「トライアウト ブロードウェーの舞台を仕掛ける男」を見た

      2015/02/20

大阪からニューヨークへ・ミュージカルの成功に賭ける日本人プロデューサー
出口最一とダンサーたちの400日に及ぶ挑戦

話が長いのですが、簡単にいうと「ブルーマン」の仕掛け人で、
ブロードウェイでも大成功した日本人プロデューサー出口最一が、
「トリップ オブ ラブ」という新しいミュージカルで勝負する・・・
こんな感じでしょうか?

 

これを見ると、あくまで一端ではありますが裏側がよくわかります。

 

いかにミュージカルにお金がかかるのか
なんと言っても、やっぱりこれなんですよね。
投資してくれる人がいるからこその舞台。
投資を促してもらえるように、リハーサルを見せたりしていました。
資金を集めることが本当に重要なんだな~とつくづく考えさせられます。
投資家、財団、たくさんの人の支えがあってこそのブロードウェイ。

 

もちろんその投資家、
財団の方々も安易に資金を提供するわけにはいきませんから。
投資家の人で2万ドル。
財団の方ですと、もっとでしょう。
ちなみに衣装代だけで1億円かかるようです(爆)

 

ただ、今回は「レビュー」ですからね。
これはミュージカル好きな人でも、好き嫌い別れると思います。
私もどちらかというと物語が好きなので、レビューは苦手なんです(汗)
投資家の人もここが難しいかも。
ただ、出口最一氏としては、
レビューのミュージカルをブロードウェイに定着させたいようですね。

 

興味深いのはブロードウェイミュージカル自体がひとつの産業で、
たとえば衣装を作るというだけでも、その職場が増えるんですよね。
音響、照明もしかり。
そういった人的資源確保にもつながっているのには、
改めてブロードウェイの凄さを実感しました。

 

さて、この「TRIP OF LOVE」 を仕掛けるのが、日本人プロデューサー出口最一
元々役者で、アメリカに渡った後、プロデューサーへ転身しました。
けっこういろいろと面白いことを話してくれました。
演出家の立場。
日本の場合、大先生というイメージで、役者は床、演出家は椅子からの目線ですが、
アメリカでは本当に同じ目線。対等。
役者の発言によって、脚本、セリフも変えていきます。
アニーのジョエル氏というわけではありませんが、
そんな感じだな~と思いました。

 

キャストについても、
スマートさで勝負する日本人ダンサーがいたのですが、
そういうのはいらない。
ゴツゴツとした荒削りなものが欲しいと話していました。
スマート、どちらかと言えばクールで清廉されたものは、
ブロードウェイではいらないようです。
アメリカ人のキャストはみなさん、明るくて個性的でしたから。
そういうものを舞台上にも出さないといけないのでしょうね。

 

ワークショップ、さらには稽古の長さにも圧巻。
週に6日で6週間、毎日8時間の稽古。
しかも本番に向けての稽古ではありません。
まだその手前の段階。

 

代役。
日本の場合は「アンダーステディ」とよく言われます。
何か怪我や事故があった時のために、
他の役者のセリフやダンスを覚える。
アメリカの場合は「スウィング」と言うそうです。
ちなみにこの舞台はアクロバティック的要素のダンスシーンが多く,
50種類以上のダンスパターンを覚えるらしいです。
大変・・・という一言では片づけられません。

 

ブロードウェイにこの公演を持っていきたいことが、
出口最一氏の第一の目的ですが、
それに次いで、やっぱり日本人ダンサーを、
ブロードウェイに参加させたい気持ちがヒシヒシと伝わってきます。
日本でも有名な芸能人、鳥居かほりも参加していました。
御年41歳ぐらいでしょうか?
年齢は全く関係ないですね。
他の役者さんも同じくらいの方が多かったです。

 

そもそもトライアウト公演とはブロードウェーで公演をする前に、
観客の反応を試すための地方公演。
アメリカの場合ですと、シカゴ、サンフランシスコ、ラスベガスあたりで行われる公演を、
今回アジア発、日本の大阪で行っています。
で、その理由が大阪の方が客が厳しいからだそうです。
ここは正直意味がわかりませんでした。
別に東京でやってもいいのにな~と素直に思います。
何か大阪でやらざるをえなかったのかな~
奈良県出身というのも、理由のひとつなのかな?
なんて勘繰ってしまうのは私の悪いクセ?

 

そういえば、大阪名物「くいだおれ」の看板人形
「くいだおれ太郎」が出演したのもこの舞台でした。
いろいろなニュースにも取り上げられていましたから。
宣伝は重要。

Clippin JAM
TRIP OF LOVE

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