公演時期 | 2009年7月17日 |
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会場 | 東京 日野市民会館 |
総合プロデューサー | 戸田幸比古 |
作曲・音楽監督 | 山口琇也 |
演出・振付 | 設楽みのる |
美術 | 岩崎顕二 |
照明 | 池亀誠一郎 |
音響 | 戸田雄樹 |
衣装 | 神場やす江 |
歌唱指導 | 奥田久美子 |
あらすじ幼い頃に両親を失ったハイジは、 アルプスの山に住むおじいさんと暮らしています。 山羊飼いのペーターとともに丘を駆け回ったり、山羊と遊んだりと、 山の子として楽しい日々を過ごしていました。 そんなある日、ハイジはデーデおばさんに連れられて、 フランクフルトという遠い街に住む、 ゼーゼマン家に引き取られることになりました。 そこでハイジは、足が不自由で外に出ることができない孤独な少女、 クララと対面することになります・・・ (前回のパンフレットより一部抜粋) 感想ハイジは今までに二度観劇。 2003年、 2004年。 今回が三回目。 まず第一に私の場合は、前の舞台で見た印象が強いです。 ど~しても過去を美化してしまうことがありますので、 そこだけはご了承ください。 流れ的には、
こんな感じです。流れはすごくわかりやすい。 内容的にもともと主要キャストは少ないので、 ハイジやクララをじっくり観ることができます。 無名ではありますが、主役の松居真子のハイジは素直に感情移入できました。 ハイジ役は、役柄的に難しいですからね。 自然にはぐくまれたアルプスで生活している、世間知らずの天真爛漫性、 松居真子はうまく演じていると思います。 後述しますが、生田絵梨花のクララはすごく優しい。 嫌味な感じ、つんけんした雰囲気も全くない。 彼女の良い部分が全て集約されたクララだと思う。 優しいクララのために、ハイジに対してつらく当たらなくなり、 自分自身を責める感じでしょうか? 舞台ではそこまで表現しませんが、イメージ的に。 子役メインでドンドン進む・・・というわけにもいきませんから、 大人キャストが要。 ロッテンマイヤーの藤田朋子とデーテの大和田りつこは、 本当にすばらしいと思う。 大人はこの二人の抑えた演技に目が行くかもしれません。 特に藤田朋子の存在感は迫力あります。 前回はアルムのおんじの教会シーンが長かったような気がします。 村人たちが教会にたくさんいて、 今まで信仰していなかったアルムが突然訪問し、 ハイジの無事を祈り、捧げ、村人たちがアルムの変わりように驚く、みたいな。 そこが省かれたのかな? それから、ミュージックが少なかったような・・・ 歌のナンバーは多いけれど、BGM的なMがもうちょいあってもいいかな? ハイジの英語の勉強のところは、前回よりも面白くないな~ いまいちアルファベットが頭に入ってこない。 やっぱりダンディがな~ 気になった役者ハイジ役、松居真子かなり楽しみにしていました。 私が観た過去の歴代ハイジが、 マナカナこと三倉茉奈、三倉佳奈、そして小崎愛美理と、 有名どころの記憶が強いのは申し訳ないです。 ただ、全く知らない子が主役だと、本当にわくわくします。 う~ん、なるほど、面白い。 カツゼツがしっかりしているし、 ハイジのちょっと荒っぽい雑な雰囲気もピッタリ。 ハイジってアニメもそうですが、 あの年齢にして、 ややおばちゃんチック(世話好きってこと)なところがあるのですが、 そこをうまく引き出している。 表情もハイジっぽい。 クララの生田は瞳がパッチリなこともあり目立ちますが、 彼女はそこまで瞳は大きくありません。 が、それでも彼女なりの精一杯な表情付けでハイジを演じています。 私はとても良くやってると思う。 ブランコに乗って登場の最初のシーンのソロ。 ややパワーが足りないかな~?と思いました。 ただ、だんだんと良くなっていきます。 最初なので緊張していたのかもしれませんね。 緊張がほぐれたこともあり、1幕よりも、2幕の方が調子が良くなってきました。 クララ生田とのハモリもいいです。バッチリ。 そうそう、思ったのは、ハイジの足の蹴り方。 かなりちゃんと後ろに蹴りあげます。 ここはコメディチックで大げさな表現。けっこう面白い。 練習したのかな? クララ役の生田絵梨花瞳パッチリの抜群の美少女。 アニメから飛び出した感じ。まさにクララという雰囲気。 クララ役の場合、普段の雰囲気と、性格が出てしまう気がします。 もちろん、演技でそこをカバーするのが当然ですが、 カバーできない部分もある。 だからこその生田絵梨花という選択肢なのかもしれない。 言うまでもなく、万人受けるするほどかわいいし、 今後テレビ媒体向けとなると、「地デジ」ではさらに光るな~と思いました。 ただ、アニメのクララはもっとわがままだし、気の強い感じ。 生田絵梨花からは、そんな雰囲気を微塵も感じません。 真面目で素直で清楚で穏やかで優しくて、 めちゃくちゃ良い子~みたいな感じです(あくまで見た目ですが) 逆に優し過ぎるから、クララに感情移入してしまい、 観客として少し「引く」部分がないのは気にはなります。 