダンスもなかなかうまいですよ。 ココスマイル3再演に出演した女の子と比べても、全く遜色ありません。実力はあります。 上体の反り(?)も、なかなか良かったです。 歌唱力に関しては、ややかすれ声でしたが、なんとか頑張ったという感じです。 気になったのは、自分にスポットが当てられていない時の表情。 少しですが、ボ~ッとする時があります。 また、まぶたが下がることがあるので、なんとか頑張って、目を見開いてほしいですね。 ちなみに赤坂さなえちゃんも、これに注意してるらしいです。 ひとみちゃんも注意していただけると幸いです。 彼女にとって、このメンバーで同じ舞台に立ったことは、 人生において、とても貴重な財産になったことと思います。 対馬望役の佐藤美奈ちゃん。望役はボケキャラですが、ひじょうに彼女にマッチしてました。 演技も良く頑張っていたと思います。 ダンス力としては、メインメンバーの中ではやや劣りますが、 違和感があるというほどのものではありません。 声は、元々かすれた感じなのでしょうか? それとも喉を痛めていたのかな? ほっぺをふくらますところは可愛かったです(笑) 浜崎麻美役の石毛美帆ちゃん。石毛美帆ちゃんはココスマイルで拝見していたのですが、 その時は印象が薄く、注目してみるのは今回が初めてです。 真面目で誠実な性格の役です。 演技としては申し分無しでしょう。 キリッとして、しっかりとした喋り方。 声がハキハキしていて聞き取りやすいです。 普段の美帆ちゃんもあんな感じだと、観客の人はみんな思うでしょうね。 ちなみに、本当はもっと明るいです(笑) おそらく、歌っている時も真面目な役を意識しているのでしょう。 ピシッ!として慄然とした感じの歌い方でした。 歌唱力は、なかなかありますよ。 ダンスは元々上手だったので、言うことありません。 一点だけ・・・ 美帆ちゃん、体の線が細く、足が細すぎので、 他の人と並ぶと、他の人の足が太く見えます(爆) 今井健太役の穴井隆文くん。過去に『GANg』や前回の『BEST DREAM』にも出演しています。 真面目系で、ほのぼの~とした演技はいいですね。 男でも惚れますよ(爆) 歌も落ち着いた感じの歌い方。 二つのナンバーともに、穴井くんの優しさが伝わってくる感じです。 幼少時代の未来役、桐原真奈ちゃん。ダンス歴一年ちょっととのことですが、なかなかすじはいいですね。 特にターンのところ。 首がスッと回転して切れがあります。 演技も特に悪いところはなかったです。 表情も明るくて可愛いですね。 声もハッキリしているし、聞き取りやすかったです。 愛役の倉田葵ちゃん。背が小さいにもかかわらず、ダンスは頑張りました。 ギャル系演技もバッチリでした。 歌唱力もなかなかあります。 逸見役の狩行春奈ちゃん。彼女はダンスでしょう。かなり見応えあります。 所属事務所においても、トップクラスの実力者です。 物語が始まる前の群舞のシーンは秀逸でした。 ギャル系の演技も良く特徴をとらえて演じていました。 ただ、たまに目が素に戻ることもありました。 ほんのちょっとですけどね。 次回はそこに気をつけてもらえると嬉しいです。 ウェイトレス役の永井啓子ちゃん。ハッキリ言って、めちゃくちゃ可愛いです。喋り方もかわいい~! 瞳がクリッとしていて、顔も丸っこく、黒髪で、清純(?)のような気がします。 私的にすごく好きなタイプ。次回はメインで登場してほしいほどの逸材です。 ダンスもすごくいいですから。 ただ、警官、犬、ウェイトレス役に登場しましたが、目立つんですよね、彼女。 センターで物語が進んでいるのに、なぜか気になる感じがします。 『私のなりたいもの』のナンバーでは、愛と逸見に注目しなければいけないのに、 警官役で登場する永井さんに注目してしまいます。 CM等ではメインの方を引き立てるために、 他の出演者は控えめな人を選択するという話を良く聞きます。 あくまでも、私の個人的な感想ですが。 総括ハッキリ言って、かなり楽しめました。 出演メンバーに実力者がそろっていたこともありますが、 脚本や演出も変わり、ストーリーがわかりやすくなっています。 練習期間が短かくたいへんだったようですが、 そんなことを気にすることもなく、楽しめました。 また、一日3公演というハードスケジュールでしたが、 舞台上では、疲れをひとつも見せることがなかったです。 ぜひとも、また来年も見たい舞台です。 ※敬称略 |