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エルダ・アルゴ・ミュージカル「スタート!」(戸田公演)

満足度星星星星空星
公演時期 2001年7月~9月
会場 アートスフィア・世田谷パブリックシアター・他
企画・監修 小椋佳
演出 小川 美也子・宮崎渥巳
振付 宮崎渥巳
脚本・作詞 高橋亜子
音楽監督 甲斐正人
歌唱指導 長田明子
美術 斎木信太朗
照明 高見和義
衣装 木鋪ミヤコ
音響 清水吉郎
舞台監督 岡林真央

あらすじ

歌手になるために、レッスンを続ける少年少女たち。オーディションによって、三人の少女たちが選ばれました。それを尻目に、落ちてしまってガックリする五人の少女がいます。「デビューできない」そう思っていた彼女たちですが、思わぬところから、五人のユニットによるデビュー話が持ち上がります。歓喜をあげる少女たち。

しかし、それは彼女たちの試練の始まりとなり、異世界への扉が開かれる『きっかけ』となるのでした。

観劇感想

とにかく、待ちに待っていたアルゴ・ミュージカルの舞台です!もう、自分は楽しみで楽しみで、しかたありませんでした!これが観たいがために他の舞台も行きませんでしたから(笑)

率直な感想として、僕はこういう舞台大好きですね!三宅裕司さん座長の『SET』や、南青山少女歌劇団のようなエンターテイメントが今回は強く出ていたと思います。

エンターテイメントって必要ですよね~わかりやすいのが一番だし、子供たちを飽きさせない演出も、子供ミュージカルでは重要です。ただ、ずっとそれでいく場合は、『ダッシュ』と『ど根性娘』の対決というシナリオになってしまいます。

基本的にはエルダ・アルゴなので、後半、童話の話が出てきます。ハッキリ言って、かなり唐突です。違和感アリアリです。

異世界に行くっていうのは、まぁ~お約束だから、目をつぶるしかないのかな?これが出ると『やっばりアルゴなんだなぁ~』と、一歩引いてしまいますね。前半、後半とかなり色が違います。単純に好き嫌いでいうのなら、前半が良いですけど。

歌のナンバーは、個人的に『夢でゴザンス華舞台』がいいですね。このためだけにCDを買いました(笑)『スタート!』もいい!これはCDに入ってないです、残念!

今回はダンスシーンが多いです。しかも子役さんたちのレベルが凄く高い!これはオーディションが相当大変だったことを感じさせますね。

それから、一幕でのセリフ回しが長いことも感じとれました。とくに『ど根性娘』の五人が話しているところは、けっこう長かったと思います。間のとり方とか難しいと思うけれど、けっこう頑張ってました!

気になった役者

今回はかなりレベルが高いので、多いです。

主役、あすか役の本田有花

アルゴ初の主役ということで、すごく気合が入っているのを感じ取れました。ただ、初日はちょっとセリフ回しが失敗したところもありましたけど。まだまだこれからですからね。

性格的に、今回の『あすか』という役は、すこし強情っぱりで意志の強い女の子だったので、有花ちゃん独特の柔らかい表情はありませんでした。かなりきつめかも!

歌は無難に、こなしています!ただ、個人的に清水彩花ちゃんの美声が頭にあるので、それをイメージしながら聞いちゃうんですよね。だから、すごくうまい!という発言はできません。でも、しっかり音程はとってましたよ。さすがベテランです!

可南子役の土田あい

彼女もアルゴでは大ベテランです。落ち着いていて、抱擁感があって本当に安心できる存在です。いままでは、けっこうサブキャスト的な役割が多かったですけど、今回はしっかりメインキャラ。存在感、バッチリですね。なんとなく、穏やかな性格が可南子役とピッタシかも!

映子役の渡部瑞貴

おめめパッチリの瑞貴ちゃんは、おいしい役でした!本当の性格はああではないと思いますけど(笑)すごく良かったですね~!表情の付けかたもうまいし、ダンスも流れるようでとてもすてきでした。

初代役の飯田美心

彼女は、ココスマイルで初めて観たのですが、ココ役以外では初めて拝見しました。前回『ココだよ~!』という独特な音程のセリフだったので、今回ど~なるかなぁと思いましたが、ココの声質とはまっくた別物でした。良かった。

小5で、ど根性娘の中では一番若いのに、本田有花ちゃんに次ぐナンバー2の位置にあります。特にダンスシーンではそれが顕著にあらわれます(有花ちゃんと美心ちゃんがセンターって感じ)

表情の付け方もよいし、なによりルックスがいい。これって重要なことですよ。観客の目が引きつけられますね。

ただ、難を言えば、歌かな?歌のほうはマダマダという感じでした。特にソロでガンガン歌うところがあるというわけではないけど、これからそこは頑張ってほしいです。美心ちゃんに惚れる人、今回かなりいるでしょう(笑)

奈津美役の篠原美紀

個人的に今回で一番の発見は彼女です!どういった舞台で活躍していた子かはわかりませんが、すごく良いです!表情もいいし、なによりも存在感があります。本人の性格とマッチしているのか、奈津美役は本当に当たり役で、違和感なく、自然に演技ができてました。今後、この子は注目かもしれないです!

