◆  『PRESENT』

◆公演時期   2002年8月27日〜28日
◆会場 亀有リリオホール
◆作・演出・振付・総指揮 郡司 行雄
◆作曲・編曲・音楽監督 玉麻 尚一
◆作曲 滝 千奈美
◆美術協力 孫福 剛久
◆照明 山田 茂
◆舞台監督 今井 道幸

あらすじ

21世紀、人類も目ざましい発展を遂げた。
しかし、そんな時代にも次々と街は破壊され、
安住の地を求めさまよう難民の姿があった。
砂漠の街ピンクシティ。
そこにはマンホールチルドレンが肩を寄せ合い静かに生活していた。
そこへ、外の街から来たジプシーたちが現れ、
寒波を防ぐためにと、そのマンホールを乗っ取る計画をたてます・・・


観劇感想

郡司企画の新作ということで、とても楽しみにしていました。

まず、なによりも今回は『脚本』がすばらしいです!!
なかなか深い話で、戦争のなんたるか、精神論も飛び出してました。
ただ単に戦争の善悪を語るのではなく、
『生きるためにどうすべきか?』
謎解きのような舞台でした。

『GANg』のわかりやすいファミリーミュージカルとは違い、
今回の舞台は、観劇の対象年齢高いでしょうね。
逆に高年齢の人の方が受けるかもしれません。

夏の舞台は、終戦記念日関連もあり、戦争ものの舞台が多いです。
その中で、今回の『PRESENT』は、本当に見応えありました。

今回はダンスがメインでしょうね。
ベテランの人が多いこともあり、『GANg』よりもダンスレベルは高いです。
歌は大塚さんにお任せって感じでした。

で、大塚さんのサディア役。
すばらしいしカッコイイし、占い師役がまたハマッテるんです。
『パワー』のナンバー、これが一番印象深いでしょう。
ずぅ〜と耳に残ってます。

争いがいけないことは誰もがわかっていること。
しかし、知人が殺されたら?黙って指をくわえ耐え忍ぶのか?
なかなか難しい判断です。
ただ、人質を取っておいて、権利を主張するやり方はダメですよね。
『要盟は守るべからず』
対等の立場で結ばれた約束は守らなくてはいけないが、
脅迫や強要によって押しつけられた約束を守る必要はないってこと。
これがあるんで、さすがに私もラガーの選択は正しいと思います。
もちろん、舞台の上の話ですが。

最後のシーン。
私の考えとしては、ほとんどの人が死んで、
立ち上がった女の子、男の子だけが生き残ったと解釈しています。
この方が話の内容からして、しっくりきますから。
ただ、ファミリーミュージカルということもあり、
みんな死んでしまうと(精神衛生上)まずいので、
死んだかどうかわからない曖昧な感じで終わらせたのだと思います。

そういえば旗を振るところ、
『GANg』のジャイオ・ラオフーを思い出しますね。

気になった役者さんは・・・

今回は人数多いですし、私は一回しか見られなかったので、
かなり曖昧な点があります。

今回、主役という主役はいないかな?

ボウ役の桐生康詩さん。

元悪役商会ですし、『GANg』の時から、悪役のイメージがあるので、
本当に今回の善人はビックリでした!
この舞台が決まった時、
桐生さんはまた悪役なんだろうな〜と思ってたくらいですから(笑)

で、その善人。なかなかいいですね〜!
ミスキャストではないですよ(汗)
無抵抗完全平和主義者という肩書を持っているような善人。
とてもうまく演じていました。
ただ善人だけではなくて、面白味もあります。
私的には、じつは彼がこの世界を作ってしまった張本人・・・
という設定も期待してたんですけどね(笑)

歌は、微妙かな〜?
低音のかすれ声。これは好き嫌いわかれると思います。
こういう歌い方があって当然ですからね。
桐生さんの迫力に負けた〜って感じです。

サディア役の大塚恵子さん。

今回の役者さんの中で一番の驚きは彼女です。
『GANg』のメアリー叔母さんは、
歌ったり踊ったり、激しい部分はありませんでした。
しかし、今回のサディア役。すごいです。
まずは何よりも、あの歌声。
いいですね〜!惚れた(笑)
あんなに迫力ある歌声だとは思いませんでした。
『パワー』の曲は、今でも耳に残ります。

