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「放課後のトワイライトシュート」1994年6月 感想

満足度星星星星半星
公演時期 1994年6月18日~19日 
会場 北沢タウンホール
企画統括 大西一興
総合プロデューサー 神田富雄
脚本・演出 犬石隆
振付 関根玲子
作詩 森田等
音楽監督・作曲・編曲 玉麻尚一
作曲 金子貢
美術 斎木伸太朗
照明 高見和義
スタイリスト 鈴木ゆりか
音響 百々喜久
舞台監督 岡林真央
プロデューサー 丹下英樹

あらすじ

学園に新学期が訪れた。 学園を支配する紫一派。そしてそれに対抗するバスケットボール部の聖奈たち。 紫と聖奈は激しい憎悪で対立していた。 じつはその背景に、一人の女子の存在があった。 彼女の名は泉。 彼女がいたころは、紫、聖奈、泉と、仲良し三人組だったのだ。 それがなぜ、対立しあうようになってしまったのか? 今年の新入部員をめぐる争いの中で、二人の心が揺れ動きます。

観劇感想

大越史歩さんも、駒崎香織さんや菊沢美和さん、 久積絵夢さんもいない南少の舞台。 それがこの、3、4期生旗揚げ公演です。

でも、私は全く心配してませんでした。 ベテランがいなくても、きっと新たな子が出てくると感じてましたから。 というより、いつもとは違う子がメインに出る舞台がほしかったんですよ。 そういう意味で、この旗揚げ公演は大賛成でした。 下北沢にある、北沢タウンホールでしたので、けっこう観やすかったです。

アルゴミュージカルっぽさ全開

今回、演出がアルゴ等で有名な犬石隆さん、音楽は玉麻尚一さん、 作詩が森田等さんと、そうそうたるメンバー。 これで期待しなくて、ど~するんでしょうか! 始まりがアルゴっぽい?シュールな作りで始まり、 最初っからワクワクさせる演出です!たまらないですよ、ほんと。

女の子同士の恋愛

内容的には学校の部活動の話なのですが、 やはりそこは犬石さん、ただの部活動の話ではないです。 女の子同士の恋愛感情やら(今にして思うと最先端なことをしている!)、いきなりお亡くなりになってしまったり、 おとぼけキャラが現れたりで、起伏が激しいです。そこが楽しい。

時系列の把握

ただ、時系列が難しいので、 もしかしたら1回だけ観た人は、意味がよくわからなかったかもしれません。 私も初めて観た時は、どういうことかな~とちょっと考えましたから。だからこそ2回観劇がおすすめ。

桜の樹の下

そうそう、セリフで、 『桜の木の下には、死んだ人がい~っぱい埋められてるんだって。 だから桜って、こんなに綺麗に咲いてるんだって』 というのがあるんですけど、これは梶井基次郎さんが書かれた、 『桜の樹の下には』という小説が元になっているようです。

ミュージカルナンバーが素晴らしい

音楽は、ハッキリ言って全部好き! 『部活狂想曲』の明るいナンバーで始まり、 『マジック・ティー』で不思議な気分させられ、 『夏のメモリー』で淡い青春(?)を思い出し、 『私って変?』で爆笑し、 『あの春・たそがれに』で涙し、 『トワイライト・プリンセス』で拍手。 これも全部覚えました(笑)

一番好きなのは、坂爪加奈さんが歌う、『あの春・たそがれに』 感情をこめて歌うと、本当に涙を流してしまうほど良い曲です。 詩が泣かせるんですよ。 この曲を聞いたら、すぐ感情移入してしまう。

ようやくにして十川貴美子さんが出てきたのも嬉しい。 アルゴ等で大活躍していましたが、南少の舞台自体はあまり出ていませんでした。 そのために彼女が舞台に出てくるだけで拍手が起こります。さすが!彼女の為?と思えるほどのミュージカルナンバーがありますから。

気になった役者

主役の聖奈役の坂爪加奈

あきらかに、いずれはコギャルになることを誰もが予感してました(笑) この時点ではそんなことわからないでしょうけど。 本題と、ずれてすみません。

演技、本当に素晴らしかったです! やってくれるとは思ったけど、予想以上でした。 喋りかたや演技が自然で、何の違和感もありません。 本当に聖奈が喋ってるって感じ。 泉への思い詰めた感情表現は、本当に素晴らしかったです。

泉役の片岡和香子

もうメインか!誰もが、そう思いました。 まぁ、とにかく実力を観ないと。そんな感じでホールに足を運びました。 演技的には、よく言われるんですが表情が冷たく固いんですよね。 本人がわざとやってるわけでないことは当然なのですが、いずれ直してほしいです。 美人ではあるけれど、なにかもの足りなく思ってしまう。

演技的には普通かな?特にど~こ~いうほどのものでもなかった。 ただ単に普通としか言いようがない。 歌は、イマイチでしょう。 舌なめずりな歌いかた、喋りかたは私はあまり好きではないので。 でも、大任はとりあえず果たしました。