ロッシー役の小林一徳

う~ん、正直まだまだという感じ。中2で、かなり高い声ですよね。これから変声期なのかな?それともそれが終わってあの声なのかな?ちょっとそれが心配になりました。

マボ役の塚田唯依ちゃんとのナンバーがあるんですけど、何を歌っているのかよく聞き取れませんでした。演技もまだオドオドしているかんじで、かなり違和感ありましたね。もうすこし、なんとか頑張ってほしい。落ち着いた演技を見せてほしいです。

宮田玲子、ミミ役の船越真美子

かわいいルックスは相変わらずですが(笑)意外に今回はその表情の固さが目立ちました。

他の役者さんの表情がいきいきとしているぶん、あまり表情を変えない彼女には違和感を覚えました。ハッキリ言って、彼女に対してこんなことを思うのは初めてです。今まで気付かなかったんですね。あれだけ表情がないと、ちょっと目立ってしまうかもしれません。頑張ってほしいです!

増田加代、あやの役の川田志織

まず第一の感想、『ダッシュ、もっと観たい~~~!!』これはみんな思っていることでしょう。志織ちゃんの笑顔は本当にいつ見てても最高です!

今まで良く観てなかったけど、脚長いですね。ダッシュの歌の際、台の上に乗って歌ったり踊ったりするのですが、まだ慣れていないせいか足場をかなり気にしていました。

ユキミ役の赤松由貴

某テレビで、注目する少女として活躍されていました(笑)ココスマ2にも出ていて、実力はとてもある女の子です。笑顔も上手ですし、困った表情もいいですよね。

かずき役の内藤大希

歌の実力は、やはりすごい。これは文句無しでしょう。できうるなら、もっと活躍する役を与えて欲しかった。後半部分で活躍はしますが、もうすこし演技とかを観たかったです。

ユイコ役の長谷川桃

ダンスの動きは流石にピカ一ですね。私的に言わせてもらえば、長谷川桃ちゃんと刑部飛鳥ちゃんの2本の柱がしっかりしているからこそ、ダンスシーンは見栄えがとてもいいと思います(ちょっと過大評価かな?)

後ろを向いて、背中の演技もありました。ここから、『何かするかも!』と期待していたのですが、別に何もありませんでした(笑)

まだ初日ということもあり、ちょっとセリフが固かったかなぁ~間違えないように間違えないように・・・という、心の声が聞こえてしまうような喋り方でした。これから頑張ってほしいです!

あかり役の刑部飛鳥

うぅ、ココスマで注目していた彼女をアルゴで見ることができるなんて、本当に幸せです!嬉しいです!舞台の幕があがって最初に登場!う~ん!いい!

ココスマでは、飛鳥ちゃんだけを注目するわけにもいかなかったので、ダンスシーンとかは未確認でした。ですが、今回はバッチリチェックしました!いやぁ~、すごいですね。本当にうまいです!彼女のダンスは伊達じゃないです!

それと!演技!前回のココは、お世辞にもうまいとは言えませんでした。今回は・・・・前よりは上手になっています!もちろん、すごくうまいというわけではありませんけど、努力した成果はきちんとでています!これだけ成長してくれると、僕も嬉しい!これから地方公演もあるので、いろいろなことを経験して、もっともっと成長してほしいです!

三波、バクラーダ役の大森うたえもん

こんなものじゃないかな?もともと過大評価はしていなかったので、それほど幻滅はしませんでした。ただ、新しく買ったアルゴCDの最初の曲に、大森うたえもんさんが出るのだけは勘弁してほしかった。

総括

エンターテイメント性、突然のアルゴへのいざない、かなり強引な展開なので、細かいことを言う人はそこをつっつくでしょうねぇ~去年がかなり暗めの設定でもあり、その反動で明るい舞台にしたのかもしれません。

楽しめるという点においては、僕はこの舞台大好きです。何回も観たくなる舞台って、大切ですよ~!夢をテーマにしていましたけど、そんなことハッキリ言って忘れてました。あまりそれほど重要でもないって感じ。だから、感動をお客さんに与える、という舞台ではないかもしれませんね。主旨とは、ずれてしまいますが。

自分の本当の夢を見つける、それでいいんじゃないでしょうか?見ているお子様も、それほど注意深くみてないでしょう。派手さに目が眩んでいるはずです。なんとなく、頭の片隅でそのことを感じ取ればいいと思います。強く訴える必要性はないですね。

何度見ても楽しい。それが今回のアルゴではないでしょうか?

※敬称略
キャスト表