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南青山少女歌劇団「風がはこんだ少女」1992年感想

満足度星星星星空星
公演時期 1992年3月~4月
会場 青山スパイラルホール
脚本 前田昌平
演出 利根川展
構成・振付・選曲 謝 珠栄
歌唱指導 平野民子・久保和範
音楽監督 甲斐正人
選曲 宮川亮
舞台美術 佐藤隆男
照明 松本修一
コスチューム・ディレクター 西村緑
音響 一ノ瀬数美
スタイリスト 横田淳子
舞台監督 川口直美

あらすじ

「また風が吹いて来た・・・・・誰も忘れることのできないあの日・・・・・」

初夏の日差しが差し込む、ここは南青山海風通り。 誰も知らないその通りは、風だけ風だけが導いてくれる。 そこにある、『台風学園女子寮』 将来は、自分の意志に関係なく『親の決めた道に進むこと、 それが幸せ、とレイ率いる「お嬢様5人組」 将来なんてどうでもいい、今が楽しければいいのさ、 と夢子率いる『落ちこぼれ5人組」 そして何事にも無関心な他の寮生たち。・

「お嬢様」と「おちこぼれ」の対立が進む中、 ある日、風に導かれ、ひとりの少女が寮を訪れます。 南の国からやってきたという少女ミナミは、 夢を全く持とうとしない彼女たちに疑問を持つ。 やがて、ミナミの天真爛漫さに魅かれ、 次第に彼女たちの心が開いていきます。 (パンフレットより抜粋)

観劇感想

TBSの深夜番組で放映してたものを見たのが、南少を見るきっかけでした。 それが「風がはこんだ少女」です。 当然のことながら、舞台は観ていないのですが、どうしても感想を書きたいので、 ビデオを見ての感想を書きます。

南少の数々の舞台の中でも『秀逸』として名高い舞台です。 私としても南少舞台の中で、ベスト3には入るでしょうね。 (ランクは決められないです)

話の設定自体は、 不良グループとお嬢様グループの対立という、よくありがちな設定です。 脚本家の人は大変なんですけどね、こんなこと毎回言われるから(笑) しかしながら、この舞台を熱いものにしたのが少女たちの熱演です。 なによりも主役の大越さんがいい! とりたてて、すっごい美人というわけではありませんが、 その圧倒的な演技力は、見るものを引きつけます。

曲がいいですよね。 『自由に生きていきたい』もいいし、 『夏色のメロディー』と『ドリーミートレイン』の大越さんは秀逸です。 エンディングで全員で盛り上がる『夢を信じて』は明るいし、みんなを元気にする曲。 これを聞くと本当に踊りたくなりますね(笑)

気になった役者

主役、ミナミ役の大越史歩

初めて彼女の演技を見た時、本当にオーラが感じられました。 「すごいよ、こいつ!」なんて、舞台なんてまったく観ていないながらも、 妙に感心していたことを覚えています。

このミナミという女の子の性格が、すごくいいんですよ。 ほがらかというか、純粋というか。 その性格を大越さんは十二分に引き出していました。 演技力が抜群ということもあり、ミナミという役と完全に同化しています。 惚れました(笑)

歌は、特にうまいというわけではありません。 でも、とりあえず無難にこなしていました。 大越さんのすごいところ、ひとつに絞るのは難しいのですが、 やはり表情でしょうね。 『ガラスの仮面』でいうところの、千の仮面を持っている感じ。 眉毛を微妙につり上げたり、上目づかい、下目づかいなど、じつに多彩。 あの表情があるからこそ、大越史歩という女優があると言ってもいいでしょうね。

レイ役の駒崎香織

お嬢様役はお任せって感じの駒崎さん。 イヤミなお嬢様役ですけど、かなりハマッテました(笑) 大越さんのミナミ、駒崎さんのレイ、河内さんの夢子。 この3人のトライアングルは絶妙でしたね。 演技がいくらうまくても、それを受け止める相手役がいなくては、 その人自身が浮いてしまう。 それが回避出来たのは、この3人の実力の賜物でしょう。

