ツラヌキ怪賊団 4th Navigation「Beautiful Runner」簡易観劇感想

   

ダブルキャストですが、
私が観た回は、Beautiful Crew。


意外とダンスが多くビックリする。
題名どおり、走るシーンもたくさん。
それから、暗転、おそらく2時間の舞台で一回しか無かったと思う。
それぐらいずっと舞台は明るかった。
ここはけっこう意欲的。
話し的には、小湊と猿渡、そして礼子の3人のからみ。
過去の子供時代から、現代へと深く掘り下げている。
基本、猿渡が主人公でしょう。
悪い方、悪い方に行くのは観ていて逆に楽しい。
どこまでも騙されていく(笑)
警察も報道も芸能界も、現実も似たようなもんですから。
私的にひとつ言わせてもらうと、
ちょっと猿渡とホームレス、おばちゃんのところは長いかな?と。
テンポ的にはあそこで止まる感じがします。
後半、ある意味、重要な部分にはなりますが。
小湊役の藤公太の冷静沈着さ、
背が高いこともあって、異様な雰囲気をかもしだしている。
観ているだけでも、近寄りがたい。
猿渡役のウチクリ内倉は皮肉屋たっぷりの野性味あふれる真っ直ぐ感。
でありながら、純情深いと。
どんどん落ちていく様子も面白い。
芸能界の裏・・・というか、ある意味現実の方が裏も多いですけど。
しかし、借金取りと対抗できるあの迫力は、
一般の人はなかなかできませんけどね。
しかもあの借金取りが・・・ってマンガチック。
礼子役の石井明日香は初めて観ましたが、なかなかいい女優。
スタイルがいいから、そこも魅力的。
気になる発音、舌なめずりな部分もあった。
おそらく、その発声も努力をして克服して、ここまできたのだと思う。
松本一平の田中邦衛似のホームレスと部下。
この2役はさすがに気づきませんでした。
私も騙された。
ダンスも柔らかい。
田中淳之は、小芝居うまいですね。
彼がいるとしまる。
なんでも活用できそう。
あのランナーと借金取りのギャップが物凄い。
私は相当好きですね。
藤井仁人の猿渡の後輩役も、裏切りっぱなしかと思ったら、
情に厚くてビックリ。
ある意味ストレートで素直で純粋な役だからこそ、
一番自然に近かったかもしれない。
暴れたりしますが、じつのところ一番まともかもしれない。
短気がタマにキズだけれど。
加藤敦の礼子の父親役はじつにハマッテいる。
こういう切れている役者は好きだな。
しかも、途中なんて、若本規夫も入りますからね。
そこも面白い。
北谷優典の借金取り役は怖過ぎて泣きます。
猿渡はよく対抗できますよ。
暴力振るわなくても、あの声と存在感だけでたじろぐほど。
それだけ威圧感ある演技。
黒田勇樹兄さんには、かなり注目していました。
今回はスクープ記事を負うルポライター的な役柄。
正直、ブランクは感じる。
セリフも昔と比べたらまだまだ。
本人が一番わかっていることでしょう。
長い舞台だから、公演期間中にどんどん成長してほしい。
私は復活を期待しているもの。
有栖川さくら役の中村裕香里は、
ま~かわいい。
そりゃ、この役でしょって感じ。
途中ナレーター役もありますけど、「華」ありすぎだもの。
めちゃくちゃかわいいでしょ。
後半結局罪の重さに気づくことになるけれど、
私はあのまま突っ走ってもいっこうにかまわない。
それが芸能界。
今回私の中で一番印象深かったのは、
弟、ツトム役のおーみまみ。
ちょっとパンフレットの写真は宣材すぎるんですけどね。
それはそれとして、少年役は至極抜群。
背が低いこともあるけど、ものすごくハマッテいた。
声がちょっとアニメっぽいところもいい。
まだ荒削りなところもあるけれど、
長い公演期間なので、さらに良くなっていくでしょう。
良く考えると、イラスト「ちばてつや」って凄いですよね。
それも加味されてか、猿渡のところは雰囲気的にはカイジなり、
マンガチックでゲームチック。
エンディングなんて、アニメのエンディングにも思えました。
スタッフロールあり~の、という流れで。
若手?中心だけれど、熱い舞台。
男の出演者が多いので、客層も女性ファンが多かったように思えます。
5つ星評価で、星3半。
(敬称略)

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