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アルゴ・ミュージカル「誰もがリーダー誰もがスター」

満足度星星半星空星空星
公演時期 2002年7月25日~28日 8回公演
会場 東京 アートスフィア
小椋佳
演出・振付 宮崎渥巳
脚本・作詞 高橋亜子
歌唱指導 長田明子
美術 斎木信太朗
照明 高見和義
衣装 木鋪ミヤコ
音響 清水吉郎
舞台監督 岡林真央

あらすじ

とある中学校・女子バスケットボール部の夏合宿。都会の生活に慣れた部員たちは、自然の中での暮らしに戸惑い気味。レギュラーをめぐっての対立、地元の子供たちとの交流、そしてコーチとの確執、さまざまなトラブルの中で子供たちは。

観劇感想

私的に応援している子がいるのですが、ここは目をつぶって、正直な私の感想を書きます。

アルゴ復活!ということで、すごく嬉しいはずなのですが、内容的にかなりガッカリしました。まずなによりも、この脚本が去年行われた福島県うつくしま未来博に近いものであるということです。どうやら向こうの脚本は実質45分もので、残りが雑然と今までの歌を聞かせるというやり方だったようです。つまり、少ない情報を元に私のまとめた結論は、もしかしたら、実質45分ものの舞台を長くさせたのでは?というものでした。

観た方は、おそらくだいたいわかると思います。最初に、けんた、まもる、はなが登場するシーンでの大人の会話。ここが長すぎ。そして、小太郎、麗子先生とのかけ合い(光の橋を越えて)ここもやや長い。さらには竹馬。ここ、一番長いでしょ?結局この竹馬なんて、まいの優しい一面を見せるための長~い伏線だったりする。長すぎ。清水彩花ちゃんと鳥井潤子ちゃんファンは満足かもしれませんが。

静かな時間

さらに、今回気になったのは、SE(サウンド・エフェクト)まぁ、BGMみたいのものですが、それがほとんどなし。静か~な時間が流れてました。もちろん、歌の時の音楽はありますけど。ひとつ気になったのは、今回、音楽監督がいないんですよね。

過去のアルゴの曲

歌が出たので、歌の話。結局アルゴ16周年ということで、過去アルゴの曲がたくさんでてきます。前の歌詞そのままのものもありますが、ほとんどが変えたものです。この歌詞が、かなり意味不明。無理やりって感じが否めません。ほんと付け焼き刃って感じ。

『ヘルプ・ミー・ママ』や『好き・嫌い』も、えっ!なんでそんなのが出てくるの?って感じでした。やっぱりミュージカルとしての歌なんだから、自分の気持ちを歌にするはずですよね?舞台の流れから、あんな詩?または歌が歌えるとはとても思えません。唐突すぎます。それから、小椋佳さんの曲の中で『光の橋をこえて』はかなり好きなので、ほんとは大人ではなく、子供たちに歌ってほしかった。ちょっと残念。

セット、パンフレットが

セットも『スタート』の時と比べると、かなり見劣りします。おそらく予算が無かったのでしょう。ということは、いろいろ大変だということです。パンフレットもショボイです。レイアウトもひどい、写真もひどい、役者さんのコメントもない。時間が無かったとはいえ、今までのものと比べてしまうと悲しい。

それから、パンフレットには掃除や洗濯ををしている挿絵がありますが、実際の舞台では無し。ここも違和感あります。生活臭が伝わってこないんです。『魔法使いの夏休み』のようにしろとは言いませんけど。

物語の核の部分

で、結局何が言いたかったのか、意味不明。まぁ、意味合いとしては、麗子先生の気持ちが変わったということを言いたいのだけれど、特に感動みたいなものはありませんでした。あぁ、でもこの舞台の題名の『誰もがリーダー誰もがスター』ということが言いたいのかぁ。でも、やっぱり意味不明。物語の一貫性を感じられないんですよ。そして物語の起伏。前半は本当に淡々と終わってしまいます。

こんな内容でも、舞台に立っている役者さんたちについては話は別です。麗子先生役の立花かおるさん、小高奈月ちゃん、中村桃花ちゃんなど、涙まで流していましたから。これが感情移入したせいなのか、ただ涙を流す場面だから流したのか、それは本人に聞いてみないとわからないですけど。ただ、稽古時間が短かったことは、やもえないでしょうね。やはり急遽決まったのかな?真相は闇に包まれたままなので、私にもわかりません。アルゴ復活、舞台の公演が出来た、というだけで有り難いことなのかもしれません。