ここまで欠点の無い聖人君子のお嬢様クララだと、 ハイジとの対比がイマイチかもしれない。 私の場合、ど~しても前に観た、 山川恵里佳、安藤由紀と比べてしまいます。 生田絵梨花は、彼女たちに比べるとややセリフが軽い。 もう少し重きをおいてほしい。パワーがほしい。 病気がちというか、内向的というか、そういう意味合いがあるから、 少し声質が軽い演技になったのかもしれませんが。 私としては、もう少し重くてもいいな~と思いました。 そのためか、歌はまずまずな印象。 山川恵里佳のクララもまずまず~な演技だったのですが、 演技よりも歌唱力が衝撃的でした。 テレビのボケキャラとはうってかわったギャップもありましたからね。 そういった意味でも強く印象に残っています。 後半、英語の時に登場しますが、ポニーテールだったかな? この髪形もかわいいし、踊っている姿もいいですね。 やっぱり本当は、車椅子に乗っているだけでなくダンスをしたい感じだもの。 そうそう、思ったのは歯並びがいいな~とすぐに気づきました。 ここもけっこう印象強い。 大和田りつこは、ペーターのおばあさんと、デーデの2役。このふたつの役ともおいしい役。 ソロもかなりあります。 プロなので言うことありませんが、 デーデの時の藤田ロッテンマイヤーとのナンバーは面白かった! 目が不自由な役もじつに素晴らしい。 ペーター役の五味汐梨印象的には、まずスタイル。 めっちゃ細い。ちょっとビックリ! それから、足を高く蹴り上げる時の柔らかさがいい。 アルファベットのところも頑張ってました。 ただ、 いかんせん、 この舞台ではペーターのおばあさんにスポットが当たるため、 そのぶん、ペーターの五味汐梨にスポットがあまり当たらないのは残念。 ヤギが登場するナンバーも、ソロがあるかと思いきや、無いですし。 とても良い役者だし、もうちょいソロがあってもいいな~と思いました。 アルムのおんじ、畠山智行は言うことないでしょ。 おんじそのままの重厚な演技だもの。 セバスチャン役のダンディ坂野はちょっとね・・・ 前回の大橋忠弘が失礼ながら完全にプロですし、そうとう面白かったんです。 最高でした。 あのセバスチャンの印象が強いので、 ダンディはちょっと・・・ ごめんなさい。私はニヤリともしなかった。 セリフはもとより、スポンサーのことも、言葉の間合いも、観ていてつらい。 ちなみにダンディ坂野は、軽くブレイクする前からテレビで見ていました。 大川興業の大川豊総裁がMCだった伝説の番組「パンドラ御殿」 そこで見たのが初めてでした。 その時も全く面白くありませんでしたが、 後に歌を出すほどにまでブレイクしました。 本当に人生は不思議。 しかも当時の芸風と今の芸風、まっっっっったく変わっていません。 それでここまでやっているんですからね。ある意味すごい。 ただ、舞台は甘くない。 アンサンブルだと、佐澤舞花、花原優香かな?印象に残っているのは。 佐澤舞花は久々。 ルックスに関しては、生田絵梨花にも負けないくらいの美少女だと思う。 出てきただけで華があるもの。 女の子は成長すると雰囲気が変わる子も多いけれど、彼女は全く変わらない。 可憐で清楚で透明な雰囲気。 ヤギの衣装を着ていましたが、これもかわいい。 異常に目立つのが花原優香パンフレットの写真よりも瞳パッチリで、舞台でも映えます。 舞台でもかなり登場します。 表情付けもいいし、ツインテールの髪形も似合っています。 ダンスの時のセンターも多い。 小柄ですが、特にダンスの時の腰の使い方がうまいし、柔らかい。 かなり印象に残りました。 というよりも、ここまで活躍させるということは、 おそらく、イマジンにとって次世代のエースに育て上げている途中なのかも? なんて思いました。 藤澤志帆や、小崎愛美理のように。 彼女の実力が認められれば、いずれはメインキャストにつくかもしれません。 もちろん、演技も歌もセリフも聞いていないので、 その点は全く未知数ですが。 ただ、舞台女優として素質は非常に面白い存在。 実力が備われば、そうとう人気が出てくるでしょうね。 やや雰囲気が根本玲奈に似てる・・・かな? 地方アンサンブルだと、 島田華衣、佐藤まりあが後ろで踊っているのが凄く映える。 ビックリするぐらい。 物凄く実力ある子が後ろで踊っていますから。 登場シーンが少ないのは、まぁ~昔からですが。 他の子役は、ほとんどわかりませんが・・・ う~ん、松崎美風かな? 表情が面白いし、よくダンスを頑張ってました。 物おじしない、意志だけは強く感じる。 そこだけですが。 他の子はごめんなさい、あまり良くわかりませんでした。 総括ハイジの松居真子、クララの生田絵梨花、お互いに頑張っています。 ただ、要所は大人メンバーである、 藤田朋子と大和田りつこが舞台を引き締めるため、 ふたりの印象もかなり強いです。 子供であれば、全くもって安心して観られる舞台ですね。 後は、ダンディ坂野の笑いを許容できるかどうか。 ※敬称略 |