さらにはダンス。めっちゃいい!
細身の体で切れのあるダンス。
年齢忘れそうです(汗)
すっごく光ってました。

アンジェラ役の西川純代さん。

かなり素晴らしい実績の持ち主です。
ダンスレベルは私が言うまでもなく、本当に素晴らしいです。
体からオーラが出ていましたね。観客を魅了していました。

ただ、この役柄的に、本当に必要だったのかちょっと疑問です。

ビビアン役のTomocoさん。

歌、ダンスともにすばらしいですね。
演技もユニークなキャラで観客の笑いを誘っていました。

スーリア役の大木香枝さん。

今回けっこう出番が多くて、私としては嬉しいです。
演技とか間の取り方は、ほんと絶妙ですよね。
彼女が出てくるだけで、舞台が引き締まる感じ。

言うまでもないのですが、タップも最高!
惚れた(笑)
ほんと、彼女の存在って重要です。

ラガー役の細木光太郎くん。

なかなかカッコいい役で大活躍でした。
私としては、ダンスシーンが一番いいかな?
すごく綺麗きれいだったし、止まるところはピチッ止まります。

演技の方も頑張ってました。
なんといってもリーダー的存在ですからね。
責任感ある態度、みんなをまとめる姿勢など、
なかなか良かったと思います。

ただ、声のほうがちょっとかすれ声でギリギリOKぐらいな感じでした。
喉の調子が悪かったのかな?
レオ役の菅谷英一くんのセリフがすごく聞きやすかったので、
そう思っただけかもしれませんが・・・

ミーナ役の森下紗奈さん。

前に『GANg』ではビルの役を演じています。
たぶん、ご舞台ではヒロイン役だと思います。
無難にこなしていて、演技も上手でした。
でも、不思議とあまり印象に残りませんでした。
なんでかな?

ターシャ役の河野早希子さん。

前に『GANg』ではランランの役を演じています。
う〜ん、結構活躍してたはずなんですけど、印象薄いです。

レオ役の菅谷英一くん。

三枚目的な役柄でしたが、すごく良かったです。
なんといってもセリフが聞き取りやすいのがいいです。
これって重要。
たまにオーバー演技的なところもあるのですが(笑)
今回は特に変なところは無かったですね。
彼のラガー役も観てみたいです。

ジュリア役の原口佳菜ちゃん。

まず率直な感想。
前より痩せてました。嬉しい!!
元々が可愛らしいルックスですからね。

で、演技の方ですが、今回は難しい演技を要求されました。
精神に障害を持った役って感じかな?
ちょっと妥当な言葉は見つかりませんが。

これは誰が演じてもかなり難しいと思います。
正気になったり、ちょっと意識が飛んだり、
さっきまで話したことを忘れたり、この演技はかなりたいへんです。
すっごくいい!とは言えないけれど、まずまず頑張っていたと思います。

彼女は、表情がいいですね。おだやか〜な感じです。
もちろん、本当の性格はわかりませんが、
舞台上からはそんな印象を受けました。

『お兄ちゃん』という言葉もすごくハッキリしているし、
気持ちもこもっていていいです。
彼女の場合、姐御タイプではなくて、やはり妹タイプだと思います。
まっ、どうでもいいことなんですが(笑)

バトラー役の沖長利典さん。

ジプシーのリーダー役として、なかなか力のある演技でした。
ただ、ちょっと声がかすれていたのが残念。
ギリギリ聞けるぐらいの感じでした。

クリス役の長谷川知香ちゃん。

ダンスシーン、意外と目立っていました。うまいです。

マリア役の秋元麻衣ちゃん。

『GANg』の時から、けっこうチェックしていましたが、
彼女の演技もなかなかいいです。
でも今回は目立ったのはダンスの方かな?
機敏なダンスは、観ていて本当に楽しいです。
小さな子役さんの中では、一番目立っていました。
さらには表情の付け方もいい。笑顔も抜群です。
彼女の今後の活躍に期待しましょう。
これから、もっともっと伸びるような気がします。

ケイト役の今井実希ちゃん。

この子もなかなかいいです。
表情の付け方がいいし、ダンスも良かったです。
きびきびとしたダンスは、かなり目立っていました。

蛇足ですが、カレン役+作曲の滝千奈美さん。
結構かわいい(笑)

総括

しっかりとしたメッセージがあり、心に残る楽しい舞台でした。
この夏はたくさん舞台がありましたが、
この舞台もすごく印象深かったです。

冬には『チャンス』の再演があるらしいので、そちらも楽しみですね。
さすがに今度は人減らしてほしい(笑)



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