俳優私塾POLYPHONIC第5回公演『燕のいる駅』簡易観劇感想

   

これは難しい舞台。


戯曲ですね。
プロ思考の演出なので、
高度すぎて私にもなかなか読み取ることが難しいです。
かなり読解力が必要となる。
観る方も舞台好きでないと。
話の内容も、あえて曖昧になっているのもそのためか。
完全にストレートプレイ。
話し的には、とある駅のホームで駅員やキオスクの店員、
列車の待ち合わせをしているお客との物語。
まーいろいろと難しい。
エンターテイメント性の舞台でありませんから、
普通のお話としてのコメディを演出。
客席では笑っている方はたくさんいるのですが、
申し訳ない、私はひとつも笑うことができませんでした。
何が面白いのかサッパリわかりませんでした。
それだけ日常生活におけるコメディ演出は難しい。
役者としては戸村静香役の佐伯静香が印象的。
大人の女性としての魅力がたっぷり。
離婚を経験して、さらに恋愛を・・・という感がよく出ている。
明るい雰囲気もすごくいい。
漫才コンビのツッコミ役、鈴木茂彦役の高城拓哉は、
ある意味この舞台の中では一番異端な部分なので、
演じ方が難しい。
ほんと突拍子ない役柄なので、
どの程度の抑え方、逆にツッコミとか、バランスが非常に難しい。
下河部友紀役の大日向裕実は、
セリフ遣いがなめらかと言うよりかは落ち着いた喋り方。
彼女は、高音で軽い声質ではないので非常に重きがおける。
だから、彼女の声質だけで観客を引き込むことができる。
ここは素直に凄い。
声で引きつけるってあるんですよね。
まさに彼女はそれ。
ひとり芝居も十分にできる。
いつか中村裕香里と対決してほしいな。
この二人を組み合わせたら、そうとう面白くなる・・・予感。
日本における「外国人 排斥」の意味合いも奥深い舞台。
とはいえ、現実問題として、
ヨーロッパでさえ、移民政策が転換期をむかえてますからね。
「外国人 排斥」のデモはどんどん大きくなるばかり。
少子高齢化問題としての移民政策は日本でも考えていますが、
それをしていたスウェーデンでさえ、デモが起こるほど。
高齢者に優しい政策をとるために、消費税も20%以上。
しかし、それを目当ての移民、生活保護、
さらには働きの場が失われる等、問題は山積み。
まっ、日本とは人口の比率が違うのでいちがいには言えませんが。
高齢化社会についてヨーロッパに学べと、
最近まで言っていたにもかかわらず、
今となっては報道も縮小。
嫌なことは伝えないテレビのニュース。
ちょっと話しずれましたが、
この舞台の根幹もじつはこの部分があります。
日本人ではない人がバッジをつけるところなんて、
ナチスがユダヤ人にバッジをつけたことを印象づけていますから。
正直、面白味があるお話ではないけれど、
人間味あふれる人の個性を楽しむ感じでしょうか?
題名である「燕のいる駅」もじつは奥深く関わってきます。
5星満点で、星2半。

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