気になった役者

あき役の本田有花

今回目立った主役はいませんが、おそらく、あき役の本田有花ちゃんだと思います。前回『スタート』のあすか役のイメージが強いせいか、それとダブらせてしまいます。また同じ感じの役?って思いました。演技も良いし、ダンスもうまいけど、う~んやっぱり前回の印象が強すぎるのかなぁ~?

まい役の池田愛

なかなかいいですね。演技はしっかりしています。可愛らしいルックスですが、もうちょっと弾けてほしい気もする。でも十分目立ってますけどね(笑)そうそう、宝生舞に雰囲気似ています。

みか役の勝目雪菜

前に観た時と比べると、かなり女性らしい印象を受けました。優しく、ほんわかしたイメージは健在。意外と足が長いです。雪菜ちゃんはこんな感じの役が多いけど、やっぱり一番似合っていますね。ココスマイルのリン役は気の強い役でしたが、私的に穏やかな方が好きです。演技の幅を広げるためには、いろいろな役をやった方がいいことはいいんでしょうけど。Aグループとしては一番印象薄いかな~

たえ役の小高奈月

ダンスレベルはトップクラスでしょうね。見ていてとても心地良いです。ヒップホップ系のダンスが得意ということもあり、クラシック主体のダンスをするメンバーと比べると、たしかに華はあります。こればっかりは、ダンスの種類がいろいろあるので、良い悪いというのは難しいです。でも、印象には残りますね。

さらに彼女の演技。ふてぶてしい演技は見ていて最高でした。憎まれ役はお任せって感じ!ある意味、彼女の十八番かも。他の人が発言している時も、そういったふてぶてしい表情をずっと続けていました。流石です。でも、彼女はお嬢さま役とかもうまいんですよね。ほんとに演技をそつなくこなします。

とりたてて瞳が大きいわけではないけど、彼女の瞳には力を感じます。特にダンスシーン。ダンスのシャープな動きは言うまでもないですが、それプラス、瞳の輝きがあるんです。ここが彼女の最大の魅力ですね。

そして、今回は感情移入したのかどうかはわかりませんが、改心(?)した時は、涙があふれていました。正直、今回一番印象に残ったのは彼女です。

なな役の中村桃花

彼女の演技も凄く見応えありました。なにより、メズーラのイメージを払拭しました。これはすごい。憎まれ役も似合ってました。こういう幅広い演技ができるというのが、中村桃花ちゃんですね。演技の才能は抜群!彼女も感情移入しすぎたせいか、改心(?)する際、涙流してました。

あかね役の土田あい

とりたてて派手な役ではありませんでしたが、落ち着いた演技は流石って感じです。見てて本当に心地良いです。ダンスは流れるような優雅なダンス。奈月ちゃんとは対照的です。役柄的に、『スタート』の可南子役とダブっているので、私的には違った性格の役を演じてほしかった気もします。

くるみ役の渡野辺亜実

役柄的には地味な役ですが、ダンスうまいですよ!

かずみ役の水野夏美

この子も可愛らしいルックスですね。ただ、たまに表情が固まったり、視線が泳ぐこともあるので、そこを改善してほしいです。

まりこ役の富田千尋

この子は目で演技するタイプですね。舞台上では怖い印象を受けました。でも彼女、まだ小学6年生なんですよね。これから伸びるでしょう。

さやか役の柴原史佳

とりたてて目立った部分はありませんでしたが、美味しい部分はありました(笑)ボケボケ~とした性格は、私的にはかなり爆笑したのですが。
しかも、ほんとの性格と似てるんですよね。ここがまた笑えます。

表情の付け方は、前回よりもはるかに良くなりました。前は途中途中、顔が引きつる場面もあったのですが、今回は柔和(役のせいか?)常に眉毛がさがった表情をしていました。ダンスは、土田あいちゃんに似ていて、優雅で流れるようなダンス。派手さはないけどしっかりしています。私的には、ソロが無いのが残念。歌ってほしかった!!

