公演時期 | 2015年8月22日 |
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会場 | コール田無 |
脚本・作詩・作曲 | 米田愼哉 |
シナリオ原案 | かわしま哲子 |
演出 | 浅野泰徳 |
振付 | 鹿島田織恵 |
あらすじ小学4年生のシンとコウが通う小学校。 クラス対抗の「大縄飛び大会」が目前に迫っている。 自閉症を持つコウの順番で、いつもストップしてしまい記録が伸びない。 クラスの子どもたち、シンとコウはどうやって問題を解決していくのか? 発達障害の特性を周囲がどう理解するのか? 発達障害を持つ子供の気持ちはどうなのか? 岩仙人のきまぐれか? コウとシンの心と体が入れ代わってしまう。 丈夫で健康な体になったコウは嬉しさ全開。 逆に何度も何度も体の変調が起きるようになったシンは、驚きの連続。 今までコウが不思議な行動に出る理由を、シンは理解することになった。 理解はできたが、とにかく元の体に戻りたいシン。 だが、健康な体を手にいれたコウは・・・ (公式サイトより引用) 感想障がい関係のミュージカルや舞台は、 かつて何回か観劇したことはありますが、かなりうろ覚え。 (手話ミュージカルとか?) ということで、今回は久々。 プレビュー公演。 まず印象的なのが入れ代わり。 相手の心と体が入れ代わるもの。 映画「転校生」を始めとして、いろいろな物語で使われるアイデア。 この手法を発達障害者と健常者に置き換えるのは斬新。 はためだと、どうしてこういう状況になっているのか、 健常者には理解できない。 それが入れ代わることで、自分の身に起こっている状況がわかり、 なぜ不思議な行動に移るのかも理解できる。 観ている観客にも、凄く伝わりやすかった。 特に心臓の「ドクッ!ドクッ!」とした心音の部分は鬼気せまるものがありました。 この入れ代わりのきっかけとなる岩仙人。 代々街で祀られている岩の神様。 ここのキャラクター付けは、いろいろ変えてもいいと思う。 もっとコメディチックにさせたり、ぬぼ~っとしたり、演者にゆだねても面白い。 全体としては重い話しの部分もあるので、岩仙人とのからみはホッと一息つける場面。 ボケやツッコミ、いろいろやっていいと思う。 他の子供たち、先生、母親も出てきますが、 基本は、コウとシンの二人がメイン。 私的には、もう少し母親との会話がほしかった。 入れ代わった後に、母親がどういう対応をするのかをもっと見たかった。 ミュージカルナンバーは子供向け。 わかりやすさ優先だと思います。 小さな舞台ですが、少人数なので逆に観やすい。 大縄跳びに固執する気がしないでもないかな? 気になった役者佐藤まりあ コウ役『LITTLE WOMEN ~若草物語~』2015年ではベス役を好演。 活発な女の子役はすぐにイメージできるものの、 少年役をここまでできるとは思いませんでした。 中学生・・・は無理としても、高校生が演じていると思われても不思議ではない。 この少年役の演技、 発達障害ということもあり、他の子供たちとは違い、いつもふらふらしている。 落ち着きがない。ただ、コウにはそれが当たり前の行動。 これを演じていると普段もクセになるだろうな~とつくづく思う。 コウ、シン、どちらにしても佐藤まりあは発達障害の役ですから。 心臓の音のシーン、彼女の瞳が大きいこともあって、観客へも恐怖心が煽られます。 緊張感漂います。 演技もさることながら、彼女のは歌唱力も素晴らしい。 歌がうまい子はいる。山ほど。 オペラ的な歌い方や、高音を出す歌い方等、好き嫌いはありますが。 彼女の歌い方はストレートで素直な歌い方。 気持ちをのっけられる。 現時点では、そんなにクセがないと思う。 ここまでうまくなるとは、葉っぱのフレディ-2006年の時には想像すらできなかった。 エコヒイキ無く、率直に言って素晴らしい。 龍澤幸奈 シン役私は初めて拝見しましたが、少年役はピッタリでした。 ちょっとサバサバした感じながらも、コウの気持ちを理解し受け止める部分と、 シンの体でコウの心になった時の安心感と嬉しさ。 両方とも発達障害ではない役柄ではあるが、場を和ませる雰囲気が彼女にはある。 女性としては全く未知数だが、少年役のあの笑顔はとても印象的。 「アルゴミュージカル」マニア的に言わせてもらうと、 雰囲気は小高奈月のよう。 コウひとりだと強く怖い部分があるので、健常者のシンがいると安心する。 これは舞台の雰囲気からいって、緩和、柔和される感じかな? 歌は、どちらかというと高音を伸ばすタイプかな? 門田奈菜は『LITTLE WOMEN ~若草物語~』2015年では主役のジョー役でした。 髪形がショートカットなので、全く別人。 言われないとわからないレベル。 男もそうですが、女性の方がより髪形を変えると印象が変わる。 総括プレビュー公演なので、 ここからいろいろ膨らませたり改善したりしていくことでしょう。 入れ代わりで、相手の症状がわかるというのはとても良かった。 出演者が実力者揃いということもあり、 小さな舞台だけれど観客も集中して観ることができます。
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