◆  SET本公演 一夜千夜物語

◆公演時期   2004年11月13日〜28日
◆会場 池袋芸術劇場 中ホール
◆作 大沢 直行
◆演出 三宅 裕司
◆振付 JUN
◆ムービング・プランナー
オペレーター
柴田 利昭
◆音楽監督 大崎 聖二
◆歌唱指導 清水 秀子
◆電飾 小田桐 秀一
◆美術 土屋 茂昭
◆音響 今村 太志
◆照明 日高 勝彦
◆衣装プランナー
デザイン
倉本 七
◆イリュージョン監修 Mr. マリック

あらすじ

シエラザード姫が大事にしている魔法のランプ。
その中には、『シンドバッド』 『アラジン』 『アリババ』の魂が入っていた。
姿は見えるものの、実体が無いため、彼らに触れることはできない。
中でも一番のお気に入りが『シンドバッド』
彼と話しをすることで、彼女に安らぎを与えるのだ。
ところが、その魔法のランプを、侍女が誤って呪文を唱えたため、
中にいた3人の魂が外へ飛び出してしまった。
必死に探す、シエラザードの侍女たち。
さらには、ガリレオ、石川ワルモン、キリスト教信者、
遣欧少年使節団を巻き込み、事態は予想もできない方向へと進んで行く。
モナリザの画の隠された秘密とは?
古代アトランティス文明の隠された秘宝とは?

観劇感想

SET 創立25周年記念公演だそうです。
私的には普通に面白かったです。
歴史物が好きなため、パンフレットに書かれている歴史的事実(?)の解釈が、
とても読みごたえありました。

今回の舞台には、『嘘』 『宗教』というキーワードがあります。
かなり深い内容でした。
これがじつに見事に舞台の上で消化されています。
キスリト教、イスラム教、仏教。
普通に考えれば明らかにおかしい嘘のような出来事の数々。
しかし、信仰している人にとってはすべてが事実。
事実ではない『嘘』の偉大な力が、結果的には真実となってしまう。
まさに今の世の中もそんな感じだな〜と、私もつくつぐ考えてしまいました。

内容的には、演技、ギャグ、歌、ダンス、アクション等、
かなりバランスが取れていたと思います。
歌はやや少なめだったかな?
ダンスもたしかにありますが、若手中心で(当たり前ですが)
やや無理やりっぽいところもありました(操られてダンスをするところとか・・・)
「ここにダンスを入れてやろう!」という意味合いが見え見えでした(笑)

今回は主要キャラクターを激選したためか、わかりやすかったです。
このぐらいの方が、見ている側にしてみると分かりやすいですね。

私の中でひとつだけ気になったのは、
前半の始めに登場する、キリスト教修道士の会話。
たしか、ソテロ役の野添義弘さんと修道士の岩永信悟さんの会話。
何回か繰り返すお笑いネタなのですが、私には全然面白くありませんでした。
会場はまずまず盛り上がっていたので、
私の笑いには合わなかったのだと思います。
笑いの質は難しいです・・・・・

SETでは、たまにアドリブっぽいことをするのですが、
今回は、「今まで秘密にしていた恥ずかしい話」というお題でした。
う〜ん、自分が見た回では、それほど面白くは無かったです。
小倉久寛さんが、
「小学校の頃からヒゲを剃ってた」っていうのもありがちだしね(笑)

公演のある意味メインですが、
小倉さんと三宅さんの、セリフなのかアドリブなのかわからないトークは、
今回もまた抜群でした!
いつもより長めだったような気がします。
見ていない人は、ぜひ見てください!必ずハマリます!

アラビア語で、「はい」は「ナアム」、「いいえ」は「ラー」
これだけは覚えましたよ!

完全なネタバレですが、今公演は、アンハッピーエンドです。
私は変人なので、アンハッピーエンド大好きです!!
なかなかいい終わり方でした!

私が見た回では、三宅裕司さんの家族なり親戚なりが大挙して観劇してました(笑)
もしかしたら、そのために終演後、幕が3回も開いたのかも。

気になった役者さんは・・・

三宅さんや小倉さんは言うまでもないです。

シンドバッド役の宮内大さん。
めっちゃかっこいいです!
今回も目立ってます!言うこと無しです。
アリババ役の西海健二郎さん、アラジン役の野崎数馬さん、
二人とも個性的で、すっごく印象に残ってます。

少年使節団のひとり、大関真さん。
SETの若手では、彼に期待しています。
今回もちょっとクサイ演技もありますが(笑)
なかなか良かったです!ベテラン陣をドンドン押し退けてほしいです!

女性陣では、シエラザード姫役の白土直子さん。
私がSETを観劇しだしたのは『THE 癌 FIGHTER』からなので、
詳しくはわからないのですが、ヒロイン役は初めてじゃないでしょうか?
色っぽい胸元も良かったし、お姫様の雰囲気もかもしだしていました。
そして最後の悲しみの演技・・・かなり良かったです!
あんな白土さんの演技を見るのは初めてでした。

私的に好きな尾口衿子さんは、タタリザ役。今回はやや地味だな〜!
出番自体はあるのですが、印象度は薄かったです。残念。

シャナリザ役の良田麻美さん。
元東京メッツということで、期待していました。
おおっ〜!今回は目立ってる!しかもかな出番多いです。役名ありますしね(爆)
自然体でありながら、元気で明るいシャナリザでした。
私的に大満足です!

侍女役の池辺愛さん。
彼女も元東京メッツ。
出番的には少ないですが、アクションシーンでは、バク転を見せてくれました。
表情も愛ちゃんは可愛いです!次回もまた頑張ってほしいです。

総括
面白さに加え、謎解き、
観客に訴えかけるメッセージも見え隠れしていて、非常に楽しめました。
途中、自分の笑いの波長に合わないところもありましたが、
十分に満足できる舞台でした。来年も楽しみです。

今後の課題として、ひとつだけあげさせていただきます。
SETを長年見ている友人に言わせると、
女性陣は上に御大が多いため、なかなか若手が起用されにくいとのことです。
男性陣は若手も起用されてますから。
少しずつでいいので、若手の女性も起用していただけると嬉しいです。


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