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エターナルファンタジーはファミリーミュージカル公演サイトです。

ミュージカルマリオネット

星組 満足度星星星星半分空星
公演時期 2018/5/16→20
会場 六行会ホール
脚本・作詩 竹本敏彰
作曲・編曲 木村直樹
演出 大塚庸介
振付 スズキ拓朗

あらすじ

フランスの下町で時を告げる、時計台のからくり人形。
町の名所で庶民に親しまれているその人形に、
ある日の落雷事故がきっかけで命が宿る。
そこに居合わせた、
地味で何の取り柄もない人形職人のピエールと、
時計台の人形との出会い。
(パンフレットより一部抜粋)

観劇感想

ミュージカル座、星組の感想。
基本、ダメダメ人間ピエールが、成長する物語。
どちらかというと、より子ども向けミュージカルに近い。

お笑い担当の空間作り

ギャグ、コメディシーンは素晴らしい。そこだけでもっていく。
キノコおじさんの佐藤正宏や、白雪姫、娼婦役の嶋田真の笑いのセンス、
空間作りは抜群すぎる。
彼らひとりで、観客の心をもっていかせる。
真面目に舞台、ミュージカル一筋で経験を積んだ人と、
お笑いを経ての舞台役者と、経験の質の違いが如実に現れる。
特にキノコおじさんの個性は強く、舞台でも印象的でした。
意外とキーポイントな場面。

最初のガルバーチョと仲間の二人のやりとりなんて、面白過ぎる。
あそこだけで終わるのがもったいないほど。
ここのミュージカルナンバーも大好きだな。
これもちょっとアルゴミュージカルっぽい。

ミュージカルナンバーでのエコー

エコーがのるナンバー、何もないナンバーがある。
理由はよくわからないが、歌が弱い人のためかな?
それとも普通に演出かな?

サラとピエール

サラとピエールの三度目の正直的な復縁、きっかけも欲しかった。
最後の方で、サンドラのお店に買い物には来ていましたが。
ピエールの心の成長として、きっかけ作りがあってもいいと思う。

前半の明るさ、後半の個々の物語


前半はエンターテイメント推しで明るく楽しい。
後半はマリオネットたちのオムニバス的な物語で、
ピエールの成長をうながすこともあり、落ち着いた印象。
ヒロインのソフィーでさえ、見守っていることが多い。
その分、×印の少年に重きを置いた感じかな?

ピックアップ

  • ギャグ、コメディシーンは素晴らしい。そこだけでもっていく。キノコ、ガルバーチョ、白雪姫、どれをとっても楽しい。
  • サンドラの有希九美の歌声は強く印象に残る。
  • 神とか命とか、あそこは、ちょっと引いてしまう。いずれにせよ、自分が決めたことですから。古くは十字軍から。

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気になった役者は・・・


みなさんプロなので、気になった方のみ抜粋。

髙畑岬 ピエール(人形職人)
ビックリしたのですが、ライオンキング、元ヤングシンバですか。
声変わりの調整は難しいな~とつくづく思う。
というのも、歌は正直なところ残念。
ミュージカル座は、みなさん歌のレベルが高いので。

ただ、それを差し引いても演技はとても良かった。
面白おかしく、ピエールの個性を自分のものにしている。
ダメダメ人間、失敗続き、ナヨッとしたところなど、
彼の個性がたくさん散りばめられている。
素直に素晴らしいと思う。

特に印象なのは、ほんとダメダメな感じの変なポーズで挨拶をするところ。
とても印象に残りました。
あの独特な雰囲気、間合いはなかなかできるものではない。
きっちりしていないからこそ難しい役柄。
自分の中でこのピエールを昇華させるか、
とても苦労した成果がここにあると思う。

小林風花 ソフィー役
ま~ルックスが可愛い。
顔の雰囲気は子役の時から、ほとんど変わっていない。

演技的に、
彼女のソフィーは純粋で聖母のような温かさを感じる。
母性を感じる。
ピエールにしてみると、彼女的な感覚でとらえていたとは思うが、
一方で母親としての役割を欲していたのかもしれない。

遠い目、すました表情、優しく微笑む柔らかな笑顔。
ここは本当に素晴らしい。
この笑顔の作り方はなかなかマネできない。
彼女の個性と言ったところ。

元気でハキハキ系なタイプではなく、暖かく見守り受け止める感じ。
「静と動」で言えば、静なるソフィー。

歌唱力については、私が論じるのも失礼なぐらい。
気をてらうことのない、自然な歌い方。
その歌声は聞けば誰もが強く印象に残る美声。

私的にあえてツッコミを入れるとしたら、
彼女のミュージカルナンバーがもう少しあればいいな~と思いました。
意外と少ない。
それと、彼女の雰囲気、質、個性にあったナンバーも聞きたかった。
ミュージカル「月に歌えば~Singin’ in the Moonlight」の時のような、
染みいるナンバー。
これは物語の特性上、仕方ありませんが。

後半は他のマリオネットたちにスポットが当たるため、
ソフィーは聞き役、見守る役になり「待ち」のシーンが多い。
ここは少し残念。
もう少しソフィーを活躍させたいところ。
聞き役に徹する演技は難しい。
ともあれ、ヒロインとしては十分合格点。

田邊仁愛 ×印の少年役
彼女はかつて何かの発表会で一度観たことはあるのですが、
なんとなくしか覚えていない。
歌の印象は強かったと思う。

今回の舞台を観るに、そこまで期待はしていませんでした。
そのせいもあってか印象度大。

まず少年役が素晴らしい。
過去のピエール、×印の少年、最後の少年と、少年続きですが、
どの少年役も素晴らしい。
ここまで演技がしっかりしているとは思いませんでした。
私のイメージ的には山内瑞葵。
彼女も少年役が得意でしたが、その雰囲気に似ている。

セリフ回しもしっかりしているし、まっすぐ見つめる瞳も力強い。
そして歌唱力も素晴らしい。
透明感ある歌い方。
×印の少年のミュージカルナンバーは後半の見せ場だもの。

そして、彼はと言うか、彼女は笑顔も素晴らしい。
抜群!!
ひ弱そうな顔つきからの笑顔。
凛々しさ。
アルゴミュージカルがあったら、私が推薦したいほど。
真っ直ぐした子だ。
パンフレットの写真より、実物の方が断然いい。

かなり小さい子役なので、論評しなくてもいいのだけれど、
松岡芽依のチルチル役は意外といい 。
歌も安定していた。
表情付けもいい!
変わってミチル役の富井歌音の表情付けはもっと欲しかった。
セリフは頑張っていたが。
ダンスをしている時も、せっかくなのだから笑顔でしてほしい。
チルチル、ミチルでわざと対照的に演出した、ということもあるのかな?

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総括

ピエールの成長過程、大人としては「う~ん」と首をかしげるシーンもある。
理想と現実は厳しいですから。
その部分はエンターテイメントかな?
ま、私にかわいげがないと言えばそれまでですが。

※敬称略
キャスト表