ミュージカル マイソング〜誰かのために輝いて〜2015


満足度
公演時期 2015年8月14日→24日
会場 下北沢「劇」小劇場
構成・演出 桝川譲治
脚本・作詩 阿原乃里子
振付 羽永共子・桝川譲治

あらすじ
山奥の小さな歌声サークル・ダッシュ。
昨年の選考会では惜しくも二位。
今年は優勝を目指す。
しかし人数が足りず、あやめたち年齢の低いメンバーは練習嫌い。
さらには主宰の先生が産休。
ダッシュのリーダー的存在のゆずは悩む。
こうなったら、卒業したすみれ先輩に復活してもらわないと!
だが、約束していたはずのバスに先輩の姿はなく、
代わりに、きゃら、クルミ、かすみの三人の女子が現れた。
(パンフレットより引用)
観劇感想

物語の流れとしては、
昨年の選考会で二位の歌声サークル・ダッシュ。
→あやめたちメンバーが、練習場に向かうバスの停留所で見知らぬ三人、
きゃら、クルミ、かすみと出会う。
→とりあえず、一緒に練習場に向かうことになる。
→頼りにしていたすみれ先輩が遅れて参加。本人は選考会に出場しないとのこと。
→すみれが書いた楽譜が破られる事件が発生。
→ゆずはあやめがやったと思い、喧嘩になる。
→じつは犯人は・・・
こんな感じです。

話の流れはいいとして、全体的に演技、テンポがつらい。
ライバルチームや、イタズラな子もいる話しで面白いのだけれど、
いかんせん、演技レベルはこれからの子ばかり。
新人の登竜門的存在の舞台ではあるのだけれど、
いつにも増して新人育成の意味合いが強い気がしました。

私的にちょっと残念なのはアサギかな?
もっといろいろからんでくると思いきや、
この練習場所を提供しているオーナー(?)の娘という立場。
すみれがなんでもできてしまうぶん自分は?
という悩みどころがキーポイントなんだけれど、ちょっともったいない感じ。

途中「ずっと前を見つめて・・・」のナンバーが入るのにはちょっと驚き。
ちなみに私は全部歌えます(笑)
当時は、再々演を含めると何十回も観ましたから(爆)

話が淡々と進むので、お笑い要素は控えめ。
そこまでやる余裕がないのかも。

Aバージョンは、
まともに観られる子が金光歩乃佳と広橋弥恵しかいないのがつらい。
他の子たちは、まだまだ新鋭の子ばかり。
どちらかというと、私はRチームの方が観やすい。
永田紗茅が効いてる。
歌唱力ある子がこちらのチームの方が多い印象。
ただ、イジメチームはAチームの方が好きかも。
ということで、総合的には同じぐらいな満足感。

どららのチームも若く、セリフのテンポもまだまだ。
私としては、気合というか、情熱(パッション)が足りない。
我武者羅さ、熱さ。
そういったギラギラしたものを感じたかった。
他のメンバーの輪を乱さない程度の「個」を観客に見せつけてほしい。
何か静かなイメージ。

それを考えると、ココスマイル7のココに抜擢された内田夏音は、
実力的にはまだまだだけれど、熱意が伝わってきた。
それだけ彼女は稀有な存在だったことを今になって感じる。

その中で、伊藤果南や喜多見思叶は今できる全てをぶつけてくれた。
小さい子の中では印象深い。

気になった役者は・・・
Aバージョン
全員はなかなか把握できません。

主役の小島愛彩 あやめ役。
独特な雰囲気。
ただ申し訳ないがセリフが聞き取りづらい。
歌もこれから。
雰囲気がお花畑?みたいな感じなので抜擢なのかな?
まだまだ未完成の子。

金光歩乃佳 きゃら役。
珍しく、真面目なお嬢様役。
私的には大好きな配役。
演技的に、彼女が一番安心して観られるので、どうしても集中してしまう。
イジワルな役ではないし、かわいいし、無難も無難。
歌もダンスも、金光歩乃佳がいないとつらすぎ。
それだけ、彼女におんぶにだっこだった気がする。

