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ミュージカル「Kiddy2004 見えない扉」感想

満足度星星星空星空星
公演時期 2004年4月1日~4月4日
会場 東京 銀座博品館劇場
演出、振付 桝川譲治
レビュー(監修、構成、振付、衣装プラン) 幸なづみ
TRevue E-Style あさいしんぺえ
脚本、作詩 堀美千子
作曲 船津恵一/金子貢
振付 真代
歌唱指導(見えない扉) 阿方智恵
レビュー振付 水嶋ぽー、嶋田松男、住川むつ美
タップ振付 穴田英明
バレエ振付 武田直美

あらすじ

とある劇団に所属している繭子は、仲間の中でもトップクラスの実力者。 性格的に勝気で自信過剰なため、彼女をあまり良く思わない人も多数います。 新しい公演。彼女も、とある役に抜擢されました。 しかし、遅刻が多く、協調性に乏しい繭子は、役を降ろされてしまいます。 劇場には『奈落』という場所があり、ゴーストが出るという噂。 ゴーストの存在を信じない繭子は、 『奈落』で早着替え等の雑用をするよう命じられます。 そこで彼女が見たゴーストは。

観劇感想

自分は「Kiddy2001」「2002」「2003」と観劇しています。 今回も1部がミュージカル。2部がレビューという構成です。

話の内容は、なかなか面白かったです。 気が強く、仲間はずれなタイプが主役というのも久々でした。 押しつけがましいこともないし、普通に楽しめる感じ。 繭子がすぐに改心してしまうところは、まぁ、お約束ですが。 正直言うと、もうひとひねりして欲しい気もしますが、 時間の兼ね合いもあるので仕方ないですね。

役柄的に、ボケ役やツッコミ役がいないのは少し寂しかったかな? あまり笑いをとる場面もないですけど、物語がやや単調すぎる印象も受けました。 ただ、これもまた時間の都合だと思います。 パンフレットには下の名前しか書かれていないため、 舞台上で苗字で呼ばれるのは困ります。 たぶん、繭子は五十嵐だと思います。 できたら、次回は苗字があると嬉しいです。

繭子が歌う『主役は私』のナンバー。 これはちょっと歌が長いな~と思いました。 長くて、ちょっと間があいてしまった気がします。 ワンコーラスで十分だったのではないでしょうか? 詩も、私的にはあまり好きじゃないかも。

レビューですが、私的にはすごく楽しめました。 パンフレットにも書かれているとおり、 TRevue(トレビュー)というエンターテイメント性を前面に押し出したレビューで、 私が今まで見たレビューとは、また違ったものでした。 テンポ、展開がいいし、今までのレビュー以上に素直に楽しめることができました。 若い人向けかな? ただ、他の人の意見としては、 前からあるレビューレビューした『王道』を見たかった方もいらっしゃるようです。 このあたりは、やはり好き嫌い分かれるのでしょうね。

気になった役者

繭子役の森田このみ

意味あいとしては、おそらく彼女が主役でしょう。 元南青山少女歌劇団、金八先生にも出ていたという経歴を持ち合わせます。 そして、その経歴どおり、素晴らしい演技を見せてくれました。 ぶっきらぼうで、気の強い演技は得意そうな感じでした。 演技、ダンス、歌唱力と、三拍子、バッチリそろっています! 演技的には、同じ『金八』で共演していることもあり、気が知れている者同士、 鈴田林沙ちゃんとの二人だけの演技は、とても見応えありました。 なんとなく、二人だけの独特な空間、そして空気を感じました。 歌唱力は、高音のパートなのですが、の太い感じで伸びがあり、 聞きごたえありました。

綾音役の鈴田林沙

軽いツッコミをひとつ。 パンフレットの写真と実物が違うような(汗) まっ、それは置いといて。 役柄的には、ホワホワ~とした感じの役でした。 藤澤志帆ちゃんのような、一種独特な、自分だけの世界観を持つタイプです。 彼女は、表情が不思議ですね。つかみどころがない表情をします。 悪く言えばボッ~とした感じなのですが、 それが不思議となんとも言えない良い表情なのです。 物憂げな表情といった感じでしょうか?

カツゼツはとりたてて良いわけではないのですが、 なぜか良く聞き取れるんですよね。 ここも不思議。口を大きく開けるわけでもないのに。 声質的にはアニメっぽい感じです。 歌もなかなかいいですね。落ち着いた歌い方だと思います。

ひとつだけ引っかかるのは、何かにつけ、客席に視線を放ち、 お客に対して訴えかけるところでしょうか? なぜかわからないのですが、 相手と話していたのに、急に客席に向けて問いかけるような視線を放ちます。 決して悪いわけではないけど、ちょっと気になりました。 私的には、すごく好きなタイプなんですけどね(笑)

美咲役の飯塚沙織

ココスマイル3の頃から、私はけっこう注目してました。 今回、出番多いですね!ビックリ! 『ココスマ』出身ということもあり、演技はしっかりしています。 役が性格的にも似た感じかな? 優しく素直な感じが出ていたと思います。 沙織ちゃんと言えば、ダンス。 得意なだけあって、すごく見応えあります。 止めるところはピチッと止めるし、 俊敏で、スピーディーで、切れのあるダンスは見ていて本当に楽しい!