夢子役の河内浪江

変な言い方ですが、河内さんが演じる南少舞台での役の中で、 一番好きなのが、この『夢子』です。 昔のが一番なんだ、という意味ありげなツッコミは承知のうえです。 でも、この時の夢子、本当にハマリ役でした。 悪ぶってはいるものの、じつは心の奥底には優しさがある・・・ そんな微妙な演技を、とてもうまく演じていました。 心の中にある優しさ、まさしく河内さんみたい(笑)

空役の福島愛

やっぱり彼女はダンスでしょ! すごい見せ場、というほどのダンスシーンではありませんが、 その一端は垣間見えるはずです。 彼女の「空」も好きだな~

嫁役の菊地江麗

スラッとした背の高さが印象的。 演技のほうは、マズマズかな? しかし、ダンスのシーンは見応えあります。 可憐で優雅な舞のダンスでした。 これから注目していこうと思っていたのですが、退団、残念でした。

考古役の菊沢美和

パワフルダンスと、存在感を放出する口調と演技。 目立ちます!! なんというのかな~この年齢にして何かを悟ったような演技(笑) 素直で自然な演技なんですよ、彼女はこの時から。 彼女も表情の付け方がうまいです。

秘書役の飯尾麻耶

可愛らしいルックスはこの時から(^^ゞ ただ、地味な役柄なので、印象薄いです。 ちょっぴり残念。

モデル役の西條由利香

この時はポニーテールなので、今とは大きく印象が違います。 今は、ほとんどショートカットなんですけど。 たまには、またロングの髪を見てみたいです。 演技的には、ちょっとやっぱり雑ですね。 表情はマズマズ。頑張ってるんだけど。 でもモデルのダンスシーンは良かったです。 とってもプリティー!(死語)

婦長役の中川登志子

この頃は、ちょっとふっくらしてますね。 今はかなり細いです。そうとう努力したことでしょう。 演技もダンスも・・・まぁ~マズマズかな? それほど印象には残ってません。

ピーター役の小村美佳

演技はまだまだですけど、私的に好き(笑) 雰囲気が、なんかいいんですよね。その後を聞いた時はつらかったです。残念だな。本当に寂しい。でも、ありがとうと言いたい。感謝しかない。

リス役の木村容子

なかなかのハマリ役。 舞台慣れしているかどうかわかりませんが、舞台度胸は満点って感じ。 菊沢さんと彼女がからむと怖いです(笑) どちらかというと、演技派かな?

寮長役の玲花

おとぼけキャラでしたが、とても良く似合ってました。 南少卒業後、モデルのお仕事やテレビのお仕事をしていましたが、 意外とボケボケキャラでないことにビックリしました。

寮生役のひとり、樋口奈津子

この舞台で南少を卒業です。 そのためもあって、、アンサンブルとして大活躍していました。 表情の付け方もうまいし、ダンスもいい。 もっと活躍するところ、見てみたかったですね。 惜しむらくは、あと3年若かったらって感じです。 でも、本当にご苦労さまでした。

ピックアップ

世永亜美さん、大野ちひろさん、片岡香奈子さんなどもいますが、 ほとんど端役のため、印象薄いです。 また、ちびっこキャラとして、堀川由理ちゃん、堤加奈子ちゃんがいますが、 ただ、ちっこいだけですね。特にダンス、演技を評価できるレベルではありません。

総括

マジで楽しい! この時が『南少』の頂点、と言いたくなるほどの出来。 彼女たちの純粋な気持ちが、見る者を感動させるのかな? ただ、問題は、人それぞれ、年齢や、 その時の精神状態によって受け止め方が違うということ。 私はその時の年齢もあってか、素直に受け止めることができました。 今初めて見たとしたら違った印象を受けるでしょうね。

※敬称略
キャスト表