公演時期 | 2002年10月27日 |
---|---|
会場 | 東京 前進座劇場 |
原作 | ルイ・ザ・メイ・オルコット |
あらすじ
観劇感想8月の公演でも楽しめましたが、再び観劇する機会が訪れ、 とても楽しみにしていました。 基本的には再演ですが、前回メグ役だった手塚佳代子さんがジョー役を、 メグ役を元アニーの安藤由紀さんが演じます。 前回同様、今回もとても楽しめました。 印象的には、エイミー役の渡辺里佳ちゃんが主役でした。 おそらく、イマジンの方も彼女を相当プッシュしていることでしょう。 まさに彼女がエースと言っても過言ではありません。 彼女を引き立てるための演出も、前回以上に数多く存在しましたから。 最初の導入部分、 いきなりアンサンブルの方が客席内に登場するのですが、 なかなかいい演出だと思います。 客席と舞台との一体感、 それを初めにやってしまおう、という考えなのでしょう。 アンサンブルの方がたくさんいるので、 その活かし方が重要だと思いました。 ミュージカルナンバーの中では、 シチューのナンバーが一番好きかな? 四人が楽しそうに歌い踊っている・・・ 一番、若草四姉妹の特徴を表現しているナンバーだと思います。 演出もとてもメリハリが効いています。 静かな部分、明るい部分、シリアスの部分、コメディな部分。 素人の私が観ても、ひじょうにバランスがとれているな~と感じました。 タップのところもいいですね~! 気になった役者エイミー役の渡辺里佳前回も素晴らしかったのですが、今回はそれ以上に出来が良かったです。 元々エイミー役は目立ちますが、それ以上に目立ちました。 セリフの言い回し方がうまいし、 喜怒哀楽、表情の付け方もむちゃくちゃうまいです。 それほどダンスシーンが多いわけではありませんが、 彼女のダンスレベルが高いことは観ればわかります。 歌唱力はマズマズかな? 今度は、少し長いソロが聞きたい! エイミー役は本当にエイミーそのものでした。 無邪気で、明るく、お茶目なエイミーそのまんまです。 舞踏会のコメディチックなシーンで笑いをとり、 ジョーの小説の原稿を燃やしてしまうシーンでは、 エイミーの気持ちの微妙なゆれぐあいを、観客に無言で伝えていました。 前述しましたが、いまやイマジンの大エースです。 次回の舞台では主役でも問題ないでしょう。 彼女には本当に華があります。素晴らしいです!! あえてちょっと気になる点をあげれば、 (たいしたことではないですが) 一番最後の曲『イマジンソング』で、 『君と君と君と・・・』と、指を観客に向けるシーンがあるのですが、 あまり気持ちが入ってませんでした。 ここって、意外に重要なんですよね。 舞台の人から指を指されるのって、観客として、とても嬉しいことです。 その指している人が、無表情というのはちょっと残念でした。 昔だと、樋口智恵子ちゃんが、 笑顔で、明るく楽しそうに指を指していたのを思いだします。 もし次回があるのなら、そこに気をつけてほしいな~と思いました。 でも、本当、今回の彼女は素晴らしかったです! ベス役の藤澤志帆今回のベスも素晴らしいです。 毎回ですが、彼女の優しい笑顔には本当に癒されます(涙) 演技、ダンス、歌唱力、すべてに安定した力を発揮します。 ただ、ちょっぴり気になったのは、ダンスシーン。 彼女、とても悲しげで憂いのような表情をするんですよ。 なにかを思いつめているような、とても悲しい表情。 まっ、私の気のせいだったのかもしれません。 ベスの、人見知りで、はにかんだ表情は本当に抜群です! あれを観たら、男はみんな惚れる(笑) メグ役の安藤由紀おっきくなったぁ~! これがまず第一印象。ど~してもアニーの印象が強い。 彼女にしてもみても、元アニーというイメージを払拭したいはずです。 演技はとてもしっかりしています。 落ち着いたメグというよりも、やや積極的なメグという感じでした。 3人の妹をまとめあげる長女、 その抱擁感ある演技も印象に残っています。 ブルック氏との恋の場面も、なかなか良かったです。 歌唱力は、普通だと思います。 ジョー役の手塚佳代子前回、彼女はメグ役でしたが、私としてはジョー役の方がいいですね。 なにか彼女にあっていると思います(本当の性格は知りませんが) 落ち着いたメグの役よりも、明るく、積極的で、行動力あるジョーの方が、 彼女の演技が生きると思います。 前回ジョー役だった神崎詩織さんと比べてると、 演技の幅という点においては、やはり上だと思います。 男性っぽい行動力あふれる場面は、とても魅力的でした。 優しさという表情は、神崎さんの方が良かったかもしれませんが。 ローリー役の設楽みのる演技も上手でしたが、ダンスの方が特に印象に残りました。 ブルック役の関根淳アドリブだったのかはわかりませんが、 イマジンミュージカルであんなコメディチックな場面が出るとは、 夢にも思いませんでした。ちょっとビックリ! マーチ伯母さん役の栗須絵里子いじわるっぽい性格ながらも、じつは優しいマーチ伯母さん。 なかなか良かったです。 ただ、やはり若いな~という印象を受けました。 高校生レベルでも、老人役はうまい人は本当にうまいです。 このマーチ伯母さんは、まだ若さが垣間見えました。 他に印象に残ったのは、 篠原杏里ちゃん、山浦日紗子ちゃん、山脇奈月ちゃん。 あと声が良く出ていたのが、 たぶん才記玲菜ちゃんか、乾菫子ちゃんだと思います。 (ここは、ちょっと未確認) 総括私としては、再演という形で観ることになりますが、 前回同様、本当に心から楽しむことができた舞台でした。 「まずまず」という表現はあっても、 「つまらなかった」とは絶対言えないです。 それだけ安定した舞台だったと思います。 私自身は本当に楽しめましたから、大満足です。 ひとりのキャストにばかり注目してはいけないのですが、 やはり、渡辺里佳ちゃんの成長が本当に楽しみです! ※敬称略 |