紫役の西崎和子

ルックスはとても美人さんです。 ただ、おっとり系が弱点(笑) でも、今回の紫役はすごくハマッテました。 ある意味お嬢様なんだけど、今までが『洋』だとすると『和』のお嬢様ですね。 言葉尻がしっかりしているのも印象的でした。

うさこ役の十川貴美子

先程も述べましたが、アルゴの超ベテランさんです(笑) やはり、彼女の演技はすばらしい! 大越史歩さんとは違った演技派ですね。 地なのか~というツッコミはやめてください。 歌唱力は抜群です。本当に流れるような歌声でした。

『私って変?』は、彼女のために作られたといっても過言じゃないでしょう! 『放課後』はそれほど大きなダンスシーンはありませんでしたが、 彼女のダンスの実力は折り紙付きです。 『私って変?』でもその片鱗を見る事ができます。 年齢から考えて、次世代は彼女が南少を引っ張るのかな~と思ってました。

トゲヌキ役の浦壁多恵

トゲヌキパンチはやめてください(笑) 聖奈の子分役でしたが、けっこう頑張ってました。印象度は高い。

デビル役の池田淑子

彼女もアルゴ出身です。 ルックスがいいので人気出てましたね。演技は流石って感じ。 これだけの実力があるんだもの、もっと前から使ってあげても良かったですよ。 表情もいい。これって大切なことです。観客は表情の良い子を観ますから。 ダンスも本当は上手いんだけど、 『夢はダンクシュート!』ぐらいのナンバーじゃ、発揮されないかな? でも活躍してくれて満足です!

オリーブ役の千葉紗子

けっこう有名な娘さんらしいです。 まぁそんなことはともかく、 この当時は、後にあそこまで成長するとは夢にも思いませんでした。 可愛らしいルックスは、誰もが認めるところだし、 オリーブという役もボケボケ系でハマッテました。 ただ、とりたてて演技がすごくうまいというほどのものではなかった。 まぁ、こんなものかな?そんな感じでした。後日大化けします。私に見る目がなかった。

正露丸役の篠原有加

千葉紗子さんより、彼女の方が僕としては印象深い。 すぐにお腹が痛くなるキャラなので、誰でも印象に残りますが(笑) 南少でこういうキャラ欲しかったんですよね。願ったり叶ったりです。 とても落ち着いていた演技で、伸びる可能性大だな~と思ってました。

ジョーダン役の広橋佳以

背が高く、スラッとした印象の女の子です。 まさか、ここから男性になっていくとは予想もしなかったですよ~(笑) この時は、演技を頑張ってます!という感じ。 それほど印象には残りませんでした。 ただ、たまにアドリブを入れてたので、なかなかやるなとは思ってましたけど。

山吹役の若村梨枝子

彼女は後に美人になります。この時は、それほどルックスの印象はありませんでした。 女の子は一気に変わりますから。 とても真面目な女の子なのかな?本当のところはわかりません。

発音がしっかりしていて、セリフが聞き取りやすかったです。 顔の表情もなかなかグッドです! 私的には冷たい瞳の視線が良かった。 歌もちょっと地味ながら、うまいです。

これは後に『卒業』の舞台(?)でわかったことですけど。 この時は、紫、山吹、紅の『マジック・ティー』のハモリのうまさの方に重点をおいていて、 若村さん一人の歌唱力を聞く時間がありませんでした。

紅役の湯田美央

けっこう彼女には注目していました。演技がしっかりしているし、表情もいいし。 惜しいことは、ちょっと年齢が高いので、すぐ卒団してしまう可能性があるってことです。 (結局、正式な卒団はしませんでした) 歌唱力もまずまずあり、次世代の南少のひとりとして期待していたのですが、残念。

ピックアップ

アンサンブルでは、 高野蘭さん、飯田未さん、手島由莉さんに注目していました。 前述の二人に関しては、後に大成功を治めるので、 自分の目が確かなことを実感しました(笑) 二人ともアンサンブルの中でも光ってましたから。 まだ飯田さんは、かなり表情こわばってましたけど。 手島さんには今後の成長を期待していたのですが、ちょっと残念でした。

総括

マジで感動しましたよ、この舞台。 さすがに泣くまではいきませんでしたが、それに近いところまではいきました。 感情をこめて歌う、聖奈の「あの春・たそがれに」は秀逸でした。 やや話の強引なところはあるけど、まぁ、よしとしましょう。 あくまでも物語ですから。 1回でなく、2回観るとなお楽しい。

これ見る限り、もうベテランの必要性を感じませんでした。 3、4期生だけで大丈夫!誰もがそう思ったことでしょう。 この舞台を観に来ていた、 1、2期生たちも相当気合が入ったに違いありません。

※敬称略
キャスト表