映画「劔岳 点の記」の特集を見て

   

たまたま朝、フジテレビの「めざましテレビ」を見ていたら特集をしていました。
う~ん、けっこういろいろツッコミどころがありますね。

 

まず監督。
木村大作氏。
初監督作品がこの映画ですが、彼の経歴がすごい。
黒澤明氏に18歳~30歳ぐらいまで助手として撮影技師としてついていたそうです。
撮影のプロですね。

 

そして、思ったことが雰囲気。
これはおっかないわ(笑)
黒澤明イズム受け継いだ感じが、すぐにわかります。
徹底的にリアルにこだわく。
この映画はCGがいっさいなく、全編実写。
空気の薄い山の上での撮影ですから、スタッフも、そして出演者もたいへん。
出演者が「撮影してない時も映画のようだ」という意味合いもわかります。
天気もコロコロ変わるため、せっかくのおもいで山頂にたどりついたにもかかわらず、
アルプスの山々が見えないため撮影中止。
新たに撮りなおすほど。

 

黒澤明氏の私が聞いたエピソードといえば、「タンス」があります。
部屋の小道具として、
スタッフが用意したタンスの引き出しを開けて見ると何も入っていない。
このことに黒澤明氏が激怒します。
「なんでタンスなのに中身が入ってないのか!」と。
映画でタンスを開けるシーンなどないので、スタッフは何も入れてませんでした。
黒澤明氏は、たとえ開けるシーンがなくても、入れることによるリアル感を求めたんですよね。
今回の監督、木村大作氏を見ると黒澤明の雰囲気にそっくり。

 

批評家についてもけっこうボロクソに話していましたが、
最後はけっこうナイーブなところも(汗)
宮崎あおいには甘いけど(笑)
そういうバランスを持ち合わせた人なんだな~と思いました。

 

撮影方法もすごい。
なんと撮影する順番が時系列。
当然のことながらドラマなどでは、台本の撮影シーンはバラバラ。
話の後半が撮影の最初だったり、似たようなシーンは続けて撮ったりします。
この映画は本当にそのままの時間帯を追って、撮影したとのこと。

 

地図の空白を埋めるため、その地図作りに命をかけた男たちの物語。
出演者も、その苦労をそのまま肌で体験していて、
役作りそのままを受け入れる感じ。

 

撮影2年。山籠もり200日は伊達じゃない。
お世辞抜きで見てみたい映画。
映画『劔岳 点の記 -ツルギダケ テンノキ-』公式サイト
テレビドガッチ

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