そうそう、たしか史佳ちゃんは小高奈月ちゃんとペアを組んでダンスをするのですが、奈月ちゃんがヒップホップ系なのに対し、史佳ちゃんはクラシック系。やはり見栄えや勢いは奈月ちゃんなので、なんか史佳ちゃんが影みたいな感じでした。ちょこっと残念。

ちずる役の鳥井潤子

彼女も演技、ダンスともに素晴らしいです。喋り方が本当に滑らかで、清水彩花ちゃんとのかけあいもスムーズ。もう、言うこと無しでしょう。そして切れのあるダンス。彼女のダンスにも惚れますね。2幕最初の仮面をつけたダンスシーンでは、かなり目に止まりました。奈月ちゃんの次ぐらいに印象深いです。

一番思ったことは、前に観た時よりも抜群に可愛くなっていること。ビックリ!なんかあったんでしょうか?(笑)いや、本当に美人になってました。

はるか役の赤松由貴

『スタート』の時より、遥かにいいです。なによりも表情がいいですね。前は途中気が抜けた表情もありましたが、今回はそのへん、しっかりしています。おそらく相当練習したのでしょう。大満足です!ただ、彼女、客席に視線を向ける時、前列を中心に見渡すんですよね。他のキャストはおそらく客席中盤ぐらい見ているのに対して。ちょっとそこが気になりました。

やえの役の清水彩花

彼女の歌唱力は本当素晴らしいです。今回も、もちろん美声を披露してくれます。本当、癒されます。もっと歌ってくれてもいい感じ。演技もすばらしいです。ベテランですしね(笑)

なんとなくですけど、今まで彼女は刺々しいイメージが少しあったのですが、今回観た時、ずいぶと清廉されて柔和な表情になっていました。なんか清々しい印象を受けましたね。

ひとみ役の川田志織

う~ん、ひとみってどんな性格なのかな?ちょっとそこがわからなかったです。ということで、普段(?)の川田志織ちゃんのイメージしか思い浮かびませんね。ほんとそのままって感じでした。ソロ・・・ほんとにちょっとだけありました。もっと歌ってほしいです!ダンスの方は無難にこなしていたと思います。表情の付けかた、そろそろ頑張ったほうがいいかもしれません。笑顔だけ、というのは厳しいでしょう。

のぞみ役の船越真美子

この子、正直良いのか悪いのか、よくわからないです。自分の中で、彼女の実力をなかなか消化できないもので。

重要な、『何で私が腹筋とか腕立てをしなきゃならないの~!』とか言って走るところ。ここはイマイチでしょ?なんか変な感じがする。喋りがおかしいのかな?違和感ありますね。でも、ダンスは確実にうまくなってます。これは間違いないです。しかし~本当に、彼女の足、細いですよね。

けんた役の大山真志

かなりいいですね!演技は爽やかだし、喋りかたも自然。特に歌かな?少年的な高音ではなく、やや低音。でもそこをうまく使っています。彼のファンは間違いなく増えるでしょうね。ほんと良かったです。

まもる役の西川大貴

彼も、なかなかいいです。演技がすごく自然で、言葉尻もしっかりしています。歌は、もうちびっと頑張ってほしいかな?でも、そんなに悪くはないです。でも小6かぁ~!意外と年齢高いのに驚きました。

はな役の塚田唯依

今回はあまり美味しいところはありません。ちょっと残念。でも『夢は死なない』のソロがあったので嬉しいです。この年齢で、観客の心に花を咲かせます。

麗子先生役の立花かおる

言うまでもなく、演技、喋りは抜群にうまいです。特に喋り方がしっかりしていて、非常に心地よかったです。彼女も改心(?)する際、涙流してました。

総括

個々の役者さんを観れば面白いですが、内容的には、やっぱり、いまひとつでした。物語のメッセージが伝わってこなかったので。

改善するとしたら、、限られたメンバーにスポットを当てることでしょう。今回はいろんな子に当ててしまいましたから。『スタート』は5人に絞ってましたからね。そっちの方が性格付けはわかりやすかったですし。この舞台は、小椋佳さんへのメッセージ、または応援歌なのかな?そんなところまで深読みしてしまいました。次回(?)があれば、期待したいです。

※敬称略
キャスト表