公演時期 | 2018/12/7→22 |
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会場 | ザ☆キッチンNAKANO |
作・演出・作詩・作曲・振付 | 安倍康律 |
あらすじケルケル・コイムの街にあるクラブ シャーリー。傾きかけていたお店の経営が立ち直り、街1番の人気と、輝きがもどってきたクラブ シャーリー。しかし、そこに、大金が盗まれる強盗事件が発生する!!そして、3度目の事件が起きた、今朝、ウィーリー探偵事務所に事件解決の依頼が舞い込んだのである。 (公式サイトより引用) 感想役名は配布されたチラシには書かれていないため、 そのままの表記で記載します。 1回しか観ていないので忘れました。 チラシの各役者の経歴を観ると、劇団四季出身、〇〇優勝、有名ミュージカルに出演等、経歴だけで圧倒される。 プロの舞台役者集団なので、各個人の論評なんてできるはずもない。 あくまで個人の感想なので、ほどほどに書かせていただきます。 会場の「ザ☆キッチンNAKANO」はかなり小さな箱。 これだけのメンバーで、この箱というのは、 まずはお客様に気軽に観ていただくことを最優先にしているのかな? 役者も演出も脚本もしっかりしており、 さらには生伴奏。 このクオリティを、 この箱で、 このチケット代で提供してもらえるということに感謝せざるをえない。 普通、観られないですよ、この値段では。 中身的には大人の本格的な舞台。 重厚感あります。 基本、舞台好きな人が見る小劇団の部類。 家族向けとか、エンターテイメント性重視の舞台ではない。 ただ「音楽劇」と銘打っていることもあり、 随所にミュージカルナンバーが入ってきます。 全員にミュージカルナンバーがある。 どちらかというと、歌というよりかはセリフが歌になっていることが多い。 ミュージカルナンバーを歌う方全員、歌唱力があるので、普通に安心して観られます。 さらに言えばダンスも素晴らしく見応え十分。 ほんと、こんなにしっかりした舞台も観られる機会、なかなかありませんよ。 私なんて本当に有り難いと思ってしまう。 劇団四季出身者が多いこともあり、 独特のイントネーションがどうなるか気になりましたが、 全く問題ありませんでした。 王道な推理もののサスペンスSFチックでもなく、ファンタジーでもホラーでもない。 普通に事件もの。 ウィーリーのもうひとつの自分的な存在ウォーリーや猫はいるが、 物語は現実そのもの。 「クラブ シャーリー」で大金が盗まれる強盗事件が発生。 しかも3度目。 ということで、1回目、2回目、3回目。 各関係者がその時どういった行動をとったか? 探偵と助手、関係者とともに推理していく流れ。 結末も現実的でリアリティある終わり方でした。 ただそのぶん、ファンタジーやエンターテイメント的な部分は少なかったので物足りない部分も正直ありました。 観ているこちらとしては、あまりわくわく感はない。 じっくり事件の流れを観るだけで終わる。 コロンボやホームズのように。 そこに面白さを入れるのが難しいのだけれど。 本編でも「わかりやすすぎる」と語っていましたが、 開店のセットリストのパネルは私も気づきました。 王道な作品で堅実だが、であれば結末にもうひと工夫ほしかった。 何か「あっ!」と思えるようなトリックが。 印象に残っている事件物の舞台と言えば、 甘梨 AMARIを思い出します。 この結末、エンディングは「あっ!」と驚くものでした。 しかも舞台的な演出が含まれているので、 1回目だと全く気づきませんでした。 こういった、特殊なトリック、 演出による時系列の変化を加えた手法のサスペンスの舞台もあれば、 今回の王道な推理ものもある。 蛇足。 私は小学生の頃に江戸川乱歩シリーズをほぼ読破していたので、 推理ものにはちょっとうるさい。 ちなみに卒業する時、意味もなく表彰されました。 何のことかと思ったら、学校の図書を借りたのが一番だったということでした。 いやいや、そんなに借りてませんでしたよ。 逆にどれだけみんな、学校の図書館を利用してなかったのかと。 そっちの方に私は驚いたぐらい。 久々の林愛夏の舞台ということで林愛夏のみの感想。 たしかティモナ役。 舞台的には、2006年のライオンキングのヤングナラ役、 2009年の作者をせかす六人の主人公たちのサンデー役以来。 もしかしたら年齢的なことを考えると、 一番長い間観てきた女優かもしれません。 子役時代があり、 アイドル時代があり、 再び舞台女優になり、 第三章の始まりという感じかな? 正直言って、他の出演者の実力が否が応にも肌で感じ取ることができてしまう。 それと比べてしまうのは致し方ない。 発声、セリフ回し、演技、ミュージカルナンバーの歌唱力、 見劣りしてしまう部分は多々ある。 なんと言うかな? 昔の惰性、ある程度の実力はあるので、 「昔取った杵柄」的な演技のようにも感じる。 私が言うまでもなく、おそらく本人が一番気づいているはず。 舞台女優であったのだから、間違いなく感じている。 アイドル期間が長いこともあり、 ヴォイストレーニングはしていたとは思うが、あくまでアイドルの歌。 ミュージカル的な歌い方のレッスンとはまた違う。 ティモナ役は新人歌手で、真面目で素直ではかなげで優しい女の子。 (怒ったり、キャラ変したりもするがあくまで一時) イメージはそのまんま林愛夏。 演技というか、素そのまんまでいける。 そこまで演技演技する必要もないので、惰性でいける。 他の人が喋っている時の、彼女の待ちの演技。 ここはまだ未完成のようにも思えた。 なんとなくドギマギしている。 私としては発声、セリフ回しかな? 他の出演者と比べたら違うもの。 ここを今後、昔のように戻していく必要がある。 こんなもんじゃないからね、林愛夏は。 「ライオンキング」でのヤングナラや、 「作者をせかす六人の主人公たち」のサンデー、 四季特有のセリフ回し、 サンデーの時の大声、パワー、覇気、威圧力の印象が私は強い。 今よりも、当時の記憶の方が鮮明というのもある。 昨日のことのように思い出せるほど。 これは人間の不思議のひとつ。 ただ、そうは言っても、 彼女には「華」がある。 これは当時から。 キラキラしているもの。 笑顔は素敵だし、口元、口角の上がり方もいい。 雰囲気的には、昔と全く変わっていない。 センターに立って堂々としているあの雰囲気。 ただ者ではないのがすぐにわかる。 気になるのは体の線の細さ。 すっごく細い。 子役当時と変わってないんじゃない?って思えるほど細い。 今は若いからいいけれど、 年齢を30歳、40歳超えた時には、 この細さはどうだろう?と言う、大きなお世話的な考えもある。 歌唱力で力強さ、 そして舞台の日程が多い場合は体力も必要となるので、 多少はふっくらしてもいいかな~と思う。 今回はこの役で違和感なく演じられたけれど、 今後、違う個性の役になった時の演技が気になる。 あくまで私のイメージで申し訳ないが、 彼女は優しくて控えめなタイプ。 ただ、芸能界は「自分が自分が」と、 前のめりに積極的にアピールしていかないといけない世界。 大人しい子が芸能界で生き残れるわけがない。 そもそもそんな大人しい子がオーディションで合格できるわけもない。 自己主張、自分をアピール、個性。 子役ではない、大人の林愛夏の実力を身につけていくべきだと思う。 今のままだと、子役当時の演技の延長に過ぎない。 前述しているとおり、これが林愛夏の第三章の初め。 ここから、復活、成長をせつに願う。 ピックアップ
総括オーソドックスな謎解きサスペンス物ではあるが、 出演者、演出、脚本を含め、しっかりした重厚感ある大人の舞台。 セリフだけのストレートプレイの舞台でも良かったと思うが、 音楽劇として組み込まれていたこともあり、華やかさがありました。 プラス、ダンスも素晴らしい。 おそらくは元アイドルの林愛夏を起用した所以の客層もあり、 それを入り口として舞台の素晴らしさを広めようとした部分もあると思う。 舞台との距離がこんな近くで観られるなんて、なかなかありませんから。 私としてはとても贅沢に思えました。 ※敬称略 |