さらに、今回はソロもありました。 ココスマ3では、ほんのちょっとでしたが、今回はかなり長めです。 どんな感じになるのかちょっと心配したのですが(汗) でも、まずまず頑張っていたんじゃないでしょうか? 落ち着いた歌声だったと思います。 声に伸びがある歌い方ではないにしろ、十分に張りのある歌声だったと思います。

あかり役の三戸部瞳

初舞台とは言え、無難にまとまっていますね。 これから伸びてくるかもしれません。

利沙子役の加藤由美子

彼女はベテランですね。 しっかりした演技も良いですが、私的には歌う場面が印象に残ってます。

結役の土橋加奈



彼女もココスマイル3から注目していました。 毎回のことながら、癒し系の笑顔は最高! まっ、それはさておき(汗) 背筋もピシッとしてしっかりしているし、演技も頑張っていました。 私的にはダンスが印象に残っています。 共演者と比べると背が高いこともあり、ダイナミックなダンスでした。 こういった成長した部分を見せられると、すごく嬉しいです。

美帆役の春原葵

やけに歌がうまいな~と思ってパンフレットを見ましたら、 のど自慢大会で優勝するほどの実力をもっていたのですね。 彼女の歌唱力は、今でも強く印象に残っています。

千夏役の榎本愛

まだまだ初々しいですが、笑顔はなかなか素敵でした。

萌役の外山実璃杏

過去の経歴や実力は、言うまでもなく本当にすごい女の子です。 ただ、今回は正直イマイチでした。 まず、なぜか彼女から覇気を感じられません。 今までは実璃杏ちゃんの独特なオーラを感じたのですが、今回は無し。 甘ったるい口調なので、ちょっと聞き取りずらいところもありました。 前回もそうだったのですが、頑張ってほしいです。

さらに気になったのは、『劇場のゴースト』のナンバー。 ダンスの最中で、髪の毛が気になるのか、何回かいじくります。 ここは残念でした。普通はそういうのを我慢するものなのですが。 実璃杏ちゃんの実力から言えば、 そういうことを知っているはずなのにな~と思いました。

小さな子のメンバーは、みなさん凄かったです。 特に違和感のある子はいませんでした。 その中でも、内藤もゆのちゃんは、かなり秀でてますね。 ルックスは可愛らしいですし、表情の付け方も抜群! ダンスもキビキビとしていて、じつに見応えあります。 彼女は間違いなく伸びるでしょう。予言できます。 もちろん、ダンスや舞台の道に進むという大前提がありますが。

歴代、Kiddyで活躍した、舩橋理佳子ちゃん、 吉田茉歩ちゃん、杉浦麻未ちゃんも大人っぽくなり、 舞台の方もレビューの方も楽しませてもらいました。

私的に一番のヒットは岩瀬紗也加

この子は、役柄的に地味ではありますが、やることはしっかりやる子ですね。 笑顔が可愛らしく、表情もすごく豊か。 歌う場面では大きな声がハッキリ出ていたし、ダンスは機敏で見応えあります。 なにより、彼女からはすごくやる気が伝わってくるんですよ。 これは重要だと思うけどな~! ぜひとも、いろいろなところで活躍してほしいです!

気になったレビューメンバー

加賀谷一肇

言うこと何もありません(笑) カッコいいのは当たり前なのですが、もう完全に大人のプロですね。 『TOY’S PARTY』は、めちゃくちゃ楽しかったです。! 加賀谷真聡くん、千葉恵祐くん、花澤祐斗くんの4人のユニットのダンスは、 このままデビューさせても全く問題ないほどのレベルです。 4人ともルックスいいですし、すぐにでも人気出ますよ。 今回のレビューは、この男子4人がすごく効いていました。 相当、力、入れたでしょうね。

加賀谷真聡のダンスも秀逸。

あくまで私の見た限りですが、 足技(?)のスピーディーさは、一肇くんを越えている感じがしました。

ジョーカー役の森見はるな

レビュー最初から登場することもあり、 インパクトがありました。 かなりの実力者のようですね。 瞳に、強い意志のようなものを感じました。

細田真衣

小さい子の中では、彼女が非常に目立ちました。 表情付けが豊かで、笑顔も可愛かったです。

総括

私的にはレビューも楽しめたし、ミュージカルの方も楽しめて、大満足でした。 1回で帰ろうかな~と思ったのを、2回見たほどですから(笑) チケット代を考えると高い方かもしれませんが、 将来性十分の役者さんたちを見られるということを考えれば、 見合うお値段だと思います。

※敬称略
キャスト表