NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀 デザイナー石岡瑛子」を見た感想
2015/02/20
舞台関係にも通じるということで、拝見しました。
いや、この人はすごい。
まず、ミュージカル「スパイダーマン」のデザイン担当ですからね。
制作費が50億円と言われています。
元々はデザイン、広告関係でも有名でしたが、
40歳を期に会社を辞めて、ニューヨークへ。
この決断も、普通の人はなかなかできません。
もちろん、それだけの能力があればこそ。
とにかく妥協を許さない。
自分がデザインした衣装、
実際に作られたものをこと細かくチェックして、
素材から、形から、自分のイメージしたのものでないと納得しない。
照明によって同じ色でも微妙に異なるため、
たくさんの微妙に違う色で試す。
そこで、コストの問題やら、演出の問題やらで、
いろいろな意見の対立が起こりますが、引き下がらない。
デザイナーがここまで意見をするとは、本当に驚き。
クモ女のデザインも、
7人のクモ女、全てが違うデザイン。
私だったら似たような感じでいい、なんて思ってしまうところを、
いっさい妥協しません。
こだわりがある。
彼女の三カ条なのか、
この番組的な三カ条なのかは知りませんが、
1.誰にもまねできない
2.革新的
3.時代を超える
これ、最近の人にあるでしょうか?
みんな同じもの。
あるいは似たようなもの、パクリばかり。
他と同じことをすればいい。
長いものにまかれろ、的なものばかり。
斬新なもの、ともすれば破壊的なもの、
そういったものは今の日本では受け入れにくいでしょうね。
失敗したり場合のリスクが大きい。
だからこその、アメリカとうい選択だったのかもしれません。
そう考えるとうなずけます。
本当にこの人は異形の天才、
少し方向性は違いますが、
芸術家の岡本太郎にも似ているな~と思いました。
この人のデザインは、
マンガチック。
いうなれば、キャラクター。
特撮のヒーローや、怪物のデザインにも思えるほど。
おそらくは、彼女のデザインから、
影響を受けた人はたくさんいるでしょうね。
とにかく人のマネ、似たようなことはしない。
自分のデザイン、キャラクターの衣装について、
演出家やプロデューサーを巻き込んでも話し合う。
いっさいの妥協を許さない。
こういう場面を見ると、
舞台の衣装やデザイン、
セットの見方も大きく変わってきますね。
私も勉強になりました。
まっ、みんながみんな同じことをできるわけではありませんが。
石岡瑛子氏は、
2012年1月27日に亡くなられました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
NHK プロフェッショナル 仕事の流儀