NHK「ハミルトン 大ヒットミュージカルが問うアメリカ」の感想

      2019/05/31

ミュージカル関連ということで、
今さらながら録画したのを見ました。

そもそもこの「ハミルトン」という名前は、

アメリカ合衆国 初代財務長官 アレクサンダー・ハミルトン

からきています。
彼はカリブ海から渡ってきた移民。
その波瀾万丈の人生をとおして、移民の国、アメリカを描いたミュージカル。
大ヒットの最中、あのトランプ旋風。
ボイコット運動が起こったそうです。

アメリカの建国の物語

正直、日本では受けなさそうです。
やっぱりアメリカの建国ですからね。

その建国の歴史を、ヒップホップやラップで語る異色なミュージカル。
白人である建国の父たちを、黒人やヒスパニックの人が演じるというのも、
新しい試みだとか。

2015年2月に始まり、チケットは半年先まで完売。
定価200ドルのチケットが、市場では800ドル。
時には1万ドルを越えるとか。
日本の転売の比じゃありませんね。
アメリカでさえ、規制できないもの。

脚本家で主演、リン・マニュエル・ミランダ

脚本、作詩、作曲もつとめる。
彼自身も、父親がプエルトリコからアメリカにやってきた、移民二世。

ちなみに、おっとビックリ『モアナと伝説の海』の音楽担当も彼。

ちょっとしたインタビュー記事
モアナと伝説の海☆情報局☆

「ニューヨーク・タイムズ」ベン・ブラントレー

普段は辛口で知られる名物演劇評論家だとか。
海外ドラマの「SMASH/スマッシュ」でも似たようなことがありました。
どっかの評論家にボロクソ書かれたとか(笑)
今回はベタ褒め。
大手新聞社が芸能に精通しているのは、日本と違うところ。
これでさらに大ヒット。
しかし。

トランプ旋風

彼が登場したことにより、この脚本家が政治色を語るようになる。
元々はオバマより。
移民の排斥を語るトランプを批判。
しかし、まさかのトランプ大統領誕生。

マイク・ペンス アメリカ合衆国副大統領が観劇

ニューヨークは圧倒的に民主党支持者が多く、
劇場内に入ってもブーイング。

そして上演後、キャストがペンス氏にメッセージ。
「異なる肌の色、信条、志向、男性と女性、様々な人々によって語られたアメリカの物語です」
これがツイート、動画にも拡散。
そしてトランプ氏がツイート。
「ペンスが「ハミルトン」のキャストにハラスメントを受けた」
「善良な男であるペンスに対して極めて無礼だ!謝れ!」
「「ハミルトン」は過大評価されているようだが、
キャストとプロデューサーはすぐに謝るべきだ」
これを期に、絶賛一辺倒だった「ハミルトン」が非難を浴びることになります。

ブライトバートによる非難

トランプ大統領の選対本部長を務めたスティーブ・バノンのニュースサイトです。
ひとつの事柄として、
「「ハミルトン」は白人は応募できない、というオーディションの広告をだしていたのに、副大統領に多様性について説教をした」
これによって、トランプ支持者たちがペンスを守るために「ハミルトン」をボイコットを呼びかけることになります。
そして反トランプからは、そのことに対しての抗議。
どんどん熱くなっていくツイート。
#BoycotHamilton
で論戦。

私が思うに、そもそもヒラリーは大統領選で芸能人を多用して集客していた。
そのエリート意識に、はなもちならない人たちがトランプ支持者。
あいゆずれるわけがない。

そこで、脚本家で主演、リン・マニュエル・ミランダは、
チケット1枚が800ドルもするが、
ニューヨーク近郊の高校生たちに10ドルで観てもらおうという戦略。
若い人に、何かしらの「きっかけ」を与えたいという狙いがあるのだろうか?

フランスでも大統領選の真っ只中。
世界がどうなるのか全くわかりません。
いろいろ考えさせられる番組でしたが、
もう少し、いろいろなベクトルの考え方をもった人が登場しても良かったかな?


NHKドキュメンタリー - BS1スペシャル「ハミルトン 大ヒットミュージカルが問うアメリカ」

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