公演時期 | 2012年9月26日(木)~30日(日) |
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会場 | 両国・Air studio |
脚本・演出 | 野口麻衣子 |
あらすじ心優しい人間達が集まるカフェ。 姉妹、夫婦、さまざまな人々が繰り広げる人間模様。 感想B組のみの観劇。 話の中身としては日常の風景。 かつて観劇した「みゆき食堂」のよう。 SFでも、エンターテイメントでも、社会風刺でもなく、 本当に日常生活そのもの。 こういう脚本でお客様を満足させるのは本当に難しい。 ただ、そんなに日常の淡々とした光景というわけではなく、 「すずが妊娠したのでは?」ということをきっかけに、 悩み、不安要素が出てきます。 とある夫婦の不妊の問題。 この時点で、脚本が女性かな~?と思いましたが、 その通りでした。 最初は奥さんの方が・・・という感じでしが、 旦那さんは?ということで、ここでも一悶着。 この時、旦那と克幸が喧嘩をするのですが、 ちょっと克幸が意味深なんですよね。 自分も不妊関係で何かあったのかな~? なんて勘繰る感じ。 それからのこの舞台、 せっかくアニメや漫画の間違った引用をあえてしているのだから、 「でも、やめとく」なんて言葉を、 「だが断る」にしてほしかったかな。 私の印象としては。 全体的に穏やかな流れではあるけれど、 美希だけは、ちょっと異質で怖い。 女優、上原舞花のオーラか? 悪い怖さではないのだけれど、強過ぎる感じもする。 アキの変な対応にピリピリして、 最初は気に入らない態度を示すのだけれど、 後で仲直り。 女性だとこんな感じなのでしょうか? とにかく、まず私は変人なので、こういった話しは物凄く苦手。 なんだかんだで幸せすぎる。 気の許せる友達がたくさん、兄弟も仲がいい、 変わった友人もいるけれど、大局に変わりはない生活。 全て安定していてる。 で、私としては失礼極まるのだけれど、 幸せの押し売りな感じ。 暖かい温もりでホッとする部分もありながら、 無関心な私もいる。 まっ、それが「LIFE」ということなんですけど。 わかってはいるものの、私は違和感を感じたかな。 もちろん「幸せ」の中にもいろいろな「悩み」を抱えている、 ということも伝わってきますが。 気になった役者そもそも私が舞台を観に行く理由として、 大きく二つにわけるとすると、 「その舞台、劇団が好きだから行く」というものと、 「とある個人が出るから観に行く」という2つに分かれます。 今回私は後者。 サチ役の中村裕香里子役時代の面影はありつつも、今は完全に成人女性。 「100年分の声援を」 では影のある役。 本人のキャラ的には違うかもしれないけれど、 よく頑張っていたと思います。 「腰抜け男ども、義理と人情は…女が見せてやる!」 そして、こちらは驚きました。 ドスの聞いた低い声で、相手を圧倒する気迫。 それがありつつ、何でこうなっちゃうの?という可愛さも持つ。 「100年分の声援を」 からよくここまで成長したという感じ。 アクション、殺陣にも取り組んでいました。 そして、今回。 天然ボケキャラ、アイドルルックスのメイド役。 ハッキリ言いますけど、 これがめちゃくちゃかわいい。 いろんなアイドルがいるこのご時世。 大手の国民的アイドル(?)にうつつを抜かす必要すらなく、 ここにこんなに可愛い子がいる!なんて思ったりもします。 思いは人それぞれなので、ここまで。 中村裕香里という女優は、 アイドル的天然ボケキャラをやらせれば、 天下一品だと私は常々思っていました。 今までそういう役が無かったので仕方ありませんが。 で、ついに理想の配役である、サチ役。 ちょっぴりお馬鹿で、微妙にずれるアイドル、漫画アニメ好き。 さらに妄想癖。 ど~考えても可愛い。 おそろしく可愛い。 なんというか、「真夏の夜の夢」であれば、 この役はパックに近いもの。 そういう、少し場を荒らす役を与えてもらったことも、 彼女の演技の実力ゆえでしょう。 舞台の途中から殺伐とした雰囲気があるけれど、 サチがくると安心する。 アイドル的ルックスですから、 お客さんの視線も彼女にいくでしょうね。 この子のキャラじゃない、とか、 配役ミスとか、ハマリ役とか、 最近はけっこう型にハマル役者が多いと思います。 それは良いとか悪いとかではなく、個性。 この中村裕香里はどちらかというと、 役に応じて柔軟に対応できるタイプ。 私自身の理想から言えば、天然ボケキャラとか、 人見知りな転校生とか、か弱さや孤独を感じさせられる役が、 ハマリ役だとは思います。 ただ、前述した前回、前々回の役は、 強めで反抗的な役も演じられる。 この適応能力は、子役時代には無かったもの。 大人になってからの演技上達は、久々に観ることもあってか、 目を見張るものがありました。 なんというかな、私が言うのも何だけれど、 テレビドラマがつまらない、見ない理由のひとつに、 役者の「質」がある。 (脚本自体がつまらないこともありますが) しっかりした舞台出身の俳優を、テレビ各局、求めていると思う。 主役ではなくても、脇で光る新人は欲しいでしょう。 ここにその逸材がいるのにな~と、私はアピールしたい。 私の戯れ言ですけど。 今思うと、 空想キャスティング 『エースねらえ』 フレンズ編で、 岡ひろみに抜擢したのも頷ける。 (雑談終了) 基本、みなさんプロの役者なので、 とりたてて気になることもないですが、 克幸役の野々宮楓は、雰囲気が堺雅人に似ている。 いつも穏やかでニコニコ笑顔。 サチや奈々の憧れの人でもある。 ただ、そうは言っても、この役作りは意外と難しい。 男性陣では一番印象に残りました。 薫役の平野舞旦那といる時は可愛く感じるのに、 いざカフェでエプロンを身につけると、 けっこう怖く感じました。 女性が迫力ある声を出すと、観客男性もビックリします。 奈々役の新名杏梨女優としてはまだまだこれからの子。 サチが弾けた天然ボケアイドルキャラであるのに対し、 それに付き合える同じキャラ。 でも同じく弾けてしまうとキャラが被るので、少しおとなしい設定。 キャラ設定付けは難しい。 そのぶん、ちょっと印象は薄かった感じ。 ルックスも可愛らしいし、今後に期待します。 相方ではないけれど、 サチのあの演技を受け止めなければなりませんから、 難しい役どころではあります。 アキ役の菊池遥佳変化前より、変化後の方が好きかな? 三つ編みのおさげ? あの雰囲気はいい。 そこぐらいか。 総括みんな悩みを抱え、葛藤しつつも、 前に、未来に向かって歩いていく、気の会う仲間とともに。 重い部分もあるけれど、そのあたりをサチや奈々が、 ハチャメチャぶりで緩和しています。 ただ、私としては幸せすぎるエンディングかな? ※敬称略 |