藤田彩来 ゆず役。
どちらかというと、練習を真面目にやろうと引っ張るリーダー役。
頑張ってはいるけれど、これからの子。

辻友里香 アサギ役。
意外とこのアサギ役は、のほほんとして難しい役。
しかもそんなにパッとした感じではないので、地味な印象は仕方ない。
あいわからずの天然な演技なのだけれど、私的には歌の力がほしいな。
それからそろそろ、自分の「個」でなんとかみんなをカバーする力もほしい。

広橋弥恵 すみれ役。
彼女は初めて拝見しましたが、なかなかいい。
けっこうベテラン臭、漂います。
演技、歌、セリフ回しと、安心して観られる。
最近の私は大人の舞台観劇も多いので
めゃくちゃうまい!ってわけにもいかないけれど、
落ち着いた感じで、彼女なりの落ち着いたすみれを演じていたと思う。
ルックスが佐藤仁美に似ているかな?

伊藤果南 サナエ役。
彼女は大抜擢でしょ?
正直言って、演技はまだまだ。
未完成で荒削りな部分が多いものの、光るものもある。
だからこその抜擢だと思う。
セリフも多いし、歌う場面があることを考えると、
これから伸ばしていこうという育成的意味合いも感じとれる。
表情的に、まだまだ落ち着かない部分があるけれど、
ここを改善していくと面白い存在になるかもしれない。

私の勘違いだとしたら申し訳ないが、
Aバージョンなのに、私が観た回に伊丹彩華はたぶん出演していなかったと思う。
だから2回とも伊藤果南。

喜多見思叶 クルミ役。
「ココスマイル7〜夏色のマイソング〜2014」や、
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」にも出演していて、
小さいながら、演技の実力のある女の子。
前は緊張感ある表情をしたり、ドギマギした瞳の挙動があったこともあるけれど、
今回はそういった部分が皆無。実に堂々としている。
さらにできるようになった(赤い彗星)
表情付けは前からうまかったけれど、今回も観ていてじつに楽しい。
そして今回はイジメる側。
思うに、イジメる側の方が演技がうまくないと舞台がはえない。
ウソがばれる。
悪役って言い方は変だけれど、主役の子を光らせる為に彼女の演技が必要。
だからこそのイジメ役だと思う。
まだ早いけれど、いずれはこのカンパニーを引っ張っていってほしい逸材。

垂石瑚子 かすみ役。
クルミと同じく、いじめる側。
彼女も意外といい!
前述しているとおり、いじめる側の方がある程度、演技ができる子を選んでいる。
パンフレットの印象とちょっと違うものの、
無邪気な目つきや、悪戯っ子の雰囲気もいい。
喋りもしっくりくる。
私の予想以上に良かった。

千葉心弓 むく役。
喋りがしっかりしていて、演技もなかなかできる。
じつはダンスも切れ切れ。
私はちゃんと観てますよ。

Rバージョン
大橋礼実 あやめ役。
大声は良く出ている。歌も安定しているかな?
音程はとれているのだけれど、気持ち、感情がイマイチ伝わってこなかった。
ここは頑張ってほしいところ。
表情付けも、もうちょいほしい。
ダンスは、抜群!というわけではないけれど、まずまず頑張っていたと思う。

長野舞優 きゃら役。
彼女は、今回のメンバーの中ではかなり安心して観られる。
演技、ダンス、歌、セリフ回しと、バランスがいい。
特にセリフが軽くなく、ひとつひとつ感情がこもっていて伝わってくる。
ハキハキして非常に観やすい。
表情の表現力もいい。
彼女がいなかったら、Rバージョンは相当厳しいもの。
ちなみにパンフレットの写真より、実物の方がかわいい。

