アルゴ・ミュージカル 『子猿物語』

◆公演時期   1994年7月〜8月 13都市 29回公演
◆会場 五反田ゆうぽうと・他
◆企画・原案・音楽 小椋佳
◆演出 野沢那智
◆脚本 高橋みちこ
◆音楽監督 川辺真
◆歌唱指導 山下美音子
◆舞踊監督 森田守恒
◆振付 小川こういち・河野恵理
◆美術 島川とおる
◆照明 西川園代
◆衣装 八重田喜美子
◆音響 清水吉郎

あらすじ

みなさんは、猿の世界がどういうものか知っていますか?
ニホンザルの厳しい春夏秋冬の世界が、この舞台を見るだけで理解できます。

自然の中で生きていくって・・・本当に厳しい世界。
『なんとかならないの?』
猿の中で意見が繰り広げられます。
『そうだ!動物園だ!』
動物園ならエサに不自由もせず、厳しい自然にも耐えられる。
そう思い込んだ何匹かの猿たちは、群れから飛び抜け、
動物園へとやってくるのですが・・・


観劇感想

アルゴミュージカルを初めて生で見た舞台が、この『子猿物語』でした。
今まで演出をなされていた犬石隆先生に代わり、
野沢那智さんが行うということでも注目を浴びた舞台でした。

今回は今までのアルゴとは違い、
現実的風刺が、かなりたくさん見受けられます。
ニホンザルをメインに持っていくというのも、
かなり冒険がいることだったでしょう。
道徳的、勉強的意味あいが多かったけれど、僕はとても楽しめました。

猿のリーダーの話や、20年ぐらいで一生を終えるなど、
初めて見る子供たちにも、
そういった知識を覚え込ませることに成功したと思います。

ダンス、歌の配分もよく、なにより、歌詞がいいですよね。
ニホンザルの詳しい説明は、だいだい歌で表現されていますから、
子供たちの脳にもビビビと入りこんでくると思います。

全体的には明るい曲が多いかな?
『動物園へ行こう』はとても元気が良く、
本当に鼻唄まじりで歌っちゃうほどです。
個人的に一番すきな歌詞は、『楽じゃなくてもいいさ』の中にある二番の曲、

『誰がわき役か、誰が主役か、運の良し悪しは、仕方のないこと
大切なことは あきらめないで 自分物語 自分で作る
それはきっと楽じゃないさ、楽じゃなくて、いいさ いいんだ』

主役、わき役なんて関係ない。自分の手で自分の物語を作る。
それは楽なことではないけど、それでいいんだ。ガンバロウ!
なんか、あったかい歌詞ですよ。僕はとても大好きです。

それから『山に抱かれて』の中にある、

『君はほんの少しの、後ろめたさもなく
山や川や緑と、話が出来ますか』


もいいですね。
小椋さん一人の歌声も確かにいいけど、この曲は子供たちで歌った方が、
なんか訴え感がある(?)思いがします。

今回はゴマ役の男の猿が亡くなってしまうんですけど、
僕的には嫌いじゃないです。
人が死ぬ場面を見せずに、
物事を伝えるって本当に難しいことだと思います。
できればそうしたいけど、やはり演出上必要なところはあると思いますから・・・

個人的に格闘技が好きなので、異種格闘技戦は、とても嬉しかったです。
もちろん子ども向けですけど、すごく楽しめました。
扇子(せんす)で戦うっていうところが、またいいです。

気になった役者さんは・・・・・

やはり、なんといっても主役のリーダー役、河合篤子さんでしょう!

カッコイイ!という、まさにその一言。宝塚っぽかったです。
『魔法使いの夏休み』のミドリ役から好感を持っていたのですが(笑)
今回もバッチリやってくれました。

男性らしい迫力あるダンス、そして声量のある歌声。
本当にすばらしいですよね〜
格闘技のところなんて、秀逸です。

ゴマ役の俵和也君は、言うまでもなく、うまいです。

今回の役は地なんでしょうか(笑)
そう思ってしまうほど、本当に役にハマッテいました。
何度もアルゴに合格しているベテランではあるけど、
演技とか喋り方はいいですよね〜

そして声量!
彼なくして、アルゴの男性の歌声を語ることはできないでしょう。
ハッキリ言って、僕は大好きです(笑)
今回は亡くなる場面、かなり苦労したみたいで、
公演中でも微妙に表現を変えていました。
余談ですが、『プリンセス・ハムレット』という舞台で、
大きくなった彼の姿を見ることができて、
感動しました〜!

ミミ役の女の子はダブルキャストで、
加賀千尋ちゃんと、安藤聖ちゃんです。

安藤聖
ちゃんはベテラン(?)さんなので、
すべてにおいて、うまくまとまっていました。
ダンスもセリフの喋り方も、歌唱力も抜群です。

どちらのミミが良かったかと言われると、
全体的なバランスという点に関して言えば、
安藤聖ちゃんの方が良かったと思います。

だがしかし!僕的には加賀千尋ちゃんの方が良かったです。

彼女は初舞台のようですが、
なによりその荒削りなところが、すごく好感持てました。
安藤聖ちゃんの無難なミミとは対称的に、
気が強そうで何をしでかすかわからない、
創造的なものを感じました。

ダンスも歌も、この時点ではまだまだでしたけど、
荒削りで未完の大器のような感覚は感じとれました。
この舞台での一番のヒットは、彼女で間違いなしです。

小嶋亜美ちゃんのガリ役もいいですね。

第一幕がほとんどメインでしたけど、その存在感は抜群でした。
個人的にはメガネを取った表情の方が好きなんですけどね〜
演技もダンスも良かったです。

ボサ役の伊東育己ちゃんも、またまた良かったです。
『子猿物語』は、素敵な役者さん多すぎですよ(笑)

何よりも、その存在感が彼女はすばらしいです。
意外に彼女の演技を見つめることが多かったかも・・・
それほど引き込まれる演技と表情でした。
扇子で戦う異種格闘技戦でのダンス(?)も、
なめらな動きで魅了していました。

米澤モモちゃん、佐藤夕美子ちゃんも、
その存在感はとても大きいものがありました。
橋本のり子さんが加わった『恋の予感』のナンバーは、
キャンディーズ並みの(笑)すばらしい歌声でした。
あの三人の表情は、本当に魅了されます。

佐藤夕美子
ちゃんは、ペケとゴリの2役を演じていました。

ペケのおとぼけキャラは、さすが佐藤夕美子ちゃん。
うまい、うますぎる〜!
何でもうまいですね〜彼女は。
ただ、ゴリはかなり怖かったです(;^_^ A
憎まれ役ですけど、それを十分に果たした演技だったと思います。

オド役の渡辺麻衣ちゃん、いいですね〜

オドオドした表情、すごく上手でした。
この役を佐藤夕美子ちゃんがやったとしたら・・・
さすがに厳しいものがあるかもしれないですね。

ソロの場面がありますけど、 ちょっと声量が弱かったかな〜
それとも、のどの使いすぎだったのか、詳しいことはわかりませんが、
もうちょっと頑張ってほしかった。
でも、あの表情はとても素敵ですよ。


全体的に、すごくたのしい舞台でした。
再演って・・・・・あるんでしょうか?(笑)
僕は観たいですけどね。
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