公演時期 | 2017/10/13(金)→29(日) |
---|---|
会場 | 池袋サンシャイン劇場 |
作 | 吉高寿男 |
演出 | 三宅裕司 |
発案 | 牛澤昇 |
出演 | 三宅裕司 小倉久寛 劇団スーパー・エキセントリック・シアター |
あらすじ国会でカジノ法案が可決されたのを受け、京都市長の清水(きよみず)(三宅)は、故郷である京都の田舎町・梶野(かじの)町を盛り上げるため、カジノの候補地への立候補を決める。 反対派の抵抗や、利権が目的だ!といった疑惑に晒されつつも、清水は故郷を盛り上げたいという一心で熾烈な誘致合戦に挑んでいく。 そんな彼に、幼馴染であり多数の芸者を抱える置屋のボス・伏見(ふしみ)(小倉)が協力を申し出る。 伏見の発案で日舞や華道を取り入れた京都ならではのプレゼンを敢行、お台場など他の候補地には真似できない方法で町をアピールする。 そして、当初の予想を覆し、見事プレゼンに勝利! 過疎化に悩んでいた小さな田舎町が歓喜に包まれる! だが、この誘致合戦の裏には、ある大きな陰謀が渦巻いていた・・・!? (公式サイトより引用) 感想昨年がイマイチだったので、今回の作品には期待していました。 まず、あらすじを読んだかぎりでは、 後半の陰謀がどういう人間関係が出てくるのか、 全く予想だにしませんでした。 だからこその期待。 そこがまさかの中国! 責めてきましたね。 (厳密にいうと中国政府ではなくチャイナマフィアなので、ここはバランスをとっている感じ) 大人の舞台なのだから、前回の原発といい、今回のカジノといい、 社会風刺ネタを入れるのは全くもって問題ありません。 だからこその「テレビ」ではなく「舞台」なのですから。 中国の存在感中国人観光客を呼びよせ、そこでお金を落としてもらう。 そのためのカジノ。 なんとか候補地に指名され、カジノを建設へ。 じつはその土地は府知事の土地(森友・加計問題をイメージさせます) さらにはその工事中に、カジノを解禁していないはずの中国が解禁というニュースが。 つまりは中国人が日本に来てまでカジノをしないことになる。 京都府知事の三宅は約束が違うと、とある中国の邸宅へ向かう。 そう、じつはこの人物と裏で手を握ってカジノ建設を模索していたのだ。 (もちろん、過疎化する故郷を盛り上げるのが最優先ではあるが) 中国マフィアにしてみれば、知ったことでではない。 中国政府が勝手にやったこと、という始末。 三宅率いる日本人と中国人との戦い。 (ここはなかなか盛り上がる殺陣。小倉さんも側転を頑張っていました。三宅さんの連打パンチも) こんなに戦ってどう決着をつけるのかハラハラしていたところ、 「パンダ、もう貸さないよ」 という言葉で日本人は撤退。 まっ、ギャグ的な笑いとしては、ここが落としどころでしょうね。 これには納得。 搾取される日本ただ、自体はこれだけでは終わらない。 通常のカジノでは、スロットなり、機械の利権、マージンがその会社(海外)に流れてしまう。 そこで日本独自の花札、チンチロリンのカジノを提案。 そこからエンターテイメントあふれるアミューズメント施設へ(まさにラスベガス) これが大当たり。町も裕福になります。 ところが、なぜかこの花札やチンチロリンの商標等も中国が握っていました。 このままではまたマージンが発生し、経営はできるものの、その大部分が中国の利益へ。 当時は誰も知らないはずなのになぜ? 仲間の中にスパイ、裏切り者がいるのでは? 疑心暗鬼になる仲間たち。 そうとはまだ知らない京都府知事の三宅は、故郷の盆踊り会場へ。 そして演説へ・・・ エンディングのネタバレネタバレになりますが、 最後の盆踊り。 そして真っ赤に染まっていく姿はなかなか深い(赤=中国) 主役がいなくなって群衆が踊るというのは、 私が見た中での本公演としては2回目のような気がします。 ハッピーエンドならぬ、バッドエンドなのだけれど、 これはこれでいいと思います。 観客に問題を提議させ、各々で解釈させる終わらせ方。 私は嫌いじゃない。 ちなみに私の解釈としては、 裏で中国(チャイナマフィア)が糸を引いていたり、 マージンをとって徐々に日本を牛耳ろうとしているにもかかわらず、 疑問も持たず、思考停止して、 何も知らずに遊びほうけている日本人たちに警鐘を鳴らしている終わり方だと思います。 正直、中国人の方が観ていたら嫌な気持ちになるかもしれませんね。 自分の先祖は中国人で、私はそっちなんだ!みたいな人もいましたから。 だからこそ中国政府ではなく「チャイナマフィア」が牛耳るという形にしている。 外国人排斥という形にもとられかねませんから、その当たりは配慮している形。 社会風刺の舞台舞台としてこういった社会風刺はあり。 前回も「原発問題」ですから。 来年は「改憲」「日米安保」とかもありうるかな? テレビでは放送できないことをやる。それが舞台。 この舞台とは関係ありませんが、 ちょうどニュースで、日本に来る中国人観光客が、 日本のタクシーを使わず、アプリで中国人の白タクを使っているとの報道がありました。 日本のタクシーよりも激安で、税金も払わず、お互い中国語を話せるから安全という意識。 ただ、当然違法ではあります。 税金も取られない安価なホテル、食事、お土産、遊技場等、 中国人が経営する場所へ中国人観光客が言ってしまうのではないか? という疑念を起こさせるテーマでした。 今回の場合、いろいろ経営しても裏で中国政府、 もしくは中国マフィアがマージンをとって仕切る感じでしたが、 海外ドラマファンの私の場合、アメリカだと、ロシアが多いですね。 じつは裏でロシアがマージンをとって経営をしていたとかよくある話。 全く人ごとではなく、どこの国でも同じ。 甘い言葉にのせられて、契約を結んで見ると後で後悔する、そんな罠があることを感じました。 いつもの本公演の舞台と比べると、第〇場という、「場」が小刻みになった気がします。 前はもう少しひとつひとつ「場」が長かった。 これはこれで私はいいと思う。 物語の展開を伝えるには仕方がない。 モリカケ問題、豊田議員、ヒラリー(丸山裕子が演じる府知事の妻)) おそらく、この時期に選挙があるとは、当時は思っていなかったことでしょう。 ある意味、ちょうどいいタイミングにもなりました。 エンディング手前の恐さ秘書(西郷みゆき)が怪しさ全開なのはわかっていたけど、けっこう最後まで表に出ないため、 じつは一緒にいるうちに京都府知事、三宅に信奉しだしたかと思いきや、 やはり芯は通っていて曲げなかった。 ここは良かったと思う。 ある意味いろんな意味で裏切り者になって、大竹さんの最後もいいと思う。 けっこう、サラサラ~と終わってしまったけれど、 ここはドロドロしないで正解。 だからこその恐さを後で感じます。 エンターテイメント性は少なめ?社会風刺に注力したために、全体的なエンターテイメント性は少なめ。 誘致合戦をする時の京都市の練習、相手の横浜、アミューズメント施設、 このあたりかな? 歌は好きなので、もう少しほしい。 カジノ誘致の対抗馬、横浜の良田麻美、白土直子たちの歌のナンバーは絶品。 今回は出番が少ないのが残念ですが。 だからこそ、もっと歌いたいみたいな流れなんでしょう。 総括社会風刺が強く、私は好きな舞台。 この中にコメディやエンターテイメントを混ざるのは、 たしかに難しいけれど、SETの本公演としてはこの路線はとてもいいと思う。 若い人がどう受け入れられるかどうか、かな? 普通の冒険活劇物に戻るのもアリなので、 来年はSFものでもいいかな~なんて思います。 ※敬称略 |