村田千遥 ゆず役。
「フラッパーズ〜私たちにできること〜」にも出演しており、
かなり印象に残っている女の子。
今回は期待していました。
う〜ん、声、こんなに小さかったかな?
調子が悪かったかな?
声質は優しく柔らかいのだけれど。
表情の変化ももっとほしい。
もっとできる子だと思ったので、ちょっと拍子抜けしてしまった。
ルックスもかわいいし、実力がある子だと思うけれど、
今回に関しては私の脳内に伝わってこなかった。
すごくもったいない。

七瀬いづみ アサギ役。
舞台初出演のようですが、どうしてどうして、なかなか良くやっている。
ルックスは、ま〜美人。目鼻立ちもしっかりしている。
モデルさんかな?
セリフも歌も頑張っている。
う〜ん、なんだろう。瞳の力が強いせいかな?
意外と印象度強かったです。
もちろんまだまだこれからの子だけれど、頑張ってほしいな。

永田紗茅 すみれ役。
彼女もこれが初舞台。
とにかく笑顔が可愛い。
歌う場面も、ダンスの場面も笑顔。本当に楽しそう。
観ているこちらが楽しくなるもの。
そういう温かさを伝えられる何かを彼女は持っている。
今回の舞台、新人が多かったこともあるけれど、
緊張感もあってか笑顔が少なかった気がします。
それを考えると、彼女の笑顔は抜群。

初舞台にしては、セリフもしっかりしているし、声も出ているし、
歌もダンスもひじょうにバランスが良かった。
この子は大化けするかもしれない。
母性本能をくすぐるタイプでもある。

勝又美結 クルミ役。
イジメ役は難しいけれど、難しい演技を頑張っていました。
特に声が良く出ている。歌も良かった。

山川愛未 ワカナ役。
また背が伸びたかな?
お笑い系は得意でしょう。
体が大きくてダンスができると、見応えあります。
セリフもしっかりしている。

児玉佑風 かすみ役。
彼女もイジメ役。
彼女も含めて、イジメ役の子はみんなうまい。
イジメ役がしっかりしていると、本当に舞台が締まるもの。
重要な役柄を良く演じていました。
セリフ回しもいいし、歌もうまい。
はしゃぐ姿も可愛かった。

鈴木友梨 ちぐさ役。
私的にかなりいい。
セリフがしっかりしているし、表情も豊か。
演技もできるし、ダンスも切れ切れ!
細かいことを言うと、前後の動きも素早い。
忍者か!
今回はそこまで大きな役どころではなかったけれど、
次回以降、どれくらい伸びるか気になる。
私が演出家だったら絶対に使いたい。
玄人受けする子。

阿部日菜子 むく役。
植松千穂 ぼたん役。
ふたりともに、しっかり大きな声が出ている。
やっぱり声は響かないとね。
どちらか忘れましたが、背が高い子の方がダンス力ありました。

総括

基本、淡々と進む。
一番つらいのは、「歌」がテーマなのに歌唱力のある子が少ない。
「生歌やるな!」という私を驚かせる子がほしかった。
稽古とかではなくて、普段の生活で歌う子とか少ないのだろうか?
私なんて小学校生時代、毎日歌いながら集団登下校していたせいか(かなりの変人だ)
何もトレーニングをしなくても、歌はほどほどに歌える。
もちろん、ヴォイストレーニングをしている子と比べてはお話しにならないが。
カラオケに行けばわかるけれど、稽古をしなくてもうまい子は山ほどいる。
稽古を積んでプロレベル、とまではいかなくていいけれど、
大きな声は出してほしいな。

両チームともにあやめ役である小島愛彩、大橋礼実は、成長度を取った気がする。
彼女たちを育てる場のような感じでもある。
前述していますが、
今回はかなり新人が多いので、新人育成の場という感じがしないでもない。
「レベルの高い子ばかり!」
というものではなく、未完成ながらも魅力がある子たちを選び、舞台を積み重ねて、
今後、舞台女優なり別の分野でも糧にしてほしい、という感じでしょうか?

(